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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.556 2012年6月5日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:5,919名(2012年6月4日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:世界の中の中国 依然縮まぬ内外格差】
●世界20大都市収入比較 北京はワースト3
●中国ブロードバンド費用は香港の400倍 独占がサービスに悪影響
●景観エリアの値上げ CPI上昇率、国外施設と比較する

┏【国内政策】
●競争力の上昇が最も速い都市ランキング

┏【国土交通】
●有料道路の完全廃止を容認 ネットユーザー約8割
●四川宣浜空港移転 「五糧液空港」と命名
●赤字空港の地域経済に対する直接貢献ははかり知れない

┏【労働】
●75%の企業が賃金アップを考えるも離職率は下がらず
●北京 9割のアルバイターが仕事に満足 80後・90後が主力

┏【社会】
●上海市民政局「結婚ブームは衰退傾向」
●中国の若い世代が借金にまみれる

┏【経済データ】
●外国為替(6月4日)

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……【特集:世界の中の中国 依然縮まぬ内外格差】………………………………
●世界20大都市収入比較 北京はワースト3
 2月20日―3月20日に約20人の駐在記者が、世界の主要都市20都市で食品、交通、
教育、生活日用品といった40項目余の物価調査を行った。
 数日前に相次いだ報道では、「北京の食品価格、水、電気料金は中低価格グル
ープに入るが、ニューヨーク、モスクワ、台湾、バンクーバーのガソリン価格は
北京より低い」といった調査結果がネットユーザーの反響を受けた。

 一連の調査の最後の調査では、環球網はさらに世界20都市のアルバイト時給水
準及び都市住民の最低賃金標準を比較し、住民の収入という角度から物価水準と
対比し、世界の都市住民の生活水準を観察した。(注:すべての調査データは調
査機関の為替レートを元に人民元に換算)

〈20都市アルバイト時給対比〉
 ここしばらく、北京で超高額の産後の世話をする家政婦がホットな話題になっ
ている。肉体労働者の収入状況がますます脚光を浴びるのは、これは一定程度、
都市の物価及び生活水準を反映しているからである。

 環球網が20都市のアルバイト時給状況を比較したところによると、アルバイト
時給が最も低い都市はアジアに集中しており、ランキングが6位以降の都市のう
ち、5都市がアジアにある。
 比較的、ニューヨーク、EU等都市のアルバイト時給は高額で、ホワイトカラー
の収入より高いものもある。西側都市はブルーカラー労働者を重視していること
が見てとれる。

 各都市のアルバイト時給のギャップは極めて大きく、アルバイト時給が最も低
い都市は10元に満たない。例えば、ニューデリー(6元)、バンコク(7元)である。
 アルバイト時給が最も高い都市は100元を超えており、特にニューヨークはほ
かの都市に比べてさらに100元近く高い。ニューヨークの非華人のアルバイト時
給は345元で、ベルリン(210元)、シドニー(105元)がその後に続く。
 北京市街地のアルバイト時給は一般的に25元で、ランキング中ワースト6位で、
ソウル、台北、バンコク等の都市よりわずかに高い。

〈19都市最低賃金対比〉
 最低賃金水準と物価水準を比較すれば、各都市の住民の生活水準を読み取れる。
そこで、ニューデリーの最低賃金が不明であることを除いて、環球網は19都市の
最低賃金標準を集めた。ここでは、最低賃金はすべて1時間当たりの収入として
比較する。(注:一部に1カ月当たりの最低賃金データのみの都市があるが、毎
月160時間労働として時給換算している)

 北京市人力資源・社会保障局のデータによると、2012年、北京の最低賃金標準
は1時間当たり7.2元以上、毎月1260元以上で、1時間当たりの最低賃金は以前よ
りも5角ふえた。しかし、20都市の最低賃金標準と比較して、北京は依然として
ワースト3位で、1時間当たりで10元に満たない。経済発展が北京より見劣りがす
るバンコクの1時間当たりの最低賃金は7.4元で、北京より若干高い。
 また、シドニー(105元)は北京の最低賃金の15倍以上で、トップである。チュ
ーリッヒ(95元)、東京(62元)の最低賃金標準も上位にランクインしている。
〔環球網2012年4月24日〕

