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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.532 2011年5月10日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:第6回全国人口センサスに見る中国人口動向】
●中国出生人口は依然として男多女少
●広東が中国人口最大の省に 常住人口は1億を超す

┏【統計:第6回全国人口センサス】
●2010年第6回全国人口センサス主要データ公報(第1号)
●2010年第6回全国人口センサス主要データ公報(第2号)
●2010年第6次全国人口センサス 外国人主要データ

┏【労働】
●健康調査 中国製造業での健康問題、深刻に
●日本向け農産品大量注文が殺到 残業で増産

┏【国内政策】
●四川地震被災地域の電気が全面復旧、一部で被災前の水準超えも
●1―3月中国検察機関 県、処レベル以上の国家公務員632人取り調べ
●食品安全監督管理問題に関する質疑書を提出

┏【経済データ】
●外国為替(5月9日)

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……【特集:第6回全国人口センサスに見る中国人口動向】………………………
●第6回全国人口センサス発表 中国出生人口は依然として男多女少
 中国の人口はここ10年来低成長を続けている。増加速度は過去10年よりはるか
に低く2032年までに人口はゼロ成長になると予測されている。
 国家統計局は28日、国務院報道弁公室実施の記者会見において、第6回全国人
口センサス(国勢調査)の主要データ公報を発表した。

 香港、マカオ、台湾を合わせた総人口は13億7053万6875人。そのうち、センサ
スに登録されている31省、自治区、直轄市と現役軍人の人口は合わせて13億3972
万4852人であった。
 常住人口に基づけば、ベスト5位は広東省、山東省、河南省、四川省、江蘇省
である。

 2000年第5回全国人口センサスと比較して10年で7390万人の増加であり成長率
は5.84%、年平均では0.57%の成長率である。この数字は、1990年から2000年の年
平均成長率である1.07%から、0.5%減少している。

 馬建堂局長の分析によれば、これは中国の人口の急速な成長が引き続き有効に
調整されていることを示す。
 1990年から2000年までの10年間の中国人口の純成長は1.3億だったが、この10
年はその後の10年と比べ、人口純成長は約5600万人の減少した。つまり、中国の
基本国策である計画出産が比較的よい形で実行され、人口増加による資源環境へ
の圧力も緩和したことを示している。
 国家統計局の張為民副局長は記者会見で、本紙取材に対し、中国の人口増加は
継続して下降し、中国は2032年前後にはゼロ成長となるだろうと明かした。

 このほか、今回の人口センサスによって、1370万人に戸籍がなく、その原因は
多くの方面にわたることも明らかになった。〔新京報2011年4月29日〕

●広東が中国人口最大の省に 常住人口は1億を超す
 国家統計局が29日発布した2010年第6回全国人口センサス(第2号)の主要デー
タ公報によると、広東の常住人口が1.04億人に達し全国総人口の7.79%を占め、
中国人口最大の省となった。

 常住人口数のベスト5位は、広東省、山東省、河南省、四川省、江蘇省。2000
年人口センサスのベスト5位は河南省、山東省、広東省、四川省、江蘇省であった。

 国務院第6回全国人口センサス代表グループの副リーダーであり国家統計局の
馬建堂局長は28日、今回の人口センサスデータにおける非常に明らかな特徴は、
沿海における先進省の常住人口の比重が増加していることで、内陸の発展途上地
域における常住人口の占める比重が下降していることだと指摘した。

 国家統計局が28日に発布した第6回全国人口センサスデータによれば、中国の31
省区市、現役軍人の人口は合わせて13億3972万4852人で、2000年第5回全国人口
センサスと比較すると10年で7390万人の増加、年平均0.57%の増加となった。1990
年から2000年までの間で1.07%であった年平均増加率は0.5%の下降となった。
〔中国新聞網2011年4月29日〕

