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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.402 2007年6月19日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:6,899名(2007年6月18日現在)
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●李年古ブログ「日中異文化見聞録」で見る中国人の視点
       http://blog.jckc.com/

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:交通秩序の規範化進む】
●吉林 「特権車」を整理 年間1800万元の通行費増収
●マイカー族7月1日から終身ナンバープレート
●北京 公共交通カード累計1143万枚

┏【金融】
●クレジットカード研究報告 リボ払い経験者はわずか11.8%
●クレジットカード所有者全国で3100万人

┏【国内政策:規範化】
●中国の各種標準は130万件
●全国の都市・市街地の住民 無申告収入 総計4.4兆元
●世論調査 政府の浪費現象は個人に比べて深刻

┏【社会】
●党政幹部100名のサンプル調査 つき合いが多く読書時間を圧迫

┏【連載:日本人には言えない―中国人の価値観】
●〔第5回〕金銭的「けち」の価値観

┏【経済データ】
●外国為替(6月18日)

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……【特集:交通秩序の規範化進む】…………………………………………………
●吉林 「特権車」を整理 年間1800万元の通行費増収
 吉林省監察庁から得た情報によると、吉林省が「特権車」「人情車」の通行費
の法規違反の減免を整理する特別措置を実施してから2カ月で、吉林省の普通道路
の料金所では300万元以上の増収となり、年間で1800万元の通行費の増収が見込ま
れるという。

 法規違反の「特権車」「人情車」のはんらんと、交通費用徴収秩序の混乱を有
効に管理するため、今年3月末、吉林省政府は、吉林省全体で集中して整理するこ
とを決定した。
 関連部門の法規減免車両通行費の範囲内及び省政府が規定するフリーパス扱い
の「緑色通道」となっている生鮮農産品を輸送する車両を除き、一律で道路(橋、
トンネル)の無料通行証(カード)を廃止し、「特権車」「人情車」を行おうと
する者は厳粛に処置し、かつこの整理業務を業界の不正な風潮を正す業務の重点
に組み入れた。
 整理が行われてから、吉林省では通行費免除文書及び項目5件、各種免除カード
3700枚が廃止された。また、過去に法規に違反して発行された免除カード、公務
カード、特権カード等も一律に廃止された。

 統計データによると、「特権車」「人情車」の整理前には、過去吉林省で通行
費が免除されていた車両は延べ170万台、免除額は毎年1600万元に達していた。
〔新華網6月10日〕

●マイカー族7月1日から終身ナンバープレート
 現在、中国の自動車を廃車・下取りする際には、ナンバープレートは車両管理
所に回収され、自動車所有者が新車購入する際には、新しいナンバープレートを
申請する必要がある。しかし、10日、公安部交通管理局によると、この規制は撤
廃されるという。
 公安部が現在発表している「大衆サービスのための16措置」により、2007年7月
1日より、マイカー族は「終身ナンバープレート」を得ることができる。

 日常生活において、車を所有する所有者個人がそのナンバーを気に入っている
こと、便利であること等の理由により、ナンバープレート番号の継続使用の要望
があったという。現行の規定では、自動車所有者のこの要求には規制がかけられ
ている。
 このような大衆のニーズを満たすべく、自動車廃車・下取り後6カ月以内、自動
車所有者が新車を購入して登記手続を行う登記の際に、ナンバープレート番号を
継続しよう申請を行うことができることとし、また再度新しいナンバープレート
番号を選ぶこともできることとした。

 「自動車所有者が6カ月を超えてナンバープレート番号の継続使用申請を行わな
かった際は、車両管理所は自動車のナンバープレートを回収し、再使用、別の人
が選択する」悪質または別の形で自動車のナンバープレート番号が売買されるの
を防止するため、廃車・下取りする自動車のナンバープレート番号の継続使用申
請の際、自動車所有者の廃車・下取り自動車の所有期間は3年以上とした。
 同時にまた、自動車廃車・下取りに際して道路交通安全違法行為または交通事
故未処理案件がある場合には、自動車所有者はナンバープレート番号使用申請が
できない。

