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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.772 2022年3月4週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:オンライン教育の国際化と流行メディア】
●持続可能で包括的な発展のための大学の重要性
●2021年中国テレビドラマ発展報告 若者視聴者が見たいのは何

┏【李年古の日中異文化交流術】
●日本から中国へ 隔離中、ではなく隔離への道のり 4

┏【国際】
●「老子」が世界に発信する東洋の知恵とは何か

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      編集長・李年古の新著 ■2022年3月10日発売■

―――  中国人コンサルタントが伝授する
―――         『カルチャー・ギャップ・マネジメント』  ―――

 入院した社員を社長がお見舞いに行って、社員に逃げられた!
 会議で上司が「では、あなたたちはどう考えますか?」と尋ねたら、大混乱にな
った!
 文化のバックグラウンドが異なれば、人間関係ですれ違ったり、ぶつかったり。
それはお互いの「当たり前」が違うから。
 小さな齟齬のウラには、大きなカルチャー・ストリームの相違が潜んでいる。お
互いが相手の〈見えない流れ〉を知り、どう付き合っていくか。
 日中ビジネスの第一線で活躍する名コンサルタントが、カルチャー・ギャップを
マネジメント(やりくり)する心得を伝授する。

https://www.amazon.co.jp/dp/4834402878/ref=cm_sw_r_oth_api_glt_i_X0JNHG3H7E5KR83X4ZT8

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……【特集:オンライン教育の国際化と流行メディア】……………………………
●持続可能で包括的な発展のための大学の重要性
 中国の懐進鵬教育部長は9日、開催中の第13回キューバ国際高等教育会議でビデ
オ演説を行い、持続可能で包括的な発展のための大学の重要性を強調した。

 新時代の新たな挑戦と新たなチャンスに直面し、中国政府は教育事業を優先的な
発展を堅持する。現在、中国は既に世界最大の高等教育システムを構築している。
 新しい情勢に適応し、新型コロナウイルスの挑戦に対応するために、中国の大学
は教育の情報化とデジタル化の構築に拍車をかけ、オンライン教育の教育リソース
を開発する取り組みを強化する。
 開設された大規模公開オンライン講座(MOOC)数は4.75万コースを超え、学生数
は7.55億人に達する。

 中国はラテンアメリカ諸国との交流と協力を非常に重視している。教育を迅速に
かつ広く対外的に開放することで、質の高い教育資源を積極的に導入し、あらゆる
レベルのさまざまな教育交流プラットフォームを構築し、主要なグローバル教育活
動と教育ガバナンスに深く参加し、教育における国際的公共財の供給を拡大する。

 中国は既にキューバ、アルゼンチン、メキシコ、ペルーと高等教育の学歴及び学
位を相互承認する協定に署名した。
〔新華網2022年2月10日〕

●2021年中国テレビドラマ発展報告
 2月24日、「2021年中国テレビドラマ発展報告」公表会が北京で開催された。
 若者視聴者の目から見た質の高い国内ドラマのキーワード、人気の国内ドラマト
ップ10、テレビドラマの俳優10人が発表された。

 2021年若者視聴者の目から見た質の高い国内ドラマのキーワードは、ポジティブ
なエネルギー、ストーリーがおもしろい、演技がいい、三観(人生観・価値観・世
界観)がいい、ありがちなものを押さえている、時代に合う、知的、激動の時代の
中の小さな人物、ぬくもりがある、人間臭さがあるなど。

 2021年若者視聴者に最も人気のあった国内ドラマのトップ10は、「覚醒年代」、
「大決戦」、「山海情」、「跨過鴨緑江」、「掃黒風暴」、「叛逆者」、「流金歳
月」、「功勳」、「小舍得」、「理想之城」。

 2021年、若者視聴者にとって最も印象的なテレビドラマの俳優10人は、陳独秀
(「覚醒年代」)、彭徳懐「跨過鴨緑江」、林楠笙「叛逆者」、蒋南孫「流金歳
月」、陳延年(「覚醒年代」)、李水花(「山海情」)、李延年(「功勳」)、林
警官(「掃黒風暴」)、南儷(「小舍得」)、〓大順(「装台」)。
注)〓はチョウ。「羽」片側の上部点がない形。
〔中国青年報2022年2月25日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●日本から中国へ 隔離中、ではなく隔離への道のり 4
(前号より続く)
 ロビーに入ると、至る場所が去年年末に帰国した時と比べ更に要塞化していた。
空港全域に警告メッセージが掲示されていて、空港全域が高リスクの汚染源が持ち
込まれ得る場所であることを係員に対して警告しているのだった。