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……【統計:第6回全国人口センサス】………………………………………………
●2010年第6回全国人口センサス主要データ公報(*1)(第1号)
 全国人口センサス条例、国務院の第6回全国人口センサス展開に関する通知に
基づき、中国では2010年11月1日0時を基準時として第6回全国人口センサス(*2)
が行われた。国務院及び各地方政府の指導、センサス対象全体の支援協力のもと、
広大なセンサス従事者の苦労と努力を通じ、既に人口センサス業務は円満に終了
した。早急に取りまとめた主要データは以下のとおり発表された。

1) 総人口
 全国の総人口は1370536875人。
 内訳は、センサスに登録されている中国大陸の31省区市及び現役軍人(*3)の人
口は計1339724852人。
 香港特別行政区の人口(*4)は7097600人。マカオ特別行政区の人口(*5)は552300人。
 台湾の人口(*6)は23162123人。

2) 人口増加
 中国大陸31省区市及び現役軍人の人口は、第5回全国人口センサスの2000年11
月1日0時の1265825048人と比較し、10年で計73899804人増加、増加率は5.84%、
年平均増加率は0.57%。

3) 世帯人口
 中国大陸31省区市の世帯数(*7)は401517330戸、世帯人口は1244608395人、世
帯当たり人数は3.10人、2000年第5回人口センサスの3.44人より0.34人減少した。

4) 性別構成
 中国大陸31省区市及び現役軍人の人口のうち、男性人口は686852572人で51.27%
を占め、女性人口は652872280人で48.73%を占めた。総人口の男女比(女性を100
としたときの、男性の女性に対する比率)は、2000年の第5次全国人口センサス
の106.74から105.20に減少した。

5) 年齢構成
 中国大陸31省区市及び現役軍人の人口のうち、0―14歳の人口は222459737人で
16.60%を占めた。15―59歳の人口は939616410人で70.14%を占めた。60歳以上の
人口は177648705人で13.26%を占めたが、そのうち65歳以上の人口は118831709人
で8.87%を占めた。
 2000年の第5回人口センサスと比較して、0―14歳の人口の割合は6.29ポイント
減少した。15―59歳の人口は3.36ポイント上昇した。60歳以上の人口の割合は2.93
ポイント上昇し、そのうち65歳以上の人口の割合は1.91ポイント上昇した。

6) 民族構成
 中国大陸31省区市及び現役軍人の人口のうち、漢族の人口は1225932641人で
91.51%を占めた。各少数民族人口は113792211人で8.49%を占めた。2000年の第5
回人口センサスと比較して、漢族の人口は66537177人で5.74%増加、各少数民族
人口は7362627人で6.92%増加した。

7) 各種教育水準人口
 中国大陸31省区市及び現役軍人の人口のうち、大学(短大以上)の教育水準の
人口は119636790人、高校(中等専門学校を含む)は187985979人、中学は519656445人、
小学は358764003人(以上各種教育水準の人は各種学校の卒業生、修了生、在校
生を含む)。
 2000年の第5回人口センサスと比較して、10万人当たりの大学の教育水準は3611人
から8930人に上昇、高校は11146人から14032人に上昇、中学は33961人から38788人
に上昇、小学は35701人から26779人に減少した。
 中国大陸31省区市及び現役軍人の人口のうち、非識字人口(15歳以上)は54656573人
で、2000年の第5回人口センサスと比較して、30413094人減少、非識字率(*8)は
6.72%から4.08%に減少し、2.64ポイント減少した。

8) 都市・農村人口
 中国大陸31省区市及び現役軍人の人口のうち、都市に居住する人口(*9)は665575306人
で49.68%を占め、農村に居住する人口は674149546人で50.32%を占めた。
 2000年の第5回人口センサスに比較して、都市人口は207137093人増加し、農村
人口は133237289人減少し、都市人口の割合は13.46ポイント上昇した。

9) 人口の流動
 中国大陸31省区市の人口のうち、居住地と戸籍登録地の郷、鎮、街道が一致せ
ず、かつ戸籍登録地から離れて半年以上の人口は261386075人。内訳は、市轄区
内で人と戸籍が一致しない人口(*10)は39959423人、市轄区以外では221426652人。
 2000年の第5回人口センサスと比較して、居住地と戸籍登録地の郷、鎮、街道
が一致せず、かつ戸籍登録地から離れて半年以上の人口は116995327人、81.03%
増加した。