 「大衆サービスのための16措置」は2段階で実施される。7月1日より、そのうち
の10措置が実施される。〔中国新聞網6月11日〕

●北京 公共交通カード累計1143万枚
 携帯が公共交通ICカードにもなって、携帯をかざして乗車するというのは、北
京市民に言わせれば想像もつかないことだろう。12日、一〓通公司の関連責任者
は、「これまでにない形状をした新型のカードを目下技術テスト中で、携帯電話
による公共交通ICカードが近く発売される見通し」と明らかにした。
 北京市公共交通カードの平日におけるカード使用回数が既に延べ1000万回を突
破した。

〈公共交通カード 機能〉
▽公共交通カードは一枚で多機能
 「現在、我々は、各種多様なこれまでにない形状をしたカードをさらに多く設
計している」一〓通公司の関連責任者は、携帯電話によるカード機能の付与の実
験作業を行っていることを明らかにした。

▽携帯電話でもあり、乗車カードでもある
 これまでにない形状をしたこのカードは、携帯電話と一〓通の複合カードであ
り、一〓通システム内でポイントをため、カード使用ができるもので、携帯電話
の通信機能も持ちつつ、一〓通の決済機能がついている。技術テストが完了すれ
ば、システムが安定し次第、正式に市場にリリースされる。
 この責任者は、「イメージとしては、一〓通ICカードが新しい携帯電話の外装
についているような感じで、携帯電話と持てば、公共交通、地下鉄に乗る際に使
用できる。現在、ノキアが新しい携帯電話でテストを行っている」と示した。

▽公共交通と電話の2つを1つに
 関連部門は交通ICカードの機能をさらに充実するべく研究している。
 「現在、我々は中国網通公司と協力して、電話カードと公共交通ICカードの機
能を統合させようとしている」一〓通公司の汪連啓総経理は、テスト地点として、
長安街沿道の200カ所の中国網通の電話ボックスでは公共交通ICカードで電話をか
けることができると紹介した。「以後は北京市全市の中国網通の公共電話ボック
スをカバーすることになる」

▽公共交通カードで駐車費用決済
 「路上駐車の際のパーキングメーターもICカードとリンクしている」汪連啓総
経理は、パーキングメーターにシステムが導入されれば、ICカードで駐車費用を
決済できると述べた。

〈公共交通カード 作用〉
▽乗客数統計の科学的管理
 「現在の公共交通の乗客量は上昇傾向にあるのだが、乗客のカード使用は、公
共交通部門に数字を裏づけとした乗客数統計を提供することとなった」公共交通
集団の姚振平総経理補佐は、この裏づけにより、公共交通集団はさらに科学的に
運行管理を行い、市民の外出に利便を与えているとしている。

▽乗客の多い300路に増便
 日々のカード使用数から数字統計ができている。北京の交通機関のうち最も乗
客数が多い路線は快速公交(BRT)で、1日平均の乗客量は延べ13万人に達し、そ
のうち10.5万人がカードを使用して乗車している。2番目に多いのが300路内環と
345快速で、1日平均の乗客数は延べ10万人である。
 「正確な乗客量の分析があるため、我々は今年さらに乗客量が集中する路線の
車両台数を増加させる」公共交通集団は現在300路内環と外環に10台18メートルの
大型連結バスを増便し、さらに300快速には10台のバスを増便する。三環路には
300路普通と快速を運行させ、運行車両総数は210台に達する。今年末、公共交通
集団は新規に40台18メートルの連結バスを増便し、現在運行しているバスと入れ
かえる。

▽市民によい乗車習慣を涵養
 「カードを使用して乗車するようになってから1年と1カ月にすぎないが、市民
はこの方法に既になれている」姚振平総経理補佐は、北京市民が、前から乗車し
て後ろから降車する、あるいは中央から乗車して前後から降車するという乗車方
式になれただけでなく、自発的に列をつくり、乗車を待つ秩序が著しく変化した
と喜んでいる。
 ICカードの使用は市民の外出にも便利になった。「毎月の月末、月初に定期券
を更新する長い行列ができる現象はなくなり、市民は好きなときにお金を補充で
きる」

