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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.695 2018年5月22日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:魔都上海 10年以内にBAT出現はない】
●魔都上海 10年以内にBAT出現はない

┏【国内政策】
●中国東部沿海地域 原子力発電が既にクリーンエネルギーの主力に
●中国による一帯一路沿線経済押し上げ鮮明 初めて輸入が輸出を上回る

┏【経済データ】
●外国為替(5月21日)

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……【特集:魔都上海 10年以内にBAT出現はない】………………………………
●魔都上海 10年以内にBAT出現はない
 魔都とも言われる上海は、中国国内のベンチャーキャピタルプラットフォームの
地位においてはずっと気まずい状況にある。
 域内総生産では、上海は国内トップの都市であるし、2017年の上海の域内GDPは
3.013兆元と、北京を二千数億元も上回った。
 しかし、「なぜBAT(百度、アリババ、テンセント)がないのか」という問題は、
ずっと上海の心中に一つのとげとして刺さっている。

 アリババに捨てられたことは、業界内にも上海の都市の創業環境がそれほどよく
ないという固定的な印象をつくらせた。
 ここ数年、おおらかで自由な雰囲気の都市、規範的な政府の公共管理、強大な人
口集積効果を頼りに、上海はあたかも経済新業態の成長の大本営のようだった。
 盒馬鮮生の一号店は上海に開業したし、美団打車は上海で初登録したし、〓多多
は上海で発展した……上海は各種商業モデルの実験に門戸を大きく開いている。

 開放的で自由な都市環境において、ユニコーンが上海で育まれている。革新的ベ
ンチャー企業に成長のための多くの養分を提供し、上海は各種革新的ベンチャー支
援政策を続けていて、全国各大都市で巻き起こっている人材獲得合戦の中でも、上
海はみずからのなすべきことに積極的で、人材獲得政策を相次いで打ち出している。

 しかし、「上海で10年以内にBAT出現はない」と考える投資家もいる。創業の革
新的分野において、特徴的で有名な上海はさらに花を添えることで、大中型企業に
多大な養分を提供している一方、小型の革新的ベンチャー企業には「クール」であ
ることが多くあらわれている。

〈北京がリードし杭州が追いかけ 上海2位がぐらつく〉
 「ベンチャーキャピタル業界の発展では、北京には大量の資本が集まり、深セン
には大胆で思い切って実行する活力がある。それと比較すると、上海の優位性はは
っきりしない」中国国内の幾つかの大都市の創業環境について言及すると、ある投
資家はそのように総括した。

 プライスウォーターハウスクーパースが先日発表したマネーツリー研究報告によ
ると、投資の地域分布では、2017下半期のTMT(テクノロジー・メディア・通信)
業界の投資家に最も人気の5地域は、依然として北京、上海、深セン、浙江省、広
東省(深センを除く)だった。
 投資件数にしても投資金額にしても、北京はその名に恥じない中国TMT投資のト
ップスターで、813件、170.48億米ドルの投資金額でトップだった。深センは324件、
34.17億米ドルで2位、投資金額は前下半期よりはっきりと増加し、上海や杭州を抑
え込み、北京に次ぐお金持ちになった。

 清科傘下の私募通の統計によると、2018年の第1四半期(1―3月)の中国の初期
投資市場が最も活発な地域は依然として北京で、175件の投資案件が生じ、公開金
額は約16.18億元だった。上海地域では82件の投資案件が生じ、公開金額は約4.73
億元だった。

 上記の単一の細分された分野の投資状況が、一つの都市の全体の創業の現状を完
全に示すには足りないが、トレンドから見ると、ベンチャー投資の発展水準では帝
都・北京は一貫してトップ、そしてここ数年「移民都市」深センの崛起に伴って、
上海の「2番手」の位置は幾分揺らいでいる。

