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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.367 2006年10月3日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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●URL変更でますます充実! 「ビジネス企業研修@中国」
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●李年古ブログ「日中異文化見聞録」で見る中国人の視点
       http://blog.jckc.com/
●《中国最新情報》ブログ 細々とやってます
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:最後の「人民公社」】
●最後の「人民公社」 富裕への実践 上

┏【国内経済】
●国際資材調達1000億米ドル市場 中国企業への厳しい条件が障害に

┏【労働】
●企業年金発展良好 2.4万社が企業年金あり
●社会保険基金累積6000億元突破
●社会保険基盤強化 基金収入毎年20%増

┏【教育】
●58歳の女性の大学入学は国家資源の浪費?

┏【経済データ】
●外国為替(10月2日)

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……【特集:最後の「人民公社」】……………………………………………………
●最後の「人民公社」 富裕への実践 上
 河北省晋州市の周家庄郷は、現在現存している唯一の「人民公社」だ。労働集
約型工業によって計画経済時代の社会体系を支えてきたが、今後の方向性が大き
な課題となっている。

〈ポイント〉
 周家庄人民公社が1962年から始まってから現在までで44年間になるが、多くの
社員は依然として集団計画経済の生活に依存しており、労働点数で食糧を分けて
いる。集中耕作、統一分配が周家庄の主要な労働の形態である。
 全国の農民1人当たりの平均収入は3255元であるが、労働集約型工業の発展に
より、周家庄の昨年1人当たりの純収入は5000数元である。
 統計データでは、この「人民公社」は依然として一定の活力を持っている。し
かし、郷党委員会の雷宗奎書記は、集団経済は積極性に欠けていると感じている。
 世界的な市場経済の発展が進む潮流の中、「人民公社」は計画経済時代の産物
であり、今後どうするのかが依然として大きな課題となっている。

 早朝6時、梁建中さんは隊本部のスピーカーの前に立って、手でマイクをたた
いて、毎日お知らせの放送をする。「今日は男性の皆さんは南東部の大根を抜き
ます。以下の人は行ってください。建民さん、造順さん、書繊さん……」
 梁建中さんの生活にはこれまで自由な労働というものはなかった。「隊での労
働は私が組織し、手配しています」彼は河北省晋州市周家庄郷の第4生産隊の隊
長を務めている。

 周家庄は中国で現在唯一残っている人民公社制度の郷鎮である。その他の地区
は24年前に各家庭に田を分配し、新しい制度へと転換している。周家庄の土地、
労働力は依然として集団所有制を堅持している。「労働点数」「食糧」、これら
の計画経済時代の歴史用語が、周家庄では依然として社員たちの生活の一部にな
っているのである。

 2005年の経済的データから見ると、周家郷の人民公社は依然として活力があり、
1人当たりでの財政貢献度は河北市トップである。この郷の農民1人当たりの純収
入は5018元で、晋州市の農民の1人当たり平均収入より多い。
 周家庄党委員会の雷宗奎書記は、集団経済が強大になる方法を模索していると
いう。雷書記によると、集団経済には活力があるのだが、「重要なポイントは社
員の労働に対する積極性を高めることにある」

〈自由のない労働点数制での労働〉
 8月31日の夕方、周家庄第4隊の張順さんは、大きな鋤などを担いで白菜畑で同
じ隊の隊員とおしゃべりをしていた。白菜を女性たちが収穫するのを待って、彼
はその他の数人の人と野菜畑の土地をならすのである。
 「ここでは、自分が何をするのかを決めることができません。隊長がやれとい
えばそのとおりやるだけです」
 張順さんは、隊長が野菜畑をならせといえば、目の前にある唐辛子を収穫した
くても収穫してはいけないのだ。そうしないと労働点数が減点される。彼は既に
なれたのだと言う。「やりたいと思ったことができるわけではないのです」