〈公共交通カード データ〉
▽公共交通カード使用は1億回を超える
 「5月1日以降、北京の公共交通の1日当たりの乗客数は1133万に達した」
 姚振平総経理補佐は「北京の1日当たりの乗客量は全国の各省市の公共交通機関
の乗客量の中で最も高い」と紹介した。

▽市区公共交通バスのカード使用84%
 「一〓通は既に累計発行枚数は1143万枚で、1日当たり1000万回を上回り、最高
で1200万回以上に達している」と一〓通公司の汪連啓総経理が紹介している。
 公共交通は1日平均延べ890万人がカードを使用して乗車し、市区路線でのカー
ド使用割合は84%に達している。「頭文字が9の公共バスも6月に投入され、それ以
降、カード使用回数は70%に近づいている」

▽地下鉄のカード使用70%
 地下鉄運営公司の関連責任者によると、地下鉄路線を網羅している等のことも
あり、地下鉄のカード使用者数は延べ90万人である。「1日平均の乗客量の70%に
達している」
 地下鉄乗客量の特徴は、月曜日、金曜日の乗客量が最も多く、週末に不規則な
頻度で乗る乗客量も増加している。それは、週末になるとカード使用数が60%に減
少するからである。「しかし、全体的に見て、カードを使用して地下鉄に乗る人
の割合はやはり高い」

〈公共交通カード 管理〉
▽学生カードは実名制で予定
 関連責任者は「目下採用されている措置として、学生カードは1年限り有効とし、
調査員が学生カードの使用状況をチェックする。我々は、学生カードは実名制を
とりたい」としている。

▽学生カードを信用度とリンク
 学生カードがこれまで売り切れになっていた状況に対し、公共交通集団、一〓
通公司はそれぞれ、この状況は既に大きく改善されているとした。「我々は、実
名制をとりたい」とし、特に大学生には、学生カードを受け取った際、直接身分
証番号を入力し、このことによって個人の信用体系をつくり、学生カードを転売
した場合、以後金融機関への信用がなくなるだろうとしている。

▽カードの人為的な破損は補償しない
 「ここ2、3カ月で、市民のカードを誤ってかざしたということに対する苦情は
なくなった」汪連啓総経理は、「これは市民がますますICカードの使用方法にな
れてきたということと直接的な関係があるのではないか」と示している。
 目下、関連部門は、市民の中には、人為的にICカードを壊して交換を求める人
がいるが「関連規定により、これは許されない」という。
 汪連啓総経理は、ICカードは見た目はとてもシンプルだが、そのカードの構造
は電線が張りめぐらされているとし、「便利に持ち運ぶためにとカードに穴をあ
けてしまうと、カードの中の電線は壊れてしまう」と述べる。したがって、多く
の市民にICカードを適正に使用してほしいと呼びかけている。
注)〓は、「上」の下に「ト」
〔北京娯楽信報6月13日〕

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○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。○o。
―――――――――――――――――――――――――――― 李 年古 著 ―
 日本人には言えない
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……【金融】………………………………………………………………………………
●クレジットカード研究報告 リボ払い経験者はわずか11.8%
 6日に発表された2007中国クレジットカード消費者研究報告によると、中国国内
クレジットカード所有者のうちリボ払いをしたことがあるのはわずか11.8%にとど
まった。そのうち、若年者のカード所有者の占める割合が高いが、年長者のカー
ド所有者は一括払いをする傾向にあり、リボ払いをして利息を発生させることは
少ないようだ。

 報告は大正市場研究機構によるもので、今回のサンプルは主に北京、上海、広
州、武漢、西安、瀋陽、成都の7都市で収集している。

 全国のクレジットカード業務のリボ払いによる金利収入は大体8億元未満であり、
全国クレジットカード業務収入は35億元前後である。

 今回の調査では、国内クレジットカード市場の利潤獲得状況がまだまだ理想的
なものになっていないとしている。
 事実、近年の国内クレジットカード市場の競争は激化し続け、各カード発行銀
行の主要な利潤はリボ払いに伴う金利収入と加盟店手数料であり、クレジットカ
ードの年会費収入はほぼ0円である。
 今現在、招商銀行、広東開発銀行等のほんの数行がクレジットカード業務で利
潤を上げている。〔新聞晨報6月7日〕(記事重複部分は削除しました)