 先日、中国初の科学技術イノベーションの新鋭科学技術銀行である浦発シリコン
バレー銀行によると、深セン支店設立許可が正式に深セン銀監局から得られ、年内
に広東・香港・マカオビッグベイエリアの深セン南山区に開業する。
 深センを選んだ原因について、浦発シリコンバレー銀行の蒋徳頭取はメディアの
取材に対し、「深センはその中の基幹エンジンを担う都市の一つとして、シリコン
バレーに似た良質な創業環境を有し、多くの資源の集中が全国の起業家を引きつけ
るだけでなく、あらゆる起業家サービス組織も引きつけ、我々が深セン支店を設立
するビジョンに十分な要素となっている」と述べた。

 同様に、比較的強い資源集積力を持つ北京もさらに安定的にトップの座に座り、
投資案件や投資規模においても大きくリードしている。
 「広東ベンチャー投資報告(2017)」では、北京の中心的な地位は引き続き顕著
で、2017年の北京地域では投資案件1393件を獲得し、投資関連金額は718.19億元と、
投資案件だけでなく、投資金額でも2位の上海をはるかに上回った。
 上海地域の投資件数は785件で、投資金額は310.44億元だった。3位の深センの投
資件数は554件、投資金額は162.71億元だった。

 一線都市のほか、二線、三線都市も猛追している。データによると、杭州のベン
チャーの革新は依然として加速している。2017年、杭州のベンチャープロジェクト
成長率は4.09%で、4年連続全国トップだった。

 金融業の覇者の地位と異なり、現下の国内ベンチャー版図において上海の地位は
危うく「前門の虎後門の狼」である。上海の革新的な創業環境は一体どうなってい
るのだろうか。

〈「革新商業モデルの実験場」〉
 事実上、BATがない上海は、中国インターネット商業戦争の中でもずっと最前線
にある。
 3月21日、美団打車が上海に正式に登録され、かつ、既に上海、杭州では現地監
督部門が発する「ネットワーク予約タクシー経営許可証」を得て、上海は美団と滴
滴がネット配車市場を奪い合う初めての戦場となり、その後、この闘いは徐々に国
内の他の都市に広がっていくことになる。
 美団に買収されたばかりのモバイクは最も早く上海で展開していた。2016年4月
に上海参入後は、モバイクと別のシェアサイクルブランドofoといったシェアサイ
クルの波が全国に広がった。
 アリババが進める新小売戦略(ネットとリアル店舗を融合させた小売)において、
第一号店の盒馬鮮生も上海開業が選ばれたが、これについて馬雲氏は以前、「新小
売の第一歩に我々は上海を選んだ。もし、改革革新と発展が高度な都市ということ
であれば、私は上海しかないと思う」と述べていた。

 優良な都市遺伝子は、上海をこのような革新商業モデルの最良の実験場にさせた。
消費が高度化していく中で、巨大な消費需要は多元的な商業革新モデルが成長する
ための絶好の土壌である。
 上海市統計局のデータによると、2017年の上海の社会消費品小売総額は1兆1830.27
億元で、前年比8.1%増だった。業界内の研究者によると、上海は「新小売の都」

になるだろうという。

 筆者は上海で生活して7年になるが、最もはっきりと感じていることは、ほとん
ど国内全ての最前線の科学技術の高度化は、まず最初に上海で始まり、ここで生活
する人が恩恵を受けていることだ。
 北京の地下鉄ではいまだにスマホスキャンで改札を通れないが、上海では既にこ
の技術が進み、従来型の交通カードであっても、各種第三者決済方式でチャージす
ることもできる。

 上海には「魔都」という名前があり、科学技術が我々の生活を変え、この都市に
は濃厚な「魔幻」の色彩とシュールな実感が増しているのは無理もない。
 なぜ上海がシェアサイクル実施の最初の都市に選ばれたのか、モバイクの王暁峰
前CEOは、上海はもともと進取の気性に富んだ政府があり、新しいもの好きの市民
がいて、その上で自転車道路も合理的につくられていて、新業態を試すのにうって
つけだったという理由を解説した。