●中国ブロードバンド費用は香港の400倍 独占がサービスに悪影響
 4月28日、広州市委員会宣伝部、広州市科信局、広州市社科聯は共同で「スマ
ートシティー・広州新型都市化発展」シンポジウムを開催し、北京、上海、深セ
ン、広州地区の学会、業界関係者が出席し意見を出し合った。

 「情報インフラの使用コストが香港の400倍で、どうして情報化レベルを他の
レベルまで引き上げられるだろうか?」
 華南師範大学経済管理学院の許晶華教授は、広州のスマートシティー建設が直
面する難題について分析し、ブロードバンドコストを例に挙げた。
 「2011年、中国のネットユーザーが1Mのブロードバンドに支払う金額は月13.1
ドル。この額はベトナムの3倍、アメリカの4倍、韓国の29倍、香港の400倍に当
たり、高い費用に反して品質が国際レベルに達していない」

 許晶華教授は、ブロードバンドの世界平均速度が7.67MB/sであるのに対し、中
国はわずか2.94MB/sであるとするアメリカのインターネットトラフィックモニタ
リング機関の統計データを引用し、通信サービスの独占がサービスの質の悪さや
高い費用、技術の遅れを招いていると語った。〔新快報2012年4月29日〕

●景観エリアの値上げ CPI上昇率、国外施設と比較する
 「山の下の入り口で切符購入証明書を引きかえ、指示の時間に頂上へ登る、入
口外で待っている私服を着た(服装は統一されていない)旅行団体がいる場所へ
行き、中へ混ざっていく……そうすれば、100元節約できる」
 近ごろ、「全国景観エリアただ見攻略」サイトが人気だ。このサイトには、哲
蜂寺、象鼻山、亜龍湾など国内数十か所の著名な観光地のチケットを買わずにた
だ見する方法が2万文字余りに及んで細かく記されている。

 最近「多くの観光地での入場料引き上げ」が人々の注目を集め、「チケットを
買わずにただ見する」という流行は、一部の人々の入場料アップに対しての態度
を反映している。あるネットユーザーは「入場料がどんどん値上がるが、どれも
価値のない観光地ばかりだ」と批判している。

 報道によると、全国の5A級景観エリアのうち、入場料が100元―200元が4割近
くあり、約1割の景観エリアの入場料は200元を超えている。
 垂直的に比較すると、中国の景観エリア入場料値上げ幅はCPIを超えている。
水平的に比較すると、中国国内の同類観光地入場料は国外のレベルを超えている。
 世論は、観光地の入場料は科学的かつ透明性のある値段設定が不可欠だと訴え
ている。

〈垂直的比較 入場料の年間上昇率はCPIを超える〉
 過去10年間で、中国の多くの観光地は幾度も入場料価格を値上げしている。
 黄山風景エリアは2002年、2005年、2009年の3度値上げをし、シーズンの入場
料は80元から230元にまで値上がった。2005年には張家界武陵源のメーンの景観
エリアは入場料を158元から245元に値上げし、旅行客は2日以内なら何度でもエ
リア内を出入りできることにしている。2001年、莫高窟の入場料が66元から80元
に上がり、その後160元にまで上がった。

 今回値上げが物議を醸した景観エリアとしては、山東省棗荘市の台児荘古城で、
入場料は4月1日に正式に価格調整され100元から160元に値上がった。河北省趨州
橋などの景観エリアも値上げした。このほかに、井岡山、揚岡山、揚州市痩西湖
などの景観エリアは5月から7月の間に値上げする予定だ。

