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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.754 2021年4月5週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛】
●閑魚、TikTok、探探 アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛 1

┏【李年古の日中異文化交流術】
●中国から日本へ 誰がわかるのだろう。明日私は帰れますか? 5

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……【特集:アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛】……………………
●閑魚、TikTok、探探 アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛 1
 2月14日はバレンタインデー。Tech星球は、今どきの若者の恋人たちを掘り下げ
てみた。ネットやクラウド、隠されたもしくは新たな風潮の交友恋愛物語、今はや
りの、またはマイナーなアプリを通じて出会っている。
 バレンタインデーというこのロマンチックな日に、インターネット科学技術の
「成人の美」を感じてみてほしい。

(注:「今どきの若者」(=後浪)のもともとの意味は「後輩」(=新人)だが、
流行語の使用過程において単語の意味の範囲が次第に狭まり、特定の一部集団を指
すものとなった。すなわち、生活の質がすぐれ、皆がうらやむ多くの自由選択権を
持つ裕福な家庭の青年をあらわすスラングである。)

◆「閑魚網」で拾った完璧な画家彼氏、国際遠距離恋愛の始まり
(ナレーター:林雅、職業:オペレーター、使用アプリ:閑魚)
 年始、私は上海から東北の小都市にある実家へ戻った。このつまらない小さな町
で積み上げられた本と子猫とともに孤独に年老いるのかと常に苦悩していた。彼に
会うまでは。

 閑魚(中国のフリマアプリ)を見ていたとき、あるビデオカメラが目に留まり、
買って遊ぼうと思った。
 あの日は雨が降っていて、人のいる場所なら安全だろうと思って、彼とは書店で
取引をすることを約束したのを覚えている。彼は店に入って一とおり見渡してから、
私に向かって手を振った。彼は幅の広いバンダナをして長い巻毛で、黒い革のコー
トを着、特大の黒のリュックを背負っており、私に挨拶をしながら渋滞でおくれて
しまって申しわけないと言った。

 その後、彼は私にビデオカメラの使用方法を教え始めたが、私は一文字も頭に入
ってこなかった。彼の手はどうしてこんなにきれいなんだろう、瞳がきれい過ぎる、
それから……いい匂いがする。私はこっそりマスクを外して嗅いでみた。とても清
々しい香りが鼻をついたが、かといって嫌な感じはしない。

 彼は随分長く話してから、やっと私にビデオカメラを手渡した。本当ならそこで
終わりだったが、彼はついでといった感じで、今日はちょうど何かよい画集がない
かと見に来たと言った。頭の中のどの神経が私を突き動かしたのかわからないが、
私は、少し一緒に本を見てもいいですかと戸惑いながら言っていた。彼はちょっと
驚いたが、いいよと言った。

 書店での1時間、私たちは本を選びながらおしゃべりをした。好きな本を紹介し
合ったり、好きな画家、漫画、音楽について話したりした。そして、私たちにはた
くさんの共通の趣味があることを発見した。同時に、彼は日本で大学院に通ってお
り、冬休みの間だけ帰省したのであり、私たちの間に可能性がないこともわかった。

 それでも私は諦められず、2回目に彼に会ったのは、私が舞台を見に行こうと誘
ったからだった。彼は後になって、私がそう言って、もし私が彼を誘わなかったら、
それで忘れようと思っていたと言った。
 その日、舞台を見終わった後、私たちは一緒にぶらぶら歩いていた。彼は突然私
に向かって「君の瞳はきらきらしてとてもきれいだ。さっき舞台の照明が当たった
ときは特にきれいだった」と言った。
 私は顔が真っ赤になって、自分の心臓がばくばくいっているのを感じた。マスク
をしていたので表面上は平静を装っていられたが、心の中のバンビちゃんは跳ね過
ぎで死にそうだった。
 別れ際、私は彼にカレンダーを送った。これも次に会うための口実だった。

 家に帰ると、彼からお礼に自分の描いた絵をあげたいと連絡があり、さらにこの
絵は二度と描かないと言った。絵をもらうため、私たちは再度会う約束をした。
 今回のデートではより深く彼を理解することができた。彼はとても紳士で、車や
レストランのドアは全て開けてくれ、食事の際には椅子を引いてくれた。優しくて
よく笑うのに、内向的でちょっと恥ずかしがり屋なところもあり、私が会ったこと
のある中で最も礼儀正しい男子だった。そして、私は「終わった。もうほかの人を
好きになれない」と思った。