10) 登録誤差
 センサス登録終了後、無作為で402のセンサス地点を抽出し、事後の品質サン
プリング調査を行った。サンプリング調査の結果、人口登録漏れ率は0.12%だった。

注釈:
*1) 本公報中のデータは速報値である。
*2) センサスに登録された対象とは、センサス基準時に中華人民共和国域内(境
内)にいる自然人及び中華人民共和国域外(境外)にいるが定住していない中国
公民を指し、中華人民共和国域内に短期滞在している香港、マカオ、台湾人及び
外国人を含まない。域内とは中国の税関の関税地域の中、域外とは中国の税関の
関税地域の外を指す。
*3) 中国大陸31省区市及び現役軍人の人口データは、域内に居住する香港、マカ
オ、台湾人及び外国人を含まない。
*4) 香港特別行政区の人口数は、香港特別行政区政府が提供した2010年末のデー
タである。
*5) マカオ特別行政区の人口数は、マカオ特別行政区政府が提供した2010年末の
データである。
*6) 台湾の人口数は、台湾の関連主管部門が発表した2010年末の戸籍登録人口デ
ータである。
*7) 世帯(家庭戸)とは、家族構成員を主とした、一カ所で共同生活を営む世帯
を指す。
*8) 非識字率(文盲率)とは、中国大陸31省区市及び現役軍人の人口のうち15歳
以上の非識字人口の占める割合を指す。
*9) 都市・農村人口とは、中国域内の都市(城鎮)、農村(郷村)地域の人口を
指し、都市、農村とは、2008年国家統計局「統計上の城郷区分規定」に基づいて
区分されている。
*10) 市轄区内の人と戸籍が一致しない人口とは、直轄市あるいは地級市管轄の
区内及び区と区の間において、居住地と戸籍登録地に同一の郷、鎮、街道の人口
が存在しないことを指す。
〔国家統計局2011年4月28日〕

●2010年第6回全国人口センサス主要データ公報(*1)(第2号)
 2010年第6回全国人口センサスの地域別常住人口(*2)関連データは、以下のと
おり発表された。

地域 人口数 比率(*4)(%)
(人) 2000年 2010年
全国合計(*3) 1339724852 100 100
北京市 19612368 1.09 1.46
天津市  12938224 0.79 0.97
河北省 71854202 5.33 5.36
山西省 35712111 2.60 2.67
内モンゴル自治区 24706321 1.88 1.84
遼寧省 43746323 3.35 3.27
吉林省 27462297 2.16 2.05
黒龍江省 38312224 2.91 2.86
上海市 23019148 1.32 1.72
江蘇省 78659903 5.88 5.87
浙江省 54426891 3.69 4.06
安徽省 59500510 4.73 4.44
福建省 36894216 2.74 2.75
江西省 44567475 3.27 3.33
山東省 95793065 7.17 7.15
河南省 94023567 7.31 7.02
湖北省 57237740 4.76 4.27
湖南省 65683722 5.09 4.90
広東省 104303132 6.83 7.79
広西チワン族自治区 46026629 3.55 3.44
海南省 8671518 0.62 0.65
重慶市 28846170 2.44 2.15
四川省 80418200 6.58 6.00
貴州省 34746468 2.78 2.59
雲南省 45966239 3.39 3.43
チベット自治区 3002166 0.21 0.22
陝西省 37327378 2.85 2.79
甘粛省 25575254 2.02 1.91
青海省 5626722 0.41 0.42
寧夏回族自治区 6301350 0.44 0.47
新疆ウイグル自治区 21813334 1.52 1.63
現役軍人 2300000
常住地確定困難 4649985

