CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子マガジン《中国最新情報》  No.525 2011年2月8日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
登録/解除:http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「ビジネス企業研修@中国」http://www.bizchina.jp/
★今週の読者数合計:6,023名(2011年2月7日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:隆盛きわめる中国域外での経済活動】
●中国昨年対外請負工事締結額6994億米ドル
●2010年 中国レアアース輸出割り当て額総量30%減
●2010年 中国域外M&A総額は294億米ドル
●2010年9月末 中国外債残高5000億米ドル超

┏【貿易】
●2010年 中国・香港貿易額前年比31.8%増
●2010年 中国・台湾貿易額前年比36.9%増
●2010年 対中ASEAN輸入44.8%増 貿易赤字が30倍増
●マカオ 2010年GDP成長2割 経済発展は全体的に良好

┏【金融】
●海外の収益が低いことが人民元の逆流を起こす

┏【国内経済】
●2010年 対中直接投資累計額1057.4億米ドル
●蘇州の台湾企業9000社突破 第12次五カ年計画を助力
●2010年 私営部門の輸出は国営企業の倍

┏【経済データ】
●外国為替(2月7日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:隆盛きわめる中国域外での経済活動】…………………………………
●中国昨年対外請負工事締結額6994億米ドル
 商務部は18日午前、2011年第1回目の定例記者会見を行った。
 商務部の姚堅報道官は、2010年末現在、中国の対外請負工事の累計営業額は4356
億米ドルで、契約締結額は6994億米ドルであったと述べた。
 
 2010年の中国対外請負工事は安定的に成長し、発展形態の転換期に入り始めた
重要な時期にある。
 年間の中国対外請負工事業務の営業額は922億米ドル(前年比18.7%増)で、う
ち12月期の営業額は183.5億米ドル(前年同期比41.9%増)であった。
 新規契約締結額は1344億米ドル(前年比6.5%増)で、うち12月期の新規契約締
結額は314.2億米ドル(前年同期比59.5%増)であった。BOT、PPP等高度なものを
試みる企業がますます多くなり、設計コンサルティング業務の新規契約締結額も
前年比で大幅増となった。
 2010年末現在、中国の対外請負工事の累計営業額は4356億米ドルで、契約締結
額は6994億米ドルであった。

 2010年、新規契約締結額が5000万米ドル以上のプロジェクトは488件(前年同
期は440件)、計1069億米ドルで、新規契約締結総額の79.5%を占めた。そのうち、1
億米ドル以上のプロジェクトは261件で、前年同期より21件ふえた。

 営業額の国及び地域分布では、アジア426.6億米ドル(前年比7.2%増、シェア
は46.3%)、アフリカ358.3億米ドル(前年比27.5%増、シェアは38.9%)、ラテン
アメリカ63億米ドル(前年比72.2%増、シェアは6.8%)、ヨーロッパ49.9億米ド
ル(前年比57.1増、シェアは5.4%)、オセアニアのシェアは1.6%、アングロアメ
リカのシェアは1%であった。

 新規契約締結額の国及び地域分布では、上位10カ国及び地域は、インド、イン
ドネシア、サウジアラビア、ベネズエラ、アルジェリア、ベトナム、ナイジェリ
ア、トルクメニスタン、スーダン、アンゴラであった。契約額は計548.7億米ド
ルで、新規契約締結総額の40.8%を占めた。

 新規契約締結額の産業分布で対外請負工事の新規契約締結額が主に集中してい
るのは、交通運輸業290.8億米ドル(21.6%)、不動産建設業280.8億米ドル(20.9%)、
電力工業279.8億米ドル(20.8%)、石油化学工業160.4億米ドル(11.9%)、電子
通信業112.6億米ドル(8.4%)、製造加工業5.7%、上下水道4.0%、鉱山建設1.0%、
環境保護産業建設0.2%、その他5.5%であった。〔中国経済網2011年1月18日〕

●2010年 中国レアアース輸出割り当て額総量30%減
 商務部は18日午前、2011年1回目の定例記者会見を行った。
 商務部の姚堅報道官は、2010年中国レアアース輸出割り当て額総量は2009年比
で30%前後減少したと述べた。そして、アメリカ、オーストラリア、中央アジア
といった幾つかの国では最近、レアアースの生産を拡大し、レアアースの世界供
給の逼迫緩和の有効な保障となっていると指摘した。

