CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子マガジン《中国最新情報》  No.608 2014年7月8日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
登録/解除:http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「ビジネス企業研修@中国」http://www.bizchina.jp/
★今週の読者数合計:5,450名(2014年7月7日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:盲目的な人と金の流れの終えん】
●北京の人口調整 流入人口の逆流鮮明
●時流に乗った不動産投資チャンスは終わり

┏【金融】
●小規模零細企業負債調査報告 8割近くが民間融資に依存
●中国企業債務は世界一に 世界全体の3割
●不動産投資が住民の好む投資の第3位にまで下がる

┏【観光】
●2013年 訪米中国人観光客の出費額は100億ドル近く ニューヨークが人気

┏【経済データ】
●外国為替(7月8日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:盲目的な人と金の流れの終えん】………………………………………
●北京の人口調整 流入人口の逆流鮮明
 北京の朝陽区金盞郷に5年間いた王倩さん(仮名)は、北京を離れ、実家に帰る
ことを決めた。彼女から見ると、北京の魅力はそんなに強くなく、帰郷への誘惑の
方が強くなっていた。
 今年の春節後、北京市朝陽区五環の金盞郷では、賃貸住宅の広告が至るところで
見られ、レストランの従業員の募集のお知らせもよく見るありふれたものになって
いた。

 「春節の商売はよくなくて、特に3月は最もはっきりと、売上額は前年同期の3分
の1近く減った」
 この地で7年レストランを経営している経営者によると、流入人口は金盞郷の多
くのレストランの主要な客だが、商売がよくないのは、ここ一帯の北京に来る流入
人口が大幅に減少していることだ。
 金盞郷は流入人口が集住し、また金盞郷のある朝陽区は、北京の流入人口の占め
る割合が最も多い区である。流入人口が北京に来る流れははっきりと弱まり、朝陽
区はその一つの縮図となっている。

 6月18日、北京市統計局、国家統計局北京調査総隊が発表したデータによると、
過去3年において、北京の常住人口は毎年約60万人を超えない規模で新規に増加し
ていた。
 北京の流入人口の減少は、これらの北京に住む北京以外出身者の個人体験だけで
はない。北京市統計局がここ数年の人口データを整理したところ、2011年から、北
京市の流入人口の増加速度は減少に転じ始めていた。

〈北京の人口調整の攻防〉
 人口規模は都市計画よりも速く増加し、ずっと北京の都市発展における懸案であ
った。
 今年の政府工作報告の北京市経済社会発展の主要目標では、これまでもあったGDP、
CPI等の項目のほか、初めて常住人口の増加速度の減少目標を出している。

 2010年から、北京流入人口の速過ぎる成長に対処するため、北京は一連の人口調
整「合わせわざ」を打ち出している。外来流動人口について、北京市は「居住証、
住宅、産業による人口管理」モデルを実行している。
 例えば、産業による人口管理というのは、北京が科学技術と技術集約型産業を発
展させ、労働集約型産業の比率を下げるということである。2011年初めに北京市が
出した、日用雑貨、小型食品雑貨店等17業態の参入ハードル引き上げは、約30万の
商業主体、100万人の流動人口に影響が及んだ。

 「私たちが調査研究を行った際に感じたことは、今年の北京の流入人口は減少傾
向がはっきりしていることだ。現在、一部の流入人口は少しずつ帰っているし、帰
るのがいいか、北京に来るのがいいのかと考えている人もいる、これはよい現象
だ」北京市社会科学院の趙弘副院長は取材に対して述べた。
 趙弘副院長によると、北京の流入就業人口のうち、3分の2は卸売小売業、製造業、
ホテル・レストラン業、建設業の従来型の四大産業に集中しており、そのうち、卸
売小売業が11.4%を占めている。

