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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.765 2021年11月2週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:アフターコロナの長期休暇旅行トレンドを追う】
●旅行経済復活 黄金周は6億人以上が旅行
●「近隣旅行」「没入型」旅行が新しい風潮に

┏【李年古の日中異文化交流術】
●中国人に対する指導法「見える化」 2
◆「常識」や「暗黙知」をいかに「視える化」するかが相手の理解を深める急所

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……【特集:アフターコロナの長期休暇旅行トレンドを追う】……………………
●旅行経済復活 黄金周は6億人以上が旅行
 待ち望んだ10月1日の「黄金周」休暇が本格的に到来した。
 チューナー・ビッグデータ研究院は、夏以降抑圧されてきた旅行欲求が国慶節期
間に解き放たれ、7日間の黄金周全体における旅行者数は、去年の8日間の「スーパ
ー」黄金周に近接する可能性があり、その数は延べ6億人を超えると分析する。

 また、中国旅行研究院の発表した「2021年上半期旅行経済稼働分析報告」でも、
2021年上半期の国内旅行客数は延べ23.55億人に達し、2019年の77%までに回復、2020
年同期比で153%増加となった。
 国内旅行収益は2019年の70%に当たる1.95億元まで回復し、2020年同期比では208%
の増加となった。
 なお、5月1日の労働節の国内旅行客数はコロナ前の同時期の103.2%にまで回復し
たことは特筆すべきことである。〔全天候科技2021年10月1日〕

●「近隣旅行」「没入型」旅行が新しい風潮に
 アフターコロナ時代となり、中国ホテル・旅行業には変化があった。コロナによ
り、旅行者に、安全で衛生的で質の高いサービスについてのより高いニーズを持つ
ようになった。国内市場もレベルアップし、個性的で差別化され質も高く、よりサ
ービスの充実したホテルを宿泊先として選ぶ傾向が出てきた。

 その傾向を受け、今年の国慶節では、コロナ予防の観点から、近距離の「近隣旅
行」や「ホテル没入型休暇」を選択された。

 携程(シートリップ)が発表した「2021国慶節旅行予測データ報告」では、9月21
日現在、近隣ホテルの予約数は去年同時期より高く、そのうち、杭州、北京、蘇州、
上海、広州、珠海、舟山、南京、寧波、湖州の近隣ホテルの予約数が最高であった。
 長江デルタと珠江デルタのホテルを予約した旅行者数が最もプラスとなり、旅行
者の平均宿泊日数は2日であった。

 近隣旅行の増加に伴い、旅行市場には「子供を遊ばせる」タイプの真新しい旅行
が一気に出現した。
 携程によると、華東地域の親子遊学、クロスカントリーのドライブ旅行、自然探
索等、近隣をテーマとした商品が国慶節の予約数としては2019年と比べ120%の増加
となった。

 宿泊旅行では、ホテル以外にキャンプや民宿もこの2年、特に人気の宿泊タイプ
だった。
 飛猪(フリギー)のデータによると、9月26日までの1週間、地方の民宿予約数が
前週と比較し100%以上の増加となり、90後の旅行者が地方の民宿に消費した金額は、
前週の同期間の統計と比較し約2割増加した。
 大理、麗江、舟山、桂林、北海、黔東南、黄山、嘉興、阿〓、張家界等の地方に
ある民宿の結果は目を見張るものであった。

 時間や行程の制限があって地方に行けない人々は、郊外でキャンプをするという
宿泊方式を探し出した。
 馬蜂窩のサイト上では、(国慶節前)キャンプ検索が1週間で200%増に迫り、そ
の人気目的地は北京、成都、広東であった。
注)〓は、(つちへんに「貝」)

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●中国人に対する指導法「見える化」 2
◆「常識」や「暗黙知」をいかに「視える化」するかが相手の理解を深める急所
 「日本人は、時に我々中国人をばかにしている」
 中国人が研修を受けるとき、かなりの確率でこのような不信感が垣間見える。突
っ込んでその根拠を聞く僕に、参加者が挙げた例が印象的だった。

 車販売店の中層幹部:「君の会社が売っている外車はほこりだらけで、中古車販
売店だと誤解されるぞ」とやゆした自動車製造会社の日本人が見学にやってきて、
頭に来た。
 半導体装置製造メーカー科長:「貴社のトイレがこんなに汚れているとよい製品
が作れる会社だとは誰も思わないぞ」と言った日本人の社長を、同僚らは「潔癖
だ」と笑った。

 このようなことを一つ一つ数え上げてきた中国人に、僕は直ちに反論することは
控え、いつものように友人が日本で体験したあるエピソードを話して聞かせた。

 友人の1人は、日本に来て間もなく、一軒の立ち食いそば屋でアルバイトをした。
 毎日の仕事はまずトイレ掃除から始まる。入店1日目、彼なりにトイレをきれい
に掃除したつもりだったが、店長は一目見て「もう一度掃除しなさい」と命じた。
友人は2度目の掃除をしたが、店長は顔をしかめながら同じ言葉を繰り返した。
 我慢強い性格の持ち主である友人もさすがに頭に血が上った。宿泊先に戻り、こ
のことを中国人仲間に話すと、「中国人をばかにしている」と全員が彼に同情を寄
せ、怒りを爆発させた。
 翌日、彼は仕事をやめることを店長に伝えるため、早目に店に行った。
 そこで目にした光景に、彼は思わず息をのんだ。店長がトイレの地面にひざまず
きながら、床のタイルを一枚ずつ丁寧に拭いていたのだ。その姿を見て、彼の誤解
は一瞬にして解けた。「清潔さ」という概念に対して、彼と店長の間にどれほどの
ギャップがあったのかと初めて気がついたからだ。

 この例で明らかにされることは、我々は「こんな常識もわからないのか」と外国
人に言うときに、「常識」を「我が国の文化だ」と言いかえられることに注意を払
うべきということだ。
 「清潔さ」に対する判断は、個人差もあれば、生活環境や生活習慣、価値観によ
っても異なる。日本の「トイレ文化」は世界を驚かせるものだが、それは実感しな
い限り、外国人が頭だけで理解できるものではないだろう。
 ましてや、日本人の企業経営者が会社製品の品質をはかるため、その会社のトイ
レの清潔度を見定めようとする考え方など、なかなかわからないことである。まず
は自分の思い描く「清潔さ」のイメージを「見える化」して、相手と共有しなけれ
ばならない。

 日本には「教える」のステップとしては、「やってみせ、言って聞かせて、させ
てみる」という方法がある。これは確かに「暗黙知」を伝授する有効な技法だが、
外国人を相手にする場合は、各段階において「丁寧に説明してあげる」という大切
な指導が欠かせない。
 現地の日本人指導者は、まず相手の「常識」と自分の「常識」の違いを明確した
上で、中国人の「常識」に目線を合わせて教えることがスタートラインだ。それが
技術指導や人材教育の第一歩だと肝に銘じるべきだろう。

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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