 姚堅報道官は、2011年中国のレアアース輸出についての幾つかの基本的状況に
ついて紹介した。

 まず、12月28日に発表されたレアアース輸出は第1回割り当て額だけで、年間
割り当てではないこと、年間割り当てが確定した後、中国は速やかに公表するこ
と、年間の割り当てについては商務部が現在関連部門と協議中であることを示した。
 2010年1―11月、中国はレアアースを計3.5万トン輸出し、その数量は14.5%増、
金額は171%増、単位当たりの価格は130%強増であった。輸出した地域は主に日本、
EU、米国に集中し、全体輸出規模の86%を占めた。2010年の中国レアアース輸出
割り当て額総量は2009年比で約30%減であった。
 レアアース輸出について、中国は、輸出政策だけでなく、レアアースの生産政
策、製錬政策の共同研究も可能であるという態度を示すと同時に、引き続き国際
市場にレアアースを供給し続け、WTO規則に基づきレアアースの輸出割り当て額
を管理するとしている。

 次に、中国は、これまでの間、関連国が参画及び国際協力し、レアアースの採
掘と世界的な供給の一層の強化を図っていることに注視しているとした。
 例えば、アメリカ、オーストラリア、中央アジアの幾つかの国家ではレアアー
スの生産を一層拡大しており、それはレアアースの世界供給緩和の有効な保障と
なると見ている。

 中国は現在、世界レアアース埋蔵量の36%を占めるにすぎないが、世界の90%の
レアアースの供給を担っている。
 姚堅報道官は、中国自身はさらなる持続的な発展、技術水準の向上等の問題を
抱えており、中国は、レアアースの輸出及び生産政策も含めて、世界の協力の中
でレアアースの管理制度をさらに整備できると述べた。

 このほか、姚堅報道官は、中国はレアアースの価格設定権を得られるのかとの
質問があり、以下のように答えた。
 2010年、中国のレアアース輸出の単位当たりの価格は130%以上の増となった。
資源は有限であり、レアアースの価格は国際市場の需要及び供給の変化に伴って
変化するのが正常な現象である。最も重要なことは、過去1年において、レアア
ース電子産業応用方面の需要を含め、レアアースの輸出で関連産業の需要を有効
に保障したということである。

 そのほか、一方で、中国はレアアース輸出調整の過程で、国内的措置を一層整
備し、国際協力を強化し、レアアース生産、製錬、輸出プロセスにおける環境保
護措置の足並みをそろえている。
 姚堅報道官は、これらのことは、価格に反映できるとは限らないが、中国が国
際社会と協力し、さらに一層レアアースの採掘、生産、分離技術を高め、汚染を
低減し、集積度を高めることが全体的な環境保護強化のプロセスであると見てい
る。〔中国経済網2011年1月18日〕

●2010年 中国域外M&A総額は294億米ドル
 投中集団が20日発表した統計データによると、2010年の中国企業が参画し完了
したM&A件数は1832件で、公表取引規模総額は833.1億元であった。
 そのうち、中国企業による域外M&A件数は57件で、公表取引規模は294.3億米ド
ルと史上最高を記録した。エネルギー、鉱業等が中国企業の海外M&Aを進める際
のターゲットのトップである。
 中国企業の域外M&A規模は、2005年の3.6%から2010年の35.3%に上昇している。

 1月14日、中央銀行が人民元域外直接投資テストを開始したことで、中国企業
による人民元での域外で資産及び会社の買収が見込まれる。
 投中集団は、中国企業にとっては、中央銀行が開始した人民元域外直接投資テ
ストは為替レート変動の影響を避けられ、企業の為替決済コストの低減、企業資
金出入境手続の簡素化、取引効率の向上につながると分析している。
 投中集団のアナリストは、2011年中国企業の域外M&A規模を500―700億米ドル
と見込んでいる。〔新京報2011年1月21日〕

●2010年9月末 中国外債残高5000億米ドル超
 国家外国為替管理局が発表した最新データによると、2010年9月末現在、中国
の外債残高は5464.49億米ドルであった。(香港、マカオ及び台湾の対外負債を
除く。以下同様)そのうち、記名国債残高は3265.49億米ドル、貿易信用残高は
2199億米ドルであった。

 債務期限別に、中長期外債残高は1770.08億米ドルで、外債残高の32.39%を占
めた。短期外債残高は3694.41億米ドルで、外債残高の67.61%を占めた。
 2010年9月末の短期外債残高のうち、貿易信用及び貿易金融(銀行のように輸
出入貿易で与信提供を行うこと)の合計は短期外債残高の78.17%を占めたが、こ
れは主に中国との数年来の対外貿易の劇的な発展と緊密に関連している。
 貿易信用及び貿易金融は実際の輸出入貿易取引を背景としており、一般的に余
計な外債リスク増加にはならない。〔北京日報2011年1月20日〕