 北京では、流入人口調整は、戸籍、居住証等の固定的な措置のほか、低劣な市場、
部屋を小分けにしたシェアハウスの整頓、就学ハードルの引き上げもあり、これも
一定程度流入人口の北京流入人口を制限している。北京・天津・河北一体化の流れ
のもと、就業人口の多くが働く卸売市場の外部移転の懸案もあり、そのことも流入
人口の気持ちを動揺させている。
 もし、順調であれば、流入人口の持続的な減少というこの趨勢は今後数年持続す
るし、加えて、今後の経済展望は楽観できないので、北京、上海、広東等一線都市
から離れようという衝動はますます強くなるはずである。

 データによると、2010年の北京市流入人口は704.5万で、前年より195.3万増で、
増加速度は38.4%だった。2011年の北京市流入人口は742.2万で、前年より37.7万増
で、増加速度は5.4%だった。2012年の北京市流入人口は773.8万で、前年より31.6
万増で、増加速度は4.3%だった。

〈流入人口は徐々に逆流〉
 一部の流入人口に言わせれば、北京に押し寄せることが唯一の選択肢ではなくな
っている。
 実家に帰ることを選んだ王倩さんにはそれなりの計算があった。
 「ここ数年、故郷の発展状況もとてもよく、賃金は北京とそれほど違いはなくな
っている。多くの人は出稼ぎすることを望まない。近場で仕事を探して、家の面倒
も見られる。お金も稼げるし、うれしくないはずはないでしょう?」王倩さんは、
北京を離れる選択に納得した気持ちを表現した。

 実際、ここ数年にあらわれた流入人口の逆流傾向は、都市化と構造調整の深化に
よるものだ。流入人口の帰郷を押し上げる要素も強まっている。ここ数年来、地方
政府は一連の農民工帰郷創業の政策を打ち出しており、創業者に資金、技術、許認
可等の支援を与えている。
 「都市の要素コストは徐々に高まり、比較すると、地方政府の政策が整備され、
例えば、各地が打ち出した幾つかの農民工帰郷の優遇政策では、農民のトウモロコ
シ、水稲の栽培に補助をつけており、流入人口の帰郷を後押ししている」(趙弘副
院長)
 北京のここ数年の政策調整、経済状況が、多数の外来労働者の帰郷を一定程度促
している。

 6月6日に開催された中央全面深化改革指導者グループ第3次会議で「戸籍制度改
革のさらなる推進に関する意見」が審議された。
 それによると、戸籍改革全体に対する政策要求は、制度鎮と小都市の定住制限を
全面的に自由化し、中等都市の定住制限を順次自由化し、大都市の定住条件を合理
的に確定し、特大都市の人口規模を厳格に調整し、都市で安定就業と安定生活をす
る能力のある常住人口の市民化の順次実現を促進し、都市基本公共サービスが常住
人口全体をカバーするよう推進するとしている。

 明らかに、今後大都市人口の調整はますます厳格になるが、「我々の都市病は、
長期的に不合理な二重構造をもたらす。もし、農民が土地の外に大量に流出すれば、
一方で、ますます都市病を招くし、一方で、農村の土地の荒廃が加速し、現地の人
材の欠乏、独居高齢者や留守児童等の多くの問題を激化させる」(趙弘副院長)
〔21世紀経済報道2014年6月20日〕

●時流に乗った不動産投資チャンスは終わり
 6月21日午前、〓苑・〓都匯の「大家財富」サミットフォーラムが北京金融街の
リッツカートンホテルで開催された。住建部政策研究センターの秦虹主任、華夏時
報の編集長で、有名な金融評論家の水皮氏、〓苑中国置業の管理者層、多くの投資
関係者が出席した。
 席上、専門家は「中国不動産市場は崩壊するのか、暴落するか、抜け出すべきか、
今後の展望はどうか」について、詳細な分析、解説を行った。

 秦虹主任によると、今年1―5月期の分譲住宅販売面積及び販売額は前年比でマイ
ナス成長で、8%前後であるが、2013年を除けば、今年の分譲住宅販売面積及び販売
額は過去数年間の同時期を超えており、かつ、今年5月の販売面積は前期比11%増と
なった。したがって、今年の不動産は決して悲観的なものではない。

