CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.729 2020年2月3週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
登録/解除:http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ツイッター始めました https://twitter.com/bizchina_jckc

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:知的財産とブランドを活用した若年齢化シフト】
●70後は貯金、80後は返済、90後は消費 その1

┏【李年古の日中異文化交流術】
●2020年春節に帰省した際の見聞 上

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:知的財産とブランドを活用した若年齢化シフト】……………………
●70後は貯金、80後は返済、90後は消費 その1
 2019年10月18日、豹変学院主催の四期四課「IP製品」授業において、豹変IP創始者、
豹変学院院長の張大豆氏は「人格化IP製品とブランドの若年齢化」をテーマとする講
話を行った。

 2019年のIP化情勢は、「浪」である。
 この1年で、スターとインフルエンサー、ボスとスタッフ、ニュースとキャスター
等の個人IP属性を持つグループは全て「浪」を起こしている。老干媽パーカー、大白
兔リップ、六神とRIOが共同発布した花露水カクテル、瀘州老窖香水、福臨門クレン
ジングオイル等々、業界を超えてコラボするIP製品もますます「浪」を起こしている。

 そして、「浪」の本質は、若年齢化である。
 IPの若年齢化は、各企業及び創始者の必修科目であり、そのうち、ブランドの若年
齢化の核心とは、製品の若年齢化である。

一、WHY:製品の若年齢化の必要性
 製品が若年齢化しない場合、以下の非常に直接的な2つの結果に直面することになる。

1. 販売量の断崖的下落
 現在、グッチ、ルイヴィトンのような高級ブランドが方向転換して流行ブランドと
コラボを開始しており、バーバリーは今年(2019年)、VIシステムのアップグレード
を行い、歴史ある高級ブランドが、今年はみずからのロゴさえも変えてしまった。
 若年齢化を行わないと、まず直面するのは販売量の断崖的下落であり、次にブラン
ドの死滅だ。
 この2年、全てのブランドに5000―8000元前後のバッグが出現しており、主に若年
層の消費を狙っている。
 若年齢化行動がなければ彼らは買おうとはしない。これには化粧品も含まれる。

2. 真の決定権を持つ小グループ消費ユーザーを逃す
 今年、大多数のブランドが若年齢化調整を行っている。SNSやライブ配信、Tモール
を含む第三者サービスプラットフォームまでもがその中へ身を投じている。
 消費型ブランドのこれほどまでに大きな行動に至った背後にある最も重要な推進力
は、ここで若年齢化調整を行わなければ、真の決定権を持つ小グループ消費ユーザー
を逃すということである。
 90後、95後の消費習慣は変化を続けているが、その変化の源は、事態や製品が変わ
ったためではなく、消費者の消費動機が変わったということである。

二、WHAT:製品の若年齢化の解釈
1. 製品の若年齢化の核心は、新「若者」への理解

1) 消費観
 若者は1個7元の物を買い、さらに7元の配送料を支払うといったように、みずから
の具体的ウイークポイントを解決するためのサービスへは喜んで支払いをする。

2) ステータスの共感
 これは主に製品が彼及び彼女に与えることのできるステータスのことであり、スタ
ーと同モデルというのは最も簡単な方法である。
 若者は更新費用の支払いを極度に好み、例えば、ある製品が毎月更新される場合、
彼らは毎月そのための費用を支払うことを希望する
 多くの若者は細かい部分に対する世代交代に対する支払いを好み、iPhoneを例にと
ると、その世代交代はわずかな変化であるが、若者はそのために喜んで支払いをする。

3) 体験とコントロール
 現代の若者は、実況字幕、タイムリーな投げ銭の管理といったリアルタイム・イン
タラクティブ的な体験をより好む。

4) ステータスのための購入
 ある95後の女性は、収入は決して高くはなく、二、三、四線都市で毎月の収入は3
―5000元程度であるが、喜々としてみずからのステータスを証明することのできる物
を買う。
 これらの若者の考え方では、全ての製品の枠組みは彼らに存在感、優越感を与えな
ければならない。例えば、アイドルやアニメのようなライフスタイル、サブカルチャ
ーのグループである。
 サブカルチャーの心理は、マニアックなグループづくりである。これは極めて個別
なグループのみが好み、大衆や曖昧さを拒絶することを意味する。

 新しい若年齢化グループに必要なのは、はっきりと目に見えることである。
 高級という単語がある。月の収入が5000元しかない人があなたより高級な生活を送
っているという現象がある。
 95後、00後の高級に対する追求は、私たちのような消費実力がある者を大きく上回る。
 また、彼らの高級に対する追求は私たちにも変化を生じさせる。全てのビッグブラ
ンドの若年齢化でさえ、それら周辺ブランドによるものである。
 若者にとって見栄えは非常に重要であり、興味の精神も同様に重要だが、最も重視
しているのはイデオロギーである。若者の消費特徴は、70後は貯金、80後は返済、90
後は消費である。
 興味深いこととして、特に主流の中産階級ではないとしても、中産階級的な生活を
送っていることがある。
(次号に続く)
〔聯商網2019年12月30日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●2020年春節に帰省した際の見聞 上
 この春節の期間に深センの住まいから故郷の長沙まで帰省し、その際に見聞したこ
とについて報告します。私は幸い新型肺炎とは関係なくいたって元気ですので、心配
は無用です。今現在、コロナウイルスの封じ込めに対処されている関係者の皆さんに
は心からお見舞いを申し上げます。

