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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.326 2005年10月25日
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:労働力の搾取と劣悪な労働環境】
●労働法全国執行状況調査は広東、浙江で 四方面から再調査
●「搾取工場」調査 労働者にサービス残業や低賃金を強制 上

┏【金融】
●地方政府で異なる金融資源 地域差が生まれる要因
●香港の人民元業務の開放進む 法人業務は未開放

┏【国内経済】
●中国全国郷鎮レベルの純債務は約5000億 農業部内情を探る
●農村社会の養老システムをつくるのは政府の責任

┏【経済データ】
●外国為替(10月24日)

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……【特集:労働力の搾取と劣悪な労働環境】………………………………………
●労働法全国執行状況調査は広東、浙江で 四方面から再調査
 全国人民代表常務委員会法律執行状況調査チームは10月から「労働法」の執行
状況を調査する予定。
 16日、全国人民代表の政府ホームページで発表した情報には、「これは、全国
人民代表常務委員会の1996年に次いで第2回目の「労働法」執行状況調査であ
る」としている。

 今回の法律執行状況調査は、重点的に次の4つの面で調査を行う。
 調査チームは重点地域、重点企業を選び、中心的に調査を行う予定。
1) 労働契約の締結及び執行状況
2) 最低賃金保障制度の実施、改善状況
3) 従業員賃金の支払い遅延、未払いの解決状況
4) 企業従業員の合法的な権利保障状況

 北京市労働調査部門の最新統計データによると、今年1月―8月に、「労働法」
と「労働保障法」違反行為を理由に2回または2回以上取り締まられた企業は計700
社以上に上り、調査された違法企業総数の10%を占めた。
 何回も指摘されたにもかかわらず改めない企業は、主に製造業、卸売小売業、
レストランに集中しており、総数の約70%以上を占めている。

 会議では、「法律執行状況調査チームが近日、北京、上海、広東、浙江、福建、
湖南、重慶等の地域に調査を行い、9省・自治区・直轄市の人民代表常務委員会
に委託して現地の「労働法」執行状況を調査してもらう」ということが明らかに
なった。〔第一財経日報10月17日〕

●「搾取工場」調査 労働者にサービス残業や低賃金を強制 上
 中国は世界最大の玩具生産国で、各種の玩具生産企業と玩具輸出企業は6500数
社に約1300万人の従業員がいる。2004年の中国玩具輸出総額は150.9億ドルに達
している。
 広東省は中国でも最も重要な玩具の生産輸出基地で、現在玩具企業が4500数社
ある。米国、ヨーロッパ、日本が玩具輸出の輸出先として90%を占めている。
 そのうちアメリカが輸出総量の60%以上を占めている。なお、アメリカ国内市
場の80%以上の玩具に「Made in China」のタグが印刷されている。

〈玩具はどのようにつくられているのか?〉
 2005年の1月から4月まで、広東省東莞市の11社の玩具製造工場で無作為に調査
を行い、さらに8月にもう一度追跡調査をした。調査を行った工場は、東莞凱竜
玩具厰、捷領玩具厰、雅田玩具製品厰、東旭玩具厰、溢勝玩具厰、国聯塑料製品
有限公司、威旺塑膠玩具厰、竜華玩具厰、順達玩具厰、龍昌玩具厰、領先玩具厰
である。
 これらの工場の大部分が香港資本による企業で、取引先は主にアメリカの大規
模玩具販売店と小売商で、ウォルマート、ハスブロ(Hasbro)、マテル(Mattel)ファストフードチェーン店のマクドナルド、ケンタッキーなどである。
 2度の調査で200名近くの労働者を取材し、広範囲で労働者の給与明細表、タイ
ムカードなどの記録を集めた。この11社の工場を手がかりにして、広東省の玩具
製造業の一般的な労動条件を展望する。

 1社が生産オフシーズンに中国労動法を守っていただけで、残りの10社の工場
では、労動法に違反した行為が行われていたことが調査でわかっている。
 例を挙げると、中国労動法では勤務時間については、労働者1日当たりの勤務
時間は8時間以下で、1週間では40時間以下でなければならない。必要な際は残業
することができるが、1日に3時間以下で、1カ月では36時間以下でなければなら
ない。労動法では毎週1日以上を休日とすることを定めている。
 このように法は整備されているが、調査を行った11工場中では1社だけがオフ
シーズンに基本的に労動法の勤務時間を遵守していただけであった。他の工場の
労働者は実質的な毎日の勤務時間はどの工場も11時間以上で、その中の7工場は
かなりひどい状態で、毎日14.5時間も働いている。
 それから、半数以上の工場労働者は毎週7日間働いており、残りの工場でも週6
日間労働で1日の休みか、月に2日の休みである。このように、多くの労働者は毎
週80―90時間労働であり、最盛期や工場が生産を急いでいるときの労働時間はさ
らに長くなる。

