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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.754 2021年4月5週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛2】
●閑魚、TikTok、探探 アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛 2

┏【李年古の日中異文化交流術】
●日本のベテランドライバー中国で運転を学ぶ 上

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……【特集:アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛2】…………………
●閑魚、TikTok、探探 アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛 2
(前号より続く)
◆動画サイトで同窓に会う どのプラットフォームでも本当に愛に出会える
(ナレーター:俊宇、職業:高級品バイヤー、使用アプリ:抖音)
 今の彼女とは抖音で出会った。
 実は、私は抖音上で誰かと知り合うことが好きだ。それは、まず、フィルター越
しではあるが、動いているし、P(フェム、女性同性愛者の女性らしさを表現され
る人)過ぎることはない。前に遊んでいたsoul、陌陌にはPの写真があるが、それ
はすごく誇張されていて、恋愛するにはブラックボックスだった。

 不思議なことだが、私は顔を売りにしているMCのライブ配信で彼女を知ったので
はない。彼女は歌も踊りもできない、彼女がシェアするグルメ動画の中で彼女を知
ったのだ。
 彼女の動画では、私が行ったことのあるとてもマイナーな日本食レストランが紹
介されていて、そのレストランがとても気に入ってもいたので、当時、この子はな
かなかおもしろいし、センスがいいなと思っていた。

 私も食べ物の話は好きだったので、個人的にメッセージを送った。微信も、彼女
は気前よくすぐに教えてくれた。
 おしゃべりしていてわかったことだが、私たちは実は同じ幼稚園に通っていた。
彼女は途中で転校してしまっていたが、私は、これは縁かもしれない、これは全部
決められている運命で、めぐりめぐってまた会うことになったのかと感じていた。

 最初に会ったときはとても緊張した。正直なところ、彼女に会う前の私はかなり
の遊び好きだったし、オフラインで何度も人と会ったことがあったが、どのときに
も緊張などしなかった。
 私は彼女のことが気になっていたのかもしれない。動画では見ていたものの、そ
れでも実物はビデオと同じではないのではと恐れていたが、幸いなことに、実物は
動画とほとんど同じで、より自然で、きれいだった。

 彼女のことをよく知れば知るほど、いろいろな面で私と合うと感じたし、性格も
優しくて人がいい。
 私が印象に残っている出来事は、北京の冬のとても寒いころ、私たち2人が食事
に出かけた時、路上で犬が迷子になっていた。首に首輪があったので、彼女は犬を
抱き上げた。間もなく飼い主が犬を探しに来た。そのときに、この子は本当に善良
で純粋だと思った。

 今回の恋愛は真剣に続けたいと思っていて、新年には彼女を連れて親に会いに行
くつもりでいる。
 実は、若いのならプラットフォームを気にする必要はなく、どのプラットフォー
ムでも本当の愛に出会えると思う。

◆880日 相手が詐欺師だったりモラハラされたりアタックしたり
(ナレーター:西西、職業:学生、使用アプリ:summer)
 2018年10月、学校の公式ブログで「summer」をお勧めする書き込みを見た。
 summerは大学生向けキャンパスSNSアプリで、Q&Aをメーンに、ユーザーは自由に
質問できるが、相手の納得がいく回答をしないとやりとりできない。無駄な嫌がら
せを減らすことができるんじゃないかとぴんときた。

 その当時のsummerは、今みたいに大学の学生なら誰でも登録できるのではなく、
100校ほどの重点大学の学生のみを対象にしていた。シングルの私は、このお勧め
の書き込みを見て、怖いもの見たさでsummerをダウンロードした。
 当時は、ここの学生の質は余り悪くないのではないかと思っていたけれども、後
から考えると甘かった。

 2019年の冬休み、summerでとても急で短いネット恋愛を経験した。当時、私が個
人ページに自分が歌った歌を載せたところ、彼が私の声に引かれ、そのまま火がつ
いたのだった。
 当時はお互いに無知で、数日後には、自分たちはお互いに好きではなく、ただ恋
愛のために恋をしているだけだったということでさめてしまった。ということで、
つき合って1週間で別れた。

 しばらく落ちついていたが、2019年の夏、summerの「偽装カップル」チャンネル
で2人目の彼氏と出会った。
 これはsummerが当時出した新機能で、ユーザーが匿名でペアを組み、特定のシー
ンでカップルのふりをしてやりとりをするものだった。

