CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子マガジン《中国最新情報》  No.707 2018年12月4日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
登録/解除:http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
==19881130-20181204==20th==19881130-20181204==20th==19881130-20181204==20th

   祝20年 御愛読ありがとうございます 中国最新情報編集部

19881130-20181204==20th==19881130-20181204==20th==19881130-20181204==20th==
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「ビジネス企業研修@中国」http://www.bizchina.jp/

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:出稼ぎ労働者の子女の流動する未来】
●流動する「通学生」 大きくなったら「他の地域の人」

┏【国内経済】
●2018第3四半期 ネット金融ユニコーンの評価額1.5兆で業界別トップ
●月収5001元―7000元ではうれしくないのか

┏【社会】
●たばこ、酒消費が大流行 喫煙と飲酒は中年男性の半分以上がたしなむ

┏【経済データ】
●外国為替(12月3日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:出稼ぎ労働者の子女の流動する未来】………………………
●流動する「通学生」 大きくなったら「他の地域の人」
 全国の教育発展統計公報によると、2009年、中国の農村の留守児童数は2200万人
を超えたが、当時の流動児童は1000万人には達していなかった。
 ここ10年で、流動児童の数は40%以上増加した。統計データの中では、彼らは
「都市に移住した出稼ぎ労働者の子女」と呼ばれている。

▽農村留守児童と流動児童の10年間の変遷
 流動児童 農村留守児童
2009年 997.10万人 2224.24万人
2010年 1167.17万人 2271.51万人
2011年 1260.97万人 2200.32万人
2012年 1393.87万人 2271.07万人
2013年 1277.17万人 2126.75万人
2014年 1294.73万人 2075.42万人
2015年 1367.10万人 2019.24万人
2016年 1394.77万人 1726.29万人
2017年 1406.63万人 155.056万人

 子供を家に置いてくることが忍びなく気にかけることや、教育がますます重視さ
れることがあり、出稼ぎ労働者の父母の多くは子供を呼び寄せている。
 「義務教育法」は、学齢期児童や青少年の無償で教育を受ける権利の保障につい
ての一部の流動児童の学校問題を解決した。

 上海を例にとると、2007年から2012年までで、上海市の公立学校で学ぶ出稼ぎ労
働者の子女は17万人から40万人に増加した。
 その後の3年で、上海の公立学校では流動児童をそう多くは受け入れていないが、
出稼ぎ労働者の子女総数の減少により、公立学校で学ぶ流動児童の割合は大きく増
加し、2015年に80.42%に達した。
 同じ一線都市である広州、深センでは、公立学校で学ぶ流動児童の割合はかなり
低い。

▽広州では流動児童10人中4人しか公立学校に行けない
 義務教育段階の流動児童数 公立学校で学ぶ数
上海  50.06万人 40.26万人
北京  48.36万人 37.87万人
広州  60.13万人 25.45万人
深セン 78.58万人 36.29万人

 公立学校の人数枠には限りがあり、より多くの流動児童に無償の義務教育を受け
させるために、地方政府は現地の私立学校と協力し、政府出資により私立学校の人
数枠を購入し、流動児童に無償の学びを提供した。
 しかし、政府の経費にも限りがあり、購入した人数枠にも限りがあり、地方政府
の教育経費で引き受けられる範囲を上回れば、私立学校で自費で学ぶことを選択す
るしかできない流動児童もいる。

 2015年、一線都市のうち、義務教育段階の流動児童数が最も多いのは深センで78
万人を上回った。その次が広州で約60万人、上海と北京はそれぞれ50万、48万人だ
った。

 流動児童の入学者数に影響する2大要素は、現地政府の人口政策や教育経費の多
寡である。まず、教育経費から見てみたい。

 「教育部、国家統計局、財政部の2017年全国教育経費執行状況統計公告」による
と、昨年、全国の普通小学及び普通中学の学生当たりの教育事業費はそれぞれ1万
199.12元、1万4641.15元だった一方、学生当たりの公共経費は2732.07元、3792.53
元だった。
 教育事業費には、小中学校の教職員の給料、学校の開設、建設及び正常運営費用
が含まれている。公共経費は学生が学ぶ日々の費用である。
 つまり、財政は、小学生及び中学生の教育経費として、それぞれ1人当たり1.3万
元、1.8万元を毎年補助している。

