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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.376 2006年12月5日
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:金門島が鍵となる中台両岸の動き】
●金門県長 金門島を一国二制度の試験地域へ 上

┏【国内政策】
●中国各レベル財政 今年三農対策に1500億元投入
●政府グリーン調達タイムテーブル決定 856製品を初めてリストアップ

┏【国内経済】
●中国初の実用放送衛星「SINOSAT―2」 とうとう大気圏に突入
●今年企業M&Aヒートアップ 中国企業M&Aの90%が中国大陸部で
●何志毅 中国企業国際化の道 下 4つの新しい動き

┏【社会】
●中国全国のスモーカー昨年2500億元を燃やす 米ファイザー、たばこ値上げを提案

┏【経済データ】
●外国為替(12月4日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:金門島が鍵となる中台両岸の動き】……………………………………
●金門県長 金門島を一国二制度の試験地域へ 上
〈金門は海峡両岸の試験地域に〉
 1956年から1992年までの間、金門は台湾の戦時体制試験地域であり、この地域
はいつも戦争とのかかわりが深かった。
 2001年、金門は海峡両岸の小三通(台湾が支配する中国大陸沿岸の金門、馬祖
両島に限定した、中国との直接的な通信、通商、通航)のうち海峡両岸の直接通
航試験地域となった。5年後には金門を通って、台湾人100万人が台湾と中国大陸
を往来すると予想された。

 今年11月6日、金門県の李〓烽県長は、金門を一国二制度試験地域とし、厦門と
ともに金門厦門平和特区をつくることを再度要望している。
 「金門で局地的な一国二制度の試験ができます」金門県県議会で李〓烽県長は、
金門に長期間台湾の法制度下にあった大陸沿海特区島をつくると述べている。李
〓烽県長の構想では、峡両岸の「1つの中国と2つの国」を2つの特殊な関係として
再度考え直すのだという。

 李県長の構想に対し、国務院台湾事務弁公室スポークスマンの李維一氏は、
「台湾の関連党派、団体、関係者からの海峡両岸関係と平和の発展のための意見
交換を歓迎します」と発表している。

 金門と厦門は、台湾在住の詩人である余光中氏の目には、台湾と中国大陸の間
にある自然の門に映る。以前は金門と厦門、門の両側で刃先を突き合わせていた
が、現在は金門は海峡両岸の小三通の中継所となっている。金門は本当に海峡両
岸の交流の先駆者となることができるのかどうか。

〈「一国二制度」は貿易優先〉
 李〓烽県長が今回報告したのは、「21世紀新台湾の突破口――金門を一国二制
度試験地域するための論点メモ」である。以前は「金門で一国二制度を実施する
際の利害と損得」というタイトルであったが、李〓烽県長は「これは金門だけの
問題ではない」と考え、「井の中のカワズになっている台湾が考えなければなら
ない問題です」と話す。

 実は、今回初めて李〓烽県長が金門と一国二制度を関連づけたわけではない。
2002年3月、李〓烽県長が厦門の討論会に参加した際、金門を一国二制度推進試験
地域とすることを2度提案している。
 「もし台湾が独立を宣言すれば、金門は今までの基礎と経験から、金門の利益
に合致した一国二制度を実施するでしょう」2004年の台湾総選挙以後、島内では
台湾独立についての世論が再び騒がしくなってきており、李〓烽県長はこのよう
な態度を表明している。
 「もし金門が徐々に香港化しても、それは何の悪いこともない!」今回の取材
では、さらに一歩進んだ回答をしている。

 2002年3月からずっと中国は金門に回答を求めている。「一つの中国という原則
に沿ってさえいれば、どんな問題でもすべて話し合う準備はあります」国務院台
湾事務弁公室スポークスマンの李維一氏は「現地同胞が希望するように、いつか
実現する日が来ることを信じています」と当時の取材に答えている。