●クレジットカード所有者全国で3100万人
 2007中国クレジットカード消費者研究報告が正式に出された。

 現在、クレジットカード所有者は中国全国で約3100万人いる。研究を行った7都
市のうち、カード所有者1人当たりの毎月のカード消費回数は大体6回未満で、カ
ード消費金額の中央値は大体1050元前後であった。
 中度及び重度にリボ払いしている若年者層では、招商銀行と建設銀行を利用す
る割合が多くなっている。そして、年長者の軽度のリボ払いを行っている者ある
いは一括払いを行っている層では、四大国有銀行の占める割合が比較的多かった。

 全体的に見ると、中国のクレジットカード消費者の所有しているクレジットカ
ードに対する満足度はまずまずよい。しかし、詳細にデータを分析すると、満足
度が高いのは、消費者のクレジットカードへの期待度がもともと低いからである。
市場の成熟度が増すに従って、消費者の満足度あるいは忠誠度を維持できる水準
は上昇している。したがって、各カード発行組織の消費者の忠誠をかち取る競争
はまだまだ始まったばかりである。

 2007年中国クレジットカード消費者研究及びネット上の利用者評価の結果、招
商銀行が最優秀組織賞、中国工商銀行が卓越利便賞、中国銀行が卓越ブランド賞、
光大銀行が卓越安心賞、卓越サービス賞、広東発展銀行が卓越還元賞、上海銀行
が最優秀地域カード発行組織賞を獲得した。
〔中華工商時報6月8日〕(記事重複部分は削除しました)

……【国内政策:規範化】………………………………………………………………
●中国の各種標準は130万件
 2006年末現在、中国では既に国家標準が2万1410件、報告されている業界標準は
3万3552件、報告されている地方標準は1万304件、報告されている企業標準は130
万件以上である。これは国家標準化管理委員会の陳鋼副主任が、先般寧波で開催
された第9回浙江投資貿易商談会の「品質―特許―標準」フォーラムの席上紹介し
たものである。

 中国では、標準を国家、業界、地方、企業の4ランクに分割している。2万以上
ある国家標準のうち、強制性の国家標準は3084件で、推奨性の国家標準は1万8231
件で、指導性の技術文書は95件である。

 中国の標準化には幾つかの問題が存在している。標準全体水準が高くなく、競
争力が強くないこと、企業主体の位置づけが十分でないこと、標準化業務の基盤
が弱いこと、国際標準化活動への参加レベルが高くないことである。
 国際標準化機構(ISO)は1万6455件の国際標準を制定しているが、中国が提案
してISO標準になったのはわずか23件で、中国が提案して制定された標準はわずか
28件である。〔中国証券報6月11日〕

●全国の都市・市街地の住民 無申告収入 総計4.4兆元
 全国都市(城鎮)住民の収入のうち、統計に反映されないグレー収入は総計4.4
兆元に上る――。中国改革基金会国民経済研究所の王小魯副所長は6月8日、北京
でこう述べた。

 王小魯副所長はプロジェクトチームを立ち上げ、2005年から2006年にかけて全
国数十カ所の都市、県で2000人余りの異なる収入層の人々を対象に家計収支につ
いての調査を実施、「国民収入分配状況とグレー収入」という研究レポートをま
とめた。

 王小魯副所長によると、国家統計局が一般に採用している訪問調査とは若干異
なり、プロジェクトチームが調査した2000人余りの住民は研究員の親族や知人な
どで、データの信頼性は高い。

