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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.339 2006年2月21日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:銀行への注目と抱えるリスク】
●中国工商銀行年次計画 株式上場目指す
●住民預金残高14兆元 高貯蓄で金融リスク拡大
●2006年末、外資系銀行に人民元業務全面開放

┏【国内政策】
●香港が正式に遺産税廃止 投資を呼び込む
●対GDPの公務員数 発展途上国の20倍近く

┏【社会】
●世界から見た中国の旧正月の人口大移動

┏【経済データ】
●外国為替(2月20日)

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……【特集:銀行への注目と抱えるリスク】…………………………………………
●中国工商銀行年次計画 株式上場目指す
 15日開催された中国工商銀行全国支店長会議において、工商銀行スポークスマ
ンは、工商銀行は株式上場関連の準備作業を開始しており、今年の適当な時期に
相当な規模、構造、価格で株式上場を実現させると発表した。

 工商銀行は2006年の経営目標を明らかにした。
 それによると、経常利益1000億元突破、営業収支率37%程度、自己資本比率10.4%
以上、不良債権率4.2%以内、人民元の各種貯蓄5000億元増、各種貸し付け2500億
元増を目指すとしている。
 工商銀行の2004年年報では、2003年と2004年の工商銀行の経常利益はそれぞれ
626.03億元と736.79億元である。2005年の中国工商銀行の国内外関連機関の経常
利益は概算で902億元だった。もしこの増加幅に変化がなければ、今年の経常利
益は間違いなく1000億元を突破する。

 これに対して、中信証券の業界アナリストの楊青麗氏は、ここ数年商業銀行の
間の競争が年々激しくなったため、銀行業の利益率は普遍的に下がっていると話
したものの、今年の工商銀行の目標達成に対する予測は回答を拒否した。
 2004年のデータでは、中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行の経常利益はそ
れぞれ320億元、578.41億元と502.16億元だった。中国工商銀行はしっかりトッ
プの位置に座っている。〔上海証券報2月15日〕

●住民預金残高14兆元 高貯蓄で金融リスク拡大
 2005年末における中国の住民預金残高は14.1兆元で、史上最高となった。住民
預金残高の急激な増加は、中国の消費の意欲が弱い、投資ルートが狭いという問
題を浮き彫りにしているほか、銀行にもシステミックリスクをもたらし、潜在的
に巨大な経済リスクとなっている。
 中国工商銀行の関連責任者は「銀行はまさにいかにして資金の出口を探すのか
を心配している」と話す。
 銀行資金が過剰であることによって、企業が社債市場や株式市場を通じた直接
金融への意欲を低下させ、また、企業融資リスクが銀行に集中することが金融商
品の発展を阻害し、投資ルート不足の問題をもたらし、民間資金を仕方なく銀行
に向かわせるという悪循環をつくっている。

 国家情報センター経済予測部の范剣平主任は、高貯蓄率は必然的に高投資率へ
と至り、生産能力過剰局面をつくり、そして、高投資率が形成する生産能力を国
内消費が吸収できず、中国の対外貿易黒字を大きくし、国内需要が追いつけなく
なっていると考えている。

 清華大学経済管理学院の魏傑教授は、中国は目下総貯蓄率は高いが、個人の保
有する財産の違いは大きく、多くの人は将来の老後のため、子供の教育のため、
医療費のため、住宅のためといった問題で心配している。だから、現段階の高貯
蓄率が下がることはなく、中国の高貯蓄率は今後10年から20年続くと見ている。
〔楚天金報2月12日〕

●2006年末、外資系銀行に人民元業務全面開放
 中国人民銀行の呉暁霊副頭取は14日「米中経済と貿易フォーラム」に出席した
際、2006年末に外資系銀行に人民元業務を全面開放すると発表した。
 現在、外資参入している中国資本銀行に対して業務範囲を制限しているが、業
務範囲が撤廃される。

 呉暁霊副頭取の話によると、現在外資が出資している中国資本銀行が中国資本
銀行としての業務範囲を取り扱う場合、その持ち株の比率が25%を上回ることが
できず、一つの外資の比率が20%を上回ることができない。
 2006年末、外資系銀行に人民元業務を全面開放した後は、この比率制限は徴税
上の意義だけで、業務範囲にはもはや制約がなくなる。