 金門県から選出された呉成典・立法委員は、実現の日は日一日と近づいている
と見ている。
 「小三通が実施されてから5年がたちますが、海峡両岸が最大の誠意を示してお
り、小三通は順調に実行されています。海峡両岸は互いの理解を深めており、中
国では現在、海峡西岸経済特区建設が提案されています。まさに福建を足がかり
に海峡両岸の交流をさらに強めていきます」と取材に答えている。
 「今は、ただ海峡両岸政策の優遇や方法でさらに柔軟性が求められているだけ
です。金門はすぐにも一国二制度のとても重要な舞台となるでしょう」
 李〓烽県長は貿易関係を突破口にできると考えており、最終的には海峡両岸の
統一を目標とするという。

 金門と厦門にはどちらにも大きな標語が掲げられている。海を隔てて金門には
「三民主義での中国統一」、厦門には「一国二制度での中国統一」。中国平和発
展研究センターの研究員で台湾問題の専門家の辛旗氏は、「両方のスローガンに
も「中国統一」があります」とこの状況を評価している。

〈金門には最終決定権がない〉
 台湾の関連法規によれば、海峡両岸の事務と意思決定を行う行政院大陸委員会
等がさらに上位組織としてあり、仮に金門県議会で最終的に県長の構想が通過し
たとしても、金門には最終決定権はない。
 このため、金門県議会の謝宜璋議長も李〓烽県長に「現実との乖離がある点に
ついて留意すべきです」と注意を喚起している。
 国民党議会の党団書記長の楊永立氏も「一国二制度試験地域は県長レベルで決
定できることではなく、この意見を受けて世論は必ず割れるでしょう」と述べて
いる。
 金門県の李麗貌議員に至っては、李〓烽県長に対し、もし特別行政区行政長官
なったら、議員全員との提携を忘れないでほしいと指摘している。

 李〓烽県長は「私たちはこの議題から、それをどうやって実現するのか、みん
なでさらに討論していきましょう」というスタンスだ。「陳水扁総統も、選挙の
際に金門の特別行政区について言及しています」
 新党の雷倩・立法委員は、李〓烽県長の構想に対してさらに深い意見を持って
いる。「金門と厦門は、歴史文化にしても、商業貿易にしても、海峡両岸の現況
も非常に似通っています。だから、金門、厦門を試験地域として、現行の法規規
制を撤廃し、連戦国民党名誉主席の言うように海峡両岸の「共同市場」にしても
構わないと思っています。それとも、馬英九台北市長の言うような「平和発展協
定」でも構いません。どちらでもとても大きな経験を得られるでしょう」。
 「もし規制が緩和され小三通がなされていなければ、金門はただの孤立した死
滅した都市になっていたでしょう」雷倩・立法委員は述べる。「台湾も同様です。
ただ政治イデオロギーを振りかざすだけで経済発展の必要条件を考えなければ、
周辺化しかねず、甚だしくは孤立してしまう可能性もあります」

〈数十万発の砲弾〉
 金門は福建省南東海面に位置し、約60の島で形成されている。最大の島は金門
島で、面積は約150平方キロメートル、錠前の形をしていて、島が多く、天然の良
港で、潮高が高く水深も深い。
 金門は基隆から東に198海里、厦門から西にわずか18海里に位置している。最も
厦門に近いところではわずか2310メートルしか離れておらず、鶏や犬の鳴き声も
聞こえるほど近い。

 金門と厦門は2つあわせて「二門」と呼ばれている。
 「歴史上、金門島と厦門島はずっと南東沿海で重要な港でした。金門と厦門は
ともに同安県に属しており、互いに密接な関係があります」中国社会科学院の近
代史所台湾研究室の〓(*2)静涛・副研究員は2つの島をこのように見ている。
 「内戦が2つの島を分けたのです」

 1661年、鄭成功の船団は金門から東征し、一挙に台湾を取り戻した。その後、
施琅が台湾を統一したときも同様に金門から出航している。
 しかし、1949年以後、金門は海峡両岸の軍事対峙最前線となり、1949年10月、
人民解放軍は金門侵攻に失敗し、悲惨な敗北を喫した。1958年の8・23砲戦で金門
は全世界からの注目を集めた。