〈4兆のグレー収入〉
 王小魯副所長のプロジェクトチームによると、エンゲル係数と1人当たり収入の
水準は比例するとの原理に基づき、エンゲル係数が同じ条件下にある低所得者層
の1人当たり収入は国家統計局のデータと一致したものの、国家統計局の高所得者
層の1人当たり収入のデータはプロジェクトチームの調査サンプルより低く、しか
も収入が高ければ高いほど差異が拡大することがわかった。

 「これによると、国家統計局の高所得者層のデータはとりこぼしがある可能性
がある」と王小魯副所長は話す。
 王小魯副所長によると、関連データについて国家統計局と情報交換した際、国
家統計局側は高所得者層の収入水準がどうなっているのかは頭の痛い問題だと述
べたという。興味深いことに、プロジェクトチームの調査では、高所得者層の70%
が、国家統計局の調査員に自分の所得状況の情報をありのままに提供したくない
と答えたという。

 プロジェクトチームの調査の結論では、都市(城鎮)住民の家庭の10%は最上位
所得者層(約1900万世帯、5000万人)で、2005年の1人当たりの可処分所得は9.7
万元と統計局のデータ(2.9万元足らず)の3倍余りに達した。その他の中程度の
高所得者層の所得も統計値を上回った。

 都市(城鎮)住民の所得総額は8.3兆元ではなく、12.7兆元と推算される。全国
の都市(城鎮)住民の所得には無申告の、いわゆる「グレー収入」総計4.4兆元、
調査年のGDPの24%に相当する額が含まれている。
 全国の最上位、最下位10%の家庭の1人当たり所得の格差は55倍に達するが、国
家統計部門の統計データでは21倍だった。

 王小魯副所長によると、「不法所得、違法所得、公序良俗によると合理的な疑
いのある所得及びその他の源泉不明所得を総称し、グレー収入という」。

 清華大学社会学科の孫立平教授もかつて、2002年の統計データについて大まか
に試算したところ、2002年の社会財産10兆元のうち1.3兆元もの所得者不明の財産
が存在した。都市部住民の3.7兆元の収入のうち給与所得が約1.2兆元。残りの2.5
兆元は都市部の個々の就業者の収入、株式配当、利息、家賃収入以外の相当な額
について、国のコントロールが及ばないものがまだある。

 王小魯副所長によると、プロジェクトチームはそれぞれ住民の自家用車、投資
用不動産物件、海外への旅行、銀行預金の分布などのデータと結果をつき合わせ、
検証を実施。各項目の結果は大体一致しており、最高所得者層の1人当たりの所得
の推算は基本的に信頼できる数値で、保守的過ぎるかもしれないという。

〈所得配分の格差は市場経済化に起因せず〉
 「グレー収入の源泉については今のところ、余り研究されていない」と王小魯
副所長は述べた。また、公開されている各種の調査研究に基づき、巨額に上るグ
レー収入について、おおよその試算を作成したという。
 中には、財政資金が関連部門のルートを通って各地に配分されたものに、一部
管理が漏れているものが含まれている。資金には財政管理のコントロールをすり
抜けた資金使途の透明性が低いものがあり、濫用や流失などが著しい。国家審計
署の調査データによると、2005年のこうした資金は約5600億元と試算されており、
流失した部分の調査が待たれている。
 ここ数年、国の固定資産投資額は巨額(2006年は4.5兆元)に上り、投資プロジ
ェクトは何重にも下請けされ、プロジェクト資金もある程度流失してしまってい
る。

 このほか、行政から許可・承認されたレントシーキング行為、土地利益の流失、
独占事業の給与外所得は、いずれも4.4兆元のグレー収入を構成している。

 「このことから、今のような収入配分の過大な格差の原因は市場経済化ではな
く、主に不健全な制度が招いた腐敗とグレー収入にあるとわかる」と王小魯副所
長は話す。
〔21世紀経済報道6月12日〕

●世論調査 政府の浪費現象は個人に比べて深刻
 6月2日、中央紀律検査委員会、国家発展改革委員会、監察部、財政部、国土資
源部、建設部、会計検査署などの7部委が共同で記者会見を開き、河南濮陽県、山
西食糧局、蘭州市財政局、山西忻州炭鉱安全監察局等の4件のオフィスビルの違法
建造等が大規模な建設物の典型的な案件であると通告した。