 しかし、まばゆいばかりの大都市の光の中で、精緻な上海には、創業、草の根と
いうような言葉は関係ないようである。我々が見て体験する成熟した商業モデルや
技術、それらの大多数は上海という都市で誕生したものではなく、上海はその成長
を巨大化させた別の都市であるにすぎない。

 「上海にはもともと革新的なベンチャーの動力がなく、大企業サービスのための
ものであって、小企業、特に草の根ベンチャー企業を育てるという歴史的な遺伝子
や資源の蓄積はない」ある投資家は言う。
 「もちろん、上海にもいい企業が出現することを否定するわけではないが、その
数は極めて少ない。最も明白なのは、上海にBATがないことだ」
 かつて商業界の大物が集まってきた上海灘は、どうしてインターネット時代にお
くれたのだろうか?

 だが、そうは思わないと考える人もいる。
 「上海の商業遺伝子は「実務」であり、それは実際の利益を重んじるのであって、
お金を無駄遣いすることではない、相対的に成熟している100年の歴史を持つ商業
大都市について、この種の雰囲気は骨の髄までしみ込んでいる」ある投資家は言う。

〈上海で10年以内にBAT出現はない〉
 BATはないにしても、ユニコーンはあり、上海はメンツを取り戻している。
 胡潤が発表する「2018第1四半期胡潤大中華区ユニコーン指数」によると、北京
は依然として大中華区ユニコーン企業最多の都市であり、合計66の企業がランクイ
ンしており、全ランキング中45%を占めた。
 上海と杭州が2位と3位で、ユニコーン企業数は38社と16社、深センはユニコーン
企業11社で4位である。

 実際には、魔都・上海はインターネット分野のユニコーン企業が欠乏しているわ
けでもない。
 中国インターネット情報センター(CNNIC)が今年発表した第41回の「中国イン
ターネットの発展状況報告」によれば、2017年、中国のインターネットユニコーン
企業は計77社で、上海には北京に次ぐ23.4%を占め、2位だった。

 過去10年間を振り返り、上海はインターネット遺伝子を有する新型企業を誕生さ
せ強大化させており、その数も全国2位であり、上海にはこっそりと財をなしてい
る大量の「中間のやり手」がいる。例えば餓了麼、携程、如家である。
 あるメディアが列挙したリストには、滬江網、找鋼網、洋碼頭、易果生鮮、小紅
書、喜馬拉雅FM、蔚来記者、触宝科技、趣頭条、〓多多、陸金所などがあり、これ
ら企業は電子商取引、インターネットバンキング、医療ヘルス、自動車交通、ソフ
トウエア・ハードウエア分野に照準を合わせている。
 この中にユニコーン企業は少なくない。

 ジョーンズ・ラング・ラサール中国研究部の周志鋒CIOは、上海には後発の優位
があり、かつては革新的分野の上海の包括的な政策は十分ではなく、利益が得られ
ない小規模ベンチャー企業を排除したが、現在、上海の政策は既に変化しており、
新しいユニコーン企業がますます上海にあらわれるようになると見ている。

 ここ数年来、上海は相次いで幾つかの革新的ベンチャー支援政策を打ち出してお
り、「科創22条」「人材30条」などの一連の政策パッケージは徐々に効果を発揮し
てきている。

 上海にBATが近い将来あらわれるのだろうか?
 「上海は優秀なユニコーン企業は足りていないが、しかし、10年以内にBAT出現
はない」先述の投資家は非常に確かな口ぶりで言う。
 「それは上海という都市がよくないのではなく、上海が持つ位置づけの問題であ
る」

 興味深いことに、胡潤研究院が発表したユニコーン指数によれば、上海のユニコ
ーン企業数は杭州の2倍だが、全体評価は杭州よりも低い。上海のユニコーン企業
は38社、総評価額は6520億。杭州のユニコーン企業は16社、総評価額は6800億。深
センは190億米ドルで4位だった。

 上海の自由闊達な政策管理はインターネット企業業務展開に更に大きな経営空間
を提供しているが、インターネット企業がここで生まれここで成長してここに残れ
るかは、この都市が直面する最も切迫した問題である。リーダー企業の欠乏は、環
境全体を動かす革新の雰囲気に不利に働くことは間違いない。

