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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.498 2009年12月22日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:5,940名(2009年12月21日現在)

━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「中国最新情報」は年末年始のため、4週間休刊します。
 次回配信は2010年1月26日の予定です。

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:治安と安全のための整備と規制】
●電動自転車が1月1日から「自動車」扱い 新しい国家基準で物議
●来年 中国の生命保険料収入 1500億ドル突破
●中国マフィア 「企業化」により政治・経済領域に浸透

┏【国内政策】
●重慶市高等裁判所 公務飲酒による死亡は労災とする暫定規定

┏【社会】
●中国ホワイトカラー5割に「疲労感」

┏【経済データ】
●外国為替(12月21日)

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……【特集:治安と安全のための整備と規制】………………………………………
●電動自転車が1月1日から「自動車」扱い 新しい国家基準で物議
 国家基準管理委員会はこのほど、「電動バイクと電動軽バイク通用技術条件」を
発表し、2010年1月1日から実施すると明らかにした。
 今回の基準は、車体重量40キロ以上、時速20キロ以上の二輪車を電動軽バイクあ
るいは電動バイクに名称を改め、自動車の範疇に組み入れるとするもの。
 つまり、中国にある1.2億台の電動自転車は自動的に電動軽バイクという名称に
変わり、運転手は免許を取得して、自動車の免許証を掲示しなければならなくなる
可能性がある。こうした情報が明らかになり、世間で物議を醸している。

 「道路交通安全法」には「非自動車は速度が時速20キロを超えてはならない」と
明確に定められている一方、中国の1.2億台の電動自転車の大部分はこの基準を超
えている。
 電動自転車が自動車の基準に従って管理されると、電動自転車の運転手は適時免
許を取得し、オートバイや各種自動車と一緒に自動車道路を走行することになる。

 電動自転車は、オートバイに比べて価格が安く充電も簡単で、大気汚染がない上
に小型自動車と車線を取り合う必要がない。自転車と比べると、電動の補助でより
遠くまで走行でき、都市部の中短距離の走行には最良の移動手段で、都市部の交通
手段では首位の座を譲らない。このようなことから、電動自転車の人気は高まるば
かりだ。
 浙江省の自転車協会を取材したところ、浙江省には1000万台の電動自転車があり、
杭州市だけでも100万台あるという。

 「今回の規定は、家で調理するのに家庭調理師免許を取れ、取らないのならレス
トランへ行けと言っているようなもの」あるネットユーザーはこう書き込み、規定
の非常識さに疑問を投げかけている。〔中新網杭州2009年12月11日〕

●来年 中国の生命保険料収入 1500億ドル突破
 ボストンコンサルティングとスイス再保険は10日、共同して「中国銀行保険業務
報告」を発表し、2010年、中国の生命保険料収入は1500億ドルの大台を突破し、現
在保険料収入世界第5位のドイツを大幅に上回ると予測した。
 現在、中国の銀行、保険業務における「多数向けの商品を広く販売」するモデル
では持続可能性に欠けており、もしこのモデルが変わらないのであれば、中国の銀
行、保険業務はすぐにも販売のピークを迎えてしまうことになる。

 報告では、銀行は金融サービス領域で大きな営業力を持ち、通常、多くの保険ブ
ランドの代理業務をすることが可能であるが、比較的簡易な貯蓄性保険を漫然と販
売していると指摘している。
 長期的に見れば、このような多数向けの商品を広く販売するモデルの継続は困難
である。それらは保険業が本来持つ豊富な価値がなく、かつ保険会社による商品開
発、営業販売やサービスのイノベーションにつながらないからだ。
〔2009年12月11日新京報〕

●中国マフィア 「企業化」により政治・経済領域に浸透
 中国の政府メディアによると、ここ10年のマフィア犯罪はすさまじい勢いで激し
さを増している。表面上はマフィアのリーダーやその庇護のもとにある極悪犯罪者
の行為と見てとれるが、実際には社会全体が根本的に病んでしまっている。

 新華社に属す「国際先駆導報」の8日の報道によると、1949年の中国共産党政権
樹立後、旧中国マフィアは徐々に消滅していったが、改革開放後、火の消えた灰が
再度燃え上がり、ここ10年でますます激しくなっている。
 1990年代、マフィアというと、やはり手や足を出す、直接的な暴力犯罪が中心だ
った。しかし、2000年以降になると、マフィアは会社化、企業化に向かって変化を
遂げ、まず暴力をもって本来の投資蓄積を獲得、その後に経済・政治領域に浸透し
ていくという形態になってきた。

