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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.623 2015年3月17日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:5,400名(2015年3月16日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:中国経済生活大調査で見る新常態後】
●2015年中国経済生活大調査 富、チャンス、幸福はどこへ行っちゃった?

┏【国内政策】
●2015両会 50のデータで読み取る政府工作報告
●国家統計局 中国のイノベーション能力は向上している

┏【労働】
●大学生冬期休暇アルバイト 最低賃金も受け取れず

┏【国内経済】
●省域経済総合競争力ランキング発表

┏【経済データ】
●外国為替(3月16日)

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……【特集:中国経済生活大調査で見る新常態後】…………………………………
●2015年中国経済生活大調査 富、チャンス、幸福はどこへ行っちゃった?
 3月2日、中央テレビ財経チャンネルは「中国経済生活大調査」という国民的ビッ
グデータを初めて発表した。
 中国における最大規模のメディアによる国民生活調査活動「中国経済生活大調
査」は、変化する時代の中で、中国の世帯に深く入り込み、9年間、毎年10万サン
プル、累計で1000万の国民生活基礎データをもとに、人々の真の生活感覚を伝える
ものである。
 この「中国経済大調査」の発表により、2015年のチャンス、富、時間、幸せとい
った重要なトレンドデータが明かされた。さらに多くの2015年国民データは、中央
財経チャンネルの3月9日18:50に放映される「中国経済生活大調査」データ発表パ
ーティーを注目してほしい。

(一)2015年、お金はどこへ行っちゃった?
〈経済が新常態で、中国人の収入増への期待が下がる〉
 67.6%――これは、CCTV「中国経済生活大調査」による2015年中国家庭収入信頼
感指数である。
 注目したいのは、この調査は既に連続9年実施されており、毎年10万世帯の中国
の家庭収入状況のデータを調査しており、これをもとに「住民収入信頼感指数」を
出していることである。
 今回の大調査の収入信頼感指数はこの4年来で低く、経済が新常態に突入し、今
後は収入が高くなるという期待が下がるというトレンドがはっきりしている。

 2015年、中国のどの地方が収入信頼感を持っているか。
 ランキングトップは、江西人(収入信頼感指数74.4%)。以後、吉林(71.8%)、
山東(70.8%)、安徽(70.8%)、湖北(70.0%)でも全国平均水準(67.6%)より高
かった。

▽収入信頼感指数の推移
2007年 74.6%   2010年 75.4%   2013年 71.1%
2008年 70.3%   2011年 67.4%   2014年 75.4%
2009年 58.0%   2012年 70.1%   2015年 67.6%

〈2015年、ファンドは冷え込み、理財商品がホットに〉
 4年連続で人々の投資先のトップはファンドが選ばれているが、2015年は冷え込
むかもしれない。
 中国の家庭でファンド投資を検討しているという回答は10%に満たず、全ての投
資品目中最下位となった。ぱっと見て大したことがないような理財商品(2013年5
位、2014年4位)が逆転し、人々の人気のトップとなっている。

▽当てにしたい投資は何か
理財商品  31.18%   金・貴金属 14.54%
国債    21.21%   不動産   14.23%
保険    19.94%   先物    10.67%
株式    17.16%   ファンド  9.76%

〈2015年、中国の若い女性の投資熱が年配女性を上回る〉
 中年、年配層では投資縮小意欲が強いのに対し、若い女性は全体の中で投資熱が
最も高く、年配女性を上回った。

▽誰が最も投資熱心なのか
若い女性 63%   中年女性 59.6%  年配女性 54%
若い男性 62.8%  中年男性 57.8%  年配男性 53.7%

(二)2015年、チャンスはどこへ行っちゃった?
〈2015年、中国の家庭の5分の1に起業意欲〉
 2014年、実質的に起業にかかわった回答者は13.6%だったが、2015年、起業する
意向のある回答者は20.5%へと激増し、5分の1を超える家庭が起業意欲を示している。

▽働き続けるべきか
2014年既に起業している 13.6%
2015年起業予定     20.5%

〈ネット通販が最も有望で、製造業が最下位〉
 どのような業界が、目下人々に有望視されているのだろうか?
 上位3業界は、ネット通販、健康医療、金融業であった。中国は製造大国である
が、製造業の前途が有望であるとの回答は2.5%で最下位であり、これは深く考える
必要がありそうだ。

▽有望な業界は何か
ネット通販 19.9%   不動産   10.6%   文化創造  2.8%
健康医療  18.9%   エネルギー 8.4%   製造業   2.5%
金融    14.0%   農業    8.5%
物流    12.3%   その他   5.1%