〈中国不動産市場における3つの不変要素〉
 秦虹主任は、中国不動産市場には3つの不変要素があると見ている。
 1つは、総需要量がまだまだ大きいことだ。
 24―28歳は、全国に1.2億人おり、そのうち8000万人が都市で生活し、これらの
年齢層では結婚に伴う住居の需要が切実である。
 また、40―50歳は、全国に2.2億人おり、セカンドハウスへの住みかえ需要が大
きい。

 2つ目は、不動産市場の多様化の構図に変化がないことだ。
 昨年、全国11都市の住宅価格はマイナス成長だったが、69都市では上昇し、その
うち一線都市の住宅価格は前年比20%増だった。今年の不動産市場は従前どおりの
多様化の構図が続いているが、これは人口の不均衡な流動と密接に関係している。
 都市化によって毎年2000万人近い都市住民が新規に増加しているが、これらの住
民の流動は極めて不均衡である。
 例えば、北京の2013年の常住人口の新規増加数は45.5万人で、住宅需要は新規に
十数万増加しているが、北京の年間の分譲住宅の販売軒数は十万で、北京の需給関
係はずっと逼迫傾向にある。しかし、都市によっては人口がマイナス成長となり、
住宅価格が自然に下がっているところもある。
 人口成長が最も速い都市には2タイプあり、1つは地域内の超大都市、もう1つは
高速交通網の結節点の都市である。

 3つ目は、不動産市場が貨幣政策の影響を受けることに変わりはないことだ。
 不動産市場は、自身の調整策の影響を受けるほか、さらに貨幣政策、貨幣環境の
影響を受け、この影響はより大きい。
 例えば、2011年に購入制限が始まり、現在まで業界の政策は変わらないが、2012
年下期から2013年までで、住宅価格は大幅上昇したのは、貨幣政策の影響を受けた
からだ。2012年下期から、中央銀行がちょっと緩める貨幣政策を2013年上期まで行
った。

 不動産が貨幣政策に対して非常に敏感なのは、不動産がとても強い資産属性を持
っているからである。今年の不動産市場が昨年ほどではないのは、貨幣政策をちょ
っと引き締めぎみであるためである。
 個人住宅購入について言えば、2つの指標が変化している。1つは、1度目の住宅
購入のための貸し出し利率が上昇し、今年は8掛けでないにもかかわらず、利率が10%
―15%アップしたこと、もう1つは、個人貸出額の大幅減少である。銀行の残高が減
少し、貸出額に制約のある中で、銀行は高金利での貸し出し需要にさらに偏重して
いる。

 秦虹主任によると、今年の中国の経済成長には2つの最低ラインがある。1つは、
経済成長が7.5%を下回らないということと、CPIが3.5%を上回らないということで
ある。この要求のもと、今年の貨幣環境は引き締めを継続することは難しく、緩め
る貨幣政策が不動産市場の発展に有利となるはずである。
 中国不動産市場の3つの不変要素をもとにすると、市場には崩壊や暴落があらわ
れることはないはずである。

 今後、不動産投資をどのように選択するべきか、不動産市場にはもうチャンスは
ないのだろうか?
 秦虹主任は、不動産市場全体の発展は、これまでの時流に乗ったチャンスは既に
終わり、構造的なチャンスが到来していると見ている。
 これまでの、誰が住宅を売買してももうけられるような時流に乗ったチャンスは
到来せず、今後のチャンスは構造的なもので、大事なのは専門的な能力である。

 企業について言えば、業界内部の統合が加速し、専門性の強い企業が市場シェア
を拡大し続け、そうでない企業は市場から退出することになる。
 地域について言えば、超大都市、高速交通網の結節点の都市は、今後も発展が良
好である。
 業界について言えば、単なる従来型の住宅販売は厳しくなるが、革新的なモデル
での住宅及び社区商業では良好は発展展望がある。産業構造の高度化テンポが速い
場所、消費構造の向上は、商業不動産に新しいチャンスをもたらす。
 個人投資について言えば、構造的なチャンスははっきりしており、最も重要なの
は選択である。よい企業、よい土地とプロジェクトを選択すれば、まだまだ良好な
成長の余地がある。

