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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.747 2020年12月2週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:李編集長の中国帰国 帰国隔離中の体験談】
●帰国隔離中の体験談 1
◆中国帰国から隔離生活まで
◆食事こそは最大の楽しみとチャレンジ

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……【特集:李編集長の中国帰国 帰国隔離中の体験談】…………………………
●帰国隔離中の体験談 1
◆中国帰国から隔離生活まで
 今の世界で最も贅沢なことの一つは、恐らく海外へ旅にすることだろう。僕は、
ただいまその贅沢なことを体験している最中なのだ。
 11月のある金曜日、広州行きのJAL便が動き始めた際、それに乗った自分の気持
ちは、上空1万メートルで飛んでいるかのように高ぶっていた。

 広州に降りると、予想どおり、空港はまるで病院の救急センターのように厳重な
態勢を構えて私たちを迎え入れた。係員は全員真っ白の医療用防護服で全身を包み、
唯一見えるフィルムマスク越しの目で、こちらをにらみつけていた。

 それから、私たちが体験したのは、定期健康診断と似た一連の診察であった。一
人ずつ一列に並んで「医者」からいろいろな質問や体温測定を受け、さらに専用室
で無料のPCR検査をする。それが全て終了し、パスポートの背面に「サンプル取得
済み」とQRコードが貼り付けられ、ようやく通関できた。時計を確認したところ、
既に1時間半がたっていた。

 そこでふと一つのことに気づいた。空港を出るまでの間、他の便の乗客は見当た
らなかったのだ。なのに、私たちだけを一対一の丁寧さで対応した空港の作業員は、
乗客とそれほど変わらない人数が必要だということだ。
 この一例を見ても、これからの長い間、中国行きの国際便をふやしていくのはと
ても無理な話ではないかと推測できよう。

 空港を出ると、全員、隔離先へ向かうバスを待つのだが、ここが14日間の生活環
境を決める運命の別れ道となった。つまり、どんなホテルに泊まらせてくれるかは、
くじを引くことと全く同じなのだ。

 僕が事前収集したところではいろいろな情報が交錯していた。宿泊費とホテルの
ランクがばらついていて、1日300元から500元まであり、費用対居心地が釣り合わ
ないということだ。超お得感があり快適な隔離生活を過ごした体験談があるものの、
僕より1か月先に上海で隔離生活を送った友人の話の中には涙を誘うような話もあ
った。
 それによれば、激安ビジネスホテルで、料金1日わずか280元、エアコンの使用が
禁止され、窓を開けると、周りは壁、唯一正面に見える他の部屋の窓は互いにのぞ
き込めるほどの距離だったという。

 幸いなことに、私たちが乗せたバスは広州市内にある4つ星のホテルを目指して
くれた。バスを降りると、待機した医療関係者は、植物に農薬を噴射するかのよう
に全員の体と荷物に消毒液を浴びせかけた。
 そして、空港と似た質問やアプリの記入などを済ませ、やっと部屋割りが始まっ
た。僕の場合は1日約438元の部屋となった。14日分の宿泊費は現金かスマホ決済で
一括払いがのルールだったので、それに相当する人民元を事前に用意しておくのが
無難であろう。

 ちなみに、ここまでの体験としては、4つほどの携帯アプリにさまざまな健康に
かかわる個人情報を記入させることが求められるので、アプリを熟練に使いこなし、
機内の座席番号などの情報までを常に記憶しておくことがお勧めである。

◆食事こそは最大の楽しみとチャレンジ
 僕の泊まるホテルは、1日3食を宿泊者自身で注文する仕組みとなっている。ホテ
ル直営店のメニューが部屋に置かれ、スマホでQRコードをスキャンして、注文と支
払いを行う。廊下には一歩も出られないし、部屋を誰にも入られないので、携帯で
出前を注文するスキルが欠かせない。

 ただ、同じ店のランチを14日間食べるのは食べ飽きてくるので、僕は微信につい
ているアプリ、出前配送大手の「美団」から料理の出前をチャレンジしてみた。

 これまで、僕は一度も出前を利用したことはなかった。体が不自由でもないのに、
食事を他人に運んでもらうことに違和感を持っていたからだ。しかし、その使いや
すさに圧倒された。

 クリックすると、まず、近所にある店のお買い得のランチメニューを勧めてくる。
あるいは、「総合評価ランキング」「売上実績」「配達速度」などのカテゴリーが
表示され、ユーザーの優先順位で選択できる項目を一目瞭然で提示してくれる。
 さらに、料理ごとに1カ月の注文件数が出ており、僕のような味にうるさい消費
者にとって、これほど重要な参考指数がほかにない。つまり、数千に上る販売数の
料理を選ぶのは、数千人が既に味見してくれたことを意味しているので、その味に
失望させるはずはないだろう。

 ランチ費用はほとんど25元以内でおさまり、注文してから30分ぐらいで届けてく
れる。

 その細かな対応ができるアプリのお陰で、僕は1日3食、合わせて30回余りの出前
を選ぶことも楽しみの一つになったし、注文した料理はほぼ思ったとおりの美味し
いものばかりだった。

 ここでもう一つの「秘密」を披露したい。それは、ただで美味しい料理を食べる
ことも夢ではないことだ。アプリの支払方法には、「他人に支払を頼む」という奇
妙な選択ができる。
 だから、14日間の隔離生活は、兄弟や友人の同情票を集められやすいから、彼ら
の「好きな料理を注文しなさい、こちらが払ってあげるから」という言葉を甘える
ことも、おいしさを倍増させる方法の一つとなる(笑)。

より詳細に書いた同内容の中国語版は“客観日本”サイトに連載されています。
https://keguanjp.com/kgjp_shehui/kgjp_sh_dy/pt20201124060040.html

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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