〈都市在住の一般男性に最も創業志向〉
 中国の創業者の主力は、我々が思っているような金持ちではなく、我々の身近に
いる庶民である。学歴が高いほど創業意欲は低くなっており、中学校や中等専門学
校卒業の回答者の創業意欲が最も高い。
 都市に居住している方が農村よりも創業意欲が高い。既婚者の方が独身より創業
意欲が高い。男性の方が女性より創業意欲が高い。特に、26―35歳の男性では33.5%
が創業意欲を示し、年収が1―6万元の家庭の創業意欲が突出している。

▽創業の主力は誰か
既婚(62.3%)、都市常住(66.40%)、男性(56%)、中卒(41.1%)、26―35歳(33.5%)

(三)時間はどこはどこへ行っちゃった?
 半数以上の中国人の1日当たりの休息時間は2時間未満である。
 仕事や睡眠を除き、休息時間が1日1時間未満の中国人はほぼ4分の1で、1―2時間
は2割以上、さらに1割近い人には休息時間はない。つまり、半数以上の中国人にと
って、休息とは一種のぜいたくである。

▽ほかの人より忙しいか
休息時間なし 8.38%    3―4時間   12.55%
1時間以下   24.54%   4―5時間   7.7%
1―2時間   22.22%   5時間以上   7.33%
2―3時間   16.73%

〈抬頭族は低頭族よりも収入が高い!〉
 携帯電話、スマホ等の電子製品の普及に伴い、60%の人がネットで遊び始め、
「低頭族」となっている。一方、40%の人はオフラインでの娯楽もあり、「抬頭
族」を堅持している。
 抬頭族は低頭族よりも平均4000元多く稼いでおり、低頭族よりも健康管理、教育
訓練に15%多くお金をかけている。低頭族は抬頭族より10%多く旅行や家電にかけて
いる。

〈出勤時間が最も長いのは長春〉
 勤め人のうち10人に1人は片道通勤時間が2時間を超え、往復に4時間以上かかっ
ている。
 中国の現在の都市就業人口は4億人であるから、これをもとに推計すると、約3000
万人以上は、勤務先にいなければ、勤務先との往復の途上にいることになる。
 出勤時間が最も長い上位10都市のうち、省都及び直轄市が4都市で、残りの6都市
は地レベル市である。その分布は非常に広範で、東北から西南部まで人口が密集し
ている主要な地域を網羅している。しかし、北京、上海、広州、深センは上位10都
市に入っていない。

▽通勤時間はどこが長いのか
長春市(吉林) 73.2   武漢市(湖北) 68.6
衢州市(浙江) 72.3   営口市(遼寧) 68.2
重慶市     69.5   亳州市(安徽) 68.0
周口市(河南) 69.4   〓州市(福建) 67.6
昭通市(雲南) 69.3   貴陽市(貴州) 67.4

(四)幸福はどこへ行っちゃった?
〈中国家庭の4割は幸福〉
 2015年、全国の40%の回答者の家庭では幸福を感じている。そのうち、とても幸
福は10.6%、やや幸福が29.4%であった。

〈幸福都市上位10都市〉
 大調査が行われた104都市、300県のサンプルのうち、住民が幸福を感じている5
省都と5地レベル市は以下のとおり。
 安徽省合肥市、山西省太原市、海南省海口市、湖南省長沙市、河北省石家荘市、
山東省泰安市、遼寧省遼陽市、江蘇省連雲港市、河北省衡水市、安徽省黄山市。

〈環境改善は何を優先するか?ずばり大気汚染〉
 環境について、最も改善を望むものは何だろうか?
 我々が提示した6つの選択肢のうち、全国10万家庭で比較的意見が集中したのは、
大気汚染、都市緑化、水道水の水質である。

▽何が人々を悩ます環境問題か
河川・湖沼の水質汚濁 6.63%    都市緑化      17.52%
大気汚染       35.20%   水道水の水質    17.28%
ごみ処理       14.94%   騒音        7.39%

 「中国経済生活大調査」は中央電視台財経チャンネル、国家統計局、中国郵政集
団公司共同による年次調査ブランドで、毎年10万通のはがきアンケートを発送し、
全国31省市区、104都市、300県をカバーし、毎年10万戸の中国の家庭の生活感覚、
経済状況、消費投資予測、生活での困難、幸福感等を調査した。今回の調査アンケ
ート回収率は86.6%であった。