 しかし、教育経費は主に戸籍によって支払われる。ある場所の戸籍の学齢期児童
が別の場所に流入し、その場所で入学すると、流入地では、当該児童の生徒当たり
の公共経費(基準による定額計算される、毎年1人当たり600元)及び「両免一補」
(学費免除、教科書費及び貧困寄宿学生に提供する生活補助、毎年1人当たり約600
元)が支給されるだけである。
 これはつまり、義務教育段階の流動児童の90%以上の教育経費は流入地の財政が
引き受けているということである。

 一線都市、北京、上海、広州、深センの学生当たりの教育経費は全国平均水準を
はるかに上回る。
 上海を例にとると、2008年から2015年まで、上海市の公立学校で学ぶこれら子女
の学生当たりの投入額は1.4万元から2.1万元にまで増加し、政府委託の私立学校の
学生当たり投入は2千元から6千元にまで膨張している。
 2015年、上海の流動児童の教育に対する財政投入は88.68億に達し、当年の上海
市公共財性教育総支出の12%近くを占めた。

 北京、上海に比べ、珠江デルタ地域は流動児童数が巨大で、地方財政圧力は過大
になっている。
 例えば、深セン市には80万人近い義務教育段階の流動児童がおり、毎年必要な教
育経費は100億を超える。教育経費の不足により、珠江デルタ地域の流動児童が無
償で義務教育を受ける割合は50%にとどまっている。

 その一方、たとえ経費に余裕があっても、流入地で比較的厳格な人口政策を実行
していれば、当該地域の流動児童が無償の義務教育を受ける割合は低くなっている。

 2014年以降、大都市人口規模の調整に伴い、北京、上海の流動児童の入学のハー
ドルは高くなった。北京での「5証」、上海での居住証及び就業登記という要求は
多くの非正規就業の父母を困らせた。
 このほか、多くの私立学校、特に出稼ぎ労働者の子供の学校では、建設の不合格
や学校の資質の問題で閉鎖させられた。そのため、北京や上海でスムーズに入学で
きた流動児童数は大きく減少した。

 北京では、流動児童の一部は入学基準に達していても、非北京戸籍の学生は高校、
大学入試に参加できないため、多くは中学卒業までもたず、外国に行ったり故郷に
帰ったりすることになる。

▽中学校に上がるハードルで流動児童はもとの戸籍地
 小学校卒業数 中学校募集数
北京  12.6万人 10.3万人
上海  14.7万人 12.53万人
広州  13.3万人 11.63万人
深セン 11.99万人 10.88万人

 「流動児童は、中学校ではもとの戸籍の場所に戻って勉強せざるを得ないのが普
通になった」
 陳媛媛氏(上海財政経済大学高等研究院人口流動・労働力市場研究センター主
任)は「風の中の綿毛 中国流動児童生存報告」の中で、「しかし、大部分の、も
との戸籍地に戻った子供の父母は一緒に帰ることはできず、もとの戸籍に戻った子
供は流動児童から留守児童へと変わる」と言及する。

 研究によると、これらの逆流児童と青少年の抑うつ水準は普通の児童や留守児童
よりも顕著に高くなっている。彼らは長い時間父母の近くにいたが、進学問題でも
との場所に戻らなければならなくなり、親と離れ離れになってしまった。

 各地の教育指導大綱やシステムがさまざまなことにより、多くの逆流児童は多か
れ少なかれ学業上の試練に直面する。
 このほか、大都市から小さい町に戻ることで心理的な落差が生じ、一部の逆流児
童に、できるだけ早く学業を終え再び大都市に戻ろうという考えを持たせるように
なっている。

▽各教育段階学業終了数(2015年全国1%の抽出調査)
 都市 鎮 農村
小学   2.8万人 4.3万人 14.3万人
中学   1.3万人 1.7万人 4.7万人
普通高校 0.26万人 0.25万人 0.52万人

 データによると、相当の割合の逆流児童は、高校を終えたら学業を終え、その後
以前いた都市に戻りアルバイトを考えている。しかし、このような「都市回帰」は、
彼らが「他の地域の人」という身分をできるだけ早く抜け出すことを助けることは
できない。目下、一線都市のポイント制の定住政策では、彼らの相当数は永遠に定
住し「現地の市民」に変わることはできないかもしれない。

 「家庭の背景がよくない学生、成績がよくない学生であればあるほど、学校の質
がますます重要になる」
 陳媛媛氏によると、「なぜなら、優秀な学生あるいは家庭背景がよい学生は、自
分自身あるいは家庭が学校教育の不足を補うことができるからである。父母に余裕
がない学生は、学校の質が重要な役割を果たす。そのため、政策上は、弱者の家庭
の児童であるほど政府は彼らが受ける教育の質を注視すべきである」