 給料待遇では、大多数の玩具工場では時給計算で、一定の生産ノルマが定めら
れており、労働者は規定時間内にノルマを達成しなければならない。時給計算に
よって実際にはかなりの程度を労働者に強制している。
 東莞の最低月給は574元で、法に定められた方法で計算すると時間給は3.43元
になる。

 それから、労動法第44条の規定では、勤務日に残業する際は残業分の給料は通
常の給料の1.5倍以上でなければならない。また、休みの日の残業は代休で補う
ことはできないとされ、正常な給料の2倍以上が支払われるとし、法定祝日は3倍
以上としている。
 しかし、調査した10工場の給料は、東莞の最低賃金水準より低く、法律によっ
て定められているような残業代も支払われていない。

 凱龍玩具工場を例に挙げると、この工場の標準時給は1.9元で、東莞市の最低
賃金水準の1時間3.43元の53%にすぎない。
 そして、この工場には「残業」という概念がない。土日の勤務時間も平常勤務
として計算されており、超過分の残業手当はない。この計算ではこの工場の労働
者は、毎週7日間勤務で80.5時間労働(月曜日―土曜日の毎日12時間、日曜日8時
間半)、週給は152.95元で、月給611.8元しかもらっていない。
 仮に、凱龍玩具工場が法律にのっとって給料を支払うとすれば、週給は380.73
元で、毎月少なくとも1500元以上支払わなければならない。
 時給での計算では、労働者は当然支払われるべき残業代は受け取ることができ
ず、凱龍玩具工場の労働者は法律上受け取るべき給料の40%しか実際には支給さ
れていない。週給だけでも毎週227.78元も少ないのだ。仮に法定祝日に残業をし
ていれば、この数字はもっと高くなる。

 中国労働者の労働力が「安い」のは、この例をみてもよくわかるであろう。

〈誰が労働者から残酷に搾取しているのか?〉
 労働者に残業や最低賃金以下の給料を強制しているほか、調査した工場では労
働法規を破っている実情がまだ他にもある。
 圧倒的多数の工場では、労働者のための医療、労災、養老保険に入っていない。
労働社会保障機関が検査に来るときにだけ一部労働者を保険に加入させているが、
労働者にすべての費用を負担させている。

 頻繁に週末に残業するということのほかに、労働者が法で定められている有給
休暇をとっているのはかなり少数で、ひどい工場では結婚や葬式でさえも休暇を
取ることが難しく、産休は言うまでもない。
 多くの工場では労働者に対して罰金制度を行っており、不法な身体検査があり、
主任はいつも口汚くののしっていたり、ひどいものでは労働者を殴ったりしてい
る。

 大多数の工場では18―30歳の労働者だけを募集しており、16歳以下の少年工を
雇っている工場もある。
 多くの工場は、労働者に対して、工場の食堂で食事してもしなくても、食費を
納めさせている。
 労働者の居住条件は極めて悪く、10数人、ひどいところでは20数人もの労働者
が、満員の寮に住んでおり、1つのフロアにトイレは1つしかなく、それを100人
で使用している。
 ある工場では軍隊式の管理を実行しており、労働者は自由に工場に出入りする
ことさえ許されていない。
 工場はいつでも労働者の1カ月の給料を差し押さえることができ、労働者が辞
職するときには口実をつくって最後の1カ月間の給料を支払わないということが
かなり頻繁に行われている。

 調査でわかった以上のような実情は玩具工業特有のものではなく、また東莞特
有のものでもない、珠江デルタ、東部沿海地区全体の輸出加工製造業の労動条件
の縮図である。多くの国際学者は、このような労働環境を19世紀の「搾取工場」
と同列に論じている。
 以上のようなことが行われている原因は、メーカーに人道的感覚が欠如し、欲
に目がくらんでいることだけが原因ではないことは調査によってわかっている。
〔中国青年報10月12日〕
(次号に続く)

