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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.720 2019年7月4週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:女性活躍を阻む低品質の結婚からの脱却】
●離婚ビッグデータ 低品質の結婚は要らない
●2020―2025中国教育業界4大トレンド

┏【李年古の日中異文化交流術】
●(その4)「短所を補うよりも長所を伸ばすのが王道」

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……【特集:女性活躍を阻む低品質の結婚からの脱却】……………………………
●離婚ビッグデータ 低品質の結婚は要らない
 最近、国家統計局と民政部から出されたデータによると、2018年、全国の結婚率
は7.2%まで下がり、2013年以来最低値となった。結婚率が5年連続で下落を続ける
のに呼応し、離婚率は年々増加している。
 先日、最高人民法院が明らかにした離婚データはもっと驚くべきものであった。
70%以上は女性から離婚を申し出ていた。
 これらのデータは社会の現状を説明している。現代社会では女性の多くが低品質
の結婚を望まなくなっているということである。

〈低品質の結婚で自分を消耗させてはいけない〉
 先般アメリカの国家統計局から出されたデータによると、中国人女性の労働参加
率は70%を上回り世界一である一方、中国人男性の家事参加率は世界でワースト4位
だった。
 家庭での無償の家事労働は主に妻が担う。中国人女性の労働率は上がり、男性の
家事労働率が上がらないことはまさに離婚率上昇の原因になっているのではないか。
 ことしの国際婦人デーに北京人民法院が発表したデータによると、離婚訴訟の7
割近くが不倫やDVで、被害者は主に女性である。つまり、少なくとも北京では、離
婚の7割近くが浮気とDVということである。

 この社会は女性にとってこんなにも非友好的で、結婚は女性にとって厳しいもの
と言わざるを得ない。
 結婚すると家事、育児、料理をする必要があって、一心に子供のことを考えるの
だが、実はそれは問題ではない。
 最大の問題は、自分の苦しみを夫からは当然のことと見られ、自分を理解してく
れないし、無責任に嫌みすら言われるということである。
 また、自分の夫が外で浮気するかもしれないリスク、あるいは自分が結婚後に身
だしなみを気にしなくなる、若い女性におばさんと言われるというリスクを負わな
ければならない。
 さらに、自分とは全く違う男性側の家族に向き合わないといけないし、親戚のう
るささに対応しなければならない。

 もっと怖いことに、結婚後のDVは後を絶たない。
 全国婦人連盟の統計によると、全国2.7億世帯のうち、既婚女性の30%が家庭内で
暴力を受けたことがある。
 数日前、ネットで「愛情防衛戦」という動画を見た。動画の中で、麗麗さん(仮
名)は司会者にこのように訴えていた。
 結婚後も頻繁にDVを受け、毎回ひどく殴られるので、離婚を求めていた。結婚し
て幸せになれず、かえって余計なリスクを負ったり、終わらない暴力で結婚への憧
れや情熱を消耗させたりしているのなら、このような低品質な結婚より、自分一人
で過ごした方がいい。

 低品質の結婚では、我慢して何とか丸くおさめようとして時間を無駄にするし心
を消耗するが、それは苦しみと引きかえにしているのにすぎない。
 現在の女性は本当に目覚めてきていて、結婚で我慢したり受け流したりするよう
な人間になることは望まず、夫の理不尽や結婚の不幸を受け入れられない。
 それは、低品質の結婚は消耗し望むような幸福へと変化しないことを知っている
ためである。(後略)
〔フランクリン読書クラブ2019年5月15日〕

●2020―2025中国教育業界4大トレンド
 現在、中国の教育産業は高度消費段階に入っている。この変化は教育分野でチャ
ンスを探す投資家と運営者に大きな影響を与え、この市場の未来にもっと広い発展
空間があることを確信させる。
 筆者は既存データと個人的考えに基づいて、今後5年の中国教育業界の発展傾向
について推測を行った。

一、市場の格差縮小で良好な発展
 中国の教育市場の規模は膨大かつ分散し、地域間の分布は均一ではない。これは
各地域の経済状況や人口密度と関係している。中国の「西部大開発」が進み、地域
差は徐々に縮小され、教育市場は今後も大きな発展潜在力を持っている。
 就学前教育を例にとると、2016年の二人っ子政策実施以降、中国の出生人口は1786
万人に増加し、2人目以降の出生数は844万人に達した。2017年も人口が増加すると
予測され、就学前教育を受ける人口もまた増加することになる。2016年の中国の就
学前教育市場規模は約3800億元だが、出生数の増加で2020年には5400億元を突破す
ることが予想される。

