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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.662 2016年11月22日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:高所得者が牽引する消費向上】
●今後15年、中国の高収入消費者は4.8億へ増加
●年収12万元は高収入ではない?
●ゴールデンシングル族の女性 シングル経済崛起

┏【国内政策】
●庶民のためにいつも「高額所得」の餅を描く必要はない
●34都市が「GDP5000億クラブ」入り 江蘇が最多

┏【経済データ】
●外国為替(11月21日)

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……【特集:高所得者が牽引する消費向上】…………………………………………
●今後15年、中国の高収入消費者は4.8億へ増加
 英エコノミストのシンクタンクの発表した最新報告によると、中国の高収入消費
者群は今後15年の間に爆発的に増加する。
 このシンクタンクの中国アナリストは、2030年には中国消費者の一人当たり平均
購買力が2000年の韓国もしくはアメリカの消費者一人当たりの平均水準に到達する
だろうとした。

 2030年には3分の1を超す中国人の年平均可処分所得が1万米ドルを超すとされ、
現在の10%から大幅に増加すると推計される。個人消費は年平均5.5%の速度をもっ
て成長し、長沙や成都、重慶や武漢など一部の内地都市は200万を超す高収入消費
者群を持つことが予測される。しかし、一部の小規模都市はアンバランスな地域発
展に直面する可能性がある。

 2030年には、中国の年間可処分所得が1万米ドルを超過する人数が現在の1.32億
から4.8億に増加すると推定されている。低収入群の割合は37%から11%に下がり、
中高収入群の割合は10%から35%へと急上昇する。

 世界全体が中国経済成長の減速を不安に感じる今、消費面において中国は依然と
して中等発展段階の初期にある。多くの商品、サービスの各種統計分析によれば、
中国の消費レベルはようやく上がり始めたばかりである。
 今後15年の収入レベル向上という状況下において、中国消費者の消費習慣は向上
し、より高価格の高品質ブランドを求めるようになり、自動車やスマホなどの商品
における消費が強力に成長すると同時に、レジャー、旅行、健康教育から金融等サ
ービス業界における消費がより伸びていくと予測される。
〔和訊網2016年11月3日〕

●年収12万元は高収入ではない?
 先ごろ、国務院の発表した文書にて「高収入者の税収を適度に強化する」とあり、
これは「年収12万元以上の者の課税を重くする」と読み取れる。この発表がされて
から世論が騒然となった。年収12万のグループが理解できない。こんなに苦労して
働いているのに、なぜ課税を重くされなければならないのか。
 世論の興奮を受け、権威ある部門は、年収12万強という言い方は完全なデマであ
ることを明確にした。この基準は納税者の自己申告納税の境界を示すものであり、
課税負担の継続のラインではないとした。
 誤解は解けたが、疑問は消えず、年収12万は一体高収入と言えるのかどうか、検
討中の税制改革は課税公平をあらわすことになるのかどうかを民衆は知りたがって
いる。

 年収12万が高収入でないとすれば、統計データは納得しないだろう。
 上海社会科学院が先ごろ公布した、新たな民生民意調査報告によると、労働就業
と収入消費という主なテーマについての調査では、個人年収「5万元以下」は29.70%、
「5.1―7万元」は30.60%、「7.1―10万元」は25.30%、「10万元以上」は14.40%と
なっている。収入レベル全国トップの上海市では、年収10万以上の比率は15%に満
たず、その他地区の収入分布状況が想像できる。
 国家統計局公布のデータによれば、今年1―9月の1人当たり可処分所得入は1万7735
元でしかなく、税前収入として計算しても2万ちょっとにしかならない。12万はど
こにおいても掛け値なしの高収入である。

 12万の高収入を獲得していながら、なぜ悲鳴を上げるのか。これは、高収入グル
ープが二線都市以上に集中していることにある。
 高い個人税と社会保険料を納めなければならず、現行の基準予測によると、手元
には9万前後しか残らない。また、一方では一線都市の生活コストは下がらず、郊
外の部屋は1平方メートル当たり4万元を超え、中心部でない部屋の家賃も4000元を
超える。これほどまでに高い生活コストに瀕し、月収1万元を超えるグループも本
当に打ちひしがれている。
 このグループの個人税負担が引き続き増加することは課税公平の原則に合致せず、
個人税改革を進める際には、収入の絶対水準のみならず支出の相対水準も考慮しな
ければならない。