 大部分の中国人にとっては、金門砲撃は歴史の1ページにすぎない。しかし、金
門の人にとって、1万発以上の砲撃を45日間毎日受け続け、44年間の戦時体制が続
いたことを意味している。
 毎晩10時から明け方の4時までは夜間外出禁止令が出され、金門島は一面の暗闇
となった。特別な理由がなければ、金門の人は凧揚げ、鳩を飼うこと、さらには
カメラやラジオの所有までが禁止され、これに違反すれば、軍法によって処分さ
れた。

 この時期、金門の台湾守備軍は10万人に達し、台湾軍のほぼ4分の1に相当した。
台湾方面の統計データによると、金門から厦門に向けて撃った砲弾は12万発に達
している。
 「当時の金門は海峡両岸の交戦地であり、砲撃がすなわち海峡両岸の政治幹部
にとっての交流の言語としての存在であったのです」と辛旗向記者はいう。

 海峡両岸で砲撃が行われた重要な歴史背景として、アメリカが台湾の独立を画
策していたことがある。海峡両岸では、適当な時期に互いに砲撃し合っていたこ
とで内戦状態にあることをあらわしていたけれども、同様に海峡両岸の関係が決
裂していないことも明示していた。
 台湾の海軍艦隊が海峡を通過し、東沙諸島へ領土防衛に赴いたときには、人民
解放軍は砲撃を中止している。同様に、西沙諸島とベトナム交戦で中国海軍が援
軍を差し向けたときにも、金門の台湾守備軍は砲撃を中止している。

〈砲撃から協議へ〉
 台湾でガイドをしている張啓文さんは、1976年には金門駐屯の兵士の一人だっ
た。「毛沢東死去のニュースが金門に伝わったとき、私たちは大宴会を開き、大
事にとっておいた金門コウリャン酒を全部飲み干しました」張さんは「戦争が始
まれば、我々は砲撃の犠牲になるのだと皆が感じていました」と思い起こす。

 しかし、最後のときは来たのである。1979年1月1日、全国人民代表大会常務委
員会が発表した「台湾同胞に告げる書」により、「平和的な祖国統一」との大方
針が出され、金門島の台湾軍も「砲撃の停止、待機」となった。この「待機」が
現在でも続いている。
 当時、金門にいた台湾軍の1人であった林正義さんの連長は厦門まで泳いで渡る
ことができたという。その後、北京大学中国経済的研究センターの主任を勤め、
中国人民のための福祉政策の立案を行ってきた。

 1990年9月、中国と台湾の赤十字会が金門で会談を開いた。「規定違反で相手地
域に入国した住民及び刑事犯罪容疑者あるいは刑事犯の送還に関する問題解決の
ための会議」によって4点の協議が調い、両者とも「金門協議」に調印した。また、
これは1949年以来、海峡両岸の民間団体が調印した書面での初めての取り決めで
ある。
 海峡両岸の大局で、金門はまた中心的な役割を演じた。砲撃は協議へとかわった。

 1990年の初め、金門に駐屯していた台湾軍は、10万人から1万人規模へと徐々に
縮小された。最終的には1992年に金門の戦時体制は解除された。
 「毎日対岸の厦門を見ていました。目と鼻の先の距離なのに世界の果てのよう
に遠く、不可思議な感覚でした」金門県県長の李〓烽県長は幼いころの感覚を追
憶している。
 「海峡両岸を砲撃していた硝煙は消え去り、金門は一つの橋となろうとしてい
ます。地理的に特別な位置にあるので、金門の住民は中国人より台湾を理解して
います。同じように台湾人より中国人を理解しています」と金門県から選出され
た呉成典・立法委員は語る。
注)〓は、ひへんに「主」 〓(*2)は、ころもへんに「者」
(次号に続く)
〔南方周末11月16日〕

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●中国各レベル財政 今年三農対策に1500億元投入
 中国農業経済学会の2006年年次総会である農村建設学術討論会が19日杭州の余
杭区で開催された。
 この席上、今年の各レベル政府財政が農民に対して行った直接補助は、農業税
改革後の移転支払いを加えた全体での「三農」の投入は既に1500億元を突破した
ことが明らかになった。

