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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.663 2016年12月6日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:地域間格差縮小がつくる地方回帰の流れ】
●全国十大汚染都市 河北省が7都市
●中西部への人口逆流の背景に経済格差減

┏【国内政策】
●2015年全国基礎研究支出が初めて5%突破 25省市は華為に及ばず

┏【社会】
●50.7%の大学生が大学進学は独立を意味すると回答

┏【経済データ】
●外国為替(12月6日)

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……【特集:地域間格差縮小がつくる地方回帰の流れ】……………………………
●中西部への人口逆流の背景に経済格差減
 ここ数年、中国の常住人口の分布に大きな変化があらわれている。上海の常住人
口総数と新規増加分は昨年から減少に転じ、北京は今年減少に転じることが見込ま
れ、北京、上海の吸引力が徐々に下がっている。
 一方、例えば湖北、河南、安徽、四川、貴州等、人口の流出がとまらなかった省
の人口に反動が起きている。
 東北地区の人口は依然として減少している。2015年、全国の常住人口の新規増加
が減少に転じている地域は、上海のほか、東北の黒龍江が21万人減、遼寧が9万人
減だった。

 全国の人口流動の傾向では、中国の北方地域の常住人口の新規増加は全体的に減
少傾向で、東部地域の人口成長も減速しており、中西部地域の吸引力が増している。
 長江デルタ、京津冀(北京、天津、河北)の就業機会が減少したわけでもなく、
住民がこの地域の発展を願わないわけでもなく、長年の高度成長と人口密集を経て、
先進地域の産業が移転するのに伴い、不動産高騰、スモッグ、公共サービスが行き
届いていない等の問題で、外来人口の持続的な成長が抑えられている。
 2015年、上海、北京の私営企業の就業者数はそれぞれ前年比で156.5万、123万増
だった。一方、例えば東北地域の一部では就業機会が減少しており、2015年の遼寧、
黒龍江の私営企業の就業者数はそれぞれ前年比138.9万、128万減だった。

▽各地市営企業就業者数の変化
   2015年   2014年
北京   848.6   725.6    湖北   569.7   498.2
天津   117.5   106.1    湖南   680.6   582.6
河北   244.9   206.3    広東   1866.8   1514.8
山西   234.4   242.8    広西   338.5   289.9
内モンゴル 208.6  207.9    海南   110.3   94.8
遼寧   344.8   483.7    重慶   684.2   560.5
吉林   244.3   222.5    四川   817.9   514.9
黒龍江  47.3    175.3    貴州   261.2   207.8
上海   1031.2   874.7    雲南   334.4   367.8
江蘇   2093.3   1972.9    チベット 35.5    32
浙江   1692.8   1345.5    陝西   173.5   237
安徽   429.1   373.2    甘粛   178.7   149.2
福建   568.7   476.6    青海   24.7    27.5
江西   459    398.6    寧夏   71.7    58.3
山東   1083.7   926.1    新疆   145.2   125.6
河南   453.7   391.8

〈中西部の常住人口急増〉
 ここ数年、常住人口の地域分布に大きな変化が発生している。東部地域の一部で
は常住人口の新規増加は減少傾向だが、中西部地域は増加傾向にある。
 東北地域の人口総数はマイナス成長となり、京津冀地域の常住人口の新規増加は
減少が鮮明である。北京の2016年の人口総数はゼロ成長に近い可能性があり、天津、
河北の常住人口の新規増加も急減すると予想されている。
 長江デルタでは、浙江(2015年の常住人口の新規増加は31万で、前年比10万増)
を除くと、上海、江蘇の常住人口の新規増加は減少しており、上海の2015年の常住
人口総数は前年比11万減だった。江蘇の2015年の人口の新規増加は前年比5万減の
16万であり、このような傾向に基づけば、江蘇の常住人口は今後減少に転じる可能
性がある。
 一方、福建、広東の常住人口は増加している。そのうち、広東の2015年の人口の
新規増加は前年比45万人増の125万だった。