〈2度のマフィアたたき たたけばたたくほど悪化〉
 学者の観点を引用した報道によると、2000年と2006年、中国ではマフィアたたき
に特化した2度にわたる闘争が行われた。しかし、かえって「たたけばたたくほど
悪化」してしまった。その主要因は、マフィアの勢力範囲がとどまることなく拡大
していたからである。
 社会の体制移行の過程で、地方政府が市場によって支配するべき資源を支配し、
レントシーキングする一方、監督管理も行き届いておらず、マフィア介入も当然起
こり得るものだった。中国のマフィア撲滅は持久戦ということになる。

 第一ラウンドのマフィアたたきの中で、瀋陽市人民代表大会代表で信用嘉陽集団
の劉湧董事長は、マフィア組織をつくり、それを率いた組織罪、故意傷害罪等多く
の罪名により、執行猶予2年の死刑判決となった。
 常軌を逸することだが、劉湧董事長は、大量の銃器と弾、隠し刀を購入し、前後
して30以上の殺人事件を引き起こしただけでなく、暴力によって急速に富を得てい
くことにずっと便宜を図り続け、「著名な私営企業家」となった。
 劉湧董事長の庇護を受けていた者の中には、瀋陽市の馬向東副市長、瀋陽市中級
人民法院の焦〓瑰副院長、瀋陽市和平区労働局の高明賢副局長等がいた。

 今回の重慶でのマフィアたたき騒動では、既に200以上の司法幹部が地下組織案
件にかかわっていることが調べ上げられている。その中には、庁クラス、副庁クラ
スの政府職員が10人以上存在する。
 華東政法大学刑事司法学院の邱格屏教授は、「これは、決して個々の政府職員の
思想・素質の差異によってもたらされたものでも、マフィア組織のレベルアップに
よるものでもなく、腐敗体系の変化によるもう一つのサインである。これは、反腐
敗の道筋がさらに困難になることを予期している」と考える。

 中国犯罪研究会の康樹華名誉会長は、1990年代中ごろには「組織犯罪は既に中国
大陸の各省にまで拡大した。ある一部の省においては、組織犯罪は都市全体から農
村におけるある程度の町まで既にのみ込んでしまっていた」と見ている。
〔大公報2009年12月9日〕
注)〓は、おうへんにのぶん

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●重慶市高等裁判所 公務飲酒による死亡は労災とする暫定規定
 10日、重慶市高等裁判所は「労災行政訴訟案件審理における若干の問題に関する
暫定規定」(以下「暫定規定」)の改定を発表した。
 当該「暫定規定」の内容は多方面にわたっている。例えば、酒酔いによる負傷や
死亡は労災とみなすかどうか、あるいは、自家用車で出社の際、運転手が受けた負
傷は労災とみなすかどうか、社員が無免許で通勤したことによる負傷や死亡は労災
とみなすかどうかなどである。

 市高等裁判所行政審判法廷の樊非裁判長は、「暫定規定」は既に下級裁判所に通
達され、即日実施したと述べた。

〈公務飲酒は特別対応〉
 「暫定規定」第13条は、社員が就業中あるいは就業前に酒類を飲用し、就業中ア
ルコールの影響を受け、行為が正常でなく、本人の行為により負傷あるいは死亡に
至ったものは酒酔いとみなし、会社は労災の賠償の責めを負わないとしている。

 これは、社員が上司の指示あるいは業務として飲酒の接待が行われたことにより、
負傷や死亡に至ると労災とみなさないということを意味するのだろうか?

