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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.784 2022年11月3週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:教育水準の全国的な向上】
●中国の教育普及 中高所得国水準以上に
●都市企業の従業員の年金 2028 年以降は支出超過

┏【李年古の日中異文化交流術】
●短編小説「私たちは実家で年を越した」 3

┏【国際】
●中日国交正常化から50周年 中日関係の「安定した長期的発展」とは

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……【特集:教育水準の全国的な向上】………………………………………
●中国の教育普及 中高所得国水準以上に
 9月9日、教育部基礎教育局の呂玉剛局長は記者会見で、過去10年間で中国の教育
普及水準は大きな飛躍を遂げ、各レベルの普及度合いは中高所得国の平均水準に達
しているか、それを上回っていると述べた。
 そのうち、以下の数字を列挙し、説明として加えた。

▽現在、中国には各レベルに各種の学校が約53万あり、在校生は2.9億人を超える。

▽就学前の総就園率は88.1%で、10年前より23.6ポイント増加した。

▽全面的な普及の実現という基盤の上に、9年制義務教育の定着率は95.4%に達し、
10年前に比べて3.6ポイント増加した。

▽高校教育の総就学率は91.4%で、6.4ポイント増加した。

▽高等教育の総就学率は57.8%で、27.8ポイント増加した。

▽労働年齢人口の平均教育年数は10.9年である。

▽20万人の義務教育段階で中途退学する貧困世帯の学生を解消した。

▽99.8%の小中学校が運営条件20項目の最低ラインを満たした。

▽過去10年間で累計約13億人の学生を支援した。

▽主要大学が農村地域や貧困地域から学生を募集するための特別プロジェクトを引
き続き実施し、累計で95万人以上の学生を採用している。

▽人口30万人以上の県には特別支援学校があり、障害児の義務教育就学率は95%以
上である。

〈教育サービス力の着実な向上〉
▽中国で大学教養程度を持つ人口は2.18億人を超え、10年前から大幅に増加した。

▽職業教育の類型的な位置づけを最適化し、職業教育と一般教育の統合を促進し、
生産と教育の統合を深めながら、中等及び高等専門学校(専門学校を除く)は、10
年間で累計7900万人以上の卒業生を送り出している。

▽大学のイノベーション能力は絶えず向上しており、過去10年間で国家自然科学賞
の67%、国家技術発明賞の72%を受賞している。

▽大学の特許の権利移転額は10年間で8.2億元から88.9億元に増加した。
〔南方都市報2022年9月16日〕

●都市企業の従業員の年金 2028 年以降は支出超過
 2005年から養老年金は18年連続で上昇する一方、2016年より前の数年は養老年金
額の上昇率は10%を超えていた。したがって、退職者の1人当たりの養老年金は既に
当初の714元から現在の2900元にまで上昇した。
 その利点は、養老年金の増加により老後の生活がよりよく、より立派なものにな
った。しかし、平均余命が継続的に改善し、2022年以降の大量退職の波が到来する
と、養老年金基金プールに大きな課題をもたらしている。

 中国社会科学院が発行した「中国養老年金精算報告書2019―2050年」によると、
都市企業の従業員の基礎養老保険基金(養老年金)は、2028年以降は完済できず、年
間1181.3億元不足という驚異的な規模になり、2050年には100倍近くに拡大して11.28
兆元に達する見込みである。
 養老年金基金の累積余剰の状況も楽観的ではなく、2027年にピーク値の6.99兆に
到達し、その後年々減少し、2035年には枯渇する可能性がある。
 最新のデータによると、2020年の中国の高齢者人口の扶養率は19.70% で、これ
は5人の費用負担で1人の退職した高齢者を扶養するのに相当する。この20年間で高
齢者の扶養率はほぼ2倍になった。
〔騰訊2022年8月20日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●短編小説「私たちは実家で年を越した」 3
(前号より続く)
 二
 弟はようやく台所を譲った。私は父の記憶をTikTokのチュートリアルで補強しな
がら豚皮の調理を開始した。これは幼いころから記憶している父がつくってきた我
が家に伝わる無形文化遺産だ。
 豚皮は、小麦粉肉団子を除けば、ほかほかと湯気の立つ土鍋に唯一肉の旨味を持
つ。歯で用心深くそしゃくすると、その瞬間、口の中一帯に肉のにおいが広がり、
おいしい肉汁があふれ出る。歯の根っこを溶かすに足る肉汁だ。
 あの時代に、食べ物を求め泣く4人の子供を育てるのは容易なことではなかった。
テーブルで肉のにおいを嗅ぎたければ正月や節句が巡るのを辛抱強く待つしかなか
った。豚皮は苦しい生活の狭間に出てきた唯一自由に堪能できる肉製品だった。
 記憶では、私達4人の子供は誰がより幸せになれるかを競うため、豚皮を前歯に
挟むことで油いっぱいの1つ1つの泡をあふれ出させた。まるで包装用の接着フィル
ムの気泡を指で押しつぶすような感覚だ。