 中央農業工作指導者グループ事務室の陳錫文主任は、年次総会の席上、農業税
費改革後1250億元の税金が廃止されたことから、末端レベルの運営を補償するた
め今年投入した中央財政の移転支払いは748億元、省財政及び市財政の移転支払い
は250億元となったとした。
 同時にまた、中央財政が財政困難県及び郷や、食料生産が大きい県に対して支
給した奨励補助金210億元を加え、各レベル財政移転支払いは総額1210億元となった。

 国家で行っている農業に対する4つの補助政策では、今年の食料直接補助は約
143億元で、良種補助が約40.9億元、農業機械補助が約6億元、農業生産資料総合
補助が約125億元で、総額315億元前後となった。
 これに移転支払いを加え、今年の各レベル政府財政の三農対策への投入は1500
億元を突破した。

 この統計はまだ国家の農村に対するインフラ及び公共サービスの投入を含んで
いない。
 例えば、今年中央財政は、農村の公道建設に190億元、農民の安全な飲料水提供
に64億元、メタンガス開発に25億元を投入している。
 このほか、農村電力網改造の国家投入は累積で1680億元、そして、今年の農村
の義務教育費投入は前年比130億元増、農村合作医療投入は60億元増加した。

 この年次総会は中国農業経済学会と浙江省農業及び農村工作事務室が主催し、
2日間行われた。
〔新華網11月20日〕

●政府グリーン調達タイムテーブル決定 856製品を初めてリストアップ
 「政府グリーン調達制度」タイムテーブルが22日に発表された。
 2007年1月1日より、初めて中央一級予算部門及び省級(計画単列市を含む)予
算部門が実行し、2008年1月1日から全面実施される。

 22日、国家環境保護総局関連責任者は、中国は徐々に政府のグリーン調達制度
を広めていくことになるとした。環境保護総局はさらに政府の調達リストを改善
し、監督検査を強め、政府グリーン調達活動をスムーズにし、科学発展観を実行
するとしている。
 政府グリーン調達制度は、市場メカニズムを用いて社会全体の生産及び消費行
為をリードするもので、中国では2003年に施行された「政府調達法」で政府調達
が環境保護に寄与するように求めている。
 それ以後、国家環境保護総局と財政部は共同で「環境マーク製品の政府調達実
施意見」(実施意見)及び初めての「環境マーク製品政府調達リスト」(調達リ
スト)を発表し、政府グリーン調達の範囲、製品、施策の実施方法、具体的な管
理弁法等について明確な要求を打ち出した。

 この責任者によると、「実施意見」は以下のとおり。
1) 調達者が調達する製品はリストの中の品目に属しているものであること。
2) 性能、技術、サービス等の指標が同等である場合、調達リストの中の製品が優
 先されるべきであること。
3) 中国環境マークのある製品は政府グリーン調達製品リストの中で主体的な地位
 を占めることを明確にすること。
 関連規定の取り決めに違反した場合、関連部門は関連法律に照らして法規及び
規則によって措置し、財政部門は状況に応じて調達資金の支払いを拒否できる。

 また、初めて発表された「調達リスト」では、国民経済の発展と製品の技術性
能、名声度及び市場成熟度等の状況を総合勘案し、国家より認可された環境マー
ク製品認証機構が認証した環境マーク製品から選択確定する。
 具体的には、軽自動車、コピー機、ファクシミリ及び多機能一体型機、水性塗
料、人工木材、フローリング材、家具、テレビ、軽量壁用板、プラスチックド
ア・窓、木工用ボンド、建設用プラスチックパイプ、建築用セラミック、サニタ
リーセラミック等14種類、81企業、856製品である。

 国家財政部が先日発表した全国政府調達統計情報によると2005年の全国各レベ
ル政府の実際ベースの調達規模は2927.6億元で、前年同期比37.1%増となり、政府
調達規模の全国GDPに占める割合は1.6%になっている。
 近年、中国の政府グリーン調達も一定の進展を見せている。
 例えば、北京2008オリンピック行動計画の中には、「オリンピック施設建設中、
環境保護建築材を広く使用する」としている。
 また、広州で行われた中国第9回全国運動会では、広州で研修された建設物を白
く塗装する際、広州市の建設委員会が環境マークのついた塗料を用いることを求
めた。
 幾つかの地方政府では、地方の政府グリーン調達法規を施行済みか目下制定中
である。〔第一財経日報11月23日〕