……【金融】………………………………………………………………………………
●地方政府で異なる金融資源 地域差が生まれる要因
 浙江モデルと蘇南モデルという2つの異なる発展モデルが、同じ長江デルタに
位置する浙江省と江蘇省に異なった金融環境をもたらしている。
 2004年、浙江省の金融債権の不良債権率が2.6%であるのに対し、江蘇省は8.85%
に達し、両者の開きは6ポイントだった。
 また、金融債権の質について考えると、中国の地域間金融環境には大きな違い
が存在し、その差は最大10倍以上に達している。

 「上海証券報」は19日、中国社会科学院金融研究所「中国都市金融生態環境評
価レポート2」を独占発表して、これらの数字の背後に隠れている違いについて
詳しく説明した。
 報告では、経済地理的な文化の違い、地域経済発展モデルの違い、中央政府に
主導された非均衡的な地域発展政策などがこれらの違いをもたらした重要な要素
であり、そして、現行体制における各レベルの地方政府の行動形態の違いが地域
間の違いをもたらした主因だと分析している。

1) 地方政府の財政権限と事務権限が同一でないことが、地方財政の逼迫をもた
らしている。
 財政権限は比較的はっきりしているにもかかわらず、各レベルの地方政府が日
和見主義傾向で金融のルートを通じて中央政府の金融ローンを使っている。

2) 地方政府における正常な市場化融資の手段が欠如しているため、国有金融シ
ステムに対するコントロールを強化するか、あるいは新機軸を打ち出す金融革新
を推進するしかない。
 現在、各レベルの地方政府が借り入れを行う場合には通常、各種の都市インフ
ラプロジェクト融資を成立させ、経営管理の都市建設投資会社をつくり、それら
の会社を通じて市場から資金を調達している。
 つまり、地方政府はこれらの会社を通じて事実上直接市場競争に参加する営利
主体となっている。

3) GDPの政治業績の審査が別の日和見主義を招いている。
 地方政府が主導した投資拡張は何度禁止しても禁止し切れない。これも多くの
イメージプロジェクト、業績プロジェクトを生み出す制度的な根源となっている。

4) 制度疲労が環境に影響を与え、地方政府は金融と土地の資源を操作して利益
を得ている。
 中央政府が少しずつ一部の金融資源のコントロール権限を移譲し、地方政府は
ある程度金融活動に関与する権限を引き継いでいる。〔上海証券報10月19日〕

●香港の人民元業務の開放進む 法人業務は未開放
〈新任の特別行政区のトップ、ドナルド・ツァン 初の施政報告〉
 香港の銀行界が心待ちにしていた人民元業務の開放が、ようやく一歩進んだ。
 香港特別行政区の曽萌権(ドナルド・ツァン)・新行政長官は、着任後初めて
の施政報告を実施。香港特別行政区政府の提案に基づき、中央政府が香港の現行
の人民元業務現行を引き続き拡大し、さらに香港で人民元の新業務を開始するこ
とにも同意したと発表した。
 中央政府は早急に決定し、正式に公布するという。

〈人民元業務は5項目を拡大 1項目を追加〉
 香港の人民元業務のさらなる規制緩和がいつ実施されるか、香港銀行業界の注
目の的となっていた。ドナルド・ツァン行政長官が発表した情報と金融界の期待
の間には落差はあるものの、香港の銀行業界を鼓舞するものだった。

 現行の人民元業務、5項目が拡大された。具体的には以下のとおり。
1) 一人当たりの人民元の交換限度額を引き上げ、現行の現金で6000元以下から、
口座を通せば一人当たり2万元まで交換可能となる。
2) 香港の銀行が発行する人民元カードに設定されている現在の10万元の与信限
度額を廃止する。
3) 香港居住者の人民元建て送金の限度額への現行の規制、1日当たり5万元を緩
和する。
4) 香港が指定顧客から受理できる人民元払い業務の範囲を拡大する。
5) 香港が指定する顧客に人民元建て口座の開設を認め、あわせて口座に入金さ
れている人民元を預金証書で香港ドルに交換できるようにする。

 新設される人民元業務は1項目で、香港の居住者に対して一定額を限度に、人
民元建て小切手の使用を認めるというもの。ただし、香港居住者の広東での消費
に伴う支払いに限られる。

 香港では2004年初めに、人民元の預金、交換、送金、クレジットカード業務の
4つの人民元業務が開放された。だが、個人の消費に限られたもので、投資など
の資本取引については開放されなかった。