 もし流動児童の教育経費が人数枠に合わせて移動できれば、もし一線都市で人口
規模の調整と同時に流動児童の学校問題に力を入れていれば、これらの千とも万と
も言える「都市に移住した出稼ぎ労働者の子女」はもう少し気楽に過ごせるし、少
なくとも「他の地域の人」という身分に包囲される必要もなくなる。結局、彼らも
国の未来なのだから。

注:近年来、「農業移転人口」の都市定住が奨励され、「その場所での都市化」の
政策が加わり、もともと相当多かった農村留守児童の一部は「都市留守児童」にな
った。したがって、上記文章で取り上げている約3000万の農村留守児童と流動児童
は、現在の中国の人口流動の影響を受けた児童数の全てではない。
〔2018年11月8日新京報〕

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【国内経済】…………………………………………………………………………
●2018第3四半期 ネット金融ユニコーンの評価額1.5兆で業界別トップ
 11月2日、胡潤研究院は「2018第3四半期胡潤大中華区ユニコーン指数」(以下、
「指数」と略)を発表した。このデータは2018年9月30日現在のものである。
 ユニコーンとは、評価額10億米ドルを超える企業のことである。ユニコーン所在
の地域、業界等の相関分析は、地域のイノベーション、創業活力を観察する一種の
指標になり得る。

 「指数」によると、第3四半期、中国は2.6日ごとに新しいユニコーン企業が生ま
れ、総数は181社となった。全体評価額は4兆元を超えた。
 ユニコーン企業の地域分布では、北京はユニコーン企業が最も多い76社で、総評
価額は約2兆だった。次が上海の41社で、約6500億だった。次が杭州の20社で、約
1.3兆だった。次が深センの16社で、約5190億元だった。

▽都市別ユニコーン企業数と総評価額
 都市 企業数(変化) 企業総評価額(元)
北京 76(+9) 19820
上海 41(+2) 6460
杭州 20(0) 12900
深セン 16(+3) 5190
南京 8(+2) 1010
広州 6(+1) 710
蘇州 3(0) 370
天津 2(0) 500
武漢 2(3) 270
その他 7(0) 880
総数 181(+19) 48080

 ユニコーン業界分布において、インターネットサービス業界のユニコーン数が最
多の45社で、ユニコーン企業総数の25%を占めた。インターネット金融、電子商取
引業界のユニコーン企業はそれぞれ21社、20社、医療健康業界が17社、アミューズ
メント業界が15社だった。
 評価額の規模においては、インターネット金融のユニコーン企業の総評価額は1.5
兆元とインターネットのサービス業のユニコーンを逆転し、トップとなった。アミ
ューズメント業界のユニコーン企業が9000億の総評価額で2位だった。

▽業界別ユニコーン企業評価額、シェア
 業界 企業総評価額 企業評価シェア(変化)
1 インターネット金融 15170 32%(+1%)
2 アミューズメント 8980 19%(+7%)
3 インターネットサービス 8160 17%(-3%)

 リストにある181社のユニコーン企業の平均経営年数は7年で、そのうち、瑞幸コ
ーヒーが270日と、リスト中最も若いユニコーン企業だった。
 ユニコーン企業のトップの平均年齢の41歳で、その中には90後が2人入っている。
ofoを立ち上げた27歳の戴威氏と、海外旅行アプリ開発企業DotCUnitedを立ち上げ
た28歳の石一氏である。
 胡潤によると、「ユニコーン創業者は平均年齢34歳で創業していて、それは彼ら
が初めての創業ではないということである」。

 上位2企業は、総評価額が1兆に達するアント・フィナンシャルと、評価額が1.5
倍増となった今日頭条である。胡潤によると、アント・フィナンシャルは世界で最
も価値があるユニコーンで、米国最大のユニコーンであるUberやAirbnbを上回る。

 「指数」によると、上位10ユニコーンは、アント・フィナンシャル、今日頭条、
滴滴出行、騰訊音楽、微衆銀行、京東金融、菜鳥網絡、大疆、快手、陸金所だった。
 そのうち、微衆銀行の最新の評価額は前期の400億元から1200億元にまで上昇し、
最新の評価額は北京銀行に相当し、かつ華夏銀行、寧波銀行、南京銀行等の老舗上
場銀行を上回った。