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●中国初の実用放送衛星「SINOSAT―2」 とうとう大気圏に突入
 中国初の実用放送衛星「〓諾2号(SINOSAT―2)」に故障が発生したため、中国
一般家庭向け衛星テレビ市場の始動は先延ばしになりそうだ。29日早朝の情報に
よると、衛星「SINOSAT―2」は最終的に大気圏で焼失する可能性が高い。

〈衛星システム第一世代の主力〉
 〓諾衛星通信公司の藩星旻・スポークスマンは、「衛星「SINOSAT―2」は中国
が独自開発した新世代の大容量衛星プラットフォーム「東方紅4号」をもとに海外
のペイロードシステムを導入したもの。「SINOSAT―2」は中国放送衛星の実用放
送システムの主力となるだろう」と語った。

 衛星「SINOSAT―2」には、設計寿命15年のトランスミッター(36メガヘルツ18
個、54メガヘルツ4個)が搭載されている。衛星の運営が開始されれば、中国本土、
香港、マカオ、台湾地域のテレビ放送、デジタル映画、衛星放送やデジタル・ブ
ロードバンドマルチメディアシステム、各種のデータ放送、エンターテインメン
ト放送の需要をカバーする。
 末端ユーザーが0.45メートルのアンテナを使用して衛星から送信される業務シ
グナルシステムを直接受信するとし、99.9%以上の使用可能率を確保する。小型の
自動無線探索アンテナを組み合わせれば車両や船舶などの移動設備でも受信でき、
移動中にも接続が可能だという。

〈視聴は1年ほど先延ばし〉
 「SINOSAT―2」の故障が深刻だとすると、修復は可能なのだろうか。藩スポー
クスマンは、「SINOSAT通信公司は「SINOSAT―2」のオペレーターにすぎず、技術
的な問題については衛星の製造者側の回答が必要」と述べた。「SINOSAT―2」の
製造者とは中国空間技術研究院だ。
 当該研究員の担当者は、「故障箇所についてはさらに分析・検討する必要があ
る」と話すにとどまり、情報開示を拒んだ。
 衛星科学研究に詳しい人物によると、「衛星の故障は運行過程で生じたもので
はなく、作業を開始していないのに問題が発生していることから考えれば「難し
いだろう」という。太陽電池パドルと通信アンテナは未展開で制御の修復ができ
ないため、「SINOSAT―2」がいつ修復されるかの見通しもが立たない。最終的に
は大気圏に突入し消失する可能が高い。

 関連データによると、衛星「SINOSAT―2」の研究開発に伴う公共投資は数十億
元で、技術水準は国際的な衛星水準では1990年台初頭から中期の水準。
 藩スポークスマンは、「SINOSAT―2」の打ち上げ失敗で、視聴は1年近く先延ば
しになる可能性があると語る。

〈衛星の全過程を保険で担保〉
 藩スポークスマンは、「SINOSAT―2」はあらゆるプロセスにおいても保険がか
けられており、今回の故障による〓諾公司側の経済的損失は比較的小さく、市場
への影響はそれほど大きくないという。
 29日早朝の情報では、〓諾公司は既に保険会社に関連する賠償の申請を始めて
いるという。「SINOSAT―2」の保険は中国人民財産保険会社が単独で補償する。

 〓諾公司の〓(*2)長寧・総経理は、「SINOSAT―2」の技術面での不具合は
「SINOSAT―3」の製造に何ら影響を与えないとコメントしている。「SINOSAT―
3」は2007年に運営を開始する計画となっている。
注)〓は、金を3つ書く。 〓(*2)は、もんがまえに「虫」。
〔東方早報11月29日〕