〈最良の投資時機 今年上半期から来年の半ばまで〉
 水皮氏は、中国不動産市場は長期的にはよいが、短期的に調整局面があるのは避
けられないと見ている。
 中国不動産市場と貨幣政策の密接な関係で、目下の貨幣政策は引き締めに向かい、
短期的には住宅価格は変化しない段階がある。投資家にとって言えば、それが住宅
選びのよいチャンスである。
 5年単位ではかるとすると、不動産投資がまだよくなるのは、特に一線都市であ
る。しかし、短期的には、住宅価格の変動で底値買いをしにくい。
 水皮氏は、不動産投資の最良のチャンスは、今年の上半期にあらわれ、遅くとも
2015年には終わる、不動産調整時期は1年を超えることはないと予想している。
注)〓は、「金」を3つ並べる。
〔中国日報網站―環球在線2014年6月22日〕

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【金融】………………………………………………………………………………
●小規模零細企業負債調査報告 8割近くが民間融資に依存
 中国の小規模零細企業融資はどれだけ厳しくなっているのだろうか。
 6月26日午後、北京で発表された最新の報告によると、銀行与信ニーズを持つ小
規模零細企業100社当たりで、貸し付けを受けられるのはわずか46.2社である。
 小規模零細企業の8割近くは民間融資に依存せざるを得ず、小規模零細企業の
「融資難」問題は広範に存在している。
 上記報告は、第三者決済組織の匯付天下と西南財経大学が共同で発表したもの。
これは、目下の市況において最も全面的な小規模零細企業指数でもある。関連のあ
る金融監督管理部門も、このデータを参考に関連状況を把握しているとのことである。

 上記報告にはさらに、あるショッキングなデータが含まれている。それは、全国
の4.8%の小規模零細企業は、資産が負債よりも小さいということである。負債を負
う小規模零細企業のうち、2割以上が債務超過となっている。
 上記報告が採用する小規模零細企業の基準は、工業情報化部、国家統計局、国家
発展改革委員会、財政部が2011年6月28日に共同で発表した「中小企業劃型標準規
定」であり、基準は比較的広範囲にわたるものである。例えば、工業においては、
営業収入4億元以下が小規模零細企業である。
 この統計をもとにすると、2013年末現在、中国には5558万社の小規模零細企業が
存在し、これをもとに試算すると、中国には267万社の債務超過の小規模零細企業
があることになる。

 小規模零細企業はどうして融資難に遭遇しているのだろうか?
 上記の報告によると、小規模零細企業の融資難の主要因は、小規模零細企業の与
信が低く、わずか57.8%であること、すなわち、銀行与信ニーズを持つ小規模零細
企業100社当たりで、銀行での貸し付け申請をしているのはわずか57.8社しかない
ことである。
 そして、報告では、小規模零細企業が貸し付け申請をしない主要な原因は「承認
されないだろうから」「申請プロセスが面倒だから」「どうやって申請するかわか
らないから」であった。
 そのうち、「申請プロセスが面倒だから」は36.3%、「どうやって申請するかわ
からないから」は10.1%であった。この2つは非市場的な要素であり、銀行の小規模
零細企業に対するサービス向上がまたれる。

 報告ではさらに、小規模零細企業の銀行与信申請の成功率は79.9%であり、つま
り、銀行貸し付けの拒否率はわずか20.1%にすぎないことが明らかになった。
 一方、同様に問題として存在するのは、申請を拒否された小規模零細企業のうち、
29.7%は「与信担当者と知り合いではない」ことを原因としていることだ。この要
素と市場は無関係で、銀行の与信資金分配の市場化には、さらなる向上がまたれる
ものである。