〈28日(初四) 日本に戻って〉
 深センから羽田空港に着いた時、正直に言えば、安堵の気持ちが一気に込み上げて
きた。
 今回の春節の帰省を波瀾曲折なものだと例えたとすれば、それは、今なお新型肺炎
の恐怖に巻き込まれるかもしれない中国人の同胞に大変失礼だと思うが、内心では、
その言葉でしか自分の心情を表わすことができないと思っていた。

▽春節前の深セン滞在
 私が東京を出発して深センに着いたのは、1月8日だった。早く故郷の長沙に帰りた
かったが、14億人がこの時期で一斉に帰省するタイミングである。ネット上で切符を
購入するのであれば、30日前の深夜0時から秒速の単位でパソコンを操作しなければ
ならないと言われているから、高鐵の切符を入手することは至難のわざである。幸い
なことに、友人が宝くじに当たるような確率で1月20日の切符をとってくれていた。
 長沙への出発前、私は深センの薬局でマスクを買っていた。その時点では、中国に
は新型肺炎についての情報がほとんどなかった。私は、日本で身につけた習慣として、
単なる衛生上の考慮で買ったマスクをつけたまま長沙行きの高鐵に乗った。
 感染する危険が近づいていることを全く知らずにいたおかげで、私はかえって深セ
ンの2週間をたっぷりと楽しめたのだと言えるかもしれない。朝の飲茶を欠かさず、
友人らとの仕事の打合せや食事会や映画鑑賞などなど、深センでの滞在を満喫してい
たぐらいである。

▽20日 長沙到着
 さて、高鐵に乗り、長沙に着いたのは夜の10時ごろである。泊まったホテルはいつ
も利用しているセントレジスホテル。温水プールがあって朝食が豊富なので気に入っ
ている。しかも、友人が支配人と知り合いだから、宿泊を半額にしてくれることも抗
しがたい魅力の一つであった。

〈24日(除夕・大晦日) 武漢市閉鎖後の状況〉
▽武漢市閉鎖のニュースの翌朝
 昨日、武漢市が閉鎖されるというニュースが流れると、中国全土の空気が一気に固
まった。1100万人の大都会で、しかも旧正月の直前の発表であることも相まって、前
代未聞の危機感がすぐさま広がってきた。これまで、「人との接触感染」の情報はネ
ット上のチャットでひそかに流れてはいたが、すぐに「デマ」として厳しく封じ込ま
れてきていた。しかし、この緊急宣言によって、恐ろしい事実であることが立証され
たのだ。
 朝、ホテルのレストランに行くと、すれ違った顧客もサービス係も全員マスクをつ
けていて、目だけが大きく見えていた。一瞬、病院にでも入ったのかと錯覚させるよ
うな光景が広がっていた。レストランで席を選ぶ時も、お互いにできるだけ距離を置
こうとする空気が漂ってきた。しかも、近い隣の人の会話に耳をそばだてて盗み聞き
しようとしていた。湖北省の方言かどうかと疑心暗鬼になっていたからである。

▽ぎりぎりだった母との面会
 午後3時ごろ、母がいる市内の老人ホームを訪ねた。もともと兄弟夫婦も同行する
つもりだったが、昨日の夜、老人ホームから、「衛生管理強化のため、上部からのお
達しで、1回の来訪者は2人に限る」との緊急連絡が入ったので、兄弟夫婦には私が退
出した後で行くようにと告げていた。
 老人ホームの共有スペースには十数人の老人が集まっていた。特に何もしていない
男女ばかりであったが、一人だけ、そこで雑誌を読んでいたのが私の母であった。
 早速、母の個室に移動し、1か月も前から予定した大晦日の団らんは新型肺炎のせ
いで取りやめにし、予約したレストランの晩餐会も中止したことを告げた。いつもの
母ならば、こんなひどい話を聴いた瞬間、怒りを爆発させるはずだったが、意外にも
顔の表情さえ変えなかった。

▽家族が集えない大晦日の夜
 そして、その時、兄弟から連絡が入ってきた。市の民生局から緊急の知らせが届い
ていた。全ての老人ホーム施設は外部の来訪を一切禁止したとのことだった。
 私はひそかに自分の幸運に感謝した。もし1時間おくれてここに来ていたら、今回
の帰省は意味がなくなり、一生の悔いを残すかもしれなかったからである。
 ホテルに戻ってテレビをつけるとほどなく、新年を迎えるカウントダウンが始まっ
た。56階の市内の遠い先が望める窓から外を眺めていた。闇の中で、あちこち花火が
重い夜の空にともった。いつもの大晦日より花火の数が少なく、空を差すような強い
光が感じられなかった。
 ふと、300キロ先の武漢市民のことを思い浮かべた。ただし、窓の外は余りにも真
っ暗で、その300キロも先にある都会など、とても私の想像力が及ばないほどの領域
であった。一寸先は闇、巨大な無力感が私の心に襲いかかってきた。
(次号に続く)

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編集者コラム――体験談》
 今回は、ボスにお願いして、ボスの体験談を書いてもらうことにしました。日本語
でこういうささやかな話を見る機会がないので新鮮でした。コロナウイルス、流行は
確実に続きますね。読者様もお元気にお過ごしください。2月は例年、本業が大変で
メールマガジン作業がいっぱいいっぱいなんですが、何とか出せてよかったです。(ま)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
●ツイッター https://twitter.com/bizchina_jckc
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改頁:(1) 2 »