 2006年から開始されてから今日まで、「中国経済生活大調査」は既に9回を数え、
第11次五カ年計画、第12次5カ年計画時期の人々の生活の軌跡を完全に記録してい
る。これは国内一の大規模な国民幸福感調査であり、住民収入信頼感指数等オリジ
ナルビッグデータである。
 「中国経済生活大調査」の影響力はビッグデータ時代の到来とともに上昇してお
り、大調査データ報告は既にアジア最大の図書館である国家図書館に所蔵され、調
査データ結果は公開され、世界的影響力のある調査活動の一つとなっている。
注)〓は、さんずいに「章」
〔中央電視台2015年3月2日〕
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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●2015両会 50のデータで読み取る政府工作報告
〈2014年〉
 2013―2014年 GDP63.6兆元 成長率7.4%
 都市新規雇用者数 1322万人 史上最高
 消費者物価 2%上昇
 都市1人当たり可処分所得 実質ベースで8%増
 農村1人当たり可処分所得 実質ベースで9.2%増 都市部より高い
 一般公共予算収入 8.6%増
 R&D支出の対GDP比 2%超
 農村貧困人口 1232万人減少
 農村における飲料水の安全問題解決人口 6600万人以上
 海外旅行 延べ1億人突破
 海外直接投資 実質ベースで1196億米ドル 世界一
 中国の対外直接投資 1029億米ドル
 行政許認可 緩和及び取り消し 246件
 鉄道の新規建設 8427キロメートル
 エネルギー損失 4.8%減 近年来最大の下落幅
 消費の経済成長に対する貢献率 51.2% 前期比3ポイント増
 食料生産量 1.21兆斤
 高速鉄道営業キロ 1.6万キロメートル 世界の60%以上
 高速道路開通距離 11.2万キロメートル
 ブロードバンドユーザー 7.8億戸超
 国民医療保険 95%超をカバー
 新規着工した居住環境改善プロジェクト 740万軒 511万軒が基本完成
 農民工が都市に呼び寄せた子女の、所在都市における大学受験 28省実現
 農村道路の新規建設または改造 23万キロメートル
 新規登記をした市場活動を行う組織や個人 1293万戸
 サービス業付加価値の割合 46.2%から48.2%に向上
 公立病院改革試行 県市で1300以上
 全国の財政性教育経費支出の対GDP比 4%超

〈2015年〉
 2014―2015年 GDP成長率7%前後
 消費者物価 3%前後上昇
 都市新規雇用者数 1000万人以上
 都市登録失業率 4.5%以内
 貿易成長 6%前後
 エネルギー損失 3.1%減 主要汚染排出を引き続き減少
 2015年財政赤字 1.62兆元
 M2(広義の貨幣流通量) 12%前後増予想
 鉄道投資 8000億元以上を維持
 鉄道新規投資距離 8000キロメートル以上
 食料生産量は安定的に1.1兆斤以上
 2015年 農村における飲料水の安全問題解決人口 さらに6000万人
 農村道路の新規建設または改造 20万キロメートル
 無電化人口 最後の20数万人の電化
 農村貧困人口 1000万人減少
 企業退職者 基本養老金標準 10%増
 農村の危険な住戸の改造 366万戸
 居住環境改善プロジェクト 新規に740万軒
 2015年二酸化炭素排出量 3.1%以上減
 アンモニア排出量 2%前後減
 二酸化窒素排出量 3%前後減
 窒素酸化物排出量 5%前後減
〔人民日報〕

●国家統計局 中国のイノベーション能力は向上している
 国家統計局が2日に発表した2013年中国イノベーション指数概算結果によると、
2013年、中国イノベーション指数は152.8(2005年を100)で、前年比3.1%増であった。
 分野別に見ると、2013年、イノベーション環境指数150.1(前年比4.2%増)、イ
ノベーション投入指数154.1(前年比1.3%増)、イノベーション産出指数168.4(前
年比2.6%増)、イノベーション効果指数168.4(前年比4.6%増)であった。

 国家統計局社科文司の関暁静主席統計師は、今回の概算結果は、今日の中国のイ
ノベーション環境、投入、産出、効果が引き続き向上していることをあらわすと語
った。
 関暁静主席統計師によると、近年来、中国の経済社会は引き続き健全に発展し、
国家主導の政策が強力に行われ、質の高い人材が増加していることが、イノベーシ
ョン能力向上を後押ししている。イノベーション投入が増加していることに伴い、
中国のイノベーション産出能力も高まっている。

 2013年、中国の1万人当たりの科学技術論文数は11.3件で、前年比0.1件増であっ
た。R&D人材1万人当たりの特許取得数は3477件で、知的所有権全体の11.7%を占めた。
 技術市場の取引状況から見ると、2013年、中国の技術市場の成約契約金額は7469.1
億元で、前年比16%増であった。科学技術活動人員1万人当たりの技術市場の成約額
は8.6億元で、前年比8.9%増であった。