 途牛旅游網リゾート商品部門総責任者の魏斌氏によると、2007年、国家発展改
革委員会が通達した規定では「旅行景観エリアの入場料調整頻度は3年を下回っ
てはいけない」とされている。
 「この規則が発出された後、多くの景観エリアは2008年前後に1回目の値上げ
をした。今年は既に前回の値上げからの解禁時期に入った」と魏斌氏は話す。

 世論の圧力に対し、一部の景観エリア責任者は、入場料の値上げは物価上昇、
コスト上昇などの影響を受けてのことと説明している。この説明に対し、中国観
光研究院の区域計画所の馬暁龍所長は疑問を唱える。
 「CPIの上昇とともに、景観エリアの維持費、人件費などのコストは上昇して
いる。しかし、これは価格上昇の原因の一部にすぎない。現在、入場料の値上が
り幅は既にCPIの上昇幅を大きく超えており、この言いわけには無理がある」
 国家統計局が今年初めに発表したデータによると、2011年の年間CPI上昇率は
5.4%であった。馬暁龍所長の計算によると、今回の入場料設定は3年間の上昇率
だとして、仮に最低基準の20%で計算したとしても、年平均上昇率は6%を超え、
これはCPI上昇率を上回っている。

〈水平的比較 国外の入場料は中国国内より安い?〉
 今年初め、英エコノミスト誌は、ビックマック指数を通じて多くの国の景観エ
リアの入場料を比較した。このデータは「景観エリアの入場料で買える現地のビ
ックマックの数」で水平的比較をしたものだ。
 それによると、ルーヴル美術館2.87、クレムリン宮殿2.47、富士山0(入場無
料)であった。しかし、黄山14.94、ヤルンツァンポ川の大峡谷270、張家界15.91
であった。

 フランスのルーヴル美術館ホームページによれば、常設店の入場料は10ユーロ
で、80元余りに相当する。全館共通チケット14ユーロで、約120元に相当する。
しかし現在、張家界のメーン風景エリアの3日間有効チケットの価格は245元である。
 「地質が有名な米イエローストーン国立公園は、徒歩で入場する際の入場料は
12米ドル、75元に相当する。4人が1台の車両で入場する場合には、1週間有効の
チケットは25米ドルで、158元に相当する。現在、張家界の周遊チケットは298元
である。海外の同類景観エリアと比べて、価格は確かに高過ぎだ」と魏斌氏は話す。

 これに対して、オランダのデルフト理工大学の旅行愛好家の段少毅さんによる
と、ヨーロッパでは、景観エリアには国立と私立の2種類があるという。
 「国立の入場料は比較的低く、その日常の運営費は政府の出資に頼り、福利の
性質を含んでいる。私立の博物館など景観エリアは入場料が比較的高いのは、入
場料に頼り運営しなければならないからである」
 段少毅さんは、現地の所得や消費レベルなどの要素から、中国国外の景観エリ
アは中国より値段が低く、その傾向は自然景観エリアで特に顕著であると考えて
いる。(後略)
〔中国青年報2012年5月10日〕

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●競争力の上昇が最も速い都市ランキング
 5月21日、中国社会科学院財経戦略研究院、中国社会科学院都市・競争力研究
センター、社会科学文献出版社は、北京で「2012年都市競争力白書発表会」を共
同開催した。

 2011年上位10都市は、香港、(台北)、北京、上海、深セン、広州、天津、杭
州、青島、長沙。2010の上位10都市に比べ、全体的な格差は縮小したところもあ
るが、ランキングは激変している。