注釈:
*1) 本公報中のデータは速報値である。
*2) 常住人口とは、当該郷、鎮、街道に居住し、かつ戸籍が当該郷、鎮、街道に
あるか、戸籍未定の人。当該郷、鎮、街道に居住し、かつ戸籍登録地の郷、鎮、
街道から離れて半年以上の人。戸籍が当該郷、鎮、街道にあり、かつ外に移動し
て半年未満あるいは域外(境外)に仕事、勉強に行った人。域外とは中国税関の
関税地域の外を指す。
*3) この表の全国合計は、香港特別行政区、マカオ特別行政区、台湾の人口を含
まない。
*4) 各省区市(省、自治区、直轄市)の常住人口とは、全国合計常住人口(現役
軍人及び常住地確定困難人口)の割合を指す。
〔国家統計局2011年4月29日〕

●2010年第6次全国人口センサス 外国人主要データ
 全国人口センサス条例に基づき、中国は2010年11月1日0時を基準時として第6
回全国人口センサスを行った。今回のセンサスは、初めて中国域内に居住する香
港、マカオ、台湾人及び外国人をセンサス範囲に含めた。センサス時点でセンサ
ス登記を受け取った上記人数(*1)の主要データ発表は以下のとおり。

1) 総人数
 今回のセンサスのうち、中国域内に居住し、センサス登記を行ったのは、香港
人234829人、マカオ人21201人、台湾人170283人、外国人593832人で、合計1020145人。

2) 性別構成
 上記のうち、男性605821人、女性414324人。
 内訳は、域内の香港人は男性141321人、女性93508人。域内のマカオ人は男性
11708人、女性9493人。域内の台湾人は男性116547人、女性53736人。域内の外国
人は男性336245人、女性257587人。

3) 居住期間
 居住期間が3カ月以内が103754人、3カ月―半年が90078人、半年―1年が143210
人、1年―2年が183001人、2年―5年が249668人、5年以上が250434人。

4) 中国に来た目的
 ビジネスが204962人、就業が201955人、勉強が202482人、定住が186648人、親
類訪問が100113人、その他が123985人。

5) 地域分布
 居住地別に分け、人数が多い上位10地域は、広東省316138人、上海市208602人、
北京市107445人、江蘇省64177人、福建省62564人、雲南省47396人、浙江省36380人、
山東省33098人、遼寧省23834人、広西チワン族自治区23445人。上記以外の
省区市に居住するのは97066人。

6) 外国人の国籍構成
 国籍別に分けると、中国域内に居住する外国人数の多い上位10国家は、韓国
120750人、アメリカ71493人、日本66159人、ミャンマー39776人、ベトナム36205人、
カナダ19990人、フランス15087人、インド15051人、ドイツ14446人、オーストラ
リア13286人。
 中国域内の居住するその他の国家の外国人は181589人。

注釈:
*1) 上記外国人は、センサス基準時で中国域内(境内)に3カ月以上居住してい
るか、3カ月以上居住することが確定できる香港、マカオ、台湾人及び外国人を
指すが、出張、旅行等の域内短期滞在の香港、マカオ、台湾人及び外国人を含ま
ない。域内とは中国税関の関税地域内を指し、香港、マカオ、台湾を含まない。
〔国家統計局2011年4月29日〕

……【労働】………………………………………………………………………………
●健康調査 中国製造業での健康問題、深刻に
 14日に公表された「第2期中国都市(城市)健康状況大調査」によると、中国
の製造業に従事する人々の健康問題は深刻で、健康診断で異常が認められる率が
最も高かった。

 中国医師協会、中国医院協会、人民網など40の機関が共同で実施した今回の調
査の対象期間は4か月。広東省、浙江省、上海市、北京市、湖北省、湖南省、河
北省、江蘇省、山東省などの地域から有効回答14万9093件を得た。
 慈銘体検集団が持つ全国300万件の健康診断データと組み合わせ、健康面の負
荷が大きい順に十業種をランクづけしたところ、製造、金融、教育、マスメディ
ア、法律、IT、交通・輸送、広告、販売及び不動産などの業種が挙がった。

