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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.799 2023年7月5週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:中国の発展、増加する人数の構造】
●中国女性企業家の活躍広がる
●中国大学受験志願者数が1291万人で過去最高
●中国がん患者数は今後5―10年で増加へ

┏【李年古の日中異文化交流術】
●この街の独特な魅力「睡眠後経済」

┏【国際】
●現代中国を理解するには、伝統的な中国文化に依拠すべきだ

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……【特集:中国の発展、増加する人数の構造】……………………………………
●中国女性企業家の活躍広がる
 フランスの週刊誌「レクスプレス」が最近、「中国女性億万長者の驚きの成功」
との文章を掲載した。

 毎年全世界の富豪リストを発表している胡潤百富の董事長兼首席調査研究官の胡
潤氏によると「全世界約300人の女性億万長者のうち、80%が中国に由来する」とし、
これは中国が「絶対的に世界の女性起業家の成長の揺りかごとなっている」ことを
意味するという。

 ボストン・コンサルティング・グループの高級管理職の丁佳川氏は、「中国は全
世界で最も活発な女性企業家人材バンクの一つを有しており、中国女性企業家の絶
対数及び比率はアメリカやイギリスなどの西側諸国を超えている」としている。

 デジタル経済化がこの女性化傾向をさらに後押ししている。阿里研究院が昨年発
表したある研究において、「デジタル技術は農村及び辺境地域を含む女性の就業と
創業のハードルを下げた」ことが指摘されている。

 アクセンチュア社の2019年のある報告によると、中国は4億余りの20―60歳の女
性消費者を有し、彼女らの毎年の消費額は15億ユーロを超える。
 同研究によると、従来のような男性が家族を養い、女性は家庭で専業主婦をする
という作業分担は既に「時代おくれ」であり、97%の中国都市部の女性は収入があ
り、68%が不動産を保有している。
〔参考消息2023年5月25日〕

●中国大学受験志願者数が1291万人で過去最高
 中国教育部は、2023年の全国大学受験志願者数は1291万人で、昨年より98万人増
加し、過去最高となったことを発表した。
 中国教育部は6月1日に公式サイトで上記情報を公布した。中国教育部は、各地が
入試組織及び受験生サービス作業を念入りに行うよう指導し、「平穏無事な大学受
験」の目標任務を全力で実現するよう強調している。
 中国の今年の大学受験は6月7日、8日の両日で行われる。
〔聯合早報2023年6月1日〕

●中国がん患者数は今後5―10年で増加へ
 中国赤十字の陳竺会長は、5月27―28日に開催されたフォーラムにおいて、過去30
年、心臓・脳血管疾病、がん等の重大疾病の増加が続いており、主に高齢者層、特
に70歳以上によるものであると指摘した。

 陳竺会長は、現在、中国のがん発症率は比較的急上昇している段階にあり、かつ
高齢化の程度はより高まることが予測され、今後5―10年内においてがん患者数は
顕著な増加を見せる可能性があるとしている。
 また、90%以上の高齢がん患者は複数の疾患を抱え、それががん治療の効果に明
らかに影響しているとし、政府と社会各界に対し高齢者のがん治療をより重視する
よう呼びかけた。
〔澎湃新聞2023年5月28日〕
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……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●この街の独特な魅力「睡眠後経済」
 私は今この街にいるが、「睡眠後経済」が何を示すのかよく分かっていなかった。
朝食中、目の前の弟が送ってきた一通のショートメールに私は怒り心頭となった。
それは長沙市政府からの通知で、休暇期間中の長沙市民への冷遇が露骨に示された
ものだったからだ――
 それは、5月1日メーデーの休日中、外地からの観光客用に市内をあけておくよう
呼びかけるものだった。具体的には「外地旅行客に、駐車場、旅行コース、観光ス
ペースをあける」という内容だ。その意図することは、できる限り外出してにぎや
かに過ごさないようにする、あるいはいっそのこと長沙を離れる。遠ければ遠いほ
どよいというものだ。

 さらには、この規定にはこのような明文規定があった。お客様を出迎えるため、
夜間営業の店は全面的に値下げすること。また、交通警察は、外地ナンバープレー
トの自家用車について、一律、軽微な違反であれば違反とみなさないというもので
あった。

 この通知は気概のある内容だが、更にわざわざ「私たちの長沙をより多くの人の
あこがれの地にしよう」との表題がつけてあった。

 怒りに満ちた表情の私を弟はまるで相手にしようとせず聞いてきた。「「睡眠後
経済」って何のことかわかる?」私は首を振った。「夜10時以降の夜間消費のこと
さ。寝る前に黄興路の歩行者天国を歩いてごらんよ。その場所がようやくにぎやか
になった時分だよ」。

 その夜、半信半疑で赴くと、東京の夜の六本木、さらには銀座を足したような賑
やかさで、全国のさまざまな方言の若者たち、子供を連れた父母がいた。彼らは湯
気の立ち昇る臭豆腐、アヒルの頭の醤油煮、麻辣ザリガニを口にし、顔に詩のよう
なものを書くほど活気じみている。どの店でも人が並んでいて、一息吸うだけで空
気中のトウチや唐辛子のにおいが肺に充満した。