 実のところ、途中には紆余曲折はたくさんあった。でも、彼と会わない間隔は次
第に狭まり、私は毎日カウントダウンして、最終的には勇気を振り絞って告白した。
結局、今はシナリオとおり一緒になって、国際遠距離恋愛を始めている。
 女子が必ずこうしなければならないということはないと思う。人は皆平等であり、
好きな人に出会ったら、自由に勇気を持って愛してみていい。みんなも私のように
勇敢になってほしい。
 彼はいつも私にこう言う。君みたいな大胆な人に出会わなかったら、僕たちはあ
の本屋でビデオカメラを渡して終わっていた。ずっと一緒にいるようになるとは予
想できなかったねと。

◆出会い系音声SNSソフト 夜は電話で互いの呼吸を聞きながら寝入る
(ナレーター:小蒙 職業:金融業 使用アプリ:ある音声SNS)
 当時、私は上海に来たばかりで、周りに友達も余りいないし、仕事も非常に不安
だった。
 今の言葉で言えば、当時のリーダーがパワハラしていたのだとわかるが、当時の
私は非常に無邪気だったし、自分は無能だとしか思っていなかったし、少しうつの
傾向すらあった。
 電話を常にオンラインにしておく必要があって、予期せず、リーダーが仕事だと
して夜中3時に呼び出すので、一晩眠れなくなり、時々は金融ビルの屋上から飛び
おりる夢を見て、その驚きで目が覚めてもいた。

 眠れないので何かすることを探し、このソフトを知った。この音声SNSソフトは
音声メーンで、しかも私は声フェチなので、おもしろそうだと思って使っていたら、
そんなにしないうちに彼と出会った。
 彼の声はとても独特で、お酒やたばこが好きそうな人が発するハスキーな声で、
クールな中にかわいいものが混ざる。
 実は、このソフトをやっていると、声がきれいな相手が多い。ただ、彼は一番特
別で、余り話さないし、たばこを吸いながら、私に話す。
 彼が私に歌を歌ってあげると言って張国栄「We Are All Alone」を歌い、その声
がマイクを伝って私の耳に入ってきたとき、私は彼に恋しているとはっきりと気づ
いた。とはいえ、愛は刹那的で、一曲、一言で人の気持ちを表現するのは難しい。

 それからは、まるで約束したかのように毎日おしゃべりした。そのころは、早く
仕事が終わるのを楽しみにして、彼に電話したいと思っていた。
 しまいには、仕事中にも電話していて、仕事をしているとイヤホンから時々彼の
声が聞こえてくる、それはすてきな感覚だった。私が仕事でどんな状況にあっても、
イヤホンの向こう側には必ず誰かがいてくれるので、仕事中に嫌な思いをすること
はなくなった。

 当時、985人の大学院生とネット恋愛することになろうとは。このやりとりは皆
が思うような感動ポルノ的ではなく、結局、お金とかでだまされたのではなく、す
ばらしい出会いだった。

 私は卒業したばかりで、そのころ、彼は頼れる人間のように思えた。後に、彼は
四川省の小都市で小売業をしていることがわかり、でも、具体的に何を売っている
のか、今まで実はわからないが、そのときは本当に絶対的に彼を信じていた。

 感情が濃いときには、私たちはアプリでプライベートなライブルームを開いて、
そこでおしゃべりできたし、それを聞く通行人がたくさんいて、それは今のclubhouse
のようだった。
 私たちが一緒に映画を見るときは、同じ映画「喊123」を見つけて、一緒に開始
ボタンを押して、同期させ、見ながらおしゃべりをした。今から考えるとつまらな
いが、当時はとても癒されて、私のすさんだ生活の中で唯一つかめた慰めだった。
 夜に寝るときも、彼と電話しながら、お互いの呼吸を聞きながら眠りについた。

 しかし、私たちの間では、この気持ちが何の結果も生まないことははっきりして
いた。特に気持ちが高鳴ったときは、成都で一緒に暮らそうと言ったこともあった
が、彼は返事をしなかったし、これは自然消滅するのだとはわかっていた。

 知り合ってから1年たったころ、彼から別れを切り出された。その日は元旦で、
新年の最初の日にばかみたいに泣いたのを覚えている。
 その後、彼に新しい彼女ができたと聞いた。私はまだシングルだけれども、生活
は全ての面で軌道に乗っていた。