 製造業に従事する人のうち73.8%に血中コレステロール値異常、30.1%に顎・腰
椎異常、51.5%に体重超過または太り過ぎ、15.9%にピロリ菌感染で陽性、30.9%
に尿酸値超過、7.96%が胆嚢疾患、11.1%に高血圧で2.96%に空腹時血糖値超過が
認められた。

 調査チーム委員会の韓小紅主席は次のように分析する。「製造業では、8割の
人が毎日8時間以上の勤務と他の業種に比べて明らかに長い上、6割の人が週休二
日制になっていない。3割の人が常に残業し、7割近くが疲労を感じている。長期
にわたる超過勤務、休暇不足や運動不足の結果、健康にマイナスの影響が出ている」
 さらに、健康意識が低く、食生活の偏りや不摂生なライフスタイルなども、健
康問題を生み出す原因の一つとなっているという。〔中国新聞網2011年4月14日〕

●日本向け農産品大量注文が殺到 残業で増産
 東日本大震災で引き起こされた放射能漏れ事故は、日本の農業生産に甚大な影
響を及ぼしている。
 今回の震災は、日本国内の穀物、水産、畜産などの生産量を低下させると同時
に、放射能物質拡散の影響により水産品及び畜産品が汚染されている加能性があ
り、日本国内の農産物の供給不足が加速するかもしれない。
 このような状況のもと、日本が外国から農産物を輸入する傾向は急速に増加し
ている。中国の対日輸出額が比較的大きい鶏肉製品、水産品などは、中長期的な
チャンスに遭遇している。
 このようなチャンスは既にあらわれており、関連企業には近日、日本からの大
量の注文が頻繁に入り、操業時間を延ばし生産を増量させている。

〈日本が輸入する鶏肉の50%以上は中国から〉
 商務部のデータによると、2010年、中国は日本にとって最大の輸入国であり、
輸入額は1533.7億ドルである。中国から輸入している主要農産物の輸入額は全体
の4%を占め、鶏肉製品に至っては、日本が中国から輸入する最も主要な産品で、
鶏肉総輸入量の約55%を占めている。

 中信証券が以前発行した研究報告では、東日本大震災の地震、津波、放射能漏
れ事故が農業に与えた甚大なダメージは、日本国内の農産品の供給不足を加速さ
せると指摘している。
 中国の農牧畜食品類の企業にとって、日本の放射能漏れ事故が引き起こした食
品安全のニーズは将来、二つの主要な市場を生み出す。一つは、日本市場自体の
輸出需要、二つ目は、中国国内市場の輸入代替である。

 食品安全領域にたけている企業及び既に日本で市場開拓が進んでいる企業は、
将来多大な利益を上げることになる。
 多くの大手証券会社は、今回の東日本大震災により、中国から食品を輸入し逼
迫状態を回避しようとする需要がふえ、輸出にたけている食品企業はある程度の
商機が回ってくるだろうと見ている。
 具体的には、日本が輸入する鶏肉製品の約55%、冷凍野菜、生鮮野菜の44%程度、
エビの8%程度は中国からのものである。
 中国の鶏肉製品の対日輸出は全体の85%、ウナギのかば焼きは70%程度、エビは
22%程度を占める。

 今回被害を受けた日本の東北部は、米生産、エビ、ホタテ、畜産牧畜業の主要
基地である。地震と津波はもろに日本の海洋養殖業、漁業、畜産牧畜業に影響を
及ぼしている。
 日本の東北部は重要な海産品養殖と漁業地区であるが、地震と津波により、短
期的にはこれらの産業を直接的に破壊し、長中期的にも海洋と地質環境、養殖業
の生存環境にも影響を及ぼしている。そして、放射能漏れは日本周辺の生態環境
にはかり知れない後遺症を与えるかもしれない。

 中信証券は、中長期的に見て、日本の震災復興過程で、中国から輸入する水産
品、家禽類、野菜などの主要農産品の輸入量が増加することによって、畜産、養
殖業界が最も利益を得るかもしれないと見ている。