 東京の夜とまるで異なるのは、一歩進むと美男美女が携帯のカメラを使い現場で
ライブ配信をしていることだった。にぎやかな演奏を行う大道芸人による即興演奏
もあった。
 データによると、2022年長沙の夜間消費は1日の消費量の6割を占めているという。
夜食、夜間上演、夜景、夜間ショッピング、夜間泊が「睡眠後経済」の内訳だ。夜
間消費のうち女性が半分を占めているのが興味深く、全国どの都市より高い割合だ
った。女性が夜間の街を支えているように見えた。

 どおりで、ここ数年、長沙が全国トップ10インフルエンサー都市のはずだ。たび
たび長沙が評判になってきたのも無理はない。日本の小売商リーダーであるイオン
グループが北京への投資を縮小し、湖南省を中国でのもう一つの核心としていくと
宣言したのもうなずける。

 国内の毎年の幸福都市ランキングを思い出した。長沙は懸念せずとも常に前列に
ランクインする。
 私はいつも不服に感じていた。というのも、毎年冬は曇り空で寒く、春は雨が永
遠に続いている。いつも心はカビが生えたようで、一体何に基づいて長沙の幸福感
が半端ないというのか。しかし、私は長沙人の中でも例外に入る。
 弟を含め、ほとんどの長沙人はこれに反駁するのだ。「この中国で他に長沙みた
いに安い家賃、そして鶯がさえずり燕が飛び回る夜がある大都市はあるのか」と。

成都を除き、私は他に思いつかない。

 長沙市政府からの通知の背後にあるロジックは何となくわかるのだ。地元住民に
とって、他人のあこがれの地は、私たちの足元にあるということだ。
 長沙市民にとって、このロジックを人質に取られていると感じるかどうかはわか
らないが
(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)

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……【国際】………………………………………………………………………………
●現代中国を理解するには、伝統的な中国文化に依拠すべきだ
 「私が中国学を好きになり、中国学の研究を志したのは、1991年にアンカラ大学
中国学科を卒業した後のことだった。トルコは2000年以上にわたり中国と交流があ
ったにもかかわらず、なぜトルコの中国学はドイツ人により始められたのかと当時
常に考えていた。そのときから、トルコの全ての中国研究家にとっての理想はただ
一つ、トルコの中国学はトルコの中国研究家がみずから研究することだった」
 現在、トルコの著名な中国研究家となったエユップ・サリタス(Eyup Saritas)
氏は先ごろ、北京語言大学世界中国学センターで中新社「東西問」の独占インタビ
ューに応じ、32年前の出来事を振り返った。

〈「現代中国を理解するには、伝統的な中国文化に依拠すべきだ」〉
 将来、直接中国語の文献資料を読んで中国西北地域の歴史や少数民族の文化を研
究するために、エユップ氏は大学卒業後アンカラ大学にとどまり、歴史学の修士号
を取得する一方、中国語の勉強を強化した。
 1992年9月、初めて中国を訪れた同氏は、当時の中国社会の姿にすっかり魅了さ
れてしまった。現在の中国社会はより多様性に富み、国際色豊かになっているが、
同氏はむしろ「ノスタルジック」な1990年代の中国の方が好きだという。それは、
「当時はインターネットもなく、中国社会における人と人との交流は伝統的な考え
方に大きく影響されていた。北京の胡同(フートン)では比較的伝統的で昔ながら
の生活様式を見ることができた」からだ。

 中国の伝統文化への愛は、エユップ氏が中国学に深く傾倒する最大の動機の一つ
であった。第二次世界大戦後、ジョン・フェアバンク氏を初めとする中国研究家た
ちが伝統的な中国学研究から現代中国研究への転換を提唱し、米国における現在の
「中国学」の研究も現代中国により注目している。
 エユップ氏は、中国を理解するにはまずその伝統文化から始めるべきだと常に考
えており、「欧米の学者が現代の中国研究に目を向ける理由は、戦略的なものであ
る。彼らは国際関係や政治の観点から中国を分析するが、私を含む大多数の中国研
究家は文化的な観点から中国を研究している。伝統的な中国を理解することなく、
近現代及び現代の中国を理解することは不可能である」としている。
 同氏は儒教を例に挙げ、「孔子の思想を理解せずして、現代中国社会の行動のほ
とんどを理解することは不可能である」と述べた。現在の中国人は現代中国語を話
しているが、現代中国語には古代中国語の名残が非常に多く含まれている。例えば、
中国人が今日でも使用している慣用句、ことわざ、言葉遊びなど、これらは全て古
代中国語の重要な要素である。