 セコイアは最も多い49社のユニコーンに投資している。その後はテンセント系と
IDGで、それぞれ28社と21社だった。

▽2018年第3四半期ユニコーン上位10社
 企業名 企業評価額(元) 本社 業界
1 アント・フィナンシャル 10000 杭州 インターネット金融
2 今日頭条 5000 北京 アミューズメント
3 滴滴出行 3000 北京 インターネットサービス
4 騰訊音楽 1500 深セン アミューズメント
5 微衆銀行 1000 深セン インターネット金融
6 京東金融 1000 北京 インターネット金融
7 菜鳥網絡 1000 杭州 物流サービス
8 大疆 1000 深セン ロボット
9 快手 1000 北京 アミューズメント
10 陸金所 1000 上海 インターネット金融
〔21世紀経済報道2018年11月2日〕

●月収5001元―7000元ではうれしくないのか
 収入がどれだけあれば本当にうれしいのか、各人の心中に答えがある。

 馬雲氏は以前語ったところによると、自分が最も幸せで、最も楽しかったのは92
元を手にしたときであり、数カ月間仕事をしてお金をためて自転車を買おうと思っ
たことである。
 時は過ぎ、物質生活が豊かになった今日、人々は一体どれだけの獲得感があるの
だろうか。

〈月5001―7000元の獲得感が最も低い〉
 先日、中国社会科学院が他の組織と共同で「社会心理白書:中国社会心理研究報
告(2018)」を発表した。
 今回の調査は、経済、人間関係、社会環境のプレッシャーから、人々の社会にお
けるプレッシャーを評価したものである。
 月収水準の向上に伴い、回答者には、獲得内容ポイント(金、成績、名誉)にお
いて、まず下落してから上昇するという変化の傾向があった。
 全体では、月収1000元以下と1万元以上の回答者は、獲得内容ポイントが高かっ
た。一方、月収5001元―7000元では、回答者の獲得内容ポイントは最も低かった。

 具体的には、月収1000元以下、1001元―3000元、3001元―5000元の回答者の獲得
シェアポイント(人との助け合い、感謝の心)は基本的に同等だった。一方、月収
5001元―7000元の回答者で、獲得シェアポイントは最も低かった。月収1.5万元以
上の回答者は、獲得シェアポイントは最も高かった。

 月収1.5万元以上の回答者は、獲得体験(幸せ、満足)、獲得環境(公平、安全、
非腐敗)、獲得ルート(努力、勤勉)、全体の獲得感ポイントがそれぞれ最も高か
った。

 「社会心理白書」のネットでの反響としては、例えば、「5001元―7000元の人は、
基本的には現場管理者あるいは中間層で、その仕事は肉体労働もあれば肉体労働も
あり、1日中忙しく働き周り、仕事が終わって帰宅したらまず動きたくなくなる」
とか、「収入3000元前後はたくさんいる」とか、「月収2500元でも幸せだ、それし
か方法がないのだから」という冷やかしもあった。

〈都市私営部門の獲得感の平均は非私営部門より高い〉
 白書によると、月収の5001―7000元の獲得感が最も低かった。
 国家統計局が発表したデータによると、2017年の全国都市の非私営部門の就業者
の平均年収は7万4318元で、月収はちょうど5001―7000元だった。2017年の全国都
市の私営部門の就業者の平均年収は4万5761元で、月収は3001―5000元だった。
 こうして見ると、都市の私営部門就業者の平均獲得感は非私営部門よりも高いか
もしれない。

 業界別では、都市の私営部門の平均年収が最も高いのは、情報通信・ソフトウエ
ア及びITサービス業の7万0415元と、平均月収が5001元―7000元だった。
 情報通信・ソフトウエア及びITサービス業を除くと、他の業界の平均年収は6万
元以下、つまり平均月収は5000元以下であり、大多数の業界の平均月収は3001―5000
元だった。

〈A株企業の2割は獲得感が最も低い可能性〉
 A株の上場企業の従業員の獲得感はどうかというと、A株上場企業の2017年度の報
酬データによると、高級管理者層を除くと、740社のA株企業の平均月収は5001―7000
元であり、A株企業総数の21%を占めた。

 平均月収7001―10000元が最も割合として高く、このような企業は1100社以上、
33%を占めた。
 平均月収1万1―1万5000元の上場企業の割合は24%に達し、月収1.5万元以上の企
業の割合は17%に達した。
 全体的には、月収7000元を超える企業は73%と大多数だった。これに基づけば、
大部分の上場企業の従業員の獲得感は決して低くない。