 私たちはそのゲームを楽しんだわけだが、その後、彼が私に猛烈にアタックして
きた。私はどちらかというと受動的な人間で、自分は積極的ではなかったが、結果
的につき合った。
 その後、私は相手からモラハラを受けていることに気づいた。彼はいつも手をか
え品をかえ私を圧迫し、おとしめる、「どうしてそんなこともできないか」「あな
たは間違っている」と。
 幸いなことに、私は彼の話術を見抜けたが、それとともにこの恋も早々に終わっ
てしまった。
 その後、ある日、彼の個人ページを偶然クリックしたところ、彼の学校の所在地
が武漢から浙江に変わっていたことを知り、彼が詐欺師であることを確信した。

 3回目の交際では、私が積極的な側になった。そして、恋愛に対する情熱のほと
んどを費やしてしまった。コロナが流行した2020年の冬休みのことだった。
 summerの登録は実名認証とキャンパス認証と人力審査で、ユーザーは必要に応じ
て特定の学校の学生を検索できる。ずっと軍人にコンプレックスを持っていた私は、
ある軍事学校に狙いを定め、彼と出会った。

 私は彼の言葉から彼の趣味を推測し、共通の話題を探そうと必死になっていた。
 残念ながら、彼は私が与える暖かさや、やりとり、彼への支持を楽しんでいただ
けで、何かを与えようとはしなかった。
 こうして、疲れと失望感が徐々に押し寄せてきて、自分から別れを切り出した。

 それ以来、少しがっかりしてしまった。
 summerに登録して880日がたち、今は、summerは私にとっては匿名で投稿する場
所でしかなく、私個人のステータスも「連絡NG」に変えた。
 しかし、summerでの経験で多くの収穫はあって、恋愛に盲目になることはなくな
り、自分が何を求めているのかがより明確になった。
(次号以降に続く)
〔Tech星球2021年2月14日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●日本のベテランドライバー中国で運転を学ぶ 上
 海外に長く住む者として、私は中国に帰国するたびに、いつも思い切ってさまざ
まな「チュウゴクモクズガニ」を食べてみることにしているが、ずっと試食できて
いなかったことがある。車の運転だ。

 中国では、よく、どんなに大変なことでも、お金で解決できるならそう大したこ
とではないと言われる。けれども、車は、気をつけなければ命を失ってしまう。人
と車が入り乱れる街並みはどこへ行っても縁日に行くような光景で、命の惜しい私
はどうしても軽々しく車を運転することができないでいた。

 といって、一度も試したことがないわけではない。なぜなら、毎回深センもしく
は故郷の長沙に帰るたび、少なくとも3人の友人が「乗り物が必要なら、車の鍵を
いつでも持って行っていいよ」と声をかけてくれるからだ。
 厚意は固辞しがたく、ある時思い切って車の所有者を乗せ出発したのだが、信号
を幾つか越えたところで席をかわるように言われた。道中の私が恐怖の面持ちでい
るのを見て、また周囲から発せられる憤怒のクラクションを聞き、彼は決断を下し
たのだった。
 これ以降、彼は二度と車の鍵の話を持ち出すことはなかった。

 今回のコロナ禍で故郷から1年離れることになり、友人はまた肝が据わったのか、
私に「運転するか?」と聞いてきた。私は、もちろんするよと答えた。
 疫病は人の気持ちを変える。人類のちっぽけな命ですらマスクに委ねるのだから、
どうして私がブレーキに運を委ねないか?ということだ。結局、毎朝起きるのだ。
朝が先か感染が先か、一か八かの心のハードルは結構低くなった気がする。

 日をまたぎ、友人は自分たちが開校した技術者養成学校に私を招待した。私は二
つ返事で行くと返事をし、弟に運転を付き添わせて市街地横断に臨んだ。道のり計
26キロの思い切った挑戦だ。
 弟はベテランドライバーで、普段は私をとてもとても崇拝している。口癖のよう
に、周恩来を除けば、この世で最も崇拝するのは貴兄である私だと常々話している。
 けれども、今日の彼は私を見るたびに呼吸を整え、その表情には即座に軽蔑と興
奮が満ちていた。もう彼は今日が崇拝対象を改めるタイミングになることを予感し
ているのだろうと私には一目でわかった。もう表情からいってうずうずしているの
がわかる。