 イノベーション活動は安定的に成長しており、目に見える利益をもたらしている。
 2013年、中国の一定規模以上の工業企業労働生産率は、1人当たり91.8万元で、
前年比11.5%増、2005年比151.7%増に達し、イノベーションの工業における経済発
展では比較的はっきりとした促進作用があった。
 大中型工業企業の新製品売上高は11.3兆元で、前年比14.6%増であった。主要業
務収入シェアの17%、前年比0.7%増、2005年比2.4%増で、イノベーションの製品に
対する構造調整の成果があらわれた。

 このほか、ハイテク製品の輸出規模は拡大し続けており、関連産業の国際競争力
も向上している。
 2013年、中国ハイテク産業輸出貿易額は6603.3億米ドルで、前年比9.8%増、輸出
貨物総額の29.9%を占め、前年比0.6%増であった。〔中国経済網2015年3月3日〕

……【労働】………………………………………………………………………………
●大学生冬期休暇アルバイト 最低賃金も受け取れず
 「現在上海の最低賃金は時給17元と定められていますが、僕たちの時給はたった
12元。夜勤で一晩10時間働いても、わずか10元余分に支給されるだけです。これっ
て、おかしくないですか?」
 2月27日、防災科技学院の学生である張さんは、冬期休暇中の上海でのアルバイ
トについてこのように語った。彼に同行した同級生7名は、いまだに勤務先である
天天果園から2月分の給料を受け取っていないという。

〈約束された報酬も後に控除される〉
 張さんによると、彼ら一行は「学生代理」の扇動の下、1月19日、陜西省咸陽か
ら上海に到着した。
 「学生代理」は当初、「某電子工場でのアルバイト、月3500元、実働15日、片道
の電車賃180元支給」とうたっていたが、張さん一行は浦東康橋の天天果園に連れ
て来られ、毎日作業ラインで果物を包装し、時給として12元を受け取っていた。こ
の時給額も、1月目の時給11元から、彼らの不満を受けて引き上げられたものであ
った。

 果物のかご詰め等の作業は夜間の20時半から翌朝6時半の間に行われ、忙しい時
には朝8時半になってようやく休憩が取れるが、この休憩1時間は給与計算に含まれ
ていなかった。2月15日に1月分として7日間の報酬が支払われたが、事前承諾をし
ていた食費、宿泊費が差し引かれ、手元に残ったのはわずか625元であったという。

 学生アルバイトを斡旋する、申尊(上海)企業管理有限公司を自称する人物によ
ると、人材募集企業である上海天天鮮果電子商務有限公司と事前に労務請負額を取
り決め、その額を学生に支払っているという。
 当該募集企業に連絡を試みたが、サービスホットライン、代表電話、責任者兼事
務担当の王さん、いずれからも返答はない。

〈製造工場が大学生を大量雇用〉
 似たような話はほかにもある。アルバイトで上海を訪れた河南中医学院の学生で
ある高さんは、アルバイトによって通常どおりに登校できないことを焦慮している。

 高さんは自費で150元を支払い、「学生代理」のチャーターしたバスに乗り、1月
18日、河南から上海に到着した。松江広達上海製造城(以下、広達)の作業ライン
で、コンピューターのマザーボードの測定検査を毎晩20時から翌朝8時まで行う。
 「学生代理」は口頭では3月1日に帰校することを承認したが、工場の発行したス
タッフの登録表には「帰校日3月5日」と記入されており、後に「帰校日は工場の都
合による」と改められたという。

 「大学は間もなく始業しますが、人材募集企業は、深刻な人手不足を理由に、断
固として帰校を許しません。工場内には各地から集まった数千人の学生アルバイト
がいますが、通常どおりに帰校できないという状況は珍しくありません」と高さん
は語った。

〈労務部門「権利の侵害は取り締まれない」〉
 労働保障政策相談ホットラインのスタッフは次のように語った。
 「大学生は労働法の対象となる資格を備えておらず、関連の合意書に署名したと
しても、労働契約を結んだことにはならない。その関係は民事雇用関係に属し、権
利を侵害された場合は直接裁判所に提訴するほかない」

 関連の法律法規がないことに加え、権利を守るためのコストが損失よりも高くつ
くことから、一部の人材募集企業は、労務派遣、学生代理、仲介らと結託し、大学
生を廉価な労働力とみなし、極めて低い報酬を支払うばかりか、中には悪意を持っ
て支払わないものもある。

