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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.750 2021年2月4週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:コロナ流行で影響を受ける処遇と職の流動性】
●2020年サラリーマン給与・福利厚生大調査

┏【李年古の日中異文化交流術】
●中国から日本へ 誰がわかるのだろう。明日私は帰れますか? 1

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……【特集:コロナ流行で影響を受ける処遇と職の流動性】………………………
●2020年サラリーマン給与・福利厚生大調査
 中智諮詢のデータによると、2011年から中国国内の全体的な給与調整率は下落傾
向を見せており、2011年の11.8%から2020年の6.4%となっている。
 「第一財経」誌に発表された「2020年サラリーマン給与福利厚生大調査」(以下
「調査」)においても、給与増長の疲弊状態が反映されている。
 アンケート回答した2128人のサラリーマンのうち、26.89%が昨年から給与が上が
っていないとし、逆に下がったという人は20.24%に達する。この2つの数字は、2019
年の調査においてそれぞれ18.41%と8.14%となっている。

 サラリーマンの2020年年末ボーナスに対する予想も全面的に下がっている。2019
年と比べ、インタビューを受けた32.86%が年末ボーナスの金額に変化がないとし、
21.34%はボーナスがないとした。
 前程無憂の「2020年年末ボーナス調査報告」によると、2019年インタビューを受
けた22.5%が1カ月分の給与相当の年末ボーナスを手にしており、41.8%は2カ月分、
21.4%は3カ月分相当の年末ボーナスを受け取っていた。しかし、2020年になると、
2カ月分及びそれ以上のボーナスのサラリーマンは15.3%に減り、これと同時に、1
カ月分の水準の年末ボーナスだったサラリーマンが8.9%ふえた。

 今回はサラリーマンの給与・福利厚生調査を開始してから12年目となる。前代未
聞のインパクトを目前にして、今年の報告からは、会社によって異なる雇用観念と
実際の行動を見てとることができ、一見しただけでは予知できないリスクが異なる
業界に与えたショックがあらわれている。
 また、感染情報が次々と伝えられる中、各職場人は皆、2020年の蔓延からこれま
での長い影響に対応するある程度の準備をしている。

〈2020年、給与アップは難しい〉
 給与アップの停滞、下落は各次元であらわれている。
 2019年から2021年、全業界の給与調整率が全て下落した。中智諮訊の統計による
と、民営企業の給与維持率が最も高く、外資企業は最も低かった。一線、新一線、
二、三線都市の企業の給与調整率はいずれも下降傾向で、そのうち給与調整率の最
も高い新一線都市の2021年の数値の下落幅が最も大きいと予測される。

 感染状況のマクロ環境に対する衝撃は短期的な直接要因であり、企業は押しなべ
て人件費コストを縮小させると同時に、感染状況後の影響が不確定な状況において
将来への予算投入に慎重な態度を保持している。
 長期的に言うと、経済の緩やかな増長傾向が依然としてバックグラウンドにある。
2018年の中国国内総生産(GDP)は同期比6.7%増、2019年はより緩やかになり6.1%
増であった。

 一方、中国の労働コストの上昇は、より多くの企業に人件費コストのコントロー
ル方法と従業員の作業效率の向上方法を考えさせることになった。
 感染状況の圧力を軽減するため、2020上半期、会社は多様な人的資源措置を採用
した。「調査」データによると、「緊縮編成、不雇用」を行う会社は29.23%に達し、
「会社内部の最適化、リストラ」を行う会社は27.58%を占める。ランキング上位の
調整としては、他に、昇進機会の減少、現金での福利厚生の取り消し等がある。
 ただし、同時に24.06%の人が「会社はよい、特に変化はない」としている。

〈業界諸相、喜ぶ会社もあれば憂える会社も〉
 感染状況の影響は全業界に及ぶとはいえ、一定のリスク耐性能力の高い高増長業
界は堅調を維持している。在宅という特殊状況は、意外にも一部会社のオンライン
業務を刺激した。
 中智諮訊の発表した調査報告によると、インターネット、医薬健康とハイテク業
界の給与調整率は依然トップを維持し、いずれも7%を超えた。
 ただし、インターネット業界の2020年の給与調整率の下落幅は最も大きかった。
インターネット業界の給与調整率は二極化を呈し、大手は良好、中小企業は不良と
なった。多くのインターネット会社の利益モデルは広告収入に頼っているため、実
体経済から波及的影響を受けた形となった。

〈環境の目まぐるしい変化、サラリーマンも慎重に〉
 美世の調査によると、2020年上半期、従業員の自主的な離職率はわずか5.4%、こ
の数字は2019年は12.1%だった。特殊状況のもと、「食いぶちの確保」はサラリー
マンの普遍的な心理である。「調査」において、回答者の58.07%は今年の収入状況
に「まあ満足」と回答しており、その理由としては「今年の状況は特殊だから、安
定を維持できれば十分」としている。