 上海の常住人口総数と新規増加数はともに減少に転じているが、中部地域の省の
安徽ではともに上昇している。2015年、安徽の常住人口の新規増加は61万人だが、
それ以前の2011年、2012年、2013年、2014年では前年比で11万、20万、42万、53万
人増で、2010年の常住人口174万人減から転換した。
 これまで人口流出で有名な河南、広西、四川、貴州の状況も類似している。例え
ば、西部地域の四川の2010年の常住人口は前年比140万人減だった。しかし、2011
年、2012年、2013年、2014年、2015年では前年比5万、26万、31万、33万、64万増
と急増している。
 2015年、常住人口の急増地域はほかに西部地域の新疆ウイグルがあり、前年比62
万人増だった。新疆ウイグルの常住人口も、2011年、2012年、2013年、2014年では
前年比で24万、24万、31万、34万増と明らかに増加に転じている。
 陝西の2015年常住人口の新規増加は18万人で、前年比11万と大幅増だった。西部
とその他地域、例えば寧夏、青海、甘粛、チベットの常住人口の新規増加は長期に
わたって安定している。

〈どのような要素が人口分布に影響するか〉
 中国の常住人口分布構造には大きな変化あらわれているが、その背景は複雑で、
上海、北京等先進地域に高収入の就業機会がないということではない。
 2015年、北京、上海、浙江、広東、江蘇、山東、重慶の私営企業の就業者数はそ
れぞれ前年比123万、156.5万、347.3万、352万、120.4万、157.6万、123.7万人増
加したが、2015年の常住人口が前年比で明らかに増加したのは広東、浙江、山東、
重慶のみで、それぞれ125万、31万、58万、26万で、江蘇は16万人増、北京19万人
増、上海11万減だった。
 つまり、沿海地域はどこも就業機会が十分あるが、一部の地域では計画や産業の
一極集中を緩和する等が原因で吸引力が下がっている。例えば、北京の2010年から
2015年の常住人口の新規増加数は102万、57万、50万、46万、37万、19万で、年々
減少している。上海の2010年の常住人口は前年比93万増だったが、この後は年々新
規増加分が減少し、2015年は前年比11万減だった。

 なぜ沿海地域は雇用機会があり、私営企業の就業者数は大幅に増加しているのに、
常住人口の新規増加は減少に転じているのだろうか?一部の超大都市の一極集中の
緩和という要因を除けば、中西部地域の私営企業の賃金と沿海地域との差が徐々に
縮小していることが関係している。
 例えば、2010年の安徽、四川、重慶の私営企業の従業員の平均賃金は1万8493元、
1万8316元、2万790元であるのに対し、上海は2万3305元で、その差は4812元、4989
元、2515元だった。しかし、2015年の上海の私営企業の従業員の平均賃金は4万1762
元で、安徽、四川、重慶との差は4614元、6635元、△2451元だった。つまり、四川
を除けば、2015年の安徽の私営企業の平均賃金と上海との差は縮小しているし、重
慶の私営企業の平均賃金は上海を上回っている。
 表面上は、四川と上海の私営企業の賃金差は広がっているが、上海の生活コスト
は高く、必要な支出を除けば、実際には四川の私営企業の収入は上海と大差ない。

 全体に占める小学生の割合、1平方メートル当たりの分譲住宅価格と現地住民の
収入との割合で見ても、北京、上海の競争力は低い。例えば、1万人当たりの小学
生数は、北京、上海、天津は300―400人だが、河南は約1000人、貴州は約900人、
湖北、安徽、重慶は約700人で、つまり、北京、上海、天津等の外来戸籍人口が多
いが、人口当たりの小学生数が少ない。
 不動産と収入との割合(分譲住宅100平方メートル当たりと夫婦世帯の可処分所
得の割合)では、2015年の北京、上海はそれぞれ211、201、天津は141だが、重慶、
四川、湖北、安徽は101であり、貴州に至っては91である。これはつまり、中西部
地域の不動産価格は低いということである。
 現実に中西部の住民収入と沿海地域との差が縮小し、中西部の生活コストが北京、
上海よりも低い、これが中西部の戸籍人口が沿海地域の先進地域からもともと戸籍
がある地域へ戻る一つの原因となっている。