〈法人業務は開放せず〉
 法人業務は今回も開放されていない。
 このところ、中国本土の企業は香港を最初の上場先として選ぶようになってい
る。中国本土企業が香港で、債券、シンジケートローン、プロジェクトファイナ
ンスを通じた資金調達の活動も増加し始めている。

 香港のハンセン銀行は、「第十一次五カ年計画」期間はこれらの業務に注力す
ることを公表。香港にとっては千載一遇のチャンスだ。
 香港最大の中国系銀行東亜銀行も、法人向け人民元業務を切望している。
 同行の李国宝・董事会主席も「第十一次五カ年計画」期間中に、香港の銀行に
人民元建て債券の発行、本土企業向け人民元業務を認めるよう希望するとの考え
を明らかにした。
 ただ、ドナルド・ツァンの施政報告では、こうした業務については触れていな
い。

〈「自由行」をさらに拡大〉
 ドナルド・ツァン行政長官は10月12日の施政報告で、人民元業務が引き続き拡
大されるほか、香港経済のカンフル剤として、香港経済を大きく押し上げた本土
居住者の「自由行」(中国本土から香港への個人旅行の解禁)計画が、11月から
さらに拡充されることも明らかにした。
 ドナルド・ツァン行政長官は、「自由行」計画が11月1日から成都、済南、瀋
陽、大連の4都市にふえると発表。しかし、香港が積極的に拡充を続ける珠江デ
ルタ地域の省庁所在地での「自由行」はなお実施されていない。

 香港・マカオ問題の専門家、堯秋根・博士は本紙の取材に際し、実のところ、
香港はみずからが実施する香港に訪れる観光客の統計ランキングに基づき、「自
由行」の開放都市を徐々に拡大していると指摘する。本土の観光客が香港にもた
らした経済的利益が、貨物貿易をはるかに上回っているためだという。
〔北京晨報10月13日〕

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●中国全国郷鎮レベルの純債務は約5000億 農業部内情を探る
 農業部は12日、「村レベルの債務管理の強化、新増債務の断固制止に関する通
知」(以下「通知」と略)を発表、村レベルの動向監視メカニズムの設置を求め、
年末に中国全国の村レベル債権債務を徹底的に調査し、指標とフォーマットを統
一し、全国村レベル債務変動状況を追跡監視した後、村レベルの債務コントロー
ルデータバンクを設立する。

 ここ数年、郷鎮、村レベルの債務がふえつつある。
 中国社会科学院農村発展研究所の湖南桃源県にある40の郷鎮調査によると、2002
年末、各郷鎮の平均負債は2900万元であり、負債2000万元以上の郷鎮は15、最高
額で1万933万元となった。

 「通知」では、内情調査をし、債権債務関係を確認することが強調されている。
簿外債権債務を統計範囲内に繰り入れ、県郷レベルの農村経営管理部門が村レベ
ルにおける債権債務統計作業の展開の指導をしっかり行い、村レベルの債権債務
について分類、統計しまとめる。

 「通知」は、民主、公開、公平などのプロセスを経て債権債務関係を明瞭にし、
調査照合の結果を公表し、掲示板に公告することを指示している。
 異議申し立てがある突出した問題に関しては、もう一度調査照合し直す。
 確認後の村レベルの債権債務は、実情に照らして正しく債権債務が発生した時
期、数量、取扱者、証明者等の状況を分類、登録する。確認結果は郷鎮農村経営
管理部門に報告して、記録に載せる。

 農業部はまた、今後農村の集体財務管理と会計監査業務を強化し、県郷両レベ
ルの農村経営管理部門は村レベル債務の会計監査の役割を担い、現実に発生した
債務を事実に基づきチェックし、虚偽債務を取り除き、プロセスに合わず不合理
な債務支出を帳簿に入れないように求める。
 そのほか、「通知」には、新規債務を断固制止し、責任追及制度をつくり、村
レベルの動態監視測定メカニズムを設置することなどを提案している。
〔第一財経日報10月14日〕

●農村社会の養老システムをつくるのは政府の責任
 「多くの農民は養老年金を払えないわけで、農村社会に養老システムをつくる
のは政府にかかっている」中国全国社会保障基金理事会の項懐誠理事長は北京大
学の講演で次のように述べている。

 項懐誠理事長によると、理由は二つある。
 第一に、政府財政はすべての国民に等しく平等であるものであり、農村の養老
システムを徐々につくっていくことは政府の責任である。
 第二に、農村は都市発展を支持しており、「現在既に都市が農村に利益を還元
する時期にたどり着いている」という。
 項懐誠理事長は、農民に養老年金を納入させたとしても、それは相当長い時間
軸のうちの一つの時間内にすぎず、多くの範囲では象徴的に納入されるにとどま
ると述べている。