 4月初め、上海浦東新区は「浦東新区の人材創新創業支援人材発展促進に関する
若干の意見」(人材35条)を発表したばかりである。
 人材のほか、今年3月に、上海市政府は「本市区域性株式市場規範の健全発展推
進に関する若干の意見」(滬府発〔2018〕9号)を発出し、科技型、革新型中小零
細企業の発展需要に立脚し、サービス生態圏をつくり、中小零細企業の発展活力を
向上させ、上海地域の初期投資市場の発展を促進する。

 3年前、ベンチャー・革新という波のもと、上海市科学技術委員会は「創業浦江
行動計画」を発表した。2020年、上海は世界に影響力を有する創業センターとなり、
「ホワイトカラー」起業家、大学生起業家、シリアル起業家、海外起業家等など各
類科学技術起業家は20万人を上回る集積があり、世界的あるいは地域的市場リーダ
ーの地位を有する革新型企業が大量に出現し、科学技術小巨人企業が3000社を上回
り、小巨人企業が100ほどの産業技術革新連盟を形成することを目指している。
 2018年に入り、締め切り日が近づいてきており、このような広大な青写真は期限
内に完成できるのかどうか、期待したい。
注)〓は、てへんに「并」
〔投資界2018年5月4日〕

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●中国東部沿海地域 原子力発電が既にクリーンエネルギーの主力に
 中国エネルギー研究会原子力発電専門委員会が4日、蘇州で設立を宣言した。
 国家エネルギー局監督管理総監の李冶氏は、今現在、中国大陸で稼働中の原子力
発電機は38基、設備容量は約3700万キロワット、建設中の発電機は18基、設備容量
は2100万キロワットとなっており、原子力発電が東部沿海地域におけるクリーンエ
ネルギーの主力の一つとなったと表明した。

 李冶氏によれば、現在、中国の原子力発電技術は第2世代から第3世代モデルへと
グレードアップしており、原子力発電の「海外進出」や国際生産能力の提携といっ
た新たな枠組みを形成している。
 2035年に向け、原子力発電は国家エネルギー安全保障、エネルギー構造調整の促
進、低炭素への転換、エネルギー供給サイドの構造改革の深化等の面で、より重要
な任務と責任を負うことになる。

 中国エネルギー研究会理事長の呉新雄氏によると、「エネルギー発展第13次5カ
年計画」において、2020年までに原子力発電の割合を2%から4%に向上させると既に
明示されている。
 原子力発電は大国の有する技術であり、原子力発電の「海外進出」推進は、中国
の装備製造業のレベルアップを後押しし、中国の貿易輸出入の構造を向上させ、国
際的な発言権と影響力を上げる重大な意義を持つ。

 「30年以上の発展を経て、中国原子力発電は現在「共に走る」「そろって走る」
から世界に「先駆ける」形へ変貌を遂げつつある。中国の原子力発電業は、現在
「一帯一路」提唱を包括的に遂行しつつあり、「海外進出」の歩調を速めている。
中国の原子力発電の発展は現在めったにない歴史の好機に直面している」。呉新雄
氏はこのように話した。

 呉新雄氏は、これと同時に、中国の原子力発電の発展には依然として問題と挑戦
に直面していると話す。
 今後、中国エネルギー研究会原子力エネルギー専門委員会は、技術革新研究と注
核技術の難題攻略を展開し、中国原子力エネルギー産業全体の実力と競争力向上に
貢献し、国内外の原子力エネルギー分野での学術交流を積極的に促進する。

 中国エネルギー研究会は1981年に成立し、中国エネルギー業界分野で歴史上最も
長く、関連業界の範囲は最も広く、エネルギー分野において最も影響力を持つ学術
団体の一つである。
 中国エネルギー研究会原子力エネルギー専門委員会の事務局は中国広核集団傘下
の蘇州熱工研究院である。〔新華網2018年5月4日〕