 このような流れは、常住人口の地域分布の配置に変化をもたらしている。
 2010年、安徽、河南、広西、四川、貴州の常住人口総数はそれぞれ前年比174万、
82万、246万、140万、58万人減だった。湖北の2010年の常住人口は8万人増、遼寧、
黒龍江はわずか7万人増だった。
 2010年、上海、浙江、山東、広東、北京、河北、天津の常住人口はそれぞれ93万、
171万、118万、311万、102万、160万、71万増だった。
 これらの地域の常住人口の急激な変動が示しているものは、2010年、安徽、河南、
広西、四川、貴州等の地域の人口が大量に京津冀、長江デルタ、珠江デルタに向か
ったということである。ここ数年、京津冀、長江デルタの吸引力は下がり、珠江デ
ルタは依然として一定の吸引力があり、東部の浙江と中西部地域は人口が新規に流
入している。
〔和訊名家2016年11月23日〕

●全国十大汚染都市 河北省が7都市
 石家荘は本当に急がれている。
 2016年大気汚染の測定不能がワーストの40日以上だったために、石家荘市全体で
生産停止の嵐が吹き荒れた。「薬都」と称される石家荘、その支柱製薬企業である
華北製薬、石薬集団は本週、ほぼ同時に子会社に生産停止を発し、その後、エネル
ギー化学工業製品を主に扱う新奥股フェンも石家荘で生産停止を発表した。

 これは石家荘の汚染排出企業の生産停止の氷山の一角にすぎない。石家荘市政府
の公式サイトで発表された「汚染断絶」計画によると、石家荘市全体の全ての鉄鋼、
セメント、コークス、鋳造、ガラス、セラミック、カルシウム・マグネシウム業界
は全て生産停止となり、製薬、化学工業、パッケージ印刷、家具等の業界は名簿で
管理される。原則として、全ての揮発性有機物生産プロセスは生産停止となり、そ
の波及範囲は近年まれに見る規模である。

〈河北の大気汚染に退路なし 全国十大汚染都市に7都市も〉
 石家荘は河北全体の深刻な大気汚染に直面してしまい、とっくに退路がなくなっ
ている。
 環境保護部が発表した全国74重点都市の大気観測データによると、2016年10月の
大気モニタリングにおいて、全国十大大気汚染都市のうち河北省が7都市を占め、
石家荘がワースト都市となった。

 環境保護部が発表した情報によると、10月、74都市中、大気汚染ランキングワー
スト10都市は石家荘、ケイ台、唐山、保定、太原、邯鄲、衡水、滄州、済南、北京
で、河北省の都市は7都市あった。今年1―10月では、十大大気汚染都市は、ケイ台、
保定、石家荘、唐山、済南、邯鄲、鄭州、衡水、ウルムチ、西安で、河北省の都市
は6都市あった。どのように見ても、石家荘は大気汚染のワーストに近く、河北省
は大気汚染が全国で最も深刻な省である。

 大気汚染防止の年次目標を達成するため、河北省は近く1号、2号の大気汚染防止
命令を発した。省都の石家荘市は17日、「汚染断絶」行動を展開し、市内の多くの
企業は生産停止または制限を命じられ、この種の状態は今年末まで続く。
 河北省にとどまらず、他のエネルギー資源生産省や従来型の工業を主体とする省
では、同様に環境保護対策に追われている。11月18日、環境保護部の定期モニタリ
ングデータによると、汚染程度が最も深刻な20都市の多くは甘粛、河北、山西、陝
西、河南、山東6省にあった。

〈華北で深刻 汚染源密集分布〉
 順位 都市 大気品質指数(AQI) 省
1 武威市  500 甘粛   11 金昌市 276 甘粛
2 石家荘市 405 河北   12 宝鶏市 268 陝西
3 臨汾市  359 山西   13 衡水市 266 河北
4 蘭州市  343 甘粛   14 陽泉市 266 山西
5 唐山市  319 河北   15 邯鄲市 260 河北
6 太原市  313 山西   16 開封市 256 河南
7 ケイ台市 308 河北   17 徳州市 247 山東
8 安陽市  299 河南   18 〓河市 247 河南
9 鶴壁市  290 河南   19 濮陽市 244 河南
10 白銀市  282 甘粛   20 焦作市 243 河南

 河北は華北全体の縮図となっている。
 国家重点排出抑制監督企業(大気類)に入っているのは、大部分が石炭、鉄鋼、
火力発電、化学工業等の汚染排出量が大きい業界で、これが大気汚染の主要な汚染
源の一つである。これらの企業は華北及びその周辺地域に密集して分布している。