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【貿易】………………………………………………………………………………
●2010年 中国・香港貿易額前年比31.8%増
 商務部が1月18日に発表した総合データによると、2010年1―12月の中国(大
陸)と香港との貿易額は2305.8億米ドル(前年比31.8%増)であった。そのうち、
中国の対香港輸出が2183.2億米ドル(同31.3%増)、中国の対香港輸入は122.6億
米ドル(同40.9%増)であった。
 2010年12月期は、中国と香港との貿易額は256.2億米ドル(前期比3.9%増)で
あった。内訳は、中国の対香港輸出は245.0億米ドル(同5.4%増)、中国の対香
港輸入は11.2億米ドル(同20.0%増)であった。

 香港資本の投資では、2010年1―12月の中国が批准した香港資本による投資プ
ロジェクトは1万3070件(前年比22.1%増)で、投資金額(実質ベース。以下同
じ)は605.7億米ドル(同31.5%増)であった。
 2010年12月期の中国が批准した香港資本による投資プロジェクトは1533件(前
期比4.1%減)で、投資金額は97.2億元(同88.7%増)であった。

 2010年12月末現在、中国が批准した香港資本プロジェクトは累計32.24万件で、
投資金額(実質ベース)は4562.1億米ドルである。投資額の統計によると、香港
資本は中国向け海外投資の累計43.4%を占めた。

 経済協力においては、2010年1―12月の中国の香港における請負、労務協力契
約数は計1632件で、契約金額は35.1億米ドル、営業額19.0億米ドルで、12月末現
在の香港における労働者数は2万1052人である。2010年12月末現在、中国の香港
における営業額は累計で395.8億米ドルである。〔第一財経2011年1月18日〕

●2010年 中国・台湾貿易額前年比36.9%増
 商務部が1月18日に発表した総合データによると、2010年1―12月の中国(大
陸)と台湾との貿易額は1453.7億米ドル(前年比36.9%増)であった。そのうち、
中国の対台湾輸出は296.8億米ドル(同44.8%増)、中国の対台湾輸入は1156.9億
米ドル(同35.0%増)であった。
 2010年12月期は、中国と台湾との貿易額は136.1億米ドル(前期比4.1%増)で
あった。内訳は、中国の対台湾輸出は30.2億米ドル(同期比3.1%増)、中国の対
台湾輸入は105.9億米ドル(同4.3%増)であった。

 台湾資本の投資では、2010年1―12月の中国が批准した台湾資本による投資プ
ロジェクトは3072件(前年比20.2%増)で、投資金額(実質ベース、以下同じ)
は24.8億米ドル(同31.7%増)であった。
 2010年12月期の中国が批准した台湾資本による投資プロジェクトは345件(前
期比4.4%減)で、投資金額は2.7億元(同22.7%増)であった。

 2010年12月末現在、中国が批准した台湾資本プロジェクトは累計8万3133件で、
投資金額は520.2億米ドルである。投資額の統計によると、台湾資本は中国大陸
向け海外投資の累計5.0%を占めた。〔第一財経2011年1月18日〕

●2010年 対中ASEAN輸入44.8%増 貿易赤字が30倍増
 中国税関総署が20日に発表した情報によると、2010年、中国とASEANとの貿易
額は2927.8億米ドル(前年比37.5%増)であった。そのうち、中国の対ASEAN輸入
は1545.6億米ドル(44.8%増)、対ASEAN輸出は1382.2億米ドル(30.1%増)であ
った。

 中国の対ASEAN主要輸入品目は、付加価値の高く、ASEAN国家に多くの就業をも
たらすメカトロニクス製品である。2010年、中国がASEANから輸入したメカトロ
ニクス製品は829.4億米ドル(39.4%増)で、当年の中国の対ASEAN輸入総額の53.7%
を占めた。

 中国・ASEAN自由貿易地域は2010年1月に全面開始以降、1年がたった。その期
間において、中国とASEANとの貿易の月間輸出入額はほぼ2けた成長となった。2
月期の春節による影響で双方の輸出入額が200億米ドルを下回ったことを除けば、
その他の月は200億米ドル以上であった。
 2010年12月期においては、中国、ASEAN双方の貿易額は11月期に記録した月間
最高記録を更新し、297.7億米ドル(前年同期比14.8%増)に達した。そのうち、
輸入は160億米ドル(前年同月比24.7%増)、輸出は137.7億米ドル(同12.4%増)
であった。