 実のところ、比類なき健康体であることを証明するあれらの書類は、入国直後に
完全にリセット状態となっていた。ただリセットされ、あとは空港係員一人一人の
服装を見て、自分がここでは外部から来たスーパースプレッダーと見られているの
だと身のほどをわきまえたのだった。

 私のフライトは午後1時過ぎに到着した。同時間帯に到着した機体はごくわずか
だったため、咽頭鼻鏡検査を含めた各種検査は非常にスムーズで、1時間40分で入
国できた。
 入国後、30分以上隔離ホテルへの車両を待ち、広州郊外のこのホテルに到着した。

 宿泊ホテルの決定が完全にランダムであることは知っていたが、内心フードデリ
バリーが許可されるホテルに宿泊できることを期待していた。けれども、乗車した
ところでようやく、8月に南京で感染発覚して以降、広州では一律フードデリバリ
ーが禁止されたことを知ったのだった。フードデリバリーを14日間唯一の気晴らし
とする私のような食客にとっては、真に致命的な災難といってよかった。

 今回のホテルは、前回とそこまでの違いはなかった。食事つきで1日498元、14日
分の費用は一括払いで6972元だった。それをよしとできず、まずは食事なしとでき
るか聞いた。それでも構わないということで、その場合、1日100元の減額となり、
5572元の支払いになるとのことだった。
 後になって、これが一番賢明なやり方だったとわかった。一旦支払ってしまうと
もう選択肢はなくなり、毎日決まったお弁当を食べることになるからだ。食事なし
とすれば、ホテル内のインターネットサイトで好きなように購入できる。たとえ価
格が通常のフードデリバリーより3分の1から半額ほど高いとしても。

 私の部屋は40平米で、玄関から11歩で窓にたどり着く。この距離が毎日の運動レ
ーンだ。悪くない。
 しかし、カーテンを開け外を見て、さきの機内食同様にがっかりすることになっ
た。窓ガラスの外には更に鉄格子の窓があり、視界がさえぎられていた。下には6
車線道路があり、昼夜兼行でトラックがどんどんがらがら音を立て走っていた。恐
らく15分もたたぬ距離に空港があるのだろう。
 ここは広州・花都市、最近の高速鉄道駅から2時間近くの距離にある。

 窓はわずかなすき間程度しか開閉できず、チェックイン時に記入した不安障害の
申告は訴え損だったとわかった。最後の袋小路でさえ閉ざされ、どうにも納得がい
かなかった。
(次号に続く:写真をツイッターに投稿していますので、ぜひごらんください)

「中国から日本へ 誰がわかるのだろう。明日私は帰れますか?」1―5
 No.754(2021年4月5週号)〜No.750(2021年2月4週号)掲載

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)

……【国際】………………………………………………………………………………
●「老子」が世界に発信する東洋の知恵とは何か
 「老子」は東西を問わず高い評価を得ており、最も多く翻訳されている中国の古
典である。「老子」が影響力を持っているのはなぜなのか。
 北京大学高等人文科学研究所執行院長、鄭州大学哲学院院長、老子学会会長の王
中江氏が、中新社「東西問」の独占インタビューに応じた。

中新社記者:「老子」が世界的な古典となった理由は何でしょうか。

王中江:「人は地に従い、地は天に従い、天は道に従い、道は自然に従う」と説く
老子は、中国古代の偉大な思想家、哲学者であり道教の創始者です。後世に伝わる
名著「老子」は5000字という短いものですが、その内容は万物に及び、宇宙の成り
立ち、万物の根源、国家の統治、生態系の保護など哲学、経済、政治的な重大な問
題について説かれております。国家統治、家訓、修養、学習のための古典として後
世の人に崇敬されていて、世界最古の哲学書でもあります。

 老子の著作に関するこれまでの最古の記録は司馬遷の「老子列伝」にあり、「老
子は上下編、5000字余りで道徳の意味を説く本を書いた」と記されています。「老
子」は、注釈や解説がこれほど多いのも珍しく、今日では、世界で最も翻訳されて
いる古典の一つであり、「全ての古典の頂点」と言われています。「老子」が世界
的に注目されているのは、その哲学的知恵の深さと高さが根底にあるからです。