〈一部の水産品輸出量、価格が一斉に上昇〉
 日本への農産品輸出のビジネスチャンスが現在、山東、浙江などに顕著で、一
部の企業の日本向けの輸出注文が近日急上昇し、多くの企業が供給が間に合わな
いと悲鳴を上げている。

 東方アイガーの陳樹豊副経理は、被災地が日本の主要な農業、漁業地区である
ため、代替できない必需品について、日本の消費者は中国など近隣の国から野菜
やインスタント食品の購入量を大幅にふやすしかないと指摘している。
 現在、中国にある一部の野菜加工企業は操業時間を延長し増産しているが、日
本からの注文をこなすことができない。陳樹豊副経理によると、江蘇、浙江、安
徽、山東などでは、多くの加工工場が価格上乗せ、輸出量増量の恩恵を受けてい
るという。
 安徽省黄山市のワラビ缶詰加工工場でも、操業時間を延長し増産体制に入って
いる。日本の放射能漏れ事故以来、この会社の日本からの注文は50%近く増加した。

 山東徐州金田食品会社の責任者によると、震災発生後、日本にタマネギ、ゴボ
ウなどの野菜600トン近くを輸出したが、これは平常時の10%以上多いという。
 最近、会社の注文数は増加の一途をたどり、価格が約5%上昇しても、日本の顧
客は快く受け入れてくれるが、そのかわり発送を急ぐよう求めてくるという。

 山東好当家によると、日本からの野菜、食肉、小麦粉加工品の注文が大幅に増
加し、出荷が追いつかない状態であるという。
 これと同時に、大変な従業員不足もあらわれ始めている。生産拡大と出荷を間
に合わせるために、会社は近隣の村民を援軍として集めざるを得なくなっており、
下は18歳から上は60歳までの村民の多くがどんどんと会社に雇われている。会社
は村民の送り迎え専門に4台のバスを購入したほどである。

 このほか、これまでの日本の顧客にコントロールされていた状態から、会社が
日本への輸出価格決定権を持ち始めたことで、多くの商品の輸出価格が上昇して
いる。

〈生産能力不足が「恩恵の悩み」になる〉
 日本からの注文が激増しているとともに、生産能力不足が「恩恵の悩み」とな
る企業も少なくない。
 好当家、東方海洋等多くの上場企業はこの種の「悩み」を感じている。

 東方海洋の于徳海董事会秘書長は次のように述べる。「日本から多くの顧客か
らの追加注文を受け、以前取引のなかった新しい顧客も積極的に会社に連絡をと
ってくる」
 しかし、東方海洋が現在最も困惑していることは、生産能力がネックとなって
いることである。
 東方海洋の100%子会社の煙台山海食品を例に挙げると、山海食品の目下の年間
加工生産能力は約1万トンで、うち6000トンは日本向けに輸出されている。
 しかし、3月以降日本の需要が激増し、山海食品は一時応対に追われたという。

 于徳海董事会秘書長は「生産能力不足のため、これを機にモデルチェンジを図
って、幾つかの付加価値の高い製品を主要に生産していくつもり」という。
 目下山海食品は、この産業での粗利率が魚の切り身よりも2倍近く高い、焼き
豚類の製品をふやした。日本向けに輸出される魚の切り身の平均粗利率は12%前
後だ。

 中国の水産品が日本の放射能漏れ事件の影響を受けるのかどうかについて、国
家海洋環境予報センター環境室の劉桂梅副主任は、福島近海は親潮と黒潮がぶつ
かるところだが、この2つの海流は安定したもので、中国の海域方向に流れるこ
とはあり得ないため、海水中の放射性物質は短期的には中国の海域に直接的な影
響はないと示している。
 多くの水産品企業担当者も、目下、放射能漏れは中国の水産品の安全にまで影
響はないとしている。
 于徳海董事会秘書長は「水産品大企業の多くは環渤海湾等の海域に位置し、朝
鮮半島が有害物質を食いとめる天然の壁となっている」と指摘する。

 このほか、中国の多くの水産品企業は加工企業であり、原材料は北欧からのも
ので、原材料の安全性は十分保証されている。例えば、山海食品はノルウェーか
ら原材料を調達し、中国で切り身に加工し、その後、日本へ輸出している。