 中国・ASEAN自由貿易地域の実施は、ASEAN各国に恩恵を与えている。
 2010年、中国とASEAN原加盟国(ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィ
リピン、シンガポール、タイ)の輸出入額は計2557.5億米ドル(36.5%増)であ
った。そのうち、輸出入額の成長率はマレーシア42.8%、シンガポール19.2%、タ
イ38.6%、ブルネイは1.4倍であった。
 そのほか、ASEAN新加盟国(ベトナム、ミャンマー、東ティモール、ラオス)
の輸出入額は計370.3億米ドル(44.4%増)であった。

 また、税関の統計によると、中国のASEANに対する貿易赤字は163.4億米ドル
(前年比30.7倍)であった。
 現在、ASEANはEU、米国、日本に続く、中国の4番目の貿易パートナーである。
〔中国新聞網2011年1月20日〕

●マカオ 2010年GDP成長2割 経済発展は全体的に良好
 マカオ経済財政司の譚伯源司長は20日イベント出席の席上、マカオの目下の経
済発展は全体的に良好であり、昨年のGDPは20%を超えたと述べた。
 過去1年においてマカオの経済は比較的速い発展を保持し、観光業、展覧、カ
ジノ等総じて成長、年間経済実質成長率は2割以上、公共財政は引き続き黒字で、
金融は安定を保持、失業率は3%以下と、目下全体経済発展は良好である。

 一方、マカオの昨年の経済の急成長は主にカジノ産業の急成長の動きを受けた
ものだと見ている学者もいる。マカオ・カジノ監察協調局が発表したデータによ
ると、2010年のカジノ収益は1883億パタカで、2009年に比べ690億パタカ、57.8%
増の高い伸びとなった。
 そして、入境観光客数の上昇もまたカジノ観光業の発展の原動力を与えている。
マカオ特区政府観光局の安棟梁局長は19日、2010年アモイ入境観光客数は延べ
2496.5万人で、前年比15%増となったと発表した。

 今年の展望について、譚伯源司長は、マカオ特区政府は引き続き観光インフラ
を整備し、観光業の持続的な発展を促進すると述べている。マカオ経済発展は楽
観的で、2けたの高い成長が望めると予測されている。〔中国新聞網2011年1月20日〕

……【金融】………………………………………………………………………………
●海外の収益が低いことが人民元の逆流を起こす
 デロイト&トウシュが香港で発表した「アジア金融フォーラム2011」白書では、
海外市場の収益が低いことが、人民元を中国大陸市場に逆流させているとしている。

 デロイト&トウシュは、中国大陸の資本の今後の発展について、大きく3つの関
連するトレンドが課題になり、問題解決の道筋となると見ている。
1) 国内株式投資ファンド数が激増し、中国大陸企業の上場投資の資本を提供す
 るため、A株の新規株式公開(IPO)が投資撤退手段として模索されるかもしれ
 ない。
2) 人民元ファンド激増が投資者にとりその撤退の課題となる。一般的な状況下
 では、人民元資源を利用した資金投資と中国大陸企業のファンドはIPOからの
 人民元回収を望むが、市場はA株市場が人民元及びファンド激増による大量の
 IPOを許容できるのかどうかを懸念している。
3) 政府が人民元の国際市場における地位向上を奨励し加速するという政策のも
 と、中国大陸域外の人民元は急速に積み上がってきている。香港金融管理局の
 報告によると、2010年10月、人民元保有残高は45.4%激増し、総額計2171億元
 に達した。

 デロイト&トウシュ中国研究及び洞察力センターの杜志豪総監は、上記トレン
ドがもたらす動向によって、今後の人民元市場は再編されるとしている。
1) 中国大陸以外の市場の収益が低いことにより、人民元は中国市場への逆流圧
 力を受けている。
2) 市場が増加し続ける人民元IPO件数を支える必要があることにより、監督機関
 及び投資者に能力強化が求められている。

 杜志豪総監は、以下のように述べている。
 「目下2つのはっきりと異なる手段で問題を解決できる。1つは、一連の改革措
置を講じて中国大陸市場を外国投資者に開放する。2つは、域外にさらに多くの
人民元投資ルートを開放することで選択肢を与えることである」
〔経済参考報2011年1月21日〕