●今年企業M&Aヒートアップ 中国企業M&Aの90%が中国大陸部で
 英国の某調査会社が目下発表したデータによると、11月16日現在、今年の世界
企業のM&A金額は3兆3680億米ドルで、これまでで最高だった2002年の3兆3320億米
ドルを超えた。
 M&Aがヨーロッパからアジアへの広がりが急激に始まっている。しかし、専門家
によると、中国の外資M&Aはわずか10%前後にすぎないという。

 現在、世界企業のM&A金額が拡張している主な企業――鉄鋼、金融、不動産等業
界は、中国では中国国内企業がM&Aを行っている。外資参入がされている主要な業
界は家電、紡績等製造業である。
 企業M&Aは、国内資本M&Aと外資M&Aがある。対外経済貿易大学国際直接投資研究
センターの盧進勇主任のよると、目下中国の外資M&Aの割合は10%前後であり、発
展途上国の平均水準よりも若干低く、先進国の外資M&Aの割合は70―80%だという。
原因は、主に政策主導と国内企業M&A後に起こる問題にあるという。

 国際的に買収がよく行われている不動産業であるが、中国不動産産業は目下、
主に国内企業M&Aが行われ、外資M&Aは少ない。不動産業に関連する政策調整で多
くの不動産業者が中国国内の大企業M&Aを行っている。
 盧進勇主任によると、不動産業は世界的にM&Aがよく行われている。それは国際
化の流れによるものだと説明されるが、この流れは資金と管理の国際化にのみ限
っており、不動産価格は依然として地域的に決められているものだという。
〔北京商報11月22日〕

●何志毅 中国企業国際化の道 下 4つの新しい動き
(前号より続く)
 これまで毎年平均25%前後の発展速度であることを考えれば、今後5年間で、中
国の対外投資額は600億元前後になり、民営企業の対外投資額はますます増加する
ことが予想される。
 このような時期において、中国企業の国際化がさらに一層複雑な状況に直面し、
多くの新しい趨勢や動向があらわれてきている。

〈政府の規制緩和〉
 中国企業の国際化の一つの大きな障害といえば、それは政策に起因するもので
あり、特に、外貨統制や投資許可審査については手続が煩雑で、なおかつ期間も
要していた。
 2000年に中央が「外資導入と海外進出の双方を堅持し、対外開放水準を全面的
に向上する」と打ち出したことは、つまり、中国企業の国際化が国家戦略のレベ
ルアップさせるものだと解釈できた。これ以後、政策は徐々に規制緩和へとシフ
トしていった。
 2002年10月、外国為替局は外為管理改革を試行した。2004年末、対外重点プロ
ジェクトに融資保証をつける政策が出された。今年7月、対外投資における外貨規
制を廃止した。10月25日、温家宝首相は国務院常務会議において、企業対外投資
奨励を打ち出した。規制緩和と政策支援に伴い、中国企業の国際化の足取りは加
速傾向にある。

〈見えない障壁〉
 ここ数年、海外市場でのアンチダンピング、高過ぎる技術標準、衛生検疫標準、
知的財産権訴訟等の障壁が増大しており、既に中国企業国際化の面倒な障壁とな
っている。シスコが華為を訴えた知的財産権訴訟、EUが中国ライターに適用させ
たCR法の事案は、すべて障壁と言われるものだ。
 マッキンゼーのデータによれば、中国の海外買収は67%が失敗している。初めて
の中国企業の海外M&Aが行われるたびことに、ほとんどホスト国の政治的な圧力に
遭遇する。中国海洋石油総公司(CNOOC)による米ユノカルの買収失敗は、国際政
治の抵抗力の予測不足にある。

 国際化は、利益の混在と衝突を意味する。障壁に直面し、少しも利益がないこ
とを不平に感じつつ、中国は国際的なビジネス戦争に対処する道を会得していく
べきだ。
 福耀ガラスはかつて米PPG社のアンチダンピング訴訟に遭遇した。PPGはアジア
に生産拠点を持っていなかったから、福耀と合作すれば製造コストを大幅に下げ
ることができるし、福耀は欧米に工場を持っていなかったから、PPGはこの不足を
補うことができた。
 福耀ガラスはウイン・ウインを目指しだ。福耀ガラスが生産を受け持ち、PPGが
北米市場の物流と販売ルートに責任を負うことにした。この双方に利がある仲裁
の結果、PPGは福耀ガラスのアンチダンピング調査をやめた。