 「労働に対する要求もとても細かいのです」と張順さんは言う。
 例えば、新しい土地を耕すときは、深さは4寸以上で、水平でなければならな
い。1ムーをこのとおりに耕し終わると張順さんに0.24の労働点数が加算される。
比較的自宅に近い場合は0.22しかもらえない。

 周家庄ではすべての労働が労働点数を基準に計算されるので、門番、トラクタ
ーの修理、運転手、さらには郷長や隊長の仕事まで、年末になると労働点数によ
ってすべて計算され、所得分配が行われる。
 周家庄郷では、労働それぞれが372項目に細分化されており、すべての労働部
門の労動量と労働点数が一目でわかるようになっている。そして、仕事に対する
具体的な規定もすべてつくられている。
 毎回仕事に行く前に、隊の会計に記帳し、年末に年間労働点数の計算をする。
その年の隊全体での総収入から合作社1年間の支出である生産コスト、水、電気、
食費、集団公共積立金などを除いて、労働点数を1点が幾らになるのかを計算する。
 4隊の昨年の農業労働点数は1点が平均35.5元で、社員の張順さんは1年間で340
点の労働点数があったので、純収入は1万1000元強あった。
 集団所有制度では、すべてが隊長の手配で決まる。隊長は生産隊の権力の中枢
であり、毎年春にその年の生産計画を決め、ほとんどすべてを隊長1人で手配す
るため、合作社で大きな変更が行われることはない。

 「どこで何をつくるということまで私一人でするのでナーバスになっているの
です」と梁建中さんは言う。「隊の社員代表や労働監督員もすべて私の指定した
人で、一般的には真剣に働き、責任感のある人を選びます」
 郷党委員会の雷宗奎書記によると、生産隊長は村長ではないが、多くの行政機
能を果たしている。生産隊長は組織が選ぶのだが、管理能力があり、生産のすべ
てを理解していて、技術があり、仕事の振り分けがよくわかっている人がやるべ
きだという。
 梁建中さんは既に連続22年間隊長を務めている。周家庄には全部で10隊あり、
周家庄の農業・工業・商業の合作社が管理している。協同組合の韓建主任ははっ
きりと言う。「隊長はみんな20年前に任命されていて、この数年に一部不適任な
隊長に対して調整が行われましたが、選挙制を採用したことはありません」

〈雷金河さんが人民公社をどうにか存続させた〉
 雷金河さんにとっては、この人民公社は心のよりどころであった。それは、1982
年に雷金河さんが強く存続の意志を示したため、人民公社は今なお続いているか
らだ。
 周家庄のきめ細かい労働点数を最初に制定したのは雷金河さんである。2001年
に亡くなるまで、雷さんはずっと周家庄の中心人物であった。雷さんの強い意思
のために、この人民公社は1982年に消えることなく、全国のような家庭を単位と
する請負制にならなかったのである。

 1953年に雷金河さんを初めとする指導グループが「どれだけ働いたかによる点
数制」という規定を制定した。そのときに全国の他の人民公社とは全く異なった
詳細な「ノルマの管理」を始めたのである。1954年に周家庄の人民公社の労働量
は1953年に比べて52%増加している。
 このため、雷金河さんは国家の指導者の接見を受け、そして典型的な「冀中一
傑」としてその称号を受けた。
 1978年に、雷金河さんは綿花に巨大な国家需要があることに気がつき、すべて
の人民公社の食糧生産を減らし、綿花栽培をふやした。そのため周家庄では1980
年度の綿生産高は1978に比べて4.8倍にまで増加した。
 1979年末には、周家庄は文革時の18万元の債務を完済しただけではなく、集団
で161万元の余剰金があった。国家指導者は再度周家庄へ視察に訪れている。

 現在でも周家庄の社員は雷金河さんに対して説明できないある種の感情をまだ
持っている。
 今の党委員会の雷宗奎書記は雷金河さんの孫である。彼は祖父が集団経済に対
して持っていた感情がよくわかっている。