 第18期三中全会決定において、かつて「合法的な収入の保護、高過ぎる収入の調
節、隠匿性収入の整理・規範化、不法収入の取り締まり、低収入者の収入の増加、
中レベル収入者比重の拡大、都市・地域・業界収入分配の格差縮小の努力、オリー
ブ型分配パターンの逐次形成」が出されたことがある。
 業界では「増低、拡中、調高」と略称され、現在行われている「基本控除+専門
項目控除」メカニズムの構築を含む個人税改革の目的は、専門項目控除(扶養費、
住宅ローン利息及び教育等の内容を含む)を適度に増加させることである。
 これらの支出の収入に対する比重が高過ぎ、かつ控除を得ることができないこと
は、名義上の高収入グループに支出の圧力が高いと感じさせる重要な要因となって
いる。

 課税公平には横方向と縦方向の2つの次元があり、横方向の公平とは、納税能力
が同じ人が納めるべき納税額と同じ税収を指し、縦方向の公平とは、納税能力の異
なる人が納めるべき異なる税収を指す。
 個人税を例に挙げると、横方向の公平を推し進めるためには納税者の収入構成を
考慮する必要がある。同じ12万の収入の場合、給与所得を通じる人は全額納税しな
ければならず、その他のルートで収入を得た人は個人税を納めない。収入レベルが
同じグループの税収負担は同じではなく、横方向の公平の原則に反する。
 縦方向の公平を推し進めるためには低収入グループの税収負担軽減をしなければ
ならず、収入源が複雑多様な高収入グループを個人税徴税範囲に含めることがさら
に重要である。このグループの年収は12万にとどまらない。
〔証券時報2016年10月26日〕

●ゴールデンシングル族の女性 シングル経済崛起
 年に一度の双11がやってきた。ネット通販族の爆買い商戦が始まった。この日は、
もともとは「光棍節」というシングルを自虐する日だったが、今では国民全体の消
費が盛り上がるようになった。もちろん、シングルはこの商戦の主力でもある。

 では、シングル層の所得水準は一体どうなのだろうか?消費能力はどれぐらいな
のか?月収が個人の生活の質を最も決定づけるが、幾つか説明できることがある。
 珍愛網が先日発表した「2016年シングル層現状系列報告」によると、月収が8K
(Kは1000)以上の「ゴールデンシングル族」に達する割合はシングル層全体の10%
を占めた。

〈ゴールデンシングル族は男性より女性の方が多い〉
 珍愛網が先日発表した「2016年シングル層現状系列報告」は珍愛網の1億人の会
員のネットにおけるサンプリング調査で、今回の報告では4555件の回収があった。
それによると、5割以上のシングルの男女の平均月収は3―5K、約3割のシングルの
男女の月収は5―8K、月収8K以上は10%を占めた。

 珍愛網の報告の区分によると、可処分所得8K以上のシングルの男女がゴールデン
シングル族である。ゴールデンシングル族が最も多いのは上海で、その後は北京、
深セン、杭州、広州、長沙、南京、武漢、東莞、天津だった。
 興味深いのは、我々がイメージする「ゴールデンシングル族」が覆されているこ
とで、毎月の平均月収8K以上の層では、シングル男性よりシングル女性の方が多か
った。一線都市では、経済的に自立し、消費能力が高いシングル女性がますますふ
えている。

 成都の法律事務所で働く文さんは31歳で、年収30万だ。毎年2回海外旅行をし、
スキンケア、化粧品の消費額は毎月約1万、このほか毎年定期的にぜいたく品、靴
などを購入する。
 北京の投資会社で働く馬さんは24歳で、毎月の可処分所得は万を超える。毎年4、5
万を美容やフィットネスにつぎ込む。
 高収入で、シングル、品質をあがめるライフスタイルは、これらの層の幾つかの
特徴である。