●中国による一帯一路沿線経済押し上げ鮮明 初めて輸入が輸出を上回る
 5月6日、国家情報センター「一帯一路」ビッグデータセンター、大連瀚聞資訊有
限公司が共同編さんした「「一帯一路」貿易協力ビッグデータ報告2018」が公表さ
れた。
 研究結果によると、2017年、中国と「一帯一路」国家・地域との輸出入総額は2
年連続マイナス成長の状況を転換させ、1兆4403.2億米ドル、前期比13.4%増と、中
国の貿易全体の増加の伸びを5.9ポイント上回り、また中国の輸出入貿易総額の36.2%
を占めた。

 これに対し、中国区域経済学会の陳耀副会長は、「一帯一路」の国際的な提唱が
既に着実に実施されていることは、昨年の「一帯一路」国家協力サミットフォーラ
ムの成果ではっきりしており、域外経済貿易協力区も良好に進展していると分析する。
 そのうち、中国の「一帯一路」国家・地域向け輸出額は7742.6億米ドル、前期比
8.5%増、中国の総輸出額の34.1%を占めた。「一帯一路」国家・地域からの輸入額
は6660.5億米ドル、前期比19.8%増、中国の総輸入額の39.0%を占めた。ここ5年来
で輸入の伸びが初めて輸出を上回った。
 「輸入の増加の伸びが初めて輸出を上回ったことは、中国が世界第二の経済大国
として、沿線国家・地域経済に対する押し上げ作用が明確になったものである」陳
耀副会長は解説する。

〈東北の輸出入総額の伸びが最も高い〉
 報告では、2017年の中国と「一帯一路」沿線国家・地域の貿易状況の変化を分析
している。
 2017年、アジア太平洋地域は、中国の「一帯一路」沿線最大の貿易協力地域であ
り、輸出入総額は8178.6億米ドルに達し、中国と「一帯一路」国家・地域の輸出入
総額の56.8%を占めた。その次が西アジア地域だった。

 地域貿易額の伸びでは、2017年、中国の中央アジア地域に対する貿易額の伸びが
最も高く、2016年比19.8%増、次が東欧(17.8%)だった。
 これに対して、中国社会科学院世界経済・政治所国際貿易研究室の東艶主任は、
中国は中央アジア地域とのエネルギー大口商品貿易が比較的多く、大口商品価格の
上昇と国内需要の回復増に伴って、価格と量がそろって膨張する現象があらわれ、
最終的に貿易額の増加の伸びが最も高くなったと分析した。

 2017年の上位10カ国の貿易パートナーは、韓国、ベトナム、マレーシア、インド、
ロシア、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピン、サウジアラビアで、中
国とこれらの国家との輸出入総額は、中国と「一帯一路」国家・地域との68.9%に
達した。
 中国の輸出入総額の増加の伸びが最も高い貿易パートナーは、カタール、モンテ
ネグロ、モンゴル、カザフスタンで、その増加の伸びは35%以上だった。

 報告では更に、中国各省区市と「一帯一路」国家・地域との貿易協力の現状と発
展状況について分析した。
 2017年、東部地域と「一帯一路」国家・地域との輸出入総額は1兆1494.1億米ド
ルで、中国と「一帯一路」国家・地域との輸出入総額の79.8%に達した。西部地域
と「一帯一路」国家・地域との輸出入総額は当該地域の貿易総額に占める割合の中
で最も高くなり、2017年に48.1%に達し、また東北地域は41.7%だった。

 増加の伸びでは、東北地域と「一帯一路」国家・地域との輸出入総額の増加の伸
びは最も高く、2016年比22.0%増で、その次が西部地域の15.6%だった。
 同時に、この2地域の輸入額の増加の伸びは際立っていて、西部地域の輸入額は
前期比53.3%増、東北地域は前期比33.9%増だった。