 環境保護部のデータによると、国家重点排出抑制監督企業は2876社で、甘粛、河
北、山西、陝西、河南、山東の6省が38.56%を占める。
 そのうち、河北省内は220社、全国の7.65%を占める。山東は286社でトップだっ
た。石炭、鉄鋼で有名な山西省は211社で、山東、河北に次ぐ。

 山東、河北、山西、内モンゴルの大気重点排出抑制監督企業数の差は大きくない
が、環境汚染の代償や地理的、気候的要素により、河北省の大気汚染は山東、山西
等の省より深刻である。
 スモッグがひどい北京では、大気汚染企業の転出が続いている。北京の重点排出
抑制監督が行われる大気汚染企業は2009年に7社あったが、現在は4社のみである。

 北京を転出した多くの企業は近くの省に移転したが、その最も有名なのは首鋼で
ある。北京首鋼の生産は河北省唐山市の曹妃甸に移転し、汚染排出しない研究開発
基地が北京にとどまっている。「本部は北京にあり、生産は河北へ」というモデル
はここから来ている。
 「北京市2013―2017年クリーンな空気行動計画」によると、2016年末現在、北京
は建材、化学工業、鋳造、家具製造等業界の小型汚染企業累計で1200社の退出を調
整した。そのうちの相当部分の生産能力は事実上付近の省へと流れた。汚染企業が
移転したことにより、近隣の省はさらに深刻な汚染に直面することになった。

〈いい空気は降雪時だけ?〉
 巨大な経済の代償となった汚染源が外に移っても、北京の大気汚染は依然として
深刻である。
 環境保護部のデータによると、今年1―10月、北京市の優良日の割合は56.0%だっ
たが、このデータは依然として京津冀(北京、天津、河北)地域の13都市の平均水
準より低い。1―10月、13都市の平均優良日の割合は61.2%だった。
 長年の実践でわかることは、地理的位置や地勢的な関係で、周辺省で大気汚染が
発生すれば、北京もそれから逃れられないということである。

 全国の各大都市では大気汚染の課題に遭遇している。しかし、データ測定結果に
よれば、北方地域の都市の大気汚染の状況は南方地域より深刻である。地理的、気
候的要因のほか、北方都市の大気汚染源が南方よりずっと多いのが一つの重要な原
因である。
 国家の重点排出汚染監督企業(大気類)のうち、北方の15省は1879社で、全体の
65.33%を占める。南方の16省は997社で、35.67%を占める。
 環境保護部のデータ試算によると、今年1―10月の各地域の優良大気日はそれぞ
れ、珠江デルタ276.64日、長江デルタ234.85日、京津冀186.66日だった。北京は
170.8日だった。京津冀の優良日数と長江デルタとの差は48.19日で、珠江デルタと
は90日もある。

 ここ数日、華北地域に初雪があり、北方都市の空気はよくなり、大気品質指数に
緑の色がついた。いつになったら、おてんとうさまに気を使わなくても、空気が自
然ときれいになるのだろうか?あるいは、重大な会議期間には強力に「青空」をつ
くり出されるのだろうか?
〔和訊名家2016年11月24日〕
注)〓は、さんずいに「累」

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●2015年全国基礎研究支出が初めて5%突破 25省市は華為に及ばず
 先日、国家統計局が「2015年全国科技経費投入統計公表」(以下「公報」と略)
を発表した。
 2015年、中国の科学技術支出は成長を維持し、R&D支出と国家財政の科学技術支
出は持続的に増加し、R&D投資強度は徐々に向上している。
 これとともに、研究開発投資の地域差があらわれている。公報によると、2015年
の研究開発支出が1000億元を超えた省市は5省で、500―1000億元の間の省市は4省、
その他は500億元以下だった。そのうち、支出が最も多かったのが広東で、データ
上では貴州の29倍、青海の155倍だった。投資強度が最も高かったのが北京で、全
国平均水準をはるかに上回り、2位の上海を大きく引き離した。
 このほか、注目すべきは、研究開発支出の主体は企業であり、2015年の研究開発
支出の伸びは一部で減速していることである。