 中国政府はWTO加盟の承諾に基づいて、スケジュールどおりあるいは部分的に
前倒しして金融業開放を果たした。
 2005年12月、中国は外資系金融機関に対してハルビン、長春、蘭州、銀川、南
寧5つの都市の人民元業務を前倒しで開放し、人民元業務を開放した都市が25都
市に増加した。証券業と保険業では、合弁会社にA株業務を開放していないほか
は、中国政府は既に市場進出許可と業務範囲でWTO加盟の承諾を全面的に実行した。

 また、WTO加盟してから数年間の実績では、ここ数年の外資系銀行の業務取り
扱いは中国資本の金融機関より多かったが、外資系銀行の全国の銀行業に占める
割合は余り大きく変化していない。
 2001年と2005年、外資系銀行資産の全国銀行業資産に占める割合はそれぞれ1.8%
と1.89%で、人民元の貸し付けはそれぞれ0.35%と0.55%、外貨貸し付けがそれぞ
れ14.7%と20.97%となった。
 2006年の人民元業務開放に伴い、外資系銀行の人民元業務はある程度増加する
かもしれない。〔新華網2月15日〕

……【国内政策】…………………………………………………………………………
●香港が正式に遺産税廃止 投資を呼び込む
 2006年2月11日から、香港では正式に遺産税を廃止した。香港特別行政区の金
融証券及び出納局のスポークスマンは、遺産税を廃止することで、現地と海外投
資者の香港投資を引き寄せ、アジア太平洋地域における主要な資産管理センター
の地位を維持すると述べた。
 同時に、今回の廃止は、香港の金融センターとしての競争力を向上させるのに
も寄与するという。

 遺産税とはすなわち相続税のことで、財産を保有する者の死亡後に残された財
産を課税対象とするものである。遺産相続人あるいは遺言状の執行者、遺産管理
人は一種の財産税を納める。
 香港税法によると、これまでは香港人はもとより、仕事で香港に滞在する者で
あったとしても、750万香港ドル以上の資産(不動産、株券、奢侈品を含む)を
保有している者は、死亡後に遺産税を払わなければならず、その最高税率は資産
価格の15%に上っていた。

 今回、遺産税を廃止することで、香港特別行政区にとっては毎年15億香港ドル
の減収となるが、このことは香港投資を呼び込み、資産管理業務の発展をもたら
し、雇用機会が増加すると見込まれている。
 また、資産管理業務がもたらすそのほかの金融活動や一連の専門サービスとい
った付加価値部分の発展により、その他の産業も間接的に利益が得られる。
〔北京晨報2月12日〕

●対GDPの公務員数 発展途上国の20倍近く
 公務員数を「スリム化」したにもかかわらず、庶民は「スリム化」の効果に満
足していない。
 ハーバード大学ケネディ学院アジア部の指導のもと、零点研究諮詢集団がまと
めた最新の「中国国民の政府、行政・公共サービスの評価報告」によると、国民
の7割近くが、現在の政府の公務員数を減らすべきだと考えていることがわかった。
 国家行政学院経済学部の王健・副主任は、公務員とGDPの比率を指標にすると、
中国の公務員の数は先進国に比べはるかに多いと説明する。

 この調査は、多段抽出法により、北京、上海、広州、武漢などの8大都市、7つ
の小都市とその周辺地域において、4128人を対象に実施したものである。
 67%が政府の公務員数を減らすべきだと考えており、ふやすべき、現状を維持
すべきと考えているのは、それぞれ10%、5.9%にとどまった。
 中でも、地方都市や村の方が農村に比べ、公務員数を減らすべきという気持ち
が強く、比率は87.1%、88%に達している。
 政府は組織を「しぼませる」ことに少なからず努力したが、庶民からすると、
「組織はだんだん縮小しているのに、人が減らない」という感覚がいまだに根強
い。