 中国青年報社会調査センターが先般完成させた読者調査(3602人参加)による
と、90.3%の人が政府の浪費現象は個人よりもさらに深刻であると考えている。

 山西食糧局が流用した国家食糧備蓄庫資金は、国家級風景名勝区の旅行接待の
「雲峰閣」ホテルの建造にあてがわれ、その工事価格は690万元だった。現地政府
はさらに、ホテル近くに「糧神殿」を建造した。
 憶面もなくハイグレードで豪華なオフィスビル、ホテルを建造したほか、中国
の公用車、公費での会食、公費での海外旅行等の問題も非常に目立っている。
 今年の両会においても、全国政協委員の馮培恩氏が人々を驚かしてやまないデ
ータを列挙している。例えば、中国の公用車数は数百万台、毎年の消費は2000億
元以上、そのうち、真に公務に用いられているのは3分の1というものや、毎年の
公費での飲食の費用はざっと1000億元に上るというものや、公務員の出国視察及
び研修熱がヒートアップしていて、公費による海外出国の年間の費用は1000億元
というものである。

 「あの数日間は本当によかった!」北京の交通について、李さんは昨年の11月
のことを思い起こした。「中国・アフリカフォーラム北京サミット」が実施され
た数日間、半分の公用車は路上に出るころが許されなかったのである。
 「あの数日の状況から、あなたは北京の公用車がどれだけあるかを判断できる
でしょう!」

 政府機関の浪費に比べれば、個人の浪費などずっと少ないものである。本紙調
査によれば、自分自身は「やや節約している」(54.6%)、「とても節約してい
る」(7.6%)、「普通」(27%)に対して、「とても浪費している」(1.7%)、
「やや浪費している」(9.2%)であった。

 「新世代の若者の節約意識はますます希薄になっている!」読者である鐘さん
は、以前メディアが報道したある事件を取り上げた。
 それは、四川師範大学の20数名の学生が1週間以上の時間を使って、100枚以上
の同級生の食べ物を浪費している写真を撮影して、学校のウエブサイトに発表し
たことである。彼らは同世代の人に食べ物を節約するよう呼びかけたいと思って
いて、まさか多くの人から非難されるとは思っても見なかっただろう。
 現在の大学のキャンパス内では、似たように、白昼に宿舎の電気がついていた
り、衣服を洗濯する最初から最後まで蛇口を明けっ放しというような状況は日常
茶飯事だ。鐘さんは「私たちの若かったころはこんなことはできなかった」と嘆
いている。
 「20年前に比べて、私たちの社会の浪費現象はさらに多くなった」という鐘さ
んのこの見方は、調査の中でも実証されており、83%の人が中国社会の浪費現象は
ますます深刻になっていると考えている。現代の中国社会が「とても浪費」(43.7%)、
「やや浪費」(52.7%)に対し、「とても節約」(0.2%)、「やや節約」(3.3%)
だった。

 改革開放以降、中国経済は高度成長を続けている。この背景には、「ぜいたく
をして内需を促進」しているというのがあるが、やはり「節約を唱える伝統の美
徳を継続」すべきというのもあり、多くの場面でも議論になることが多いテーマ
である。
 調査によると、圧倒的多数が「節約すべき」(95.3%)とし、「どちらでもい
い」(3.7%)、「ぜいたくによって経済発展を促進する」(0.9%)であった。

 「浪費現象を変えるのはまずは政府から」ある読者はこのように呼びかけてい
る。81.9%の人が「節約型社会の建築は政府から始めるべきだ」という考えに賛同
している。
 6月1日、国務院は「国務院事務室公共建築空調温度コントロール基準の厳格執
行の通知」を発表し、公共建築の下記のエアコンの温度は摂氏26度を下回っては
ならないとしている。これより前に、省エネ指標が各地の公務員の査定システム
に組み込まれた。
 これがもしかすると好機の始まりかもしれない。