〈学生アルバイトにはよるべき法律がない〉
 上海滬中法律事務所の欧以文弁護士は、目下労働関係は複雑化しており、1994年
に公布された労働法では実際のニーズに対応し切れなくなってきていると語った。
 学生アルバイトを労働法保護の対象とするか否かという論争は長く続いているが、
学生アルバイトには需要があり、規則がないという課題も明らかになっている。
 欧弁護士は、労働法において、最低賃金等の規定は休暇中の学生アルバイトには
適用されていないが、公平公正の原則に立って、支払われる報酬が現地の最低賃金
を下回るべきではないとしている。

 欧弁護士は、早急に関連の司法解釈を導入し、学生アルバイトという特殊な雇用
関係について法整備し、大学生の休暇アルバイトのセーフティネットをつくること
を提案している。これは学生のためのみならず、人材募集企業にガイドラインを提
供することにもつながる。
〔解放網―解放日報2015年3月3日〕

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●省域経済総合競争力ランキング発表
 中国社会科学院が開催した、新常態下における中国地域経済発展戦略討論会及び
「中国省域経済総合競争力発展報告(2013―2014)」白書発表会で得た情報による
と、福建師範大学、国務院発展研究センター管理世界雑誌社等部門が共同で取り組
んだ「中国省域競争力白書」で2012―2013年の中国31省レベル行政区の経済総合競
争力の最新ランキングを発表した。

 2013年全国31省市区経済総合競争力の上位(1―10位)は、江蘇省、広東省、北
京市、上海市、浙江省、山東省、天津市、遼寧省、福建省、湖北省。中位(11―20
位)は、河南省、四川省、湖南省、河北省、安徽省、重慶市、吉林省、内モンゴル
自治区、江西省、陝西省。下位(21―31位)は、海南省、黒龍江省、山西省、新疆
ウイグル自治区、広西チワン族自治区、貴州省、寧夏回族自治区、雲南省、青海省、
甘粛省、チベット自治区。

 2012―2013年の各省市区総合競争力ポイントの動向から見ると、全国31省市区の
うち、27省が上昇傾向にあり、そのうち上昇幅が最大だったのは天津市(1.97ポイ
ント増)で、以下、河北省、福建省、寧夏回族自治区、貴州省、湖北省、広東省、
湖北省、雲南省が1ポイント以上だった。
 一方、4省のポイントは減少し、減少幅が最大だったのは四川省(0.77ポイン
ト)であった。
 全国平均値から見ると、2013年は39.1ポイントで、2012年より0.61ポイント増で
あった。
 全体から見ると、2012―2013年の全国各省市区の経済発展の質及び効率は一定程
度上昇した。

 それぞれの地域間の経済の総合競争力ポイントの分布には不均衡があり、2013年
にポイント最低だったチベット自治区は27.2ポイントと、トップの浙江省の半分に
も満たなかった。
 全国の半数以上の省の経済の総合競争力ポイントは30―40ポイントの間に集中し
ており、全体的に見て、比較的分散し、歪度がある。
 2012―2013年では、2013年の各省のポイントは向上した。そのうち、25―30ポイ
ントの省は6省から3省に減少し、30―35ポイントの省は5省から7省に増加し、35―
40ポイントの省は11省から12省に増加した。そのほかの区間の省の数量の変化は明
らかでなかった。

 全国地域間経済総合競争力の総合推計では、2013年全国四大地域経済総合競争力
は、東部地域49.1、中部地域36.9、西部地域32.2、東北地域37.9で、比率は1:0.75
:0.66:0.77であった。2012年と比較して、西部地域と東部地域の格差は0.38ポイ
ント拡大し、西部地域の一部の競争力が下がっている。〔中国経済時報2015年3月3日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行3月16日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     5.0987  616.15    79.35  648.52
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――転売》
 この前中国で会った友人の友人が日本にやってくるというので、会いに出向いて
みました。
 近況の交換もそこそこに始まった話によれば、彼らは、どうやったらマルチビザ
が取れるかわからないけど、何度も来ていれば取れそうなので、ツアーに参加して
みたといい、マルチビザをとった暁には貿易をしたい、つまり、日本で買ったもの
を中国で転売したいということことでした。
 肝心の、では何を転売したいのかと聞いてみると特にアイデアはなく、何かあり
ますかと質問されたのでずっこけてしまったのですが、こういう人は結構いそうで
す。彼らの話を聞いているだけで、間接的にも中国の実情が見えるところもあるな
と思い、とても興味深い再会でした。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 奥谷道弘 楊桃 村瀬明美
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