 1982年には、農業家庭による生産請負制が既に農村の主要な生産形式となって
いた。周家庄もこれについて熱心に協議した。
 「みんなは集団経済が比較的よいということはわかっていました。会議をして
土地を分け与えるかどうかを討論したとき、1、2軒を除く他の社員はすべて土地
を分けることに反対でした」劉建中さんは66歳になるが、その時の討論大会に参
加していたという。
 しかし、民意はやはり各方面の圧力を受けた。ある社員によると、河北省は県
委員会の書記に、周家庄の土地を分けることをその書記の任命時に任務として命
じたが、中央が「しばらく観察する」ことを認めたのだと言う。
 河北省社会科学院農村所の劉増玉研究員は、何度も雷金河さんと会ったことが
ある。聞くところによると雷金河さんは、当時河北省長に「もし1年やってみて、
他の人民公社より成績が悪かったら、土地を分配します」と言ったという。
 こうして、周家庄の人民公社はどうにか保存されたのである。
(次号に続く)
〔新京報9月19日〕
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……【国内経済】…………………………………………………………………………
●国際資材調達1000億米ドル市場 中国企業への厳しい条件が障害に
 世界の調達企業が中国で資材を調達する金額は今後数年に1000億米ドルに達す
ると見られている。人々をひきつけている調達市場のパイは、中国企業にとって
も国際市場進出につながる巨大なビジネスチャンスでもある。
 だが、資材調達企業はサプライヤーとしての資質に厳しい要求を課している。
中国企業の多くは条件を満たせず拒絶され、知名度の高い多国籍企業のサプライ
チェーンを担う機会に恵まれない。

〈調達・供給双方に温度差〉
 経済のグローバル化が進み、中国経済の成長が続くにつれ、世界の多国籍企業
は競って中国でグローバル調達ネットワーク、地域的調達ネットワークを建設し
ている。商務部の大まかな統計データによると、既に300社以上の多国籍企業が
調達ネットワークを有している。

 9月26日に開幕した「第1回中国(上海)グローバル国際資材調達フェア」(以
下、「調達フェア」)も多くの調達企業の注目を集めた。
 今回の調達フェア組織委員会の関係者は、「全部で200社の国際調達企業が事
前参観に訪れた。ウォルマートやシーメンスなど世界上位500社に数えられる企
業30社余りが中国での発注をふやし、中国で製造することで、コスト面で有利に
立ちたいと考えている」という。

 「だが、多国籍資材調達の問題では、中国企業に主導性がないことが多い」と
上海国際調達中心有限公司の解震・董事総経理は「第一財経日報」の取材に応じ、
こう述べた。
 「事実上、中国の企業が多国籍企業のサプライチェーンに加わることは、海外
市場への進出に通じる有力なルートができたということ」「中国企業が早急に、
国際資材調達システムについて、認識を深めて適応すれば、その技術基準、シス
テムが求めるものについても理解できる」と話す。

 多国籍企業が積極的な一方、一部の企業はためらっている。
 コンセントなどの生産を営む寧波凱峰電器有限公司の責任者は、「ウォルマー
トのような大規模調達企業は、サプライヤーの資質面の条件についての要求事項
が非常に多い」という。
 「貨物検査も厳しく、うっかりすると返金が生じることもある。さらに影響が
大きいのは貨物の納品で、たびたびおくれるようなことがあれば、特に金額が大
きい場合は、企業、とりわけ中小企業などにとっては大きな打撃となる」

 また、中国企業がある多国籍企業からの発注を受ける場合、ほとんどが輸出還
付税で一定の利益率が保証されると見込んでいる。だが、輸出税還付政策の見直
しが打ち出されて以来、こうした政策に敏感な製品での利益維持が難しくなって
いるという。