 294都市の2010年総合競争力指数の変化を比較し、競争力上昇が最も速かった
上位50都市は、以下のとおり。
1) オルドス 14) 清遠   27) 蘇州   40) 常州
2) パオトウ 15) 烏海   28) 蕪湖   41) 延安
3) 三亜   16) 合肥   29) 銅陵   42) 成都
4) 営口   17) 長沙   30) 舟山   43) 無錫
5) 楡林   18) 北京   31) 青島   44) 馬鞍山
6) 東莞   19) 大連   32) 四平   45) 杭州
7) 銅川   20) 東営   33) 佛山   46) 広州
8) 天津   21) 煙台   34) 遼源   47) 玉林
9) 重慶   22) 瀋陽   35) 日照   48) 泰州
10) 滄州   23) 防城港  36) 南通   49) 長春
11) 松原   24) 慶陽   37) 揚州   50) 岳陽
12) 欽州   25) 新余   38) 淮安
13) フフホト 26) 唐山   39) 武漢

 報告では、中国都市発展、都市化についてここ10年間を振り返っている。
 それによると、都市が国家の富の中心的な地位としてますます突出し顕著にな
り、2010年、中国の地級市以上の都市(市轄区)の域内総生産が全国のGDPに占
める割合は65.81%で、2001年に比べて15.6ポイント上昇した。
〔南海網―南国都市報2012年5月22日〕

……【国土交通】…………………………………………………………………………
●有料道路の完全廃止を容認 ネットユーザー約8割
 中国で有料道路の完全廃止を実行してよいか否か?
 新華ネットの最新の調査結果によると、投票に参加した2000数名のネットユー
ザーのうち、77.6%のネットユーザーは「実行してよい」と考えている。しかし、
22.4%のネットユーザーは「実行してはいけない」と考え、完全に財政投入でか
えって納税者負担が重くなるのではないかと心配している。

 5月1日のメーデー小休暇は終わったばかりだが、車で出かけた人々はやはり高
速道路料金所で渋滞した経験を不愉快に思い、世論は高速道路の祝日と休日の無
料通行をそろって呼びかけている。
 新華社の報道によると、交通運輸部道路管理局の李華局長は、今年初めに取材
を受けた際、中国の法定祝日と休日に7席以下のミニバスの無料通行政策の検討
を始めたと表明していた。
 交通運輸部の関係責任者も最近、大きな祝日と休日における有料道路無料化を
真剣に検討しており、手続に従って上級機関の許可を仰ぎ、できるだけ早い実施
を目指して努力していることを明らかにした。

 春節など大きな祝日の道路通行費無料化に対し、各界では早くから要望があっ
た。現在、中国では既に幾つかの省で春節期間に高速道路料金無料化を試行して
いる。しかし、無料の時間はとても短く、しかも通行量が落ちているときに集中
したことから、国全体の体系的な計画を形成するには至らなかった。
 あるメディアは、中国国内の高速道路の通行をいかにして速くするかは、大き
な祝日と休日の無料政策を検討するだけでなく、さらに大きな技術と国政レベル
での制度設計の強化が必要であると呼びかけている。〔新華網2012年5月7日〕

●四川宣浜空港移転 「五糧液空港」と命名
 5月24日、宣浜市政府の記者会見で、宣浜市政府の謝傑副市長は、2012年5月14
日に四川省「四川宣浜五糧液空港建設工事プロジェクト」は、国務院より正式に
事業化回答があったと発表した。
 宣浜空港は、宣浜市翠屏区菜〓鎮から宣浜市西北11キロメートルの場所にある
翠屏区宗場郷へ移転し、「宣浜五糧液空港」となる。
 空港は建設工期3年、2020年までの旅客取扱量を延べ80万人、貨物・郵便取扱
量は7000トン、飛行機の離着陸量を延べ1万機と推定されている。
〔新華網2012年5月24日〕
注)〓は、つちへんに霸

●赤字空港の地域経済に対する直接貢献ははかり知れない
 中国民用航空局の李家祥局長は23日、北京にて開催された2012年中国民航発展
フォーラムにおいて、第12次五カ年計画期間、中国の導入する飛行機が2500機を
超えると表明した。中国の航空全業界では新たに貨物飛行機が1500機前後、通常
の飛行機は1000機前後供用される。
 中国民航業は依然として新興産業である。