 私はそれでもあの時間は無駄ではなかったと思うし、人生のどん底に温かい仲間
がいたことには価値があった。
 しばらくして、ソフトを再起動してみたら、さまざまな機能がアップデートされ
ていたことで興ざめしてアンインストールしてしまったが、このソフトは本当に気
に入っているし、下らない現実世界の中で一筋の光明を与えてくれた。
(次号以降に続く)
〔Tech星球2021年2月14日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●中国から日本へ 誰がわかるのだろう。明日私は帰れますか? 5終
(前号より続く)
(五)
 ようやく搭乗したところで、機内にいる乗客の様子が広州に飛んできたときと全
く変わらないことに気がついた。半分以上の座席が空席だ。唯一異なっていたのは
ミールカートに搭載されていたビールとワインの場所で、広州へ向かう機内では気
恥ずかしげに置かれていたそれらが、今回は人目を引く場所に陳列されていた。隣
に座る日本人はわずかの時間をも惜しむように飲み続け、着陸前には一樽のビール
を飲み干したのじゃないかと思う。

 午後7時40分、飛行機は定刻より10分早く成田空港に到着した。ここでの検疫検
査は広州白雲空港と全く変わらなかった。強いて言うならば、日本の空港の係員に
「真っ白」な服装に身を包んだ人影をほとんど見かけなかったことである。乗客の
中には完全武装の「真っ白」な人影を至るところで見かけ、これには、うっかり乗
客と係員を見間違えてしまった。

 降機後、私たちは検疫に通じる通路で待つこととなった。体温測定の実施、また
日本の検疫が作成した質問表への記載内容を順番に確認してもらうためだ。ウィチ
ャットでQRコードをスキャンすれば直接、画面上で各質問事項に回答できる。
 続いて行うのが、所在国で実施したPCR検査報告の確認だ。中国語の原本を差し
出したところ、説明する間もなく許可された。私は中国帰国時と同様の印象を受け
た。実際のところ、この用紙は大した証明にならないのである。必ず所持していな
ければならないが、所持していたからといって、ただ参考程度に用いられるだけだ
った。
 各国の検疫が真に気にするのは現場で行うPCR検査であって、その結果こそが本
人確認の要となる基準なのであった。

 これらの手続には余り時間を要さなかった。続いて実施したPCR検査も簡単で、
試験管に唾液を採取するのみ。採取後は採番され、通路で静かに結果を待つ。この
一連の作業は1時間も経たず終了した。
 この速度であれば、間もなく入国できるだろうと思っていたところ、この後の検
査結果を待つ時間こそがとても長く、さんざんなものであった。3時間近くはかか
ったのだ。

 聞くところによれば、大連からのフライトがちょうど私たちより一歩先に到着し
ていて、その結果、私の手にした検査結果の番号札は989番。あたりを見回すと、
検査結果を待つ人々の数は確かにその数と符合していた。私はすぐさま空港まで迎
えに来る友人に連絡し、もうひと眠りするか、もしくは分厚い哲学書を持参しそれ
を読みながら私を待つように伝えた。

 3時間近く待ち、ようやく私の番号札が呼ばれる。検査結果が陰性である旨伝え
られ、誓約書にサインをするよう指示された。そしてようやく大きく手を振り、私
に通関手続きに行くように宣言したのであった!
 ああ、私はこれで自由になれたのだろうか?スーツケースを引きながら税関を抜
け、私は茫然としていた。混乱していた。入国までに4時間近くを費やし、それは
広州から成田までの飛行時間を超えてしまっていた。

 余りにも長く待ち続けた。
 けれども、中国帰国時は空港から出た後、ホテルで14日間待機した。それに比べ
ると、日本での待機時間は余りにも短過ぎた。
 私はどちらの待機時間をより長いと評するべきなのかと茫然としたのであった。

 遠くで友人が手を振っているのが見えた。マスクの向こう側で彼が少し興奮気味
であるのがわかった。余りに長い待ち時間で彼の興奮が少なからずそがれていたの
はわかったが、私はまるで別の星からついに地球に戻ってきた宇宙飛行士のようで
あって、それはもう本当に大変だったのだ。
(写真をツイッターに投稿しますので、ぜひごらんください)

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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