〈企業の資質が多国籍企業への供給阻む〉
 解震・董事総経理は、「多国籍企業の資材配分方法は最新で、販売ネットワー
クも整備されている。国際化モデルに基づいて調達商品を選別し、サプライヤー
への要求、基準も高い。我が国の多くの企業は自社の資質不足が足を引っ張り、
国際調達ネットワークに加われない」と述べた。
 さらに、「より多くのビジネスチャンスを手にしたければ、中国企業は多国籍
企業の資材調達情報、関連ルールを主体的に入手すべき。性急に事を進めるので
はなく、製品の品質維持によって信頼を得るのが本筋。中国国内企業にはこの2
点を実践できていない会社がある」と話した。

 解震・董事総経理は、「多くの場合、中国企業は価格を下げ、注文をとる。こ
のため、不必要に体力を消耗し、調達企業の信頼を喪失してしまう」と指摘。ま
た、「国際資材調達では全体のフローに対する透明度を高めるよう求められる。
中国企業間の「殺し合い」的なやり方ではもたない」との認識を示した。

〈従業員の労災事故も年次報告書へ記載〉
 中宇建材集団有限公司は、ある国際的に知られたサニタリー製品のOEM会社だ。
今回は福建から上海での調達フェアに参加し、多国籍調達企業との提携のチャン
スを探るという。
 同社の責任者・賈金枝氏は「海外で知名度の高い調達会社は企業の生産能力な
どへの要求が格段に厳しく、国内の調達会社の数倍に及ぶ」と述べる。

 賈金枝氏はさらに、こう話す。「中国企業が多国籍企業のサプライチェーンに
加わりたいのなら、従業員の福利厚生、防火設備、生産環境、衛生環境などまで
考慮する必要がある。また、たとえ1人でも、従業員が不注意でドライバーで指
を切れば、それを年次報告書へ記載しなければならない。こうしたことも、中国
企業が二の足を踏む理由となっている」
〔第一財経日報9月27日〕

……【労働】………………………………………………………………………………
●企業年金発展良好 2.4万社が企業年金あり
 労働社会保障部基金監督司の陳良司長は24日、2005年末現在で中国全国で企業
年金がある企業は既に2.4万社を超えたことを明らかにした。

 中国は1991年から2000年末までで企業年金がある企業はわずか1.6万社にすぎ
ず、加入している労働者数は560万人で、基金は累積で191億元だった。
 2005年末に至り、全国で企業年金がある企業は既に2.4万社を超え、加入労働
者は900万人以上、基金は累積で680億元となり、資金量は2000年と比べて256%の
増加となった。特に、幾つかの大型企業が相次いで企業年金を設立した影響力が
あらわれた格好だ。

 陳良司長は、企業年金の運営は、銀行、信託、証券、保険等の多くの領域に関
係があり、監督管理の空洞化あるいは重複を可能な限り避け、監督管理を強化し
なければならないと話す。機構の監督部門は、資格許可を得た上でルールに従っ
て運営する機構を監督し、市場の利益を競い合ってはいけないとしている。
〔新華網9月24日〕

●社会保険基金累積6000億元突破
 労働社会保障部の田成平部長が24日に開かれた中国社会保障フォーラム第一回
年次総会で述べたところによると、改革が深化するにつれ、社会保障がカバーさ
れる範囲が拡大し、基金の基盤が徐々に強くなってきているという。
 2005年、全国の5つの社会保険基金の総収入は6968億元で、支出は5401億元、
累計で6066億元が基金として蓄積されている。

 田成平部長によると、ここ数年の社会保険加入者数は毎年6%前後増加している。
 昨年までの全国の各種保険の加入者人数は、養老保険が1.6億人、医療保険が
1.2億人、失業保険が1.1億人、労災保険が7000万人だった。
〔中国青年報9月24日〕

●社会保険基盤強化 基金収入毎年20%増
 田成平部長は23日に開かれた中国社会保障フォーラムにおいて、ここ数年、基
金収入が毎年20%前後ずつ伸びており、さらに2000億元以上の全国社会保険基金
が累積していることを明らかにした。