〈生活の問題が人々の獲得感に影響している〉
 物価、医療、住宅、子供の教育等の生活の問題と公衆の利益には直接的な関係が
ある。
 ここ数年、一線、二線都市の住宅価格は高騰し、多くの都市の平均住宅価格は万
元以上にまで上昇した。中国住宅価格市況プラットフォームのデータによると、10
月、北京、深セン、上海、三亜、廈門、広州、杭州等の大都市の中古住宅の平均価
格は3万元以上だった。

 統計によると、2017年全国住民の1人当たり可処分所得は2万5974元で、年間の可
処分所得は一線都市の1平方メートルの住宅価格にさえ届かない可能性がある。
 地域別では、上海、北京、浙江、天津、江蘇、広東、福建等の住民の1人当たり
可処分所得は3万元を上回った。
〔数据宝2018年11月7日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●たばこ、酒消費が大流行 喫煙と飲酒は中年男性の半分以上がたしなむ
 また1年で最も寒い冬が到来し、多くの人は寒いときにお酒を飲んで暖をとる。
一部の地域の食卓には、たばこと酒は欠かすことができないものである。
 最近の多くの研究結果によると、中国人の消費水準が向上し、たばこと酒の消費
が大いに流行し、特に、男性においては、年齢が高くなるに従って、喫煙、飲酒の
流行率も上昇し、40―50歳で頂点に達する。

 一方、中国人の喫煙、飲酒で年間約197.45万人(2013年)が亡くなっており、特
に、IARCグループ1の発がん性のあるエタノールや喫煙、受動喫煙は、肺がん、肝
臓がん等の疾病の誘発に重要な影響を与えている。

〈喫煙、飲酒は大流行〉
 今年9月に発表されたWHOの「世界アルコール健康報告2018」によると、世界では
1人当たり飲酒量は下降傾向にあるが、中国人の1人当たりアルコール消費量は増加
し、禁酒率が下がっている。中国での1人当たりアルコール消費量は、2005年、2010
年、2016年でそれぞれ4.1リットル、7.1リットル、7.2リットルと76%増だった。

 この報告では更に、西太平洋地域の飲酒率(2000年の51.5%から、2016年の53.8%
に上昇)の上昇は、主に中国の飲酒率の上昇が全体水準を押し上げたと指摘している。
 当該地域の他の地域では、飲酒率は2000年の54.4%から、2016年の47.3%に下がっ
た。中国の飲酒率の増加は、世界の足を引っ張っている。

 一方、先日、華中科学技術大学の学者が発表した研究によると、中国の喫煙率は、
2003年、2008年、2013年と一貫して25%前後で推移し、一見して恐ろしいものでは
ないが、そのうち男性の喫煙率は48.4%、47%、47.2%だった。

 2003年、中国はWHOのたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約に締結したが、
その後10年間、喫煙率は下がっていない。

 中国の食卓には、たばこと酒は恐らく一緒に出てくる。
 以前、房〓暉氏らが作成した中国の20―79歳男性の飲酒の現状調査によると、喫
煙者あるいはかつて喫煙したことがある層の飲酒率は非喫煙者層をはるかに上回っ
た。飲酒率の上昇とともに、中国の喫煙率もずっと高どまりしている。

〈年齢によって嗜好差が大きい〉
 人口が多い国として、全体のデータは、深く追求する価値がある特徴がぼんやり
している部分が多いかもしれない。この最たる点は、中国の喫煙と飲酒が大いに流
行している中で、男性がとりわけ目立つことである。

 喫煙者にしろ飲酒者にしろ、男性が圧倒的多数である。WHOの報告から試算する
と、2016年の中国の15歳以上人口のうち、男性の1人当たりアルコール消費量は約
11.7リットルに対して、女性はわずか2.5リットルだった。
 最新の研究データによると、2013年の中国男性の喫煙者の割合は47.2%に対して、
女性はわずか2.7%だった。

 男性の飲酒及び喫煙の流行は女性のそれを上回ることははっきりしているが、男
性の多数派の中でもやはり違いが出ている。
 一つとてもはっきりした変化の特徴は、男性を年齢別に分けると、年齢が高くな
るほど喫煙、飲酒率が高くなり、40―49歳の間の年齢層がピークに達することである。

▽20―79歳男性の飲酒率(2012)
年齢 飲酒率(%)
20― 53.9 19.3
30― 61.3 30.9
40― 63.7 41.0
50― 60.3 45.5
60― 50.7 46.1
70―79 40.3 44.0