 西南財経大学中国家庭金融調査・研究センターの甘犁氏によると、目下の状況に
おいて、銀行はクレジットカードを推奨し、小規模零細企業の小口与信ニーズを満
たしている。4割近い小規模零細企業の与信ニーズは5万元以下に集中しているため
である。
 目下中国の与信ニーズを持つ小規模零細企業の家庭におけるクレジットカード保
有比率はわずか14%に満たないが、アメリカでは、2008年にクレジットカードを利
用した小型企業の比率は44%であった。〔東方早報2014年6月27日〕

●中国企業債務は世界一に 世界全体の3割
 「裸で泳いでいたのが誰なのかは、潮が引いてみて初めてわかるものだ」著名な
投資家であるウォーレン・バフェット氏は、投資者に向けかつてこのように警告した。
 良好な経済成長は内在する問題を覆い隠すが、一旦減速してしまえば問題は徐々
に顕在化する。中国を初めとするアジア諸国の企業債務問題はまさにその一例と言
える。

 米国はかつて最大の企業債務国であったが、目下この「地位」は中国に取ってか
わられたようだ。
 米格付機関スタンダード・アンド・プアーズ(以下S&P)の報告によれば、2013
年、中国の非金融系企業の債務残高は14.2兆米ドルに達し、米国の13.1兆米ドルを
抜き、最大規模となった。

〈企業債務規模世界1位〉
 S&Pによれば、中国及び周辺諸国企業の資金需要の上昇に伴い、2016年までに、
アジア太平洋市場における企業債務規模は欧米市場の総和を上回る見通し。
 企業債も重要な資金調達手段としてその役割を強め、その調達額の比率も全体の
3.5%にまで上昇し、中国の企業債務残高は2018年までの5年間で、世界の社債市場
の3分の1を占める20兆米ドルに達する見込み。

 米経済通信社大手ブルームバーグによれば、2014年、中国及び香港において発行
された企業債総額は532億米ドル。このうち、中国石油化工(SINOPEC)が60億米ド
ルの国際債券を発行し、アジア最大の債券発行企業となり、中国海洋石油総公司
(SNOOC)は4月23日、3年債、10年債、30年債の発行を通じて40億米ドルを調達した。
 クレディ・アグリコル(スイス)S.A.の幹部サイモン・イップ氏は、過去数年間
で中国企業の調達した資金は莫大な額に上るとし、中国企業のグローバル展開にそ
の一因があると指摘した。

〈背後に潜むリスク〉
 S&Pは、中国企業の財務状況について世界の上場企業8500社と比較し「2009年、
中国企業のキャッシュフロー及びレバレッジは他国企業より高い水準にあったが、
中国企業の財務状況はここ数年悪化の一途をたどっている」と指摘。
 また、中国企業の債務規模は世界の3割前後を占めるが、このうち4分の1から3分
の1は中国国内のシャドーバンキングによって調達されたものであり、これは世界
全体の1割に上る企業債務(約4―5兆米ドル)が中国のシャドーバンキング収縮の
影響を受けることを意味し、リスクレベルはさらに高まっていると指摘した。

 同社の企業信用調査部門の責任者であるポール・ワッターズ氏は、中国の経済成
長がさらに減速し不動産価格が下落すれば、シャドーバンキングが危機に陥り、そ
の影響は全世界に及ぶとしている。
 S&Pレーティングズ・サービシズのJayan Dhru社長は「中国企業の債務残高がふ
え続けていることは、世界金融システムのリスクも高まり続けることを意味する」
と語った。

 金融危機の際、中国は膨大な景気刺激策を打ち出し、各国の中央銀行も大幅に金
利を引き下げ、これによって借り入れコストは大幅に引き下げられた。この期間、
低コストの企業債は中国企業の発展と中国国内の経済成長を促した。事実、2008年
以降、香港、シンガポール、タイ、マレーシア等地域の信用レベルは急上昇した。
 しかしながら、現在、中国を初めとするアジア諸国の経済成長は減速し、信用密
度(クレジットインテンシティー、単位当たりの経済成長を創造するのに必要とさ
れる債務)も大幅に増加している。
 香港上海銀行の報告によれば、アジアの発展途上国の対米・ユーロ圏輸出額がGDP
に占める割合は2005年の14%から現在7%にまで下落しており、経済成長の減速に伴
う企業債の高どまりは不安定で危うい状態にある。
〔第一財経日報2014年6月18日〕