 今回の調査では、1年以内に政府機関との接触があった人の政府機関に対する
不満の理由も示されている。そのうち、「処理の引き延ばし」が36.6%と第1位だ
った。

 どのように公務員数を減らすべきかについては、43.3%と半数近くが、政府各
部で公務員数を減らすべきと答えている。
 このほか、一部で減らすべきで、一部ではふやすか、現状を維持すべきとの回
答は19.4%と2割近くを占めた。

 官僚は数に比例するのが合理的ではないだろうか。イギリスの公共経済の専門
家であるジメル(Gemmell)はその著作の中で、政府関係の就業者の総就業者に
占める比重は、公務員の比率をはかるためによく用いられる指標の一つではある
が、最適な指標ではないと指摘している。
 それによると、政府機関の雇用者数によって政府の規模をはかることは慎重で
あるべきだという。「政府の雇用者数の変化は、業務効率の改善や悪化、投入し
た代替人員の資質の変化によって生じ得る」からだという。

 政府の規模をはかる指標として最も受け入れられているのは、財政支出、つま
り政府支出のGDPに占める比重だ。
 「官民比率」は本当に高いのだろうか。専門家によると、市場経済の条件のも
とでは、公務員の規模について、「官民比率」が適度かどうかということのみな
らず、公務員が経済成長において果たした役割、公務員の行政効率を考慮すべき
だという。

 国家行政学院経済学部の王健・副主任によると、公務員の適切な規模を判定す
る経済指標として、GDPと公務員の比率を用いるべきだという。公務員が経済成
長にどれほどの役割を発揮したかを、GDPに対する公務員の数ではかるべきだか
らだ。

 中国の財政支出による人件費負担は、総人口当たりの「官民比率」では1:26
にとどまっており、世界でも低水準だ。
 しかし、経済的な視点から考察を加え、人件費の財政負担とGDPを比較してみ
ると、中国のGDPを100万米ドル産出するのに必要な公務員数は39人と、先進国と
しては非常に高い水準にある。
 現在の米国の水準では2.31人、日本が1.38人。中国の公務員は20倍近く超過し
た水準なのだ。〔北京晩報2月9日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●世界から見た中国の旧正月の人口大移動
 毎年旧正月の人口大移動はホットな話題になる。2006年の旧正月の人口大移動
は1月14日から、2月22日までの40日だった。
 旧正月の人口大移動期間中には毎日数千万人が移動する。今年は、帰省とUタ
ーンラッシュを合わせた人口の移動は延べ20.42億人に達すると予測されており、
世界の他の地域では見られない大移動となっている。

 毎年の旧正月の人口大移動は、中国の鉄道、道路、航空、水上輸送にとって大
変な試練で、世界各国は広く関心を寄せている。世界はどのように中国の旧正月
の人口大移動を評価しているのだろうか?。
 インド特派員の陳継輝氏、ロシア特派員の馬剣氏、アメリカ特派員の商鏑氏、
フランス特派員の唐恵穎氏、韓国特派員の沈林氏に意見を聞いてみた。

〈外国にもある旧正月の人口大移動〉
▼沈林氏:韓国人は旧正月を「旧正」と呼び、大変重視しています。旧正月は韓
国人にとっては家族がみんな帰ってくる日で、各種の交通機関を利用して、急い
で旧正月までに故郷に帰ります。
 毎年大みそかまでに1000万人近くの人が実家に帰るという壮観な状況になりま
す。空港、駅、バスターミナルは人であふれ、高速道路は大渋滞です。

 韓国の建設交通部は、旧正月の期間に4800数万の人口のうち、都会から帰省す
る人は延べ3300数万人と発表しています。
 旧正月の期間、韓国の飛行機、鉄道、長距離バスの切符は手に入りにくい状況
となります。中国に比べると韓国は国土が狭く、首都から各地まで1日で移動で
きるので、航空券や列車の切符が買えなかった人は自分で車を運転して帰ります。
多くの人は夜中に出発したり、夜が明けないうちに出発しています。
 1月27日の1日だけで、首都から32万台もの車が帰省先へ向かいました。これは、
前年の同時期に比べて40%増加しています。28日の明け方になってもラッシュは
緩和しません。ラジオの交通局のアナウンサーは車が流れるように絶えず道路状
況を伝えています。