 田成平部長は、国有企業の下崗労働者の基本生活と企業の退職者の基本的な養
老年金が予定の期日にきちんと支払われていることに触れ、このことで相互密接
な関係にある国有企業の下崗労働者の基本生活保障、失業保障、都市住民の最低
生活保障制度が確立し、下崗労働者の再就職とも結びつき、多くの国有企業余剰
人員の処遇を比較的よく解決していると示した。

 1998年から2005年までで2400万以上の国有企業の下崗労働者が基本生活保障を
享受することができ、1900万人以上が再就職を果たした。また、保険加入をして
いる退職者は2700万人から4300万人に増加し、養老金支給額は1512億元から4040
億元に増加した。

 このほか、田成平部長は、引き続き制度構築を強めることで、中国の社会保障
システムの枠組みをつくり、制度を試行し、社会保障システム万全化のための貴
重な経験を蓄積し、管理サービスを強化することで、社会保障制度の穏やかな運
営を促進することを示した。〔新華網9月23日〕

……【教育】………………………………………………………………………………
●58歳の女性の大学入学は国家資源の浪費?
 58歳で大学に入学するのは個人的な夢の実現なのか、それとも国家資源の浪費
なのか?。「仝正国さん騒動」は各方面で熱烈な議論を誘発している。

 今年9月、天津塘沽区の58歳の仝正国さんが、昆明理工大学津橋学院の正式な
全日制の大学生となり、春城昆明で4年間の大学生活を始めているという。
 大学のクラス委員よりも30歳以上年上であり、敬服の眼差しとともに、いろい
ろな意見も聞かれる。

〈賛成意見:個人的な夢の実現であり、他の人も勇気づけている〉
 新学期を迎え、仝正国さんの孫娘より8歳年上の、仝さんの入学手続に付き添
っていた大学2年生の王恬さんに昆明理工大学で取材した。
 「特別な後輩」について話を聞くと、王恬さんは非常に尊敬すると話す。「仝
さんを見ていると、学問には終わりがないということの本当の意味を実感します。
仝さんは入学したばかりですが、噂はクラスメートにも広がり始めていて、私た
ちの学習の模範となっています」という。
 「60歳近くになって学習意欲を堅持しているということに非常に感動しました。
彼女の意欲は間違いなく私の子供にとってもいい刺激になるでしょう」雲南省迪
慶チベット族自治州から来た52歳の和振華さんは、自分の子供と一緒に入学した
自分よりも年上に当たる58歳の仝さんのことを聞いて、すばらしいと答えている。

 過去3年間、仝正国さんは天津塘沽一中でクラスメートの模範となっていた。
高校のクラス担任の劉争誉先生は、「仝正国さんは高齢で、体も余り丈夫である
とは言えませんが、ほとんど欠席もなく、遅刻や早退もありません。仝正国さん
の継続の精神は、周囲のクラスメートを鼓舞して、人生を考えるきっかけとなっ
ています」

 仝正国さんは、1965年に天津市塘沽一中の初級中学を卒業したが、この年に起
きた特殊な歴史が原因で進学できなかった。しかし、大学に行くことは彼女の心
の中で変わらない夢だった。
 2001年に国家が大学入試の年齢制限を解除後、2003年に母校の塘沽一中に帰り、
高校生活をスタートさせた。
 仝正国さんが大学の合格通知を受け取ったとき、四十数年前からの古くからの
クラスメートたちは合格祝いのパーティーを開いた。初級中学の同級生の劉生遠
さんは、「仝正国さんは自分の理想を実現しただけでなくて、私たちにかわって、
この時代を生きた者が皆持っている、大学入学という夢を実現してくれました」
という。

〈反対意見:国家教育費の浪費〉
 仝正国さんが大学への進学を果たすと同時に、関連したいろいろな意見が次々
に沸き起こっている。
 取材していく中で、現在、就職競争がこんなに激しいのに、58歳のおばあさん
が大学に行くのは国家教育費の浪費であり、また他の青少年の教育を受ける機会
を減らしているのだという意見も間々聞かれた。