 女性の喫煙率、飲酒率にも、男性と類似の年齢別変化のトレンドはあるが、女性
の中ではそれほど流行しておらず、その基数は男性ほど巨大ではない。
 たばことアルコールはある程度中毒になりやすいものだが、中年の人は自由奔放
なのか、年を追うごとに自制力がなくなるのか、経済能力ゆえの行動なのだろうか。

〈グループ1発がん性物質 中年はほどほどに〉
 どういう原因であろうが、喫煙、飲酒がもたらす潜在的な健康への脅威を皆1つ
や2つは知っているだろう。
 最近多くの関心が持たれる発がん率について、国際がん研究機関(IARC)の挙げ
る発がん性物質では、アルコール、喫煙、受動喫煙はグループ1物質あるいは接触
場所となっている。

 IARCの発がん性物質の分類は5段階あり、そのうち、グループ1の発がん性物質は、
ヒトに対する発がん性がある物質であり、ヒトとこれらの物質との接触から、がん
と関係がある生理的変化(遺伝子要因による突然変異)が観察できたものである。
 今年1月、国家がんセンターが「中国腫瘍」誌上で発表した2014年中国悪性腫瘍
登録資料データによると、各地の0―30歳の悪性腫瘍発病率は比較的低いが、30歳
以上では発病率が急上昇する。グループ1発がん物質と高いがん発病率の年齢とは
合致している。

 喫煙と飲酒の健康に与える脅威は、がん発病の誘因だけではなく、「中華流行病
学雑誌」では、2017年と2018年、たばこ、アルコールの中国住民の死や寿命に対す
る影響に言及していた。
 それによると、2013年、中国人は喫煙によって約159.33万人が死亡した。死に至
った疾病は、肺がん、COPD、虚血性心疾患だった。
 2013年、中国住民の飲酒による死亡者数は38.12万(同時に7.65万人が死を免れ
ている)だった。飲酒による死亡が最も多いのは、出血性脳卒中(9.71万I,肝臓が
ん(8.82万)、肝硬変(6.14万)、食道がん(4.87万)だった。

▽喫煙、飲酒が中国人の寿命に与える影響
 喫煙で減る寿命 飲酒で減る寿命
全国 2.04歳 0.43歳
都市 1.97歳 0.31歳
農村 2.07歳 0.48歳
東部 1.96歳 0.40歳
中部 2.04歳 0.40歳
西部 2.16歳 0.52歳

 たばこによって、肺、口腔、鼻腔部等の多くの部位への悪性腫瘍、心臓血管疾病
及び呼吸系統の疾病等多種の慢性疾病を招く。飲酒は200種類以上の健康問題との
関係がある、例えば、肝硬変、がん、メンタルヘルス等である。
 喫煙、飲酒はそれぞれ中国国民の寿命を2.04歳、0.48歳減らしており、そのうち
男性の寿命への影響は女性よりも大きい。

 目下の研究で明らかになっている喫煙、飲酒年齢の流行のトレンドは、中国の高
齢化の加速に伴って、今後、喫煙、飲酒のマイナスの影響をさらに激化させるかも
しれない。
〔新京報2018年11月08日〕
注)〓は、おうへんに「月」

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行12月3日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.1067   694.31    88.76   787.34
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎◎◎ メールマガジン「中国最新情報」のボランティア翻訳者募集 ◎◎◎
-----------------------------------------------------------------
 弊誌は、1999年創刊以来19年間、独自の視点で中国情報を配信してきた無料メ
ールマガジンです。翻訳、編集はすべてボランティアによって運営されています。
 今後とも、より高い質の記事・編集を維持するため、中国語の翻訳ボランティア
を募集します。経験不問、未経験者大歓迎です。
 協力可能な方は、簡単な自己紹介を明記の上、下記のアドレスまで御送付ください。
                  中国最新情報編集部 hotnews@jckc.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編集者コラム――時間》
 前号でもお知らせしたとおり、この《中国最新情報》は11月30日で20周年となり
ました。
 自分がこのメールマガジンをお手伝いし始めた2002年当時は、日本で中国情報を
提供しようなどという人は教室の中におさまっていた人数しかいなかったように思
いますが、それも隔世の感です。
 あれから中国の様子も目まぐるしく変化し、言葉や概念も次々出現してそれが今
も続いている、その変化を間近でウオッチできた、思えば貴重な時間でした。(ま)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改頁:(1) 2 »