●不動産投資が住民の好む投資の第3位にまで下がる
 中央銀行が25日に発表した今年第2四半期の都市預金者アンケート調査結果によ
ると、「より多く貯蓄する」傾向にある住民は47.6%で、前四半期より3.4ポイント
高かった。「より多く消費する」傾向にある住民は18.4%で、前四半期より0.8ポイ
ント高かった。「より多く投資する」傾向にある住民は34%で、前四半期より4.2ポ
イント高かった。

 また、人々が好む投資方式の上位3位は、ファンド及び理財商品、債券購入、不
動産投資で、この3投資方式を選択する人の割合はそれぞれ30.9%、16.4%、14%であ
った。
 注目すべき点は、中央銀行の今年第1四半期の都市預金者アンケート調査で、不
動産投資は16.2%で、住民が好む上位3投資の2番目だとしていた。1カ月しかたって
いないが、不動産投資は2.2ポイント低かった。このデータは、現在の不動産市場
の状況の真実を反映している。

 調査結果によると、63%の住民は、目下の住宅価格は「高くて、受け入れられな
い」と見ており、前四半期比で1.3ポイント低かった。34.2%は、目下の住宅価格を
「受け入れられる」とし、2.8%は「満足している」と見ていた。
 下半期の住宅価格に対し、21.2%が「上昇」、50.3%が「変わらず」、15.1%が
「下落」、13.4%が「わからない」と予想している。
 今後3カ月以内に住宅購入をする住民の割合は14.4%で、前四半期より0.6ポイン
ト低いが、前年同期より0.4ポイント高かった。

 物価感受指数調査では、当期の物価満足指数は23.2%で、前四半期比で0.4ポイン
ト低かった。そのうち、56.5%の住民は、物価は「高くて、受け入れられない」と
見ており、前四半期比で0.7ポイント高かった。
 当期の物価予測指数は63.8%で、前四半期比で0.1ポイント低かった。そのうち、
31.6%の住民は上半期の物価水準が「上昇」、50.1%が「変わらず」、7.1%が「下
落」、11.2%が「わからない」と予想した。

 中央銀行が同じ日に発表した第2四半期全国銀行家アンケート調査結果によると、
銀行家マクロ経済熱度指数は27.3%で、前四半期より9.1ポイント低かった。銀行業
景気指数は73.1%で、前四半期より2.1ポイント低かった。銀行利益指数は76.9%で、
前四半期より0.7ポイント高かった。銀行競争力指数は59%で、前四半期より2.7ポ
イント低かった。
 貸し付け全体需要指数は71.6%で、前四半期より6.6ポイント低かった。
 業界別に見ると、製造業の貸し付け需要指数と、非製造業の貸し付け需要指数は
それぞれ63%、62%で、前四半期よりそれぞれ4.7ポイント、3.8ポイント低かった。
 規模別に見ると、大、中、小規模零細企業の貸し付け需要指数はそれぞれ57.9%、
64.9%、72.9%で、前四半期よりもそれぞれ2.4ポイント、4.8ポイント、4.6ポイン
ト低かった。
 銀行家の当期の貨幣政策感受指数(貨幣政策は「適度」と選択した銀行家)は72%
で、前四半期より5.8ポイント高かった。下半期については、貨幣政策感受予想指
数は70%で、当期の判断より2ポイント低かった。