 日本市場だけでなく、韓国からの注文も大幅に増加している。全国工商業連合
会水産商会の朱長良副会長は、日本の水産品の汚染を懸念して、韓国、欧米等で
は中国に大量調達を移しており、関連する注文の最近の増加が激しいとしている。
〔上海証券報2011年4月14日〕

……【国内政策】…………………………………………………………………………
●四川地震被災地域の電気が全面復旧、一部で被災前の水準超えも
 「被災地の電力の供給能力、送電網ネットワーク、技術装置の水準が全面的に
復旧し、一部では震災前の水準を超えている」四川省政府新聞弁公室は4月14日、
5.12四川(ブン川)大地震・四川電網復旧復興記者会見を開催し、このような状
況を明らかにした。

 5.12四川大地震では、四川電網の変電所171基、送電線2751本の送電が停止し
たほか、一部の送電網が崩壊したため、四川省電力公司管区内の405万世帯で停
電となり、その直接的な経済損失は106億元に上った。
 2011年3月末までに、四川省電力公司は、被災後の復旧・復興に140億元を投じ、
35キロボルト以上の変電所27基、35キロボルト以上の送電線約1200キロを敷設した。

 復旧・復興には新たな基準や技術を採用することで、被災地域の送電網の水準
の刷新を推進した。
 北川では2010年9月29日、全国初となる110キロボルトの変電能力を持つ変電所
が完成、操業を開始した。これにより、北川新県庁の電力供給力、スマート化の
水準は全国トップレベルとなった。

 四川電網は3年間で500億元近くを投じ、大規模プロジェクトの建設を急ピッチ
で進め、局所的な送電網を総合的なハブ送電網へと変貌させ、全国の電力資源配
置の最適化の重要な土台となった。
 四川被災後の2009年12月28日に、最初の復興プロジェクトとなったプラスマイ
ナス500キロボルトの徳宝(徳陽―宝鶏)直流送電プロジェクトは予定より半年
前倒して早単独操業を開始し、後に西北地域と連結した。
 向家〓では、2010年7月、上海までをつなぐプラスマイナス800キロボルトの特
別高圧直流のモデルプロジェクトが操業を開始した。このプロジェクトは設備の
18項目が世界記録を更新するものであり、四川電網が広域で特別高圧直流連結送
電網を運営するという新たな段階に入るに至った。

 長期的に見て、四川省は電力供給能力を強化するさらなる建設が進められている。
 南充では、省レベルで全国初となる送電網予備コントロールセンターが完成し
た。竜泉驛では、全国電力緊急時研修モデル基地がつくられ、国家電網公司の最
初の専門の緊急時救援隊が組織された。
 また、送電網の震災後改造プロジェクトを実施し、災害によるリスクを除去し、
設計基準を引き上げることで、送電網の災害耐久能力を有効に引き上げた。

 第12次五カ年計画期間中に、四川電網は1000億元を超える投資を計画している
が、これは既存をベースにしてさらにもう一つ四川電網をつくるのに相当する。
 2015年までに、四川電網は、500キロボルト規模の変電所54基、送電線1.6万キ
ロメートルを超え、省レベルでは全国最大の送電網の一つになるものと見られて
いる。
注)〓は、つちへんに「霸」(簡体字では、つちへんに「貝」)
〔聯合早報2011年4月15日〕

●1―3月中国検察機関 県、処レベル以上の国家公務員632人取り調べ
 中国最高人民検察院は29日、一般公開を行った。
 そこで得た情報によると、今年の1―3月中国の検察機関全体で、立件捜査され
た各種職務犯罪事件は7910件、被疑者10535人、職務重大犯罪事案5567件、被疑
者として取り調べられた県、処クラス以上の国家公務員632人だった。

 今回の一般公開の活動テーマは「透明性のある検察業務の徹底、誠意ある社会
監督の受け入れ」であり、一般から代表者60名が招かれ、ディスカッションや、
12309番通報受付センター、反汚職賄賂総局捜査指揮センター、検察委員会会議
室、ネットワークマネージメントセンター等を見学した。