〈「シングル経済」はひっそりと発展〉
 2012年、エリック・クリネンバーグは「Going Solo」で、社会はこれまでになく
何か大きなものに直面し、変革は避けがたいとして、シングル化を訴えた。
 「人々は自身及び人類で最も親密な関係への理解を変えた、それは都市の建設や
経済の変革に影響を与え、それは人々の成長と成年のあり方をも変えていて、同様
に人類の老いや亡くなり方も変えている」
 確かに、シングルが経済の変革をもたらしている。現在のシングルは生活の質を
重視し、高級な消費生活をあがめており、「シングル経済」はひっそりと発展中で
ある。

 まず、住居では、ロフトのシングルマンションが若者に人気である。この種のマ
ンションは通常は間取りが小さく、面積は30―50平方メートルで、住宅価格のハー
ドルも低く、若いシングル層でも手が届く。
 この種のマンションの天井の高さは3.6―5.2メートル前後だが、きちんと設計さ
れていれば、実際の使用面積は販売面積の2倍近くに達し、コスパが高い。ロフト
には個性的な装飾があり、現在の若者の流行や品質志向があらわれている。

 次に、家電である。シングル層のひとり暮らしが多くなり、多くのメーカーや店
舗はシングル市場向けに新しい商品を出している。
 これらの小型家電は通常、手軽で、軽量で、多機能なのが特徴である。例えば、
無印良品は、500ミリリットルの電気ポットや小容量の電気炊飯器など、シングル
向け家電をたくさん出しているし、ハイアールも小型洗濯機、ミニ冷蔵庫などの製
品を出している。

 さらに飲食である。現在、「お一人様」「孤独な美食家」を掲げるレストランも
あり、シングル青年から喜ばれている。
 これらのレストランは、暖かさを感じる装飾で、健康的な食材を使い、趣向を凝
らしており、「一人であっても食事を楽しめ、一人であってもちゃんとしたもの
を」というライフスタイルに合致している。
 食事は、年男女の孤独な生活の中での慰めとなっている。日本のレストランでは、
お一人様の孤独感のため、それぞれの机にかわいらしいフィンランドアニメのキャ
ラクターのムーミン縫いぐるみを置いているところがある。このようなシングル客
に注目したレストランはだんだんはやってきている。

 「シングルマンション」「小型家電」「お一人様の食事」のほか、シングルの潮
流の胎動は多くの方面にある。例えば、孤独を和らげるために多くのシングル層が
ペットを飼って、ペット業界が人気になったり、おたく男女の交流を取り持つ「恋
愛塾」「デート指南」が出現したりなど、「シングル経済」は生活の各方面に波及
し始めている。

〈専門家 「シングル経済」は消費促進の「ネタ」〉
 2015年の国家民政局が発表したデータでは、中国のシングルの男女は2億人を超
え、中国適齢年齢人口の18.9%を占めた。シングル「貴族」の衣食住等各方面の消
費が消費経済市場シェアに占める割合は大きくなってきており、社会経済発展の重
要な力にさえなっている。

 「シングル経済は確かに潜在力があるが、メーカーや商店がやろうとしている
「シングル経済」は、実はネタやビジネスチャンスである。双11でさえ、シングル
と何も関係なく、一種のおもしろいもの、消費を促進するネタに変わってしまっ
た」
 あるエコノミストは、目下の中国のシングル経済は一種のマーケティングの手段
であると見ている。「シングルは確かに社会問題であるが、これらの層のためにわ
ざわざ新しい経済モデルをつくるほどの深刻さはない」

 シングル層の消費需要はこの層の価値や品質を体現している。珍愛網恋愛専門家
の張莎莎氏は、今日のシングル層は自我をさらに追求し、健康、流行、個性化した
ライフスタイルを偏愛しているとしている。同時に、張莎莎氏は、結婚相手を探す
とき、自分の価値を高め、自分をさらにすばらしくしていけば、出会いのチャンス
がふえると提案している。
〔封面新聞2016年11月9日〕