 項懐誠理事長によると、中国は農村人口が総人口の60%を占めており、いまだ
に農業国家であると指摘する。改革開放以降、農村はその様子が随分変化したも
のの、都市と農村の格差は縮小しているわけではない。
 養老システムについては、このような格差は最も際立っていると言える。目下、
一部の発展した地域では農村に社会的な養老モデルを模索しているが、その規模
は小さい。多くの農民は社会的な養老モデルにアクセスできず、高齢者の生活は
農地や子供の援助に頼っている。そして、このような伝統的な養老モデルは維持
困難になっている。

 項懐誠理事長によると、2005年9月末現在、中国全国社会保障基金理事会の資
産は1917.20億元である。そのうち、銀行預金が941.96億元(そのうち協議預金
が616.00億元)で49.13%を占め、債券は607.00億元で31.66%を占め、株式資産が
116.35億元で6.07%を占め、株式投資が251.89元で13.14%を占めている。
 社会保障基金は現在、交通銀行に100億元を投資している。項懐誠理事長によ
ると、社会保障基金は少なくとも、中国銀行、工商銀行、建設銀行の3行中2行に
は毎年60億―100億元投資している。

 社会保障基金の海外への投資問題について、項懐誠理事長は、「これはリスク
を集中させるか分散させるかという問題である。つまり、卵を2つのかごに入れ
るかもっと多くのかごに入れるかという問題である。1つのかごにだけ入れるの
は安全ではない」と述べた。
 国務院は昨年2月9日に社会保障基金の海外投資について承認し、1年以上の時
間をかけて関連部門では海外投資管理の暫定弁法を起草していた。
 「しかし、目下の国内株式市場の不景気により、社会保障基金が海外に行くん
じゃないかという批判を避けるため、現在は社会保障基金は海外進出を急がず、
一応保留しておきたい」
 項懐誠理事長は、海外投資は社会保障基金理事会にとっては徐々に発展させる
過程であり、海外投資の機会は初期段階では少ないのではないかとしている。

 項懐誠理事長はさらに、社会保障基金理事会は、全国の社会保障基金の投入規
定を「中国の高齢化のピーク(2025年あるいは2030年)より前には元本と収益は
投入せず、それ以後は収益部分だけを投入する」ことを明らかにしている。
 しかし、現行の規定では、2003年中国全国社会保障基金理事会の理事会議で
「今後5年以内は元本、収益とも使用しない。今後5―10年のうちで必要があれば、
収益のみを投入することができる。元本は投入しない」となっている。
 項懐誠理事長は、関連部門では既に新しい意見のコンセンサスづくりを進めて
いるが、最終的には国務院の制定する条例によって発表されると述べている。〔中国経済時報10月13日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                        (中国人民銀行10月24日発表)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     7.0176  808.85  104.24   974.01
関連ページ:http://www.bank-of-china.com/
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《編集者コラム――ボランティア》
 週末に、ボランティアを運営していく上で何が大事なのかという話をたまたま
聞いていて、目標や計画どおりにできていないことはまあ仕方ないじゃないかと
いう励ましをもらったりしました。
 とても忙しくてボランティアどころじゃないのにボランティアをやらないとい
けないときはどうしても計画どおりにいかず思い悩んでしまうのですが、営利活
動ではないので目的を絶対的なものにしたり、目的に達しなかったから落胆した
りしないことが大事みたいですね。
 できないできないと考えていても仕方なく、あれもできたこれもできたとか、
あれはできなかったけどこれはできたじゃないかという気持ちを持って、継続す
ればきっと何か残るものはあるでしょうと考える。こういうのは多かれ少なかれ
普遍的な考え方なのかもしれません。
 日々が大変忙しく、手がけているものすべてに手が回っていない状況なのです
が、よくよく考えれば、このメールマガジンも依然としてボランティアだけでこ
れを運営しているし(翻訳者、随時募集してますので、やりたい人がいたら応募
してくださいね)、毎週それなりのトピックを集めて出して何年もやっているの
だから、いまさら焦る必要もないし、それだけで物すごいと振り返って思うこと
は大事ですね。(ま)

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(200号以降 2003/2/18―)
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(199号まで)
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:劉志軍 戴小芳 アヤ 平井玲子 郭暁楠 奥谷道弘
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