▼陳継輝氏:インドでは、「旧正月の人口大移動」のようなことはかなり頻繁に
あります。経済の発展につれて、農村から都市へ出稼ぎに行く人口がだんだん多
くなっており、毎日がインド最大の祝日であるディーパヴァリであるかのように、
駅の外まで人の波があふれていたり、家に帰る切符が満席だという状況は日常茶
飯事です。
 鉄道、道路などの交通部門はいつも満員で、過積載でこのラッシュを緩和させ
ているだけです。1台の長距離のバスに押し込まれている人数は定員の2倍です。
鉄道輸送はさらにひどいことになっていて、かなり多くの人が列車の上にしか座
れない状況で、ドアを閉める余裕もありません。駅員もどうしようもなく、列車
をゆっくり運行させるしか方法がない状況です。

▼商鏑氏:中国人と同じで、アメリカでは重要な祝日には家族が集まります。感
謝祭から新年までがアメリカの交通が最も混雑する時期です。昨年の感謝祭前後
の6日間での移動人数は50%増で、クリスマスから新年までの移動人数は23%増で
した。
 中国と違う点は、中国では、90%の里帰りする人が込み合う列車に乗り、駅で
の大混雑を経験しているのに対し、アメリカでは、90%が自分で車を運転して帰
るので、心配の種は高速道路の渋滞です。
 アメリカでは1人当たり平均1.3台の自動車を持っています。アメリカの自動車
協会の統計では、毎年感謝祭から新年までに6000万人以上が90キロ以上を移動し、
その中の90%以上が自分で車を運転しています。

〈鉄道輸送と国情〉
▼馬剣氏:新年はロシアでは最も重要な祝日で、10日間近く休暇があります。し
かし、ロシアでは旧正月の人口大移動のような大ラッシュやその現象もありませ
ん。これは主に文化と生活様式の相違によるものです。
 ロシア人の故郷や家族という観念は中国人ほど強烈ではなく、正月に家に帰る
伝統はありません。祝祭日には別荘でのんびりし、地方の親友には電話であいさ
つするだけです。

 100年以上の発展の歴史を経て、ロシアにはモスクワを中心とした放射状の鉄
道網があります。統計では、2003年の鉄道の貨物輸送量は全国の39%を占め、旅
客輸送量は全国の41%を占めています。
 巨大な鉄道網に比較してロシアの人口が小さいことは、旅客輸送にはラッシュ
がないということを意味します。旅行者の多くは、出かけるそのときに駅で切符
が買って乗ります。
 ロシア人は中国の旧正月にとても興味を持っています。ロシア人の友達に中国
の旧正月の人口大移動の話をしても、列車の切符が買えないことや、すべての人
が家に帰って新年を祝うことは、彼らにはよくわからないようです。しかし、よ
く説明すると、中国人が親や家族を重視していることを大変賞賛してくれます。

▼商鏑氏:アメリカの鉄道は既に質的に変化しています。鉄道は旅行手段の一つ
であり、主な輸送手段ではなくなっています。祝日に鉄道で旅行するのはアメリ
カ人の1%だけです。アメリカの都市建設計画では都市の中心に大規模な駅がつく
られることはありません。
 自家用車とレンタカーの普及、高速道路のネットワークやロードサービス業の
発展によって、アメリカでは今までよりさらに自由に車を運転して旅行できるよ
うになっています。利用客が少ないので、鉄道利用料金は高く、アメリカの列車
の切符は長距離バスより高いのです。
 今日のアメリカの列車は、旅客のために広くて心地よい環境を提供するだけで
はなく、さらに満足のいくサービスを提供しなくてはなりません。観光地に停車
したり、乗車券を長期有効にするというだけでは、旅客は途中の駅で下車してし
まい、観光後に再び列車に乗って最終目的地まで行くことはないでしょう。

