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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.751 2021年3月2週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:生徒や保護者をめぐる教育課題】
●「保護者グループチャット」の解放に保護者は内心安堵
●教育部門一斉調査 小中学校いじめ事件

┏【李年古の日中異文化交流術】
●中国から日本へ 誰がわかるのだろう。明日私は帰れますか? 2

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……【特集:生徒や保護者をめぐる教育課題】………………………………………
●「保護者グループチャット」の解放に保護者は内心安堵
 現在、コミュニケーション促進のため、業務上の各部門には部門ごとにコミュニ
ケーショングループがあるが、学生、教師、保護者の間でも同様のチャットグルー
プがある。

 実際のところ、保護者グループを設置した当初の意図は、保護者が子供の学校生
活をより理解するためで、同時に、教師とのタイムリーなコミュニケーションや家
庭と学校の共同管理がうまくできるからであった。
 しかし、多くの保護者は、現在の保護者グループのそういった役割が次第に薄れ
てきていることにゆっくりと気づき出した。保護者グループを「ストレスグルー
プ」と呼ぶ人さえいるくらいだ。

〈保護者グループは「ストレスグループ」 あえて声は上げない〉
 自分の子供が教師に格別目をかけられるよう、グループ内で教師にお世辞を言っ
たり、お年玉を渡したりする保護者もいるだろう。このような行為によって、保護
者グループを設置した当初の意図はすっかり失われてしまった。

 多くの保護者に不満を抱かせる原因の一つは、もともと保護者が子供の学習をよ
りよく監督するために設置した保護者グループが、もはや変わってしまっているこ
とにある。
 チャンネルを提供することで、もともと教師がすべきだった部分が保護者に任さ
れてしまっているのだ。多くの場合、教師の都合で保護者グループに直接任務を割
り当てることができる。例えば、保護者に子供を監督させたり、宿題をさせたりす
る役割である。

 もう一つの原因は、一部の教師のやり方が保護者の面子を無視していることであ
る。例えば、子供が学校で問題を起こした場合、教師はプライベートチャットや電
話ではなく、保護者グループに直接通知することもできる。
 さらに、例えば、子供のテストの成績である。教師は保護者グループに直接送信
することもできるので、保護者は、子供の成績がよければ当然何も思わないだろう
が、子供の成績が悪いと教師に反感を抱くかもしれない。
 このように、成績を保護者グループに直接配信するやり方、更に子供の間違った
行為を公開批評することは、保護者を非常に気まずくさせるものだ。

 最も重要なのは、教師がグループを通じて保護者に多くの責任を押しつけること
が、保護者にとても大きなストレスを与えているということである。多くの場合、
教師の都合で保護者グループに直接任務を割り当てることができる。
 どんなことでも直接保護者グループに話すのは、毎日保護者会を開くようなもの
で、誰が望むだろうか? このように、いわゆる保護者グループは、保護者たちに
困惑をもたらしている。

 教育部もこのことに気づき、この方面に対応するため、多くの地区レベルの教育
部門に、学生の宿題を家庭の宿題とすることを禁止し、保護者グループの解散を求
めるという明確な指示を出した。このような通知に対し、保護者たちは長い安堵の
ため息をついている。
[〓〓教育指南2021年1月22日]
(〓は、おんなへんに「尼」)

●教育部門一斉調査 小中学校いじめ事件
 先ごろ、教育部は「小中高生のいじめを予防するための特別対策行動プラン」を
発表した。
 この文書はいじめ事件の全面的な予防調査を求めるもので、各地区レベルの教育
部門は学生のいじめ予防特別対策のための行動体制、制度措置、チーム構築、責任
具体化、広報ガイド、教育規律、状態保証等の方面で、行政区内の全ての中小学校
に対し全面的な調査を展開し、調査では全範囲を漏れなくカバーすることを求めて
いる。
 同時に、評価体制を一層整備し、学生のいじめ予防に関する状況を教育の質評価
と教育行政に盛り込み、校長、クラス担任、学科教師及び関連する教職員の業務評
価では、優秀で先進的な人材を選ぶことが前提条件となっている。
[中国新聞網2021年1月27日]

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●中国から日本へ 誰がわかるのだろう。明日私は帰れますか? 2
(前号より続く)
 検査後間もなく友人が車で迎えに来て、私たちは昼食に向かった。帰国してこの
1カ月はほぼ毎日うららかな春景色が続いており、その間、友人たちがさまざまな
口実をつくっては食事をごちそうしてくれている。
 日本では家にこもってめったに外出せず誰にも構われないような日々だったが、
帰国後はあちこちに行っては副業をして稼ぐスター歌手のごとくに役立つ存在にな
っていた。もはや一人前には扱われないが、家族友人にまるで赤ん坊のように大切
にされている。

 ところが、日本の友人達は皆同じことばかり聞いてくる。大変になるのは明白な
のに、どうしてわざわざ帰国するのかと。
 帰国してどうするのか。皆にわからないような理屈だろうか。
 実際私も、多くの在日中国人が一様に、高価な代償を支払ってまで帰国する価値
があるのかと悩んでいるのは知っている。

 私が皆に伝えられるのは、もし帰国したら、誰かと会うというそのたびに、疫病
前とは異なる意味を見つけるだろうということだ。よく知った友人であるし、故郷
の食事もこれまでに数え切れないほど食してきたし、食卓でのおしゃべりも話した
そばから忘れていくようなくだらない話ではあったが、私はやはりそれぞれに対し、
どうしても以前とは異なる趣を感じるのである。
 疫病により、出会った人と次に何年何月に再会できるのかもう二度とわからない。
あとどれだけ待てばまた一つ一つのごちそうを舌先に乗せられるのかわからない。
 だからこそ、友人の無頓着な冗談ですら私はおもしろくて思い切り笑うし、かわ
りばえのない青唐辛子の豚バラ肉炒めですら山海珍味のような感動を覚えるのである。

 私はまた、人と会うときの対応方法も変えた。抱き合って感情を伝えられるとき、
私は決して握手でお茶を濁そうとはしない。握手で好意を示せるとき、私はたとえ
握り続けることになるのだとしてもさっと手を差し出す。私の信念は「一度でも多
く握手できればもうけもの」である。

 誰もわからないのだ。もしかしたら、あすからまた「相手と1メートル以上の距
離を保つことこそが愛」という日々に戻り、大勢が集まる公共の場ではまず監視カ
メラの位置を確認して、それから初めて握手する日々になるかもしれないのである。
(次号に続く:写真をツイッターに投稿していますので、ぜひごらんください)

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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