〈「アジアの最も重要な文化の核心は中国にある」〉
 エユップ氏にとって中国文明は、その豊かな哲学的思想だけでなく、他の文化に
影響を与えたという点でも、輝かしく偉大なものである。ドイツの著名な中国研究
家ヴォルフラム・エバーハルトが述べているように、ヨーロッパ文明を理解するた
めには、トルコ人はまず古代ギリシャ及びラテン文明を理解する必要があり、アジ
ア文明を理解するためには、まず中国文明を理解しなければならない。
 「アジアの最も重要な文化の核心は中国にある。モンゴル、ベトナム、カンボジ
ア、ミャンマー、タイ、日本、韓国等の多くのアジア諸国の文化は中国文化の影響
を受けている」と強調した。
 「中国文明はトルコにも深い影響を与えたのか」という質問に対して、エユップ
氏はちゅうちょすることなく「もちろん。トルコは西アジアに位置し、アジアとヨ
ーロッパにまたがる国だが、地理的にも歴史的な起源から見ても、トルコはアジア
文化の影響をより強く受けている。我々は今もアジア文明圏にいるので、中国文明
の影響も受けている」と答えた。

〈「祖先は漢代以前には中国の隣人であった」〉
 エユップ氏によると、トルコの中国学は欧米諸国に比べて遅く始まり、ドイツ人
の中国研究家の協力でアンカラ大学に初めて中国学科が設立されたのは1930年代の
ことだった。それ以前は、トルコには中国語から直接翻訳された本も中国に関する
研究プロジェクトもなかった。
 「これは、トルコにおける私たちの中国学研究の最も顕著な欠点であった。イタ
リア人が中国と公式に接触したのは16世紀になってからだが、私たちの祖先は漢代
以前には中国の隣人であった。したがって、伝統的な中国学という点では、ヨーロ
ッパや米国よりも当然先を行っているべきである。しかし、さまざまな要因から、
トルコの中国学はまだ理想的なレベルにはほど遠い」という。

 アンカラ大学に中国学部が設立されて以来数十年間、トルコの各大学は「トルコ
語アルファベット版中国語音節表」の制定から始まり、困難な中国学という学問分
野の構築を行ってきた。
 2014年、トルコの中国研究家が「史記 匈奴列伝」をトルコ語に翻訳し、間をお
かずに「漢書 匈奴伝」をトルコ語に翻訳した。その後、「旧唐書」(くとうじ
ょ)の「突厥伝」もトルコ語に翻訳された。「しかし、トルコにとってこれらの中
国の古典を翻訳するだけでは不十分で、歴史資料を翻訳した上で、科学的手法によ
って分析し論評する必要がある」という。

 幸いにして、1980年代以降、中国文化に興味を持つ若者の増加に伴って、トルコ
でも若手の中国学研究者があらわれ、「中国学ブーム」という現象が起きている。
現在、中国語学科はイスタンブール大学文学部の中で3番目に高い合格基準点を持
っている。狭き門だが、それでも多くの志願者がいる。「これらの若者たちが中国
学に憧れて勉強するだけでなく、中国に来て、中国語で論文を書き、中国で生活し、
中国の社会と文化を間近で感じてほしい」とエユップ氏はつけ加えた。

〈「「大唐西域記」は最も興味深い史料である」〉
 エユップ氏は、より多くの若手を育てるだけでなく、学問的キャリアにおいても
多くの計画を持っている。同氏は「将来的に「大唐西域記」をトルコ語に翻訳した
いと考えている。玄奘三蔵がインドから唐の長安に戻って編纂したこの本は、中国
と西洋文明の交流を描いた初期の著作だからだ。
 内容は、民族学、風俗学及び西域各地の生活や歴史的特徴や西域の人々と中国王
朝との関係などが描かれており、非常に豊富で興味深い」と述べた。また、玄奘三
蔵の西回りルートは突厥のハーンが支配した地域を通過しており、当時の突厥文化
に造詣が深い同氏は「これが最も興味深い史料である」と語った。

 また、エユップ氏は中国の伝統劇に関する本を書く計画をしている。同氏は中国
の伝統劇が充実した内容で、種類が非常に多く、それぞれの劇に際立った特徴があ
ることを理解している。同氏の考察では、多くのトルコ人は中国の京劇について表
面的に知っているだけである。
 この分野では、イタリアもフランスもドイツも関連する著作があるが、トルコは
空白分野である。「このギャップを埋めたい。トルコ人には、中国オペラ(Chines
e Opera)を理解するには多くの基礎知識が必要であり、映画を見るほど簡単では
ないことを知ってもらいたい」と述べた。

 また、エユップ氏は中国文化の大使として、「学生やトルコの人々に中国文化の
さまざまな側面を紹介するよう努めたい」と考えている。ここまで話すと満面の笑
みを浮かべた。
 インタビューの最後に、中国語が堪能な同氏は、「学問には終わりがない」とい
う中国の慣用句を引用し、中国語を学び続け、この歴史ある言語の前では、「我々
は常に学生であり続ける」と語った。
(トルコ人中国研究家エユップ氏)
〔中国新聞網2023年5月21日〕
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃 村井好子
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