 今回の調査は2007年4月30日―5月28日に実施されたもので、全国31省市区及び
インターネットからの有効サンプル3602件によるものである。アンケートサンプ
ルのうち、新聞読者から321件が寄せられ、インターネット読者からが3281件だっ
た。回答者のうち男性が70%、女性が30%で、平均年齢は28.8歳、年齢構成は19―
35代の読者が78.1%を占め、短大以上の学歴を持つ回答者が87.4%を占めた。
〔中国青年報6月11日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●党政幹部100名のサンプル調査 つき合いが多く読書時間を圧迫
 「党政幹部100名の読書習慣」調査の結果が先般公表された。
 統計データによると、圧倒的多数の党政幹部は読書への強い関心を抱いている
が、多忙な仕事、過度なつき合いが読書を妨げる最も大きな原因となっていると
いう。
 専門家は、学習型社会建設を進めている今日、「過度な会議」と不必要なつき
合いを極力減らし、読書を党政幹部の良好な習慣とするべきだと注意を呼び掛け
ている。

 「党政幹部100名の読書習慣」調査は、中国図書商報と瞭望東方週刊の共同で行
われた。
 調査は、黒龍江、江蘇、重慶、広東、陝西の5省市、党政幹部100名をサンプル
とした。100名の大多数は庁局幹部と県処級幹部で、科級幹部はごくわずかである。

 調査によると、ほとんどの党政幹部は読書に対して強い関心を示している。圧
倒的多数の政党幹部は、読書によって政策を決定する正確性やそのレベルを高め
るのに役立つと認識している。
 調査を受けた党政幹部のうち、80%を超える幹部が、読書は個人の修養を高める
最もよい方法だと考えている。50%以上の幹部が、「手法の参考や知識の蓄積」に
役立つと考えている。

 だが、「読書の政策決定作業における役割」についての質問では、世代によっ
て見方が異なった。
 50―60歳の幹部は「読書は脳の働きを活性化し、明確な思考が可能となる」と
いう項目に同意しているが、30―40歳の幹部は、読書によって「手法の参考や知
識の蓄積」に偏り、読書によって情報を得るという項目には余り同意していない
ようだ。

 特に着目すべきは、調査を受けたすべての幹部の「何が読書に影響している
か?」という回答の中で、つき合いが多く、仕事が忙しいという理由が上位を占
めたことだ。ある幹部は、常に仕事が忙しく、読書をする時間がとれないとし、
ある幹部は、平時つき合いが多過ぎて、読書ができないとしている。
 わずかではあるが13%の人は「信頼できる情報書物がない」「どんな本を読んだ
らいいのかわからない」と答えている。

 調査を受けた100名の幹部の中で、65%の幹部がわざわざ時間をとって読書をし
ていると答えている。これは、幹部らが読書を重視していることのあらわれである。
 「出張の機内や電車内」での読書が38%、「研修時」に読書をすると答えた幹部
の割合は19%で、「自宅で就寝前」「単位組織の読書活動時」に読書する割合より
やや高かった。一部の幹部は、毎日退庁後自宅に帰るのが遅くなったり、帰宅途
中余計な時間がかかったりして、夜に読書する時間はほとんどないという。

 党政幹部の年間平均書物購買冊数は年齢によって差が出た。
 調査によると、50%以上の幹部が毎年6冊以上の書籍を購入、約40%の幹部は4―
6冊購入、1―3冊しか書籍を購入しないのはごくわずかだった。
 30歳代と50歳代の幹部の書籍購入数が多く、40代の幹部の購入数は少ない。

 党員幹部にとって印象深い書物と最もよく読む書物の質問では、党政幹部の印
象深い書物の範囲は幅が広く、大衆向けのベストセラーから、文学、歴史、哲学
に至るまであった。湖南科技出版社出版の「世界是平的」は多くの幹部に読まれ
ている。
 ベストセラー本以外に、党政幹部は世界の指導者の伝記や指導者自信の著書に
も興味を持っている。例えば「毛沢東伝」「〓小平文選」「江沢民文選」「学哲
学用哲学」などだ。また多くの幹部は「西方経済学」「学会正面思維」など経済
管理関係の書籍や「中国近代思想史」「万歴十五年」など歴史関係の本に興味が
ある。