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●2010年 対中直接投資累計額1057.4億米ドル
 商務部が18日に開催した定例記者会見において、商務部の姚堅報道官は、2010
年の年間の全国対中直接投資金額は1057.4億米ドル(実質ベース、前年比17.4%
増)で、初めて1000億米ドルの大台を突破し史上最高水準に達するとともに、2009
年の2.6%減の局面を転換させたと述べた。

 2010年、外資による対中直接投資は安定的に急増した。12月期は140.3億米ド
ル(前年同期比15.6%増)で、2009年8月以来17カ月連続増となった。
 年間の全国非金融分野における外商投資新規企業設立数は2万7406社(前年比
16.9%増)、対中直接投資金額は1057.4億米ドル(前年比17.4%増)、初めて1000
億米ドルの大台を突破し史上最高水準に達するとともに、2009年の2.6%減の局面
を転換させた。
 構造的には、対中直接投資額の急成長で、主にサービス業(28.6%増)及び中
部、西部地域の対中投資(27.6%)が大幅成長の恩恵に浴している。

 2010年における対中投資の主な特徴は、以下のとおり。
1) 外資の産業構造高度化の継続
 2010年の1年間で、サービス業における外商投資新規企業設立数は1万3905社
(前年比21.3%増)、対中投資額は487.1億米ドル(同28.6%増)で、同時期の全
国非金融分野における新規企業設立数の50.7%、対中投資額の46.1%を占めた。
 製造業における新規企業設立数は1万1047社(同13.1%増)、対中投資額は495.9
億米ドル(同6%)で、新規企業設立数の40.3%、対中投資額の46.9%を占めた。
 農林牧畜漁業における外商投資新規企業設立数は929社(同3.7%増)、対中投
資額は19.1億米ドル(同33.8%増)で、新規企業設立数の3.4%、対中投資額の1.8%
を占めた。

2) 中部、西部地域への対中投資割合の向上
 2010年の1年間で、東部地域における外商投資新規企業設立数は2万2992社(対
前年比16.7%増)、対中投資額は898.5億米ドル(同15.8%増)、中部地域におけ
る外商投資新規企業設立数は3056社(対前年比16.4%増)、対中投資額は68.6億
米ドル(同28.6%増)、西部地域における外商投資新規企業設立数は1358社(対
前年比22.3%増)、対中投資額は90.2億米ドル(同26.9%増)であった。
 対中投資額全国シェアは東部85%(前年比1.2%減)、中部6.5%(同0.6%増)、
西部8.5%(同0.6%増)であった。
〔中国新聞網2011年1月18日〕

●蘇州の台湾企業9000社突破 第12次五カ年計画を助力
 蘇州市政府による「台商新春招待会」が1月20日夜開催された。蘇州市の閻立
市長等官僚及び300名以上の台湾資本の企業代表が一堂に会し、ともに旧年を振
り返り、新年を迎えることを祝った。

 蘇州市の閻立市長は招待会の席上、熱気あふれるあいさつし、蘇州の台湾企業
の蘇州経済社会発展に対する重要な貢献に謝意を述べた。
 同時に、2011年は、第12次五カ年計画の初年度であり、蘇州はECFAが両岸貿易
にもたらす新たなチャンスをしっかりつかみ、蘇州・台湾間の貿易交流と協力が
再び新しい段階へ進むことの推進に努めると述べた。

 目下、蘇州には台湾資本企業が9178社あり、中国で台湾資本企業が最も集積し、
台湾資本投資が最も活発な地域の一つである。
 台湾資本は、特にハイテク企業が大規模に集積し、蘇州産業構造の高度化、最
適化を促進するだけでなく、大量の雇用機会を創出し、蘇州の開放型経済の飛躍
的発展を推し進めてきた。

 春節まではとら年であるが、台湾企業全体は「トラのように威勢がある」と表
現すれば足りる。
 蘇州における輸出上位10社のうち、台湾企業は上位3社を占めている。仁宝信
息技術(昆山)有限公司の輸出総額は143.8億米ドルで蘇州輸出トップ、2位は緯
新資通(昆山)有限公司、3位は名碩電脳(蘇州)有限公司である。