〈世界は中国の旧正月の人口大移動を理解し始めている〉
▼陳継輝氏:インドの国情と経済水準の向上は基本的には中国と似ています。今
年はちょうど「中国インド友好年」に当たるので、中国の旧正月での文化伝統は、
インドでも最近は広く関心が持たれています。その中に旧正月の人口大移動とい
う問題も含まれています。
 中国の大みそかの夜、インドのフィナンシャルエキスプレスに中国の旧正月を
紹介する記事が発表されています。
 例えば、旧正月の人口大移動の定義を「世界で最大規模の民族大移動」とし、
「中国鉄道の運搬容量をはるかに上回る学生と出稼ぎ農民から成る帰省者が、2
週間実家に帰って正月を祝った後、すぐUターンする。中国政府はこの期間の移
動者は延べ20億人以上が予想されると語っている」と伝えています。
 それ以外にも、ニューデリーのテレビ局でも、中国旧正月前に鄭州駅で大雪の
ため旅客があふれている状況を2分近くテレビに流しました。

 旧正月の人口大移動について話していたら、中国に何度も来たことのある1人
の教授は、単に交通輸送能力を高めるだけの問題解決は現実的ではなく、実際に
は「都市と農村の格差」と「祝祭日が集中し過ぎている」ことが、中国人の「帰
省困難」の最も主要な原因だと指摘しています。
 一方、中国農村と都市の間の発展がアンバランスであることや、東部と西部地
域の経済レベルの格差が原因で、郷里を遠く離れた地方で余りにも多くの人が仕
事につくことが、客観的に見ると人の波をつくっていると言えそうです。
 一方、旧正月が中国家庭にとって余りに重要であるため、巨大な人の流れが短
期間のうちに集中してしまうことも原因で、これはどこの国でも解決は困難でし
ょうと話しています。

▼唐恵穎氏:マーク・ウルフ氏はあるアパレル関連の卸売商ですが、最近、彼と
経営パートナーが初めて中国に仕入れに訪れ、「幸運にも」彼の人生で最大の人
口移動を経験しました。
 旧正月4日目、北京からパリに帰ってきましたが、私に会うや否や「唐さん、
私はこれまでこんなに広大な場面を経験したことはありません。広州駅で私は黒
山の人だかりというのを本当に見ました。人が多過ぎて、何日も並んでも切符が
買えるとは限らないのです。もう二度とこの時期に中国には行きません」と言っ
ていました。

 旧正月の人口大移動はフランス人が注目している、中国人の新しい生活習慣で
す。旧正月になると、フランスのメディアは必ず中国の旧正月の人口大移動に触
れます。
 フランステレビ局は旧正月の人口大移動のVTRとして、チベットから四川に出
稼ぎに来ている農村の臨時就労者がチベットへ帰っていくドキュメントを放送し
ました。大きな荷物や小さな荷物を背負う人が待合室にどっとあふれ、夜中にな
ると自分の荷物の上で寝るのです。列車が来ると、車両に殺到し、押し合いへし
合いをします。
 フランス人は、中国人がフランスで気が狂ったようにショッピングしているの
は知っているけれども、こんなに多くの農村からの臨時就労者が1枚の乗車券を
買うために1カ月から数カ月の給料を使うこと、そして、乗車券が買えても、さ
らにぎゅうぎゅう詰めの列車で家に帰らなければならないことを初めて知ったよ
うです。
 フランスの友人は、「中国の農民生活は改善しなければならない」「中国はさ
らに発展して、多くの人を裕福にさせなければならない」と話しています。

▼商鏑氏:中国が開放されていくにつれて、多くのアメリカ人がだんだん中国を
理解するようになり、中国の風俗習慣をわかり始めています。アメリカ人は、中
国の旧正月がアメリカの感謝祭と同じように家族が集まる重要な日だということ
を知っています。
 それでも、旧正月の人口大移動期間の駅での壮観な混雑状況に驚き、不思議が
っています。アメリカ人がよく言うことですが、中国の「大きい」は単に大きい
だけではなくて「巨大」だということです。
 多くのアメリカメディアが大きな包みや小さな包みを背負った出稼ぎ農民で混
雑する駅の写真を掲載しています。
 あるメディアの分析によると、中国の旧正月大移動は出稼ぎブームを背景にし
ているもので、農村で生まれた若者の多くが大都市で働き、旧正月に蓄えたお金
を持って、両親の顔を見るために帰省することで起こるとしています。