 調査結果からわかるように、人物伝記類、政治関係と経済関係の書物が最も党
政幹部の人気を集めている。その中でも、人物伝記を読む幹部が最も多く65.3%、
文学芸術関係と政策決定管理関係の書籍も約40%の幹部が愛読している。
〔人民日報6月5日〕
注)〓は、「登」におおざと

……【連載:日本人には言えない―中国人の価値観】………………………………
 現在、日系企業の日中異文化理解の企業研修の第一線で活躍している、当メー
ルマガジンの編集長・李年古による「中国人の価値観」をテーマにした連載をお
おむね月2回の頻度で掲載します。
 大好評をいただいた著書『中国人との交渉術』からはや5年、この連載のベー
スにもなっています著書『日本人には言えない―中国人の価値観』もあわせてご
らんください。

●〔第5回〕金銭的「けち」の価値観
 日本人が一番わからないのは中国人の金銭感覚だろう。お金にたいする日中の
感覚の差は大きすぎるからだ。
 「中国人はケチだ。あんなにお金にこだわっている人種はほかにいない」と日
本人はいう。「日本人のようにケチな人間はほかにいない」と中国人がいう。双
方とも相手こそおかしいと言い張る。たとえば
 「市場でたった一元のために三〇分も時間をかけて喧嘩するのを見た」と日本
人がため息をもらせば、「友達と食事をするとき、かならず割り勘だ」と日本人
のケチぶりを批判する中国人がいる。どちらにも相手を非難する理由がじゅうぶ
んある。
 ただし、中国人はたしかに〇・五元の野菜を買うときでも、外交官並みの交渉
を真剣にするが、二ヶ月分の給料に相当する五万円もの携帯電話を買うのに、ま
ったく交渉も躇著もしないことがある。また、高価なブランド品を値引きもせず
に大量に買い込む日本人の行動もよくみかける。
 つまり、日中の金銭観のちがいは、それぞれの文化的な背景に起因しているの
である。中国人が何時間もかけて交渉しているのは、お金にたいするこだわりよ
りも、交渉そのものを楽しんでいることもあるし、日本人の割り勘も、割り切っ
た人間関係が増えてきたための交際スタイルで、必ずしもケチとは言い切れない
だろう。

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                        (中国人民銀行6月18日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.1708  762.13   97.48   1020.61
関連ページ:http://www.boc.cn/
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《編集者コラム――趣味》
 このメールマガジンの記事に呼応するわけではないんですが、私自身も本を読
む時間は少ないです。文字情報はかなり入れているような気がするんですが、ど
うしても本にたどり着けません。
 日々読んでいるものといえば、ビジネス雑誌とかレポート関連、日本語や中国
語のニュースサイト、各種情報サイトやブログですが、それらを読んでいるだけ
で時間がとられ、本として手に取るものも新書や実用書、ビジネス書みたいなも
のばかりで、それは読書と言えるのかどうか疑問です。
 これに加えて、家での娯楽はメールマガジンをつくったりブログを作成しつつ
チャットしたりして、さらに野球中継を見たり、テレビゲームをしたりして、そ
もそも読書という感じではないし、読むとしても、ここ最近で中国や東アジアか
ら離れた、リラックスして楽しめるような大衆本を読んだ記憶がはないほどです。
現実が小説よりおもしろ過ぎるので、その手の本を読まなくなったというのもあ
あります。
 インターネットで常時接続ができる前までは、確かに「趣味」の欄には「読
書」と書いていて、本を読んでいましたが、それはもう昔の話のようです。今と
なれば、本を読むためには大胆に生活習慣を転換しないと無理そうで、自分の趣
味もそろそろ変えないといけないなと思います。(ま)
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●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―)
 http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで)
 http://www.jckc.com/nweek/view.php?no=1
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:戴小芳 奥谷道弘 リン 神谷輝雄 呂君 澤田裕子
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