 具体的な省では、広東、江蘇、浙江、山東、上海は「一帯一路」国家・地域との
輸出入総額上位5省で、貿易額が占める割合の合計は67.8%に達した。中でも山東が
初めて上位5省に入った。輸出入総額の伸びが最も高いのは、新疆、河北、四川、
山東で、増加の伸びは35%以上だった。
 「ランキング上位5省はもともと貿易が発達している省で、この種の優位性は
「一帯一路」沿線国家・地域との協力を反映している」陳耀副会長は、新疆の輸出
入額の増加が最も高いのは、シルクロード中継点であることと関係しているほか、
他の4省は一種の新しいトレンドと分析した。

〈民間企業の輸出入が主力〉
 報告では、貿易主体では、民営企業が輸出入が主で、国有企業の成長の伸びが顕
著であると分析している。

 輸出入総額では、民営企業と「一帯一路」国家・地域との輸出入総額のシェアが
最も高い。
 2017年、民営企業と「一帯一路」国家・地域との輸出入総額は6199.8億米ドル、
中国と「一帯一路」国家・地域との貿易額の43.0%を占め、その次が外商投資企業
(36.6%)、国有企業(19.4%)、その他の企業(1.0%)だった。
 陳耀副会長は、この結論はいささか驚かせるもので、民営企業は「一帯一路」建
設参画に更に積極的で、その中で多くのビジネスチャンスを探し出していると分析
している。

 輸出入総額の増加の伸びでは、国有企業の輸出入総額の増加の伸びは最も高く、
2017年の総額は2795.9億米ドルで、2016年比24.5%増だった。次が民営企業(12.1%)、
外商投資企業(10.2%)、その他の企業(1.2%)が続いた。
 東艶主任は、国有企業は自身の特徴により、「一帯一路」参画時に国家としての
使命感をさらに多く持ち、今後も国有企業の輸出入総額はやや高い速度を維持する
と分析している。

 輸出額では、民営企業の「一帯一路」国家・地域に対する輸出額は、中国と「一
帯一路」国家・地域との輸出額に占める割合の中で最大だった。
 2017年、民営企業の輸出額は4325.4億ドルに達し、中国の「一帯一路」国家・地
域の輸出額の55.9%を占めた。その次が外商投資企業(31.3%)、国有企業(12.6%)、
その他の企業(0.3%)だった。
 輸出額の増加の伸びでは、民営企業の増加の伸びは最も高く、2016年比8.9%増だ
った。その次が国有企業(8.3%)、外商投資企業(8.2%)、その他の企業(―15.2%)
だった。

 輸入額では、外商投資企業の「一帯一路」国家・地域からの輸入額が、中国の
「一帯一路」国家・地域からの輸入額に占める割合の中で最大だった。
 2017年、外商投資企業の「一帯一路」国家・地域からの輸入額は2845.5億米ドル
に達し、中国の「一帯一路」国家・地域からの輸入額の42.7%を占めた。その次が
民営企業(28.1%)、国有企業(27.3%)、その他の企業(1.8%)だった。
 これに対して、国務院発展研究センター産経部の魏際剛研究員は、在中外商投資
企業は現在ミドル・ハイエンドの製造企業で、世界にサプライチェーンを張りめぐ
らしており、原材料、中間製品を大量に輸入する必要があり、「一帯一路」沿線国
家・地域は重要な貿易先であると分析する。

 輸入額の増加の伸びでは、国有企業の「一帯一路」国家・地域からの輸入額の増
加の伸びは最も高く、2017年の輸入額は1818.8億ドルに達し、2016年比35.4%増だ
った。その次が民営企業(20.3%)、外商投資企業(11.9%)、その他の企業(4.5%)
だった。
〔21世紀経済報道2018年5月8日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行5月6日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     5.7551  638.52    81.34   750.7
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――英語読み》
 ここ数年は新聞の中国人の政治家名には現地読みと思われるルビが振っていて、
でも、実際にそのような読み方を日本語の会話でしているのを聞いたことがなかっ
たのですが、この前初めて「シージンピン」「ワンベルトワンロード」と話される
のを聞きました。いよいよ中国の話を英語読みされて理解できない時代の到来を実
感しました。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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