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●庶民のためにいつも「高額所得」の餅を描く必要はない
 中国社会科学研究院経済研究所が先日発表した「経済白書夏季号 中国経済成長
(2015―2016)」によると、中国が正式に中所得寄りの高所得国家の仲間入りをし
た。そのうち、北京、天津、上海、江蘇、浙江、内モンゴルは既に高所得段階に入
っており、広東など16の省市は中所得寄りの高所得レベルに位置している。

 何カ月か前に、社会科学研究院の専門家がメディアに書いたものによると、さら
に6、7年を経れば、中国が「中進国のわな」を乗り越えることに成功することは疑
いなく、2024年からは高所得国の仲間入りをすることが見込まれる。

 周知のように、オーソリティーによると、中国経済は1、2年で脱することができ
ないために「L型」だと定義されている。この苦難に満ちた転換のとき、社会科学
研究院は矢継ぎ早に士気を鼓舞して、民のために餅を描くことに意義はある。しか
し、「L型」から「高所得」まで、もし私たちが幾らか重要な構造調整と供給改革
をなさなければ、棚からぼた餅ということにはならない。

 堂々とした目標を持つことができないのではなく、いつもこの話はそわそわして
落ち着かなく感じられる。高所得国の「遠い将来を見通した考え」に比べると、中
所得がこの「近くの心配」に陥るのは実際のことだ。
 労働力コストの上昇と環境コストの顕在化を背景に、金融緩和が生み出すバブル
周期中に、全面的に改革を深化させるのが難しい過程で、もし私たちがイノベーシ
ョンと消費主導の成果を得られないならば、より危機感があるべきで、その逆はない。

 私たちは当然みずからを過小評価するべきではない。しかし、同時に言わずもが
ななのは、将来のことを考えずに目先の利益ばかりを考えて増加した高所得ではだ
めだということである。
 世界銀行の2012年の標準によると、1人当たり国民所得が1万2476ドル以上の国は
高所得国である。2015年まで、中国の1人当たりGDPは8000ドルを超える。
 願いさえすれば、中国経済は、たとえイノベーションせず、供給側改革をせずに、
右肩上がり、全資源要素の厚みと強靭性をよりどころとして、1人当たりGDPが1万
2476ドルに達することは不可能ではない。
 しかし、このような大ざっぱな成長で、高所得国の敷居に入れても、中進国にな
って、1人当たりGDP水準の2万―3万ドル達成を今世紀中にかなえるという「中国の
夢」を実現することはできない。これはイノベーションと効率を増す方法を路線と
するしかなく、近道や周り道はない。

 しかも、1人当たり国民所得ではなく1人当たりGDPを統計標準に用いることが好
まれており、前者は余り誇らしく見えないかもしれない。2015年、1人当たりGDPは
8000米ドルを超え、統計局が公表した1人当たり可処分所得は3000米ドルを超えた。
GDPは決して国民所得として庶民の財布に入らないので、1人当たりGDPと1人当たり
国民所得は異なる別のことだ。増産は必ずしも所得増加ではない。
 その上、私たちは所得分配問題というさらに高度な問題に直面している。1人当
たりGDPでも1人当たり国民所得でもよいが、どちらも所得分化と貧富分化を見つけ
ることができない。例えば、2人だけの国があるとして、1人は2.5万ドル持ち、1人
は何もなくても、1人当たり国民所得は1.25万ドルとなり、高所得国でもこのよう
な問題は明らかに存在する。

 いかなる国でもすべて豊かな資源と低コストに頼れば一時的に上位に立てるが、
人材を失わず、落とし穴に落ちずに最後まで戦うには、制度競争力に頼るしかない。
この制度システムは有効で、絶えず市場全体の取引コストを下げることができる。
中国経済が40年近く高度成長を達成したのは、絶えず開放された制度改革がそれを
支えたのだ。将来もやはりこのように、需要はさらに多いだろう。
〔北京商報2016年10月24日〕

●34都市が「GDP5000億クラブ」入り 江蘇が最多
 都市間の激烈な競争は中国経済発展の主要な動力の一つである。中国の都市化プ
ロセスにおいて、大都市特に経済力の高い市に外来人口は大きく引きつけられる。
 では、このような経済力の高い市は主にどこに分布しているのだろうか?