 第一に、「老子」には、「生きるために正しい道だと言える道は、永久不変の真
の意味での道ではない」「道が万物を生み出す」「道は自然の法則に従う」という
玄妙で高度な宇宙観及び世界観が存在することです。
 第二に、「真の忠告は耳に痛い」「大知は愚の如し」「弱いものが強いものに勝
つ」という、独特で並外れた複雑な思考や言い方があることです。
 第三に、「無為になれば何事でも成し遂げることができる」「大国を治めるのは
小魚を煮るようなものだ」「清らかで静かな無為こそが天下の模範となる」という
高度な政治哲学と政治原理を有していることです。
 第四に、「真に高い徳を持った人は徳があることを意識しない」「よく生を摂す
るものは、犀の角や虎の牙もその人を倒すことができず、また、戦の渦中にあって
もその人は害されることはない」という奥深い倫理観、価値観及び修練術を備えて
いることです。
 第五に、「民衆が死を恐れないのに、どうして死刑で脅かすことができようか」
「真の道がなくなると仁愛や正義がもてはやされる」「民衆が飢えに苦しむのは、
支配者が税金を取り過ぎるからで、そのために民衆が飢えるようになる」という深
い文明的再考、批判意識及び批判精神を持っていることです。

 個人の修養や社会生活から善政、庶民から学者や君主に至るまで、「老子」に内
在する哲学、知恵、思考及び価値観は、世界の哲学と思想において独特でかつ深遠
なものであります。「老子」は人類の偉大な古典の一つであり、その内容は人類の
偉大な思想の一つと言えるでしょう。

中新社記者:老子の軍事思想が人道主義的であるのはなぜでしょう。

王中江:歴史的には「老子」を「兵法書」とみなす人がいますが、それはやや誇張
された表現です。ただし、「老子」の幾つかの章には軍事的な事柄や兵を用いる方
法について述べられています。
 老子は、基本的に平和主義者であり、反戦主義者です。「そもそも立派な武器は
不吉な道具であり、人々は皆それを嫌い、道を身につけた人はそれを使わない」と
説き、さらに「道に従って主君の補佐をする者は、武力で天下を脅かしてはならな
い」と説いています。
 不当な戦争が起こったときの対処の仕方について、老子は自衛を提唱しています。
やむを得ない戦争の利用や勝利への道を論じているのは、この意味においてであり
ます。「戦いに奇策を用いる」「武力は目的を達するために使い、目的を果たした
らそれで終わり」しかし、戦争を拡大してはならないし、好戦的であってもならな
い、淡々としていなければならない。「目的を果たしてもうぬぼれてはならない、
目的を果たしても誇ってはならない、目的を果たしてもおごり高ぶってはならない、
目的を果たしてもやむを得ずやったことであることを忘れてはならない、目的を果
たしても威勢を張ってはならない」と述べています。
 老子によると、戦争は喜ぶべきことではなく、勝利と同時に「軍隊が駐屯した場
所にイバラが生え農地が荒れ果て、大きな戦争の後には必ず凶作になる」というよ
うな悪い結果が待っているのです。勝利には苦痛も伴い「戦いで勝利したとしても
喜んではいけない」「勝利を美化することは、人を殺すことを楽しむこととなる。
そもそも人を殺すことを楽しむ者は天下統一の志をかなえられない」 「戦いに勝
利したとしても葬礼の礼節をもって対処しなければならない」これは、高度な人道
主義を表しています。

中新社記者:老子は大国と小国の関係をどのように見ていたのでしょうか。

王中江:春秋時代から西周が解体崩壊していき、諸侯が台頭してきました。新しい
世界の体制と新しい秩序を再構築するために、老子は大国と小国の間には平和的な
関係がなければならないという重要な原則を提起しました。
 「老子」では「大国とは大河の下流であり、天下の万物が集まるところであり、
天下の全てを受け入れる雌である。雌は静かにじっとしたままで雄に勝つ。それは
静けさを保ちながら雄にへりくだっているからである。したがって、大国も小国に
へりくだれば小国の帰服を得て、小国が大国にへりくだれば大国の保護が得られる。
ゆえに、ある国家はへりくだって帰服を得て、ある国家はへりくだって保護を得る
ことになる。大国は小国の人を養おうとしているにすぎず、小国は大国に仕えたい
と思っているだけにすぎない。両者が望みをかなえるには、まず大国が小国にへり
くだらなければならない」と説いています。この原則は大局的に見れば老子の「柔
弱謙下」の思想を国家間関係の分野に応用したものです。
 一般的には、大国は強い立場で、小国は弱い立場にあると言われています。特に
大国の間にある小国は、生存が厳しい立場にあります。老子は、大国は甘んじて従
属し、まず小国を尊重し愛護すべきであり、小国も大国を丁寧に遇して、より謙虚
であるべきであると提唱しています。
 現代の国際秩序から見れば、老子は強権主義や覇権主義に反対しています。しか
し、世界にはみずから大国を敵にまわすような小国もあり、老子はそのような軽挙
妄動に反対するはずです。
〔中国新聞網2022年2月19日〕
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(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃 村井好子
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