 たとえ天を包むほどの度胸を持っていたとしても、日本での運転に慣れた人が中
国でそれに挑戦することはとても怖いものだと私は断言できる。私の故郷のような
場所では特にそうだ。
 私はかつてトヨタ傘下の複数の会社やマツダで中国駐在員の研修をしたことがあ
る。中国での運転が許されるのかとあえて彼らに尋ねてみると、皆、異口同音に、
会社規定に運転禁止の項目があると答えた。
 自動車製造の会社ですら運転できないのだから、他の会社であれば言うまでもない。

 ある日本人はこうも言った。「自分で運転するなんて決して言うなよ、タクシー
ドライバーに「飛行機に間に合いたいから早く行ってほしい」と言うことすら大変
な過ちだよ」
 「以前、空港に向かった時、タクシードライバーに飛行機に間に合わないといけ
ないから速く行ってほしいと伝えたんだ。そうしたら、車がそのまま飛行機になっ
ちゃった。もう恐ろしさで死にそうになりながら慌てて、ゆっくり行ってほしいと
伝え直した。
 そうしたら、ドライバーはアクセルを思いっきり踏みながら振り返り私を見つめ
「何をおっしゃいました?たった今、私の魂も飛んで行ってしまっていまして」」。
 中国に出張に行った人の思い出話である。

 間違いない。中国の路上で適当にタクシーを捕まえれば、ハリウッド映画で車を
追いかける大ヒット刑事物でも十分にこなせると私は考えている。

 実は、路上で運転してみて、タクシー以外に公共バスも気をつけなければならな
い対象だということに気がついた。自由に道を変え、お金を奪い取るのが彼らお得
意の見世物である。
 日本で公共バスのドライバーは一人一人が交通規則を遵守する一番のお手本のよ
うな存在である。それに慣れていた私は、帰国時、注意すべきはバスドライバーだ
と警戒するのをすっかり忘れていて、滞在中、何度も驚いては冷や汗をかいた。
 心の中でそうっと「ドライバーのおじさんたちは毎日大変なんだ。それに、いつ
か私も65歳になった時、無料でおじさんたちの車や地下鉄に乗ることになるんだか
ら、いらいらしちゃ駄目だ。平和につき合っていかなきゃ。そうして初めて、生き
て路上の親分になる優越感をおじさんたちと共有できるのだから」と自分をなだめ
ていた。

 言い忘れていた。中国は日本とは逆で左ハンドルである。これは大した違いでは
ないが、一番の違いは車間距離である。
 路上に出ると、まるでお互いに車を衝突し合って楽しむゴーカート場に入ったよ
うな感覚で、周囲の車は私の車にくっついて走る。誰もが車同士の親密なキスを嫌
がらない。中国では人同士の距離も車同士の距離も全く同じように感じる。無条件
に好きで、お腹と背中がくっつくかのような親密さに慣れている。
 日本の車間距離を保ってみようとすると左右から絶え間なく横入りしてくる。さ
らにウィンカーすら出さないのだから、慌ててブレーキを踏むことになる。あると
き、避け切れず隣の車道に入ってしまい、弟から注意まで受けてしまった。
 「車も道も譲って!他の車にぶつけてもいいけど、他の車からはぶつけられない
ように」
 後ろのドライバーがクラクションを鳴らして道を譲るよう催促してくると、彼は
また一つ教えてくれた。「無視していいよ!心の中で謝れば十分」
 何とすばらしいアイデア!心の中で謝りさえすれば、もうそれは十分な謝罪なのだ。

 私は変わった現象を見つけた。もともと真ん中のレーンを走っているはずが、毎
回信号を抜けるたびに、なぜかいつも左端もしくは右端のレーンに行ってしまって
いるのである。故郷の道はどうして一本のレンコンのようにずるずると異変が生じ
るのだろう。
 さらに、一旦車線が変わると、全ての車がまるでシャッフルの機会を得たかのよ
うに自由に車線を変更し始める。ルールなどあったものじゃない。
 私が疑問を口にすると弟はじろりと見て、「これも珍しいの?再開発された道な
んて中国にはどこに行ってもないでしょう?昔の道だと幅を広げようのないところ
もあるし、それを新しい道とつなげたら、もうこんな感じになるでしょう」

▽写真クイズ(写真はツイッターに投稿しますので、ぜひごらんください)
1) 前方の道路標識を見てください。左折専用レーンはどこでしょう。
2) 前方の信号を見てください。右折専用レーンはどこでしょう。
(次号に続く)

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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