二、産業構造の高度化、生涯学習という流れ
 この知識社会の中において、知識の更新はますます速くなり、社会の発展は日進
月歩である。絶えず知識と能力を更新し、職業のニーズと社会の進歩のニーズを満
たすため、生涯学習は今後の一大トレンドとなっている。
 消費レベルが徐々に向上し、消費の考え方が変化し、より知識にお金をかけるよ
うになったことから、今後の職業教育市場はまだまだ発展していく。
 技術進歩に伴い、特に情報技術の発展が人々の生涯学習に可能性を提供している。
特に、2019年は5Gの商用化元年であり、今後5年以内には5Gの発展はオンライン教
育の発展を支え、オンライン教育資源のより良好で快適に享受できるようになる。

 今後は教育+サービスの商品形態が主流となる。企業はトレンドを把握し、オン
ラインのキャリア教育を発展させる一方で、就業保障システムを整備し、ユーザー
が能力向上とキャリア発展できるように教育と就業のバリアを打破する必要がある。

三、科学技術を教育として再定義し、広範に情報技術を応用する
 第4次産業革命の到来に伴い、インターネット、クラウドコンピューティング、
ビッグデータ、IoT、AI等に代表される教育分野における情報技術の応用はますま
す広範化し、教育はデジタル化、スマート化、自動化へと向かっている。
 今後、教育はフラット化し、学習リソースは直接供給側からダイレクトに学習に
届き、双方の距離が近づくようになる。
 現在、既にライブ放送授業やネット公開授業があるが、これらの教育方式は教育
リソースの格差縮小と同時に、双方の時間コストや資金コストを減らしている。
 一方、ビッグデータは学生の学習傾向、学習動機、学習スタイル、学習の趣味等
を分析することで、学校や教師のよりよい教育の実現を支援する。個人個人に合っ
たお勧め学習リソースを提供し、学習目標等の達成をよりよく支援し、学生の個人
のニーズを満たす。
 現在、MOOC、ハイブリッド学習、反転授業等は既に広範囲で応用されており、学
習支援システム(ITS)、意志決定支援システム、コンピュータ支援教育(CAI)シ
ステムも急速に発展し、IoTは既に教室の授業、課外学習、教育管理の3方面で教育
に相応のサポートを提供している。
〔2019年6月14日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●育児法から描ける理想的な上司像(その4)
◆短所を補うよりも長所を伸ばすのが王道
 勉強や仕事の楽しさを極めたいのなら、人間の幸福感を引き立てる源泉を探る必
要がある。ポジティブ心理学が私たちにくれる処方箋は、人間の「強み」、つまり
長所を最大限に生かせることである。
 その発想も育児の世界ではとても役に立つ考え方である。どんな小さい子供であ
っても「得意」と「不得意」を持つ。その場合、教育者はどちらに目を向け、子供
の自己認識を形成させるべきだろうか?
 どんな教育家も、短所を補足するより、「長所」を伸ばすことをアドバイスする
だろう。なぜなら、長所を生かせれば子供はより楽しく学習できるようになるし、
さらに達成感を味わうことによって自信をつけられるからだ。
 職場でもまったく同じ法則が通じる。部下に「楽しく仕事をする感情を起こさせ
る」ことを考えるのなら、やはり「強み」に注目すべきだ。長所は興味に直結して
いる可能性が高いので、上司が部下の強みを発揮させることができれば、部下の仕
事に取り組む姿勢も意欲も変わってくる。「好きこそものの上手なれ」という現象
が学びや仕事の原動力にもなれるのである。
 さらに、チームとして互いの強みを発揮し、弱みを補い合うことで最善のパフォ
ーマンスが出せる。これが今日求められる会社のダイバーシティー推進の真髄とも
言える。
 ちなみに、ポジティブ心理学の創設者であるペンシルベニア大学のマーティン・
セリグマン教授は、人間の普遍的な「強み」を24個に特定し、「キャラクタースト
レングス」と名づけている。興味ある方は、ぜひその中身を確かめていただきたい。
 部下だけではなく、上司としても、自分自身のキャラクターストレングスの強み
を生かした仕事や活動に従事することでより大きな幸せを味わうことになるはずで
ある。

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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《編集者コラム――忍野八海》
 数日前、友人と一緒に富士山周辺に行ったので、忍野八海まで遊びに行きました。
忍野八海は20世紀のころから大好きだった観光地でした。しかし、久しぶりに行っ
てみると、よく言えば美しく整備されて、あたりの様子は一変していました。忍野
八海に日本人がいない、中国人を初めとする外国人しかいないことに愕然としました。
 そして、いつもよく行っていたそばの店に寄ってそばを買って、ああ懐かしいな
と思ってうれしかったし、食べ切れないほどのそばうどんを「試食」して、ああま
た来られてよかったなと思ったんですが、そばの価格はさほど変わらないように見
える、こういう商売をしている人たちに恩恵が行っていないように見えるのが残念
に思いました。また遊びに行くことにしたいです。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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