 市高等裁判所行政法廷の数名の上席裁判官による規定の解釈によれば、「暫定規
定」は社員の飲酒後に生じた行為に対する規定で、かつ業務と密接に関係する。
 もし、業務のために飲酒し、死亡したり負傷したりした場合、実際の状況に応じ
た個別の対応をとる必要がある。もし、使用者あるいは職場の管理部門の指示によ
り飲酒し、死亡したり負傷したりした場合は、会社はこれを労災とみなさなければ
ならない。

 これは「労災保険条例」の暫定規定の内容とは異なる。「労災保険条例」では、
飲酒による負傷や死亡は労災とはみなさない。もし、飲酒が会社での行為とみなせ
ない場合には個人の行為であり、アルコールによって例えば転倒によって負傷した
場合は、労災とはみなさない。
〔和訊網2009年12月11日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●中国ホワイトカラー5割に「疲労感」
 中国都市部における生活のプレッシャーはますます大きくなっており、都市部の
ホワイトカラー層の5割が「疲労」を感じている。
 プレッシャーの原因としては、持ち家や父母の健康、結婚及び子供の教育が挙げ
られるが、その中でも持ち家が最大のプレッシャー源となっている。

 「揚子晩報」は、先日公布した「中国都市部「エリートホワイトカラー」層健康
白書」において、北京が最も健康面でのプレッシャーが大きい都市であり、次いで
広州、上海、深セン、南京がその上位5位を占めた、と伝えている。

 今回の調査は北京最大の検診機関である慈銘体検が主催しており、6カ月の期間
を費やし、北京、上海、広州、深セン、南京、大連、武漢等十数カ所の直轄地及び
省都都市部に住む300万人分の健診データサンプルをもとに、全国都市部のエリー
トホワイトカラー100万人近くを対象に大規模な健康調査を行ったものである。
 内容には、都市部ホワイトカラーの「生活方式」「健康意識」「かかりやすい病
気」「従業員福利」「健康に対する投資」等が含まれ、年齢26―45歳、月収5000―
1万人民元の人々がその主な対象である。

 この調査で、ホワイトカラーの目下の心理状態の上位3位を疲労感49%、平凡感46%、
いら立ち38%が占め、また一方で満足と回答した者が1割にも満たないということが
明らかになった。

 調査によると、外資系企業の管理人員の過労が最も多く、国営企業上層部、私営
企業主、ニュースメディア、IT等業界においても広く過労が存在している。

〈持ち家が最大のプレッシャーに〉
 データによれば、これらの都市部エリートホワイトカラーは生活リズムの不規則
な者がその8割を占め、慢性疾患の発生率が高く、本来中年から衰え始める「生理
学的年齢」が10年前倒しになる、つまり10年早く衰えの兆しがあらわれ始めている。

 「賈君鵬、君の母さんが家に帰って月餅を食べるよう呼んでいるよ」。賈君鵬と
いう架空人物をもとにしたネットユーザーの書き込みが流行したが、この言葉が中
秋節前夜ネットで流行した背景には、他郷に勤める「移住ホワイトカラー」が事業
と肉親の情との板ばさみに遭ったときのいかんともしがたい心情が広く共感を呼ん
だということがあるだろう。

 調査では、持ち家を第一のプレッシャーとする回答者が46%と、仕事や子供の教
育といった要素を上回り最大のプレッシャー源となり、父母の健康問題が38%と第2
位を占めた。不在中に故郷の家を守る「子供と同居していない老年父母」の健康を
管理する者がいないという問題が「移住ホワイトカラー」の気がかりとなっている。
また、「学歴高収入の結婚適齢期を過ぎた男女の未婚」問題も、ホワイトカラーが
満ち足りていないと感じる原因の一つとなっている。

 このほか、エリートの発生率の高い疾病としては、主に脊椎病、血中脂肪の増加、
血糖値の上昇、脂肪肝、眼科疾病が挙げられる。
 また、56%の企業高官に過労が見られ、企業高官の発生危険率の高い疾病として
は、主に体重の増加あるいは肥満によるいわゆる「三高」高血圧、高血中脂肪、高
血糖が挙げられる。〔聯合早報2009年12月6日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                      (中国人民銀行12月21日20:15)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     7.543   682.83    88.03  978.73
関連ページ:http://www.boc.cn/
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《編集者コラム――ことしもお世話になりました》
 今年もやっとメールマガジンの作業が終わりました。
 今年から隔週発行になり、読者様のもとに情報が届くのが遅くなってしまいまし
たが、おかげさまで作業負担は半減し、この1年間、全ボランティア体制での発行
が継続できてよかったです。
 来年は1月26日から発行します。引き続きよろしくお願いします。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手(記事検索も行えます)
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:リン 神谷輝雄 アマノジャク 竹内はる菜 荒木千春
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