〈10都市が兆超え〉
 2015年、全国においてGDPが5000億超の都市は34都市あり、全国において1兆を超
える都市は10都市ある。上海と北京は2兆元を超え、1―2兆元が8都市、広州、深セ
ン、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州である。

 この10都市のうち、7都市が沿海地域で、その中で、長江デルタが3都市で上海、
蘇州、杭州、環渤海が2都市で北京、天津の2大直轄市、珠江デルタが2都市で広州、
深センの一線都市である。
 このほか、3都市が広大な中西部地域で、そのうち重慶は中西部唯一の直轄市、
成都と武漢は伝統的な十大都市、三大地域の中心であり、またそれぞれが省の中心
都市であり、例えば成都のGDPは四川省の36%、武漢は湖北省の37%を占める。

 杭州以下の、次の1兆元クラブ入りしそうな都市はどこだろうか?
 最も近いのが南京である。2015年の南京のGDPは9720.77億元、経済総量は全国の
大中都市の11位である。目下の南京の経済成長速度でいけば、2016年に1兆の大台
に乗る。
 同様に、9000億―1兆の間にあるのが青島で、青島の昨年のGDPは9300.7億元と、
兆の大台まで遠くない。

 8000億―9000億元は4都市で、無錫、長沙、寧波、仏山。8000億以下7000億以上
は3都市で、大連、鄭州、瀋陽。6000億―7000億元は6都市で、煙台、東莞、南通、
泉州、唐山、済南。5000億―6000億元は9都市で、西安、ハルビン、合肥、福州、
長春、石家荘、徐州、常州、イ坊。

 このGDP5000億超の34都市のうち、30都市には地下鉄建設の認可がおりているが、
煙台、泉州、唐山、イ坊はまだである。もちろん、泉州、煙台を含め、目下積極的
に建設申請中である。
 このことは、経済発達に伴い、人の流れも多くなり、地下鉄のような大量輸送可
能な交通機関の需要が大きくなってきているということである。

 行政レベル別では、GDP5000億超34都市中、直轄市は4都市、副省級あるいは省都
は18都市、地級市は12都市である。
 行政レベルは都市の経済社会の発展に依然として重要であると言え、行政レベル
の高い都市には、多くの資源が集まり、人口流入も多くなる。特に中西部地域で、
GDP5000億超の都市は省都である。
 また、GDP5000億超の一般の地級市は全て沿海地域で、主に、江蘇、広東、山東
に分布する。

〈江蘇のGDP5000億超都市が最多〉
 地域分布では、長江デルタが8都市と最も多く、上海、蘇州、杭州、南京、寧波、
無錫、常州、南通で(狭義における長江デルタでは合肥と徐州は含まれない)、中
国最大の都市群である。珠江デルタは4都市で、広州、深セン、東莞、仏山。京津
冀は4都市で、北京、天津、唐山、石家荘。
 この三大都市群が16都市で、GDP5000億超都市の半分近くを占める。

 省別に見ると、直轄市4都市を除き、GDP5000億超の都市のうち、江蘇が6都市と
最も多く、蘇州、南京、無錫、南通、徐州、常州。経済が一番大きい省の広東がそ
の後に続く4都市で、広州、深セン、佛山、東莞。

 経済力が2番目に大きな省の江蘇の都市がなぜ広東より2都市多かったのだろう
か?その主な原因は、広東に比べ、江蘇の地域経済の発展の均衡がとれているから
である。
 江蘇二大都市の蘇州と南京は、広東、深センに及ばないにしても、江蘇の中ぐら
いの都市は広東より多く、例えば無錫、常州、南通、徐州の発展は比較的均衡がと
れている。