 今年の1―3月に検察機関が批准し逮捕に至った各種刑事犯罪事件数は延べ12万
6744件、被疑者18万4179人。立件・起訴されたのは15万955件、22万9093人。検
察機関は贈賄罪の取り締まりを継続して強化しており、贈賄罪の被疑者932人を
捜査した。また、関連事件の手続においては、加重と減軽、厳格と寛大を調和さ
せた刑事政策を実施し、未成年犯罪及び軽犯罪における業務メカニズムを整え、
最大限被疑者・被告人の権利を保障し、逮捕起訴件数を最小限に抑え、3万643人
の逮捕を取り下げ、7256人を不起訴処分とした。

 中国最高人民検察院は「検察機関の内部公務活動及び交際における公金接待を
厳禁する規定」を制定施行し、公務交際における規律違反行為を厳しく処罰する
とともに、内部における監督・制約メカニズムの整備を強化し、検察官の職務規
範にのっとり、検察人員と弁護士の交際行為を厳格に取り締まった。
〔中国新聞網2011年4月29日〕

●食品安全監督管理問題に関する質疑書を提出
 2010年、政府関連部門が各種食用農産物、食品及び関連製品を生産、取り扱う
企業計3552社を調査したところ、違法行為は13万件、検挙された容疑者248人、
行政指導及び業務停止命令を受けた違法企業は10万社以上に上ることが18日、政
府当局の最新データから明らかになった。

 既に明らかになった食品安全事件から見て、一部の監督管理部門では「オフィ
スでサンプルを見る」ことが習慣となっている。
 「痩肉精(飼料添加物の塩酸クレンブテロール)事件」においては、養豚業者
にサンプルをとらせ検査に出させていたことが明らかとなったが、甚だしきに至
っては、一部の監督管理部門及び職員にとって別途収入を得られるか否かという
ことが取り締まりの判断基準となり、腐敗行為さえも存在し、監督管理の職責が
忘れ去られている。

 現体制下において、一部の地方監督管理部門の事務経費や職員の給与は省市か
ら返還された罰金によって「解決」されており、法の執行が部の監督管理部門及
び職員のうまみとなっている。

〈責任はあるべき場所へ 問題の拡大を厳格に予防する〉
 ある専門家によれば、既に明らかとなった食品安全事件において、一部職員に
は確かに職務怠慢、汚職行為が存在するにしても、法律法規では、監督管理部門
が適切に業務を行っているか否かをいかに判定するかの明確な線引きがなされて
いない。
 食品安全問題が発生するたび、監督管理部門は堂々とその矛先を事件当事者に
向けるが、監督管理部門及び監督管理職員の職務怠慢は軽んじられやすい。
 馬広海教授は「このような現象は必ず根絶しなければならず、管理監督部門も
責任を逃れることはできない」と語る。〔大洋網2011年4月19日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行5月9日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
      8.052  649.88    83.63  935.11
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――人口センサス》
 ゴールデンウイークはずっとゲームにはまって無駄に家で時間を費やしていた
んですが、1日だけ茨城のひたちなか海浜公園に行ってきました。ネモフィラと
いう青い花が見ごろで、多分ベストな時期だったはずなんですが、平日のように
がらがらでした。例の位置から100キロは離れているんですが、影響は如実にあ
らわれていました。
 今回のメールマガジンにある第6回全国人口センサスの「人口普査」は、「国
勢調査」と「人口センサス」の2つの訳し方があるようでした。結局、ネットを
見渡すところ、中国に深く関連性があるサイトでは「人口センサス」を使ってい
るものがより多い気がするので、このメールマガジンでは「人口センサス」を採
用することにしました。
 なお、今回は、加工プロセスでのミスを恐れて、一部の文章の数字にあえて万
とか億の単位字を入れませんでした。結果的に読みにくくなってしまって済みま
せん。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 奥谷道弘 リン
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