 温州の靴は海外で貿易障壁に遭っている。
 温州HAZANの対処はといえば――イタリアとナイジェリアに支店を開設し、リス
ク回避をした。
 奥康集団はイタリアでGEOXの靴生産の合作を行い、伊GEOX社は奥康と世界販売
ネットワークとデザイン開発分野に進出し、アンチダンピングの憂いから免れた。

 ますます厳しくなる国際貿易メカニズムに直面し、中国国内企業はだんだん受
け身の姿勢から、積極的に対処するようになってきている。
 少し前、浙江省民営企業国際合作促進会が正式に創立し、中国国内で初めて専
門的な民営企業国際化促進の民間機関となった。国際化の道筋で障害に遭遇した
とき、中国企業は単独で対処することから、一致団結して対処するようにだんだ
ん変わってきている。

〈人民元高の背景〉
 政府は人民元の価値が上昇していることについての話題に終始慎重な姿勢を見
せているが、過去1年間、人民元の対米ドルレートが上昇し続けていることは紛れ
もない事実である。人民元高は輸出企業にマイナスの影響を与えるが、中国企業
の海外M&Aにとっては意味のあることである。
 お隣の日本では、円高の後、海外M&Aが過熱したことがある。1985年、日本はプ
ラザ合意に調印し、それ以後、日本円は上昇を始め、日本円で海外資産を買収す
ることが安く感じるようになっていった。1985年から1990年まで、日本企業の
500億円以上の海外M&A案件は21件、1990年にピークに達し、その年の国際的な
M&A案件数は45件に上った。

 目下人民元高の値動きは小さいが、これは、中国企業の国をまたぐM&Aの直接的
な動きが少ないからである。しかし、長い目で見れば、人民元高は継続する傾向
にかわりはなく、このようにしてみれば、中国企業の海外投資、M&Aは増大するだ
ろう。
 しかし、目下、現金を手に海外発展を目指す中国企業は時期を見定めるべきだ。
もし、M&Aが迫っているのであれば、為替レートの変動リスクを回避し、買収が迫
っていなければ、リスクの少ない取引の時期をさらに待つべきである。

〈外資導入をして海外進出を図る〉
 多くの海外資本が中国に流入して、中国企業のM&Aターゲットをかすめ取ってい
る。「逆行的」な国際化のプロセスにおいて、中国企業の国際化も一つの新しい
道筋に差しかかっている。

 今年8月、フランスのSEBが中国最大の調理器ブランド蘇泊爾の戦略投資家とな
り、最終的に蘇泊爾を持ち株会社にした。多くの論調では、一つの民族ブランド
が外資に買収されたとしているが、ある一面では、SEBの参入は蘇泊爾ブランドを
国際市場へと導いたのである。
 蘇泊爾は東南アジア、ベトナムで一定の地位を占めているが、成熟した市場に
参入することは困難であった。しかし、SEBは蘇泊爾がこの種市場での外国ブラン
ドとなれるように支援することもできる。株式を引きかえに国際市場に参入した
のは蘇泊爾の選択であり、彼らはブランドの国際化の近道を実現したのである。

 中国企業が世界で成功するためには、これらの要素を総合的に考慮するだけで
なく、マネジメント水準を向上させ、ホスト国の利益も尊重する必要がある。こ
のようなことがあるだけで、国際化の道筋を歩み続けることができるだろう。
〔第一財経日報11月15日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●中国全国のスモーカー昨年2500億元を燃やす 米ファイザー、たばこ値上げを提案
 2005年、中国の喫煙がもたらした疾病及び直接的なコストはおおむね1665.60億
元で、昨年のGDPの0.91%を占めた。喫煙がもたらす間接的なコストは861.11―
1205.01億元でGDPの0.47―0.66%を占めた。簡単に言えば、中国のスモーカーは昨
年2500億元前後の富を燃やしてしまったということである。
 これは11月15日、北京大学中国経済センターで発表された最新の「中国喫煙コ
スト推計」研究報告の中で示されたものである。