 中央銀行が25日に発表した第2四半期企業家アンケート調査結果によると、企業
家マクロ経済熱度指数は32.8%で、前四半期より0.6ポイント低く、前年同期より0.4
ポイント低かった。そのうち、36.1%の企業家は、マクロ経済が「冷める」、62.2%
が「正常」、1.7%が「熱くなる」と見ていた。
 企業家信心指数は64.9%で、前四半期より2.1ポイント低く、前年同期より1.1ポ
イント高かった。
 当期の企業家経営景気指数は55.4%で、前四半期より0.1ポイント高く、前年同期
より1.7ポイント低かった。そのうち、25.8%の企業家は、今四半期の企業経営状況
を「良好」、59.3%は「普通」、14.9%は「よくない」と見ていた。
 利益指数は54.1%で、前四半期より3.2ポイント高く、前年同期より1.5ポイント
低かった。そのうち、34.6%の企業家は、上半期よりも「利益が損失より増加」、
38.9%は「不変」、26.5%は「損失が利益より増加」と見ていた。
〔時代週報2014年6月26日〕

……【観光】………………………………………………………………………………
●2013年 訪米中国人観光客の出費額は100億ドル近く ニューヨークが人気
 米ワールドジャーナル報道によると、米商務省は16日、2013年に訪米した中国人
観光客分析報告を発表した。
 訪米中国人観光客の2013年の出費総額は98億米ドルに達し、1人当たりの平均額
が9727米ドルであった。中国人観光客に最も人気のある活動は、85%という断トツ1
位となったショッピングであった。また、ニューヨークが最大の人気都市であった。

 米商務省が16日に公表したこの最新国際旅行報告では、中国人観光客の訪米人数、
出費額、目的、最も訪問された都市、年齢層、性別、平均滞在日数、アメリカ滞在
時最も人気のあった活動などが詳しく述べられている。

 2013年、訪米中国人観光客は180万7000名で、昨年の訪米外国人観光客の国別で
第7位となっているが、昨年1年間に中国人観光客がアメリカで出費した累積金額は
98億米ドルに達し、国別で第6位に食い込んだ。
 米商務省が特に強調するのは、中国人観光客の出費は12%増加しており、この2桁
成長を4年続けていることだ。この記録から、中国人観光客がアメリカ観光市場の
「優良株」となっていることは疑いようもない。

 この統計によれば、2013年、中国人観光客に最も人気のある都市はニューヨーク
で、少なくとも10人に3人はニューヨークを訪れている。州別では、カリフォルニ
ア州を訪れた中国人観光客の比率は46.1%にも上る。

 2013年に訪米した中国人観光客は成人男性が51%で大多数を占めたが、2012年は61%
であった。10%減少したが、相対的に成人女性の訪米観光客が明らかに増加した。
 このほか、2013年の成人男性、成人女性の平均年齢は35歳であった。訪米観光客
の平均家庭収入中央値は、2012年の4万米ドルから2013年には4万7688米ドルに増加
した。

 中国人観光客の2013年アメリカ平均滞在日数は12泊で、1年前より1泊短くなった。
 旅行活動のうち、ショッピングが85%を占め、その次が観光で78%、グルメが48%
で第3位となった。
 注目に値するのは、中国人観光客に人気の旅行活動のうち、「画廊や美術館の訪
問」と「歴史的遺跡の訪問」の2つが、中国人観光客10大人気活動のうち最も増加
率の高い項目であったにもかかわらず、それぞれわずか36%と26%である点である。
〔中国新聞網2014年6月18日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行7月7日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.0483  616.58    79.56   837.5
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編集者コラム――日本・中国青年親善交流事業》
 毎度のことですが、各種事情で「調整中」だった内閣府の日本・中国青年親善交
流事業の募集が8月11日までで行われていますので、紹介させてください。30歳以
下で、御都合が合う方がいらっしゃいましたら、ぜひ応募してみてください。
http://www8.cao.go.jp/youth/kouryu/h26/bosyu2_h26.html
 両国間では、青少年交流を促進しましょう的なことは政治家の会談などでよく盛
り込まれるように思いますが、この手の伝統的な親善事業さえ従前のように定期的、
予定どおりに実行できていない現状があります。こういうのを指摘する人がいない
のが不思議です。(ま)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 奥谷道弘 楊桃 村瀬明美
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改頁:(1) 2 »