 中国航空市場の潜在発展力について、国際航空運輸協会の湯彦麟理事長は、現
在であれ将来であれ、いずれにせよ、中国航空市場は非常に巨大であると指摘し
ている。
 現在、中国は世界の航空乗客数において上位第7位、貨物輸送に関しては第4位
に位置している。2015年までに、世界の航空業は2010年比で新たに8.77億人の乗
客増が見込まれ、その4分の1は中国からだとされている。

 李家祥局長はフォーラムにおいて、ここ数年、中小空港の赤字等の問題に注目
し、中小空港建設が多過ぎるのではないかという疑問視が一部にあることに言及
した。
 これは、民航業の戦略的スタンスと役割に対する社会の理解や認識に若干ずれ
があるということなのだが、世界各国において中小空港、地域航空の利益実現は
普遍的な課題である。

 2011年末までで、中国は合わせて180の貨物空港を承認し、合計で53億元の利
潤を上げた。これらの空港のうち、赤字空港は135あり、そのうち中小空港が87%
を占め、赤字合計金額は約20億元となる。
 李家祥局長は次のように述べた。「しかし、これらの赤字中小空港の多くは地
級市に位置し、そのサービス範囲は全国の70%以上の県域をカバーし、地域経済
への直接の貢献ははかり知れない。そのため、我々が簡単に利益優先で中小空港
の建設投資を検討するということは決してあってはならず、現地の経済社会の発
展といった角度で包括的に取り扱うべきである」〔新華網2012年5月23日〕

……【労働】………………………………………………………………………………
●75%の企業が賃金アップを考えるも離職率は下がらず
 世界的な経済成長のスピードは減速してきているとはいえ、次の賃上げは下準
備に入っている。
 人力資源管理の専門家である正略鈞策企業管理諮訊公司パートナーの張仁華氏
は、特に中国において「2012年の給与調整計画のデータによると、過半数の企業
が大多数の従業員または従業員全員の賃上げを計画しているが、実際に賃上げを
する企業の比率は75%で、2011年の85%を下回っている」と語る。

 企業が人材の吸引、従業員の流出防止のために積極的に賃上げを行うにせよ、
やはり業界の普遍的な賃上げ圧力に迫られての受動的な賃上げであり、賃上げは
既に大部分の企業の選択となっている。
 正略鈞策が製造業、ハイテクノロジー、不動産、医薬医療、貿易、総合サービ
ス等11の業界に対し調査を行い発表した「2012年中国賃金白書」では、2011年各
業界のうち、平均賃金予算増加率トップ3は不動産、消費財、自動車業界であった。

 多くの企業が次の賃上げの下準備をしているが、離職率は依然として高いまま
である。各業界の離職率のうち製造業の平均離職率は35.61%と最も高く、次は総
合サービス業及び建設業となっており、それぞれ34.84%、30.20%である。2011年
の製造業、総合サービス業及び建設業の離職率は2010年と比べても増加幅が比較
的大きい。

 正略鈞策商業データ研究センターの林澎氏は以下のように語っている。
 調査データによると、成長中の企業の自主的離職率は受動的離職率を大きく上
回り、従業員の離職の主な原因としてのトップは賃金レベルの問題、次に今の仕
事の将来性、賃金の公平性及び奨励性の問題がある。
 2011年、全国企業の平均離職率は26.8%だが、国が主体となる企業の離職率が
最も低く、安定性が最も高い。この主な原因としては、国有企業の福利厚生条件
が比較的よく、人材確保のメカニズムが整っていることがある。
〔現代快報2012年5月5日〕

●北京 9割のアルバイターが仕事に満足 80後・90後が主力
 北京へ来る外地人の7割は「職探し」、2割強は「個人商店」経営を目的として
いる。80後・90後が主力であり、河北省、河南省、山東省がその半数を占める。
 これは、5月9日、北京市人力社会保険局の発表した調査データである。