〈喫煙コスト2500億元〉
 北京大学中国経済センターの副主任である李玲教授によると、喫煙コストには
直接的なコストと間接的なコストの2つがあるという。直接的コストとは、主に喫
煙がもたらす直接的な医療コストのことである。直接的コストをはかる具体的な
測定方法として喫煙によって発病しやすい主要な23疾病疾病ごとのコストを大ま
かに計算し、最後に集計を行った。

 李玲教授の研究によれば、全国衛生サービス統計調査にある26%の喫煙率という
数値をもとに計算を行うと、2005年の中国全国の喫煙による直接的なコストは
1414.37億元で、GDPの0.78%を占める。
 もし、全国栄養と健康調査にある35.8%の全国の喫煙率という数値をもとに計算
を行うと、2005年の中国全国の喫煙による直接コストは1665.60億元となり、GDP
の0.91%を占めることになる。

 それから、事実上、喫煙は多くの間接的コストをもたらしている。それは、遅
刻、副流煙、火災、環境汚染、喫煙のもたらす寿命の低下などだ。
 プロジェクトチームの研究によれば、2005年の副流煙コストは239.91―294.13
億元にも達し、GDPの0.13―0.16%にも達するという。喫煙がもたらす火災コスト
は8.68―10.26億元、早死にするコストは606.74―894.84億元である。
 各項を集計したデータによると、喫煙の間接コスト全体は861.11―1205.01億元
で、GDPの0.47―0.66%の間である。

〈たばこ税値上げの提案〉
 高い喫煙のコストを下げるためには、専門家は、たばこの値上げは喫煙率を低
下するのに有効な措置であり、そして、価格の値上げは、まずたばこへの課税か
ら考えるべきだと提案している。
 値上げの方法は、先進国の成功事例が参考になる。アメリカのファイザー投資
有限公司のグローバル成果研究シニアディレクターであるフレッド・コックスは、
過去10年、米国のたばこ価格は10%値上げし、喫煙率が3―5ポイント下落したと示
している。
 「発展途上国では、価格を10%上げれば6―10ポイント喫煙率を下げることも可
能だ。青少年では、同様の値上げ幅で、少なくとも7%喫煙率が低下する」フレッ
ド・コックスは中国の状況に考慮してさらにもう一つの計算を行っている。もし、
中国のたばこの1箱の価格を0.4元値上げすれば、毎年45億箱のたばこ消費を減少
できる。

 そして、中国のたばこ税収には確実に上昇余地があるという。目下、たばこ産
業全体の税負担は約42%であるが、世界各国を見れば、高くない。日本のたばこ税
率は61%、ドイツ70%、ブラジル74%、英国80%である。
〔中国証券網11月17日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                       (中国人民銀行12月4日16:54)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
6.7875  782.4   100.64   1044.04
関連ページ:http://www.boc.cn/
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《編集者コラム――もったいないエコ清掃》
 家を整理していたら、1年前にもらったビールが出てきました。いつか友人が
来たときに飲もうと思っていたのですが、酒を飲む友人の来客はなく、賞味期限
もとうに過ぎ、大変もったいないことをしました。
 そのまま捨てようと思ったのですが、何か使えるかもしれないと思いつき、
「ビール 掃除」などとネットで調べてみると、ビールは油汚れがよく落ちると
ありました。そこで、大量のビールでシンクをいっぱいにして、汚れ切った換気
扇などを入れてみると――すごくよく油汚れがとれます。
 こんなに落ちるんだったらビール会社さんで洗剤として売っているものがある
のじゃないかと思うほどですが、それはないようですね。これからはこの手の汚
れはビールを使って清掃したいと思うほどのインパクトがありました。(ま)
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●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―)
 http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで)
 http://www.jckc.com/nweek/view.phpano=1
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:戴小芳 奥谷道弘 リン 後藤せいか カスミ
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