 中国の第12次五カ年計画が始まり、ECFAのアーリーハーベスト項目も既に今年
1月1日から実施開始されている。蘇州の台湾企業は、ECFAの実施は蘇州と台湾の
貿易往来のさらなる発展を推進するとのコンセンサスを持っている。
 16日、蘇州市政協12期4回会議に招集出席した11人の蘇州台商協会会長は、蘇
州市全体の台湾企業に向け、自発的に蘇州の第12次五カ年計画の発展に溶け込み、
ECFA到来の春に当たって、産業の構造転換と高度化が加速している。中国企業と
の協力分野を拡大し、蘇州と台湾の共同発展を推進することを呼びかけた。

 現在、蘇州は台湾企業が深く開拓した中国市場の重要拠点となっており、産業
の構造転換と高度化を加速、現代サービス業、レジャー農業等が最近の台湾企業
の投資先となっている。
 今後の第12次五カ年計画の発展に向け、蘇州では、多くの台湾資本企業が蘇州
経済社会発展の重要な動力となっている。〔中国新聞網2011年1月20日〕

●2010年 私営部門の輸出は国営企業の倍
 18日午後、全国政協副主席で全国工商聯主席の黄孟復氏が「中国民営経済発展
形成分析会」で述べたところによると、概算で、2010年末における民営経済にお
ける都市固定資産投資総額は12兆元に達し、前年比34.5%増に達した。同時期の
中国民営企業の輸出総額は4500億米ドルを超え、国有企業輸出総額の倍以上とな
り、5年間の上昇幅は200%を超えた。

 民営経済の19業界中9業界で投資全体の30%を超え、金融業等の国有資本が長期
的に支配する独占業界、情報伝送、コンピューターサービス、ソフトウエア業等
ハイテク分野においても、民営経済の投資規模増大が顕著であった。

 中国政府は2010年の全社会固定資産投資データをまだ公表していないが、2010
年の1―11月の投資状況からすると、民営経済の固定資産投資は前年同期比34.5%
の増加速度であり、全体水準をはっきりと上回っている。
 統計局のデータによると、2010年の1―11月の全社会固定資産投資は21.07兆元
で、前年同期比24.9%増であった。

 2010年、中国民営企業輸出総額は4500億米ドルを超え、国有企業輸出総額の倍
以上となった。5年間で上昇幅は200%を超え、各企業タイプにおける輸出総額全
体の30%以上を占め、民営企業は中国対外貿易の重要な主体となっている。
 税収の貢献では、2010年年間で、個体私営企業の税収総額は1兆1173億元で、5
年間で平均22.2%増に達し、増加率は全国を2.0ポイント、国有企業を12.7ポイン
ト上回った。

 企業数と資金規模では、第11次五カ年計画期間における中国で登記した私営企
業数は年平均14.3%増で、既に840万戸を超え中国最大の企業形態となり、全国の
実体企業総数の74%を占めている。私営企業登記資本金は年平均20.1%増で、総額
は19兆元を超えた。
 個体工商戸は3400万戸を超え、登記資本金は1.3兆元を超えた。
 両者は2005年末現在と比較して、それぞれ私営企業40.9%増、個体商工戸133%
増となった。
 このほか、私営企業1社当たりの登録資本金は年平均9.7%増、個体工商戸の1社
当たりの登録資本金は年平均10.6%増であり、このことは、民営企業の全体の実
力が強化されていると同時に、個体工商戸の実力も大きくなっていることを示し
ている。

 全国工商聯の傳軍副主席もこの場で、現在、民営経済は既に国民経済成長の主
要な動力となっており、GDPの比重は全国の50%を占め、就業では80%以上を占め、
対外貿易では23%以上、税収の3分の1以上を占めていると述べた。10年後には、
中国GDPは70兆元に達することも予想され、民営経済の規模も40兆元に達するか
もしれないという。〔財経2011年1月19日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行2月8日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     8.0214   658.6    84.48   903.5
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編集者コラム――日本・中国青年親善交流事業》
 先週出せなかった残りをお送りします。また来週も配信します。
 例によってまた今年も内閣府の青少年国際交流事業の概要が出ました。しつこ
いですが、日本・中国青年親善交流事業のOGなので紹介します。
http://www8.cao.go.jp/youth/kouryu/bosyu.html
 似たような名前の日中と日韓の交流事業だと、日韓は交流形態がイメージしや
すい形ですが、日中では儀礼的色彩が強いという違いがあります。日中の事業は
中国都市を飛行機で移動し、なかなか行けないところが見られるのが魅力です。
 どの経験も普通の海外旅行ではなかなかできないことです。30歳以下の日本人
で関心がある方はぜひ申し込んでみてください。(ま)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改頁:(1) 2 »