〈政府支出は加速〉
 「公報」によると、2015年、全国のR&D支出は1兆4169.9億元で、前年比1154.3億
元増、8.9%増で、R&D投資強度は2.07%で、前年比0.05ポイント増だった。R&D人員
(全労働時間)の1人当たり支出は37.7万元で、前年比2.6万元増だった。

 企業、政府附属の研究機関、高等教育機関が中国の研究開発活動の三大主体であ
り、2015年の企業の研究開発支出は1兆881.3億元で、前年比8.2%増、全体に占める
研究開発支出の76.8%を占めた。
 政府附属の研究機関の研究開発支出は2136.5億元で、10.9%増だった。高等教育
機関の研究開発支出は998.6億元で、11.2%増だった。それぞれ全体の15.1%、7.0%
を占めた。
 三大主体の支出の伸びでは、企業の伸びが前年比2.7ポイント減だった。政府附
属の研究機関、高等教育機関は前年比2.8ポイント、6.4ポイント増で、高等教育機
関の研究開発支出の伸びが最も高く、研究開発投資の主体である企業の研究開発支
出の伸びは相対的に低かった。

 政府の研究開発支出の加速は国家の支援の拡大と無関係ではない。2015年の全体
の研究開発支出のうち、政府資金は3013.2億元に達し、14.3%増、増加の伸びは前
年より8.9ポイント増で、ここ3年では最も増加した。
 国家統計局社科文司の高級統計師の関暁静氏によると、2015年、国家財政は科学
技術支出をふやし、支出規模は初めて7000億元を超え、増加の伸びは8.5%、前年比
4.1ポイント増だった。

 研究開発のタイプ別では、基礎研究支出の占める割合が高まっている。研究開発
は、基礎研究、応用研究、開発研究に分けられ、そのうち基礎研究は科学の最先端
の未知のイノベーションで、その支出規模や水準は一国の科学技術力を反映する。
2015年、中国の基礎研究投資額は716.1億元で、ここ9年において、基礎研究投資額
が研究開発投資に占める割合が初めて5%を突破した。
 しかし、この割合は主要なイノベーション型国家の10%以上という割合よりはる
かに低い。つまり、基礎研究支出が足りなければ根本的な変化を実現しないという
ことである。

〈地域別の二極分化〉
 研究開発支出と投資強度は、一地域の科学研究とイノベーション能力を図る重要
な指標である。「公報」によると、地域の研究開発支出は二極分化している。

 2015年、R&D支出が1000億元を越えた省市は5つあり、江蘇、広東、山東、北京、
浙江だった。
 R&D投資強度が全国平均水準を上回る省市は8つあり、北京、上海、天津、江蘇、
広東、浙江、山東、陝西だった。中西部地域で全国平均水準に到達しているのは陝
西のみである。
 華為の2015年年報によると、企業研究開発支出は596億元だった。中国国内の25
省市区は、華為1社よりも低い。

 国内で最も注目を集める科学技術拠点、世界的な影響力を及ぼす科学技術イノベ
ーションセンターは北京、上海にあり、その研究開発投資強度でもさらに差が開い
ている。
 「公報」によると、北京のR&D投資強度は6.01%、上海は3.73%だった。北京の科
学技術研究投資強度は国内平均水準の3倍である。
 上記データにより、北京の科学技術センター建設の優位性は非常にはっきりして
いる。

 業界別では、全国科学技術投資強度が最も高いのは鉄道、船舶、宇宙、その他の
運融設備製造業で、次がコンピューター、通信、その他の電子設備製造業で、最も
弱いのがガス生産、供給業、電力、熱エネルギー生産製造業等である。
〔21世紀経済報道2016年11月18日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●50.7%の大学生が大学進学は独立を意味すると回答
 大学は学生たちが社会に出る過渡期だ。それでは、大学進学は独立を意味するの
だろうか。
 中国青年報社社会調査センターが最近アンケートサイトを通じ2002名の大学生に
対し行ったある調査結果によれば、アンケートに回答した50.7%の大学生が大学進
学は独立を意味すると回答し、28.8%の学生が保護者の手から完全に離れることを
望み、それに対し64.5%の大学生が保護者から適宜助けを与えられることを望んで
いるという。