 一番経済の大きい広東省は沿海地域の経済の発展の最も均衡がとれていない省で、
経済発展は主に珠江デルタに集中し、特に広州、深センの二大一線都市のGDPの和
は3.5兆に達する。さらに、東莞と仏山の2つの二線都市を加えれば、もっと多い。
データによると、2015年、広州、深セン、東莞、仏山の4都市のGDPの和は5兆元強
に達し、広東省の7割近くを占める。
 この四大都市のほか、広東の他の都市の発展は十分でない。特に、珠江デルタの
中山、珠海、さらに湛江、汕頭等の都市は経済規模が大きくなく、5000億にもまだ
かなりの距離がある。

 広東と同様に、経済力が3番目に大きな省の山東も4都市で、青島、煙台、済南、
イ坊である。
 しかし、農業の発展している山東は県レベルの経済が主体で、これら都市のGDP
は大きな部分は県域から来たもので、中心都市の規模は依然として大きいとは言え
ない。

 この三大省の後は、浙江、福建、遼寧、河北の4沿海省はそれぞれ2都市が入り、
そのうち、浙江は杭州+寧波、福建は泉州+福州、遼寧は大連+瀋陽、河北は唐山+石
家荘である。

 河南、湖北、湖南、四川、安徽、陝西、吉林、黒龍江は各1都市で、鄭州、武漢、
長沙、成都、合肥、西安、長春、ハルビンである。これらの都市は中西部と東北部
に位置し、省都で、所在する省における一極的な中心都市である。

〈地域の差〉
 地理的分布で見ると、沿海地域の省が大多数を占めた。しかし、これら5000億ク
ラブメンバーの目下の発展は目立つ地域があり、沿海都市のうちでも、広州、深セ
ン等の都市と、蘇州、仏山、無錫、東莞等の都市にははっきり差があった。

 杭州を例にとると、今年1―9月、杭州市のGDPは7780.67億元で、物価要素を除い
て計算すると、10.0%増だった。今年第3四半期(7―9月)現在、杭州市のGDPは6四
半期連続で2桁成長だった。
 杭州経済の急成長は、主にアリババを初めとするIT経済の急発展によるものである。
 また、例えば深センは、ここ数年のハイテク産業、金融業が目覚ましい動きを見
せ、経済成長も速く、今年1―9月の名目成長率は11.2%に達した。

 一方、蘇州、無錫、寧波、仏山、東莞はそれも有名な貿易都市で、2008年前では、
外向型経済の急発展により経済も飛躍したが、近年は輸出の制約に加え、土地、労
働力コストが上昇を続け、困難な構造転換と高度化の中にある。
 ここ数年、これらの有名な貿易都市の経済成長は低迷し、経済総量の全国におけ
る順位も後退を続けている。
 例えば、2008年前、蘇州のGDP総量は深セン、広州の後を追う5位だったが、ここ
数年は天津、重慶に追い越されて、7位に後退した。無錫と仏山も以前、1度は10位
以内に入ったが、現在は10位以下に後退した。

 これらの有名な貿易都市の経済発展が減速する一方、中西部地域の重慶、武漢、
成都、長沙、鄭州、合肥等の都市が目覚ましく発展している。
 例えば、西部地域の直轄市の重慶は、蘇州を超えただけでなく、6位まで上がり、
天津を抜き広州、深センを追いかけている。武漢、成都といった三大地域の中心都
市はそれぞれ上位10位に入った。長沙は装備製造業の急発展により、ここ数年経済
が急成長し、全国ランキングも2006年の28位から現在の14位に上昇した。
〔第一財経2016年11月7日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行11月21日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.2207  689.85    88.93   730.8
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――K》
 いつもメールマガジンの読者数を出しているのですが、一部システムでの数字が
誤作動しているので、今回は出さないことにします。
 3K、5K、8Kなどと出てくるKというのは何かと思ったら、どうやらKは1000で、
3000、5000、8000のことらしいです。初めて見ました。よく使うのでしょうか。も
う人民元のお札100元を超す単位ですね。
 12万元でちっとも給料が高くないという話を聞いて、昔々、まだ100元札が青か
ったころ、月給が15万円もあるのにどうしてお金がないない言うのかと上海人に聞
かれたことを思い出しました。当時の上海は1-2Kでもいい給料でした。その当時、
相対的にコストがかかると説明しましたが、今12万元ある人はどうやって説明する
のかというのに興味があります。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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