〈9割のアルバイターが仕事に満足〉
 5月9日、北京市人力社会保険局が昨年9月の来京労働者の就業状況調査データ
を発表した。
 外地人の来京主要目的は職探しが75.21%を占め、そのうち89.2%が仕事に満足
している。
 来京労働者のうち、商業を営む者が最も多く、大多数は個人経営者で、来京労
働者の21.89%を占める。また、統計データによると、商業の内容は卸売小売業が
主で、次がカスタマーサービス、その他のサービス、その次に建築業が続いている。
 来京労働者は80後・90後が主力で約60%を占める。河北省、河南省、山東省出
身者が主となっており、その割合はそれぞれ25%、16%、9%で、来京労働者総数の
約半数を占めている。(後略)
〔新京報2012年5月10日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●上海市民政局「結婚ブームは衰退傾向」
 上海で数年続いた結婚ブームが去ろうとしている。
 上海市民政局の統計資料によると、上海市における結婚登録者数は2012年から
2020年までの9年間連続して下落する見通し。
 この影響を受けて、ほぼ2年間高どまりしていた披露宴価格や、1年も前から始
まるホテルの争奪戦に関しても状況に変化が見込まれる。

 2012年に予想される結婚登録者数は2011年に比べ2.5万組減の12万件。80年代
初頭のベビーブーム世代の結婚・出産期を過ぎたことで、登録件数にターニング
ポイントがあらわれている。

 この趨勢は、上海のブライダル産業にも影響を与えている。過去数年間は、上
海市の高級ホテルの披露宴は数カ月―1年も前に予約が必要であり、価格も年に1
―2割増加していた。
 これについて、飲食業界の関係者は「2012年下半期の結婚披露宴の予約は伝え
られるほど埋まっておらず、多くのホテルでいろいろ選択できるだけの余地があ
るだけでなく、ブライダル企業がサービスを売り切りたいときに遭遇できれば、
年末までの予約がない期間に特別価格でサービスを受けることができるかもしれ
ない」と語る。〔聯合早報2012年5月17日〕

●中国の若い世代が借金にまみれる
 中国人民銀行のデータによると、2011年、中国ではクレジットカードが少なく
とも2.68億枚発行された。これは、2010年に比べ20%増、2006年の5倍に当たる。
 マスターカード・ワールドワイド社によれば、2020年には、中国はアメリカを
超える世界最大のクレジットカード市場となる見通し。

 中国メディアの行った調査によれば、中国でおよそ11%の父母が子供のために
カード負債を抱えている。
 中国人民銀行は、2011年末時点で半年以上返済期限が過ぎているクレジットカ
ードの負債総額は106.5億元に上っており、これに伴い債権の回収を専門とする
チームを編成したことを表明した。
 広州のある銀行は新聞に広告を掲載し、期限を過ぎても返済をしていない者の
身分を公表した。〔ストレーツ・タイムズ2012年4月26日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行6月4日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
      8.097  632.76    81.52  783.96
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――祝10年》
 私がこのメールマガジン編集のお手伝いを始めて何と10年たってしまいました。
初めて携わったのはNo.168の2002年6月4日号でした。
 10年前にどこで何をやっていたか、今どこで何をしているかと回想すると、こ
の10年の間に確かに個人的にさまざまライフイベントもあり、状況は常に変化し
ています。でも、なぜかメールマガジンは続きました。
 現在は当時とは異なり、メールマガジンは衰退ぎみのメディアですし、中国情
報も当時に比べて本当にあふれているにもかかわらず、読者様の支持があって続
けられてきたこと、ボスや翻訳ボランティアの皆さんが完成させるまでのプロセ
スにコミットしてくださったことに感謝したいです。(ま)
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(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 奥谷道弘 リン 楊桃
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