 3年前に寧夏から来た受験生の陳丹は、一人列車でタリム大学の受験に申し込み
に訪れ、彼女の大学生活は始まった。大学期間中、学習や交友等の面において、父
母は基本的に陳丹の選択に干渉しなかった。彼女は自身の考えに沿って物事を行い、
保護者の監督を必要としなかった。
 実際、陳丹は小さいころよりとても独立していた。陳丹が幼いころ、母親の藩彩
は仕事が忙しく、彼女を世話する時間を余りとれなかった。「こんなに小さい子が
もう独立しているのに気づいて、心がとても痛かった」藩彩は言う。けれども、少
し大きくなると、陳丹が一人で多くのことをやってのけ、父母を心配させることが
なく「ほっとした」という。

 調査では、50.7%の大学生が大学進学は独立を意味すると回答し、31.1%の大学生
が逆の考えを持ち、何とも言えないと回答した学生が18.2%であった。

 北京印刷学院研究生の王海(仮名)は、大学進学は独立の開始を意味するのであ
って、大学生が既に独立できるということではないと考える。「大学に進学したば
かりでなれることが必要。人によってなれるまでの時期は異なる」。

 調査によれば、アンケートに回答した28.8%の大学生が大学進学後に父母の手か
ら完全に解放されることを望んでおり、64.5%の大学生が保護者から適宜助けを受
けることを望んでいる。「これまで同様に世話をしてほしい」と答えた大学生はわ
ずか4.2%だった。

 もう一歩進んだ調査では、回答した大学生は、現実に、生活(64.0%)、交友
(57.4%)、学習(51.1%)において独立をしたいと考えていた。その他として、趣
味関心(40.7%)、消費(39.1%)、恋愛(36.3%)があった。このほか、自分で将
来の職業を選択し、経済的独立を実現させることを望んだ大学生は比較的少なく、
30.4%を占めた。

 貴洲師範学院本科生の張磊は大学3年生の時から経済的独立を果たした。大学3年
前期が開始した際、彼は前後して分割支払いの業務代理、週末の家庭教師等、多く
の仕事をかけ持ちし、毎週末の予定をいっぱいにして毎月平均3500元を稼ぎ、日常
の消費を完全に賄っていた。「私は余り一生懸命勉強をしなかったけれども、兼職
を通じて多くの経験を得ることができた。これは今後の仕事にとても役立つと思
う」。
 経済的独立を果たすために、少なからぬ大学生が張磊同様、兼職で生活費を賄っ
ているが、王海はこのやり方に賛成していない。大学生の間は基本的に兼職をした
ことがない。「同級生によってはきっと兼職で自分が早く独立できると考えるのだ
と思う。特に経済面で。けれどもそうじゃない。学習こそが大学生が一番やるべき
ことだ」。

 「勉強ができなかったら保護者を呼ぶ」というのは恐らく少なからぬ人にとって
「子供時代の悪夢」であろう。これは大学生にも当てはまるのだろうか。
 調査によれば、アンケートに回答した52.5%の大学生は「試験に落ちたら、学校
が保護者に通知あるいは保護者を呼び出す」というやり方に賛成している。このほ
か、完全に賛成と答えた学生と完全に不賛成と答えた大学生はそれぞれ10.8%と30.2%
であった。

 「学生は決して「保護者を呼ぶ」こと自体を嫌がるのではなく、「保護者を呼
ぶ」という惰性的なやり方を嫌がっている」。
 王海は、大学と高校とは管理体制が異なるべきで、高校の管理モデルそのままを
大学にも適用するならば、確実に意図に反した結果となると考えている。「学校は
考え方を変えるべきで、より重要なのは学生に彼ら自身で問題を解決できるように
させること。結局、社会に出て間違いを犯せば、きっと雇い主に給料を天引きする
か直接やめさせられる。「保護者を呼ぶ」なんてことは決してない」。王海は言う。

 陳丹則は「試験に合格しなかったら保護者を呼ぶ」というやり方全てを否定でき
ないと考えている。保護者は子供の学習状況を知る必要があるためで、したがって、
「先生は毎年保護者と一度はやりとりをすることを提案する」としている。
〔中国青年報2016年11月12日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行12月5日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.0792   688.7     88.8  727.09
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