 以前は年末ボーナスをもらったら転職するというのが通例だったが、前程無憂の
データによると、2020年は年末ボーナスが不満だったので転職したという回答は
13.3%しかいなかった。
 企業は重要ポジションでの不足人才に対しては依然気前がよく、限りあるコスト
をこれらの鍵となる人材に用いることをいとわない。大雑把に統一された比率又は
金額で全員のベアを行うより、業績結果の差別化に従い給与調整を行う会社がふえ
てきている。これはサラリーマンの自己アップグレード能力に対し、より高い要求
が出されたことになる。
 「調査」によると、給与が上がらない場合、回答者の50.52%は自己充電するとし、
38.91%は同業界のその他会社へ転職するとしている。
〔第一財経2021年2月4日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●中国から日本へ 誰がわかるのだろう。明日私は帰れますか? 1
 これは実際に起こったことである。出発前夜になってもまだ、明日、広州から成
田行きのJAL88に搭乗したとして、日本の入管が門戸を開き、私の帰宅を許可する
のかどうか、誰も正確な答えを持ち合わせていなかった。

 私は、疫病が明日をサスペンス小説に変えてしまう日々にちょうど出くわしたと
言えよう。東京から帰国した際に経験した全ての出来事(No.747、No.748に「帰国
隔離中の体験談」は掲載済み)同様、私が毎朝起床するたびに、物語のあらすじが
私の想像力を試すように展開していることに気がついた。

 今回中国への帰国直前、中国の規定が突然変更になった。3日以内のPCR検査結果
が陰性であることが入国の条件となったのである。そして、検査の日付を指折り数
えて計算したところで、突然ゲームのように規則が変わり、搭乗前2日以内の検査
結果に限り有効となった。更にはダブル陰性証明の項目まで加わった。ようやくの
ことで帰国し、日本への戻りについてはおよそ問題ないだろうと考えていた。まさ
か、日本側で突然緊急事態宣言が発出されるとは。日本入国に当たり、一律で滞在
国のPCR検査結果が必要だという。しかも、この規定が施行されるタイミング。早
くもなければ遅くもない。私が出発する2日前の0時に施行されるというのである!

 これはもう、私のスケジュールに合わせて制定された規定なのだろうか。ついて
いないとみずから認めざるを得ず、サスペンス小説のあらすじに従い計画を変更し
た。広州の友人と久々に再会するという度を越えた望みを打ち消し、そのまま深セ
ンにいることにした。さらに、友人に72時間以内に検査結果の提供が可能な病院を
探してもらった。

 幸いにも、現在中国では容易にPCR検査を受けることができる。それはおなかを
壊して公共のトイレを見つけるくらいに簡単だ。友人はすぐさまその地域の健康セ
ンターの名簿を提供してくれた。私の住む南山区だけでも23院もある。どの病院に
行っても問題なくPCR検査を受けられると友人は教えてくれた。

 しかし、私はどうしても甘く見ることができず、よく知った人が院長を務めてい
る区立の人民医院に行くことにした。日本の法務省でダウンロードした検査結果の
見本が英語版だったため、地域の健康センターではこの点を満たしていないのでは
ないかと心配したのである。

 私はもう長いこと中国の病院にかかっていなかった。私の記憶では、いつ何時ど
の病院に行っても、必ずそこには、地球上で最も騒がしく最も混雑した一幕一幕の
情景があった。

 その表面的な要因は、中国人の人数に対して病院が少ないことである。特筆すべ
き文化的要素として、ほとんどの中国人が病人を一人で病院に行かせない。鼻が詰
まって風邪を引いたのだとしても、親戚や友人を引き連れ勢いよく乗り込んでいく。
病人であるあなたの横で医者に病状を伝える者がいれば、あなたのかわりに並んで
薬を受け取る者、あなたの肺のレントゲンを撮る医者に高級タバコを1本差し出す
者。要するに、家族が病院に行くことは縁日に行くよりも盛大で賑やかなことなの
である。これを欠席しようものなら、義理も人情もない冷血動物にされてしまう。

〈検査病院でのこと〉
 外来診察部はまるで大きなショッピングモールのようだ。地面には色別に各道筋
が示されている。
 外来診察部のロビー中央には人民サービスセンターがあり、心が温まる場所だ。
 だからこそ、このようにがらんとした病院を見て私は少し意外に感じた。今は受
付であれ、支払いであれ、薬の受け取りであれ、どこの病院に行っても携帯で予約
と支払いを行う。検査結果ですら病院のアプリをダウンロードし微信で確認すれば
よい。
 病院での全検査結果は受信者の微信内でアクセス可能だ。

 話がそれてしまった――その日検査に費やした時間は予測していた時間と比べ非
常に短く、やることがなくなってしまった。私は、病院内でうろついては過去の記
憶を思い起こすということを繰り返していた。実際、PCR検査は5分も並ばず、検査
自体も数十秒で終わった。費用はたった75元。日本では検査に1時間以上並び、支
払いは人民元に換算し2500元。この差は結構大きかった。
 ここにPCR検査を受けに来る大部分は医療従事者だと言われている。医療従事者
は週に一度、あるいは月に一度の検査が規定で義務づけられている。
(次号に続く:写真をツイッターに投稿しますので、ぜひごらんください)

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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