〈他山の石〉
▼唐恵穎氏:フランスは現在、世界でも数少ない近代高速鉄道技術を持つ国家の
一つです。現在の列車は、以前より快適で早く、価格の上でも航空会社よりも競
争力があるので、国内旅行や出張の足は普通は高速列車が選ばれます。現在、フ
ランスのアルストム社が次世代の高速列車の研究開発に力を注いでいます。その
列車の速度は毎時350キロにもなります。

 フランスの公共サービスにおける経験は、中国にとってもっと参考になると思
います。
 フランス人は普通毎年5週間の休みを取ります。旅行に出かけるのに便利なよ
うに、政府は3つの地域に分け、休暇の始まりを指定しています。
 フランスのカレンダーを見ると、比較的に長い休日について3つの地区が3種類
の異なった色で示され、それぞれの地区の指定している休暇がわかるようになっ
ています。そのため、フランスの交通状況は悪くありません。たとえ祝日の期間
にたまたまラッシュが発生しても、住民にはメディアからの情報ですぐにわかり
ます。

▼陳継輝氏:インドの鉄道は施設管理でも安全管理でも、中国と同列に論じるこ
とができず、古い列車での 「事故」も1つの影を投げかけています。
 しかし、以下の2つの状況でなければ、状況はもっとひどくなっているでしょう。
 インドの祝日と公共の休暇期間は比較的分散しています。ディーパヴァリは1
年の中での最大の祝日ですが、旧正月のような状況にはなっていません。インド
人はホーリーなどの祝日も重視しています。それから、インドの学校では1年に3
度の長い休みがあり、しかもそれぞれの学校で休みの期間が異なっています。
 もう1つは、インドの鉄道輸送はすべて記名制で、切符を買うには航空券を買
うのと同じような各種の情報を詳しく記入しなければなりません。そのため、祝
日期間の切符金額の値上がりが起こることはなく、ダフ屋があらわれることもあ
りません。

▼沈林氏:韓国は各種の運送手段の接続に大変注意しており、関連部門は駅と地
下鉄、バスのネットワークなどを常に改善し、駅までの接続や乗りかえを容易に
しています。
 それ以外にも、韓国の鉄道部門はインターネットでの切符購入サービスを全面
的に推進していて、乗客はインターネットで切符を買った後、印刷した切符で直
接乗車することができます。

▼商鏑氏:激しい旧正月の人口大移動に対応することは、どの国家にとっても容
易なことではありません。
 アメリカの経済水準はとても高いのですが、ハリケーンなどの災害時の人々の
移動では依然としてかなりひどいラッシュが起こっています。アメリカでは、中
国の旧正月の人口の大移動のような延べ20億人近くの人口の移動に適切に対応で
きると想像することさえが困難です。
 現在の中国の経済水準と、都市と農村の人口差から見ると、旧正月の人口大移
動の現象はこれからもしばらくは続くだろうと考えられます。ただ、経済発展が
一定のレベルになり、自動車がさらに普及し都市と農村の格差が次第に縮小すれ
ば、旧正月の人口大移動という現象は緩和するようになるのではないでしょうか。
〔環球時報2月8日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                     (中国人民銀行2月20日16:27発表)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.8154  804.83  103.71   961.45
関連ページ:http://www.bank-of-china.com/
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《編集者コラム――おくれてしまいましたが》
 もう2月も末になったというのに、春節の記事を出してしまい、つくづく「最
新情報」とは言えない状況だなと思いますが、春節記事はこれで終わりです。春
節や労働節や国慶節に伴う休暇制度が続いている中、それにまつわる話題につい
ては今後もチャンスがあったら取り上げたいなと思います。
 それから、また親切にも中国の映画のタイトルを教えてくださる方が出現しま
した。教えてくださった方、ありがとうございます。「わが家の犬は世界一」と
いう映画だそうです。まだ見ていないのですが、見る前から妙な緊張感が走って
ます。そのキャストを見ることもそうなんですが、犬猫は私の天敵だからです。(ま)
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●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―)
 http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで)
 http://www.jckc.com/nweek/view.php?no=1
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:劉志軍 戴小芳 アヤ 郭暁楠 奥谷道弘 リン
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