 この世に手にとって鑑賞のできる美味しくて細やかなお勧めのものがあるとすれ
ば、それはこの豚皮だ。

 我が家は母系社会で、母親が大事を決め、父親は生活全般を見てきた。
 父が仕事から戻るといつも鞄を抱えたまま真っすぐに台所へ向かっていたのを覚
えている。鞄の中に仕事道具を見たことはなく、いつもワケギやニンニクのにおい
がしていた。
 幼いころより台所から離れていた私が、何と今父の才能を受け継ぎ、彼のつくる
豚皮をうまくまねた金色の豚皮が私によってここに生み出されたのである。
 部屋いっぱいに広がる肉のにおいを嗅ぎながら再度、壁にかかる父の遺影を見て、
もう少しで油脂にまみれた指で目頭をぬぐうところだった。

 金色に輝く豚皮をリビングに運んでいくと、弟がちょうどひざまずき、ソファの
傍らでパグに食事を食べさせているところだった。
 一かけら口に押し込むたびに弟の口は思わずそしゃくするように動き、それはま
るで幼いころに父が弟に米粉や砂糖でつくった乳児用食品を食べさせている姿その
ものだった。
 私が豚皮を弟の口まで運ぶと、弟は無意識にそれを避け、その後細かくチェック
した後、そのままパグの口まで運んだのであった。
(次号に続く)

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)

……【国際】………………………………………………………………………………
●中日国交正常化から50周年 中日関係の「安定した長期的発展」とは
 2022年は中日国交正常化50周年に当たる。中日関係の発展における重要な節目で
あり、歴史の新たな出発点である。
 昨年10月、習近平国家主席は日本の岸田文雄首相と電話会談した際、中日は「仁
に親しみ隣に善くするは、国の宝なり」と強調した。 これは中国の伝統的な統治
哲学であるだけでなく、中日関係の発展に対する中国側の姿勢を明確に反映している。

 50年前の東西冷戦時代、先輩の政治家たちは両国民の基本的利益から出発して、
政治体制、社会制度、イデオロギーの違いを維持しながら、中日間の平和、友好、
協力の大同を求めて国交正常化という戦略的決断を下した。

 国交正常化以来、中日関係は質、量ともに大きく進展した。改革開放の初期にお
ける中国の経済建設は、日本によって支援、援助されたものであり、同時に、中国
の発展は日本にも貴重なチャンスをもたらした。
 中国は15年連続で日本の最大の貿易相手国である。対中国の輸出入は日本の対外
貿易の20%以上を占め、3万社以上の日本企業が中国で投資、事業を行っている。2021
年新型コロナウイルス感染症の流行を背景に、日中両国間の貿易額は3700億米ドル
を超え、歴史的記録を大幅に更新した。

 中日両国間には幅広い分野で共通の利益と関心を有している。世界経済の回復の
推進や地域での協力発展の促進にしても、気候変動やテロなどのグローバルな問題
への対応など、双方ができること、すべきことが多くある。これらの重要な成果は、
両国と両国民に具体的な利益をもたらしただけでなく、世界、特にアジアの平和、
安定、発展を力強く維持し促進するものでもある。

 両国の協力関係は、強靱で大きな潜在力を示している。しかし、中国の発展に直
面し、日本の一部の政治勢力は「中国の脅威」を誇張し、対中強硬論を唱え、中日
関係の安定的発展に重大な支障を来している。

 中国と日本はパートナーであるべきか、それとも敵対するべきか。これは、中日
関係を扱う上ではっきり認識しなければならない基本的な問題である。
 中国の対日政策は一貫して明確であり、日本を敵とみなしたことはない。常に中
日の平和と友好、ウイン・ウインの協力関係を提唱してきた。日本社会も、中国に
対する客観的かつ合理的な認識を確立し、より自信に満ちたオープンマインドで中
国との協力を推進すべきである。

 中国と日本は離れられない隣国である。矛盾や違いがあるのは仕方ないことであ
るが、大切なのはそれを適切に管理し、突出して激化させないようにすることである。
 国交正常化以降、中国と日本は4つの政治文書に合意し、歴史や台湾など主要な
原則的問題を扱うルールを定めるとともに、互いの内政不干渉などの重要原則を確
認した。
 これらのルール、原則、コンセンサスを得た今、我々は、約束を守り、ルールに
違反せず、一線を超えずに、対立や相違を適切に管理するために、何ができて、何
ができないかを知らなければならない。そうしてこそ、中日関係が安定して長期的
発展をすることは歴史が証明している。

 民間の友好交流は常に中日関係発展の重要な礎になっている。長い間、両国の人
々は二国間の発展に重要な貢献をしてきており、「民間が先行し、民が官を促す」
という伝統を形成してきた。
 中国四川省のブン川大地震や日本の3.11東日本大震災では、両国の人々が苦しい
境遇にあって協力し、困難に打ちかつという感動的な物語を描いた。
 新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生後、両国国民は手を携えて疫病と
戦い「山川異域、風月同天」(住むところは違えども風月の営みは同じ空の下でつ
ながっている)という歴史的なエピソードを残している。これらは両国の人々にと
って貴重な財産である。

 中日関係の改善と発展は、過去50年、半世紀にわたる劇的な変化の中で苦労して
勝ち得たものであり、大切にすべきものである。未来を展望し、双方が初心を振り
返り、信念を持って、中日関係の健全で安定した発展を正しい軌道で推進する必要
がある。
 郭沫若氏が「沁園春 祝中日国交回復」という詩の中で期待したように「これか
らは、言動が実を結び、万国が調和することを願っている」。
〔中国新聞網2022年9月28日〕
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃 村井好子
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