 52歳の天津市民の孫文香さんは、仝正国さんが大学に行くことについて、大変
に不満に思っている。「実際には目立ちたがりなだけではないですか。どうして
こんなことをするんでしょう?。私の甥は3回大学入試を受けましたが、2点足ら
なくてチャンスを失いました。恐らく今後も難しいでしょう」。
 仝正国さんが社会人高等教育統一入学試験などの方式を使わずに、大学に進学
していることが理解できないという人もいる。

 天津の建築工事現場で働く吉林籍の出稼ぎ農民の湯徳さんは「前に新聞でこの
報道を見ましたが、おばさんが試験を受けてみるだけだと思っていました。自分
の能力を証明するためだけで、まさか本当に大学に行くとは思いませんでした」
という。
 湯徳さんは高校を卒業してからずっと天津で仕事をしている。卒業してから10
年たっているが、就職競争がとても激烈な時代で、1枚の大学卒業証書が若者に
とってどれだけ重要であるかをよくわかっている。

 仝正国さんの家族も、彼女が学校へ行くことについて余り賛成していない。
 御主人の慈元富さんは定年退職した後に水上運輸部門に再就職しており、頻繁
に海に出ている。慈さんは「彼女が高校に行くことも余り賛成していませんでし
た。どうしてさらに大学になんか行かなければならないんでしょうか?。若者に
とっては就職のためということもありますが、彼女が大学に行ってどうするんで
すか?、何の意味もないじゃないですか」と言う。
 彼女の息子も「大学4年間で、授業料、生活費などで少なくとも十数万元必要
です。このお金でもっとほかのことができるじゃないですか」と言う。

 余り賛成していないけれども、仝正国さんの家族は深い理解を示している。1977
年の大学入試制度回復時、仝正国さんにとっては年齢的に最後のチャンスだった
が、息子は当時3歳、夫はいつも海に出ており、彼女は家族のために夢をあきら
めたのである。
 慈元富さんは言う。「大学に行くのは彼女の夢で、彼女は夢を実現するために
努力する過程の喜びを身をもって経験したのです」

〈学者:個人の選択を尊重し、さらに若者ためにもさらに多くの機会をつくる〉
 「仝正国さん現象」に対して、天津社会科学院の社会学研究所の汪潔副研究員
は、すべての国民には教育を受ける権利があり、年齢、性別、貴賎の差別はない
と言う。「私たちは若い子供たちが、大学へ行って学問を深くきわめることを喜
ぶべきで、同じように仝正国さんに対して十分な理解と寛容さを与え、彼女の選
択を尊重するべきです」
 しかし、汪潔副研究員は建設的な意見として、大学の資源が限られている現状
では、今後、仝正国さんのような状況があれば、学校側は臨機応変に対応し、こ
ういった受験生のために定員をふやせば、勉強する意欲を高め、別の受験生のた
めにも機会をつくることになるとした。

 昆明理工大学の孫〓教授は、仝正国さんの大学入学を積極的に評価している。
このことは「生涯学習、生涯教育」の理念を体現しており、社会的にとても強い
意義を持つと考えている。

 社会で起きている幾つかの議論に仝正国さんは納得できないでいる。仝正国さ
んは「国家のこのすばらしい政策がなかったら、この年齢になって再び高校へ行
って、そしてさらに大学で勉強することはなかったのです」と言う。
 「学校へ行くのは卒業後によい就職先を見つけるためではなく、一生勉強を続
けたいだけで、自分の人生をさらにすばらしくするためです。できれば、大学院
を受けて引き続き学ぶことができればと思っています」
〔新華網9月12日〕
注)〓は、ひへんに「勹」の中に「ン」を書く

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                       (中国人民銀行10月2日17:20)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.7274  790.87  101.54   1005.56
関連ページ:http://www.boc.cn/
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《編集者コラム――オープンキャンパス》
 週末、用向きがあってとある都内の私立大学に行ったところ、そこではオープ
ンキャンパスが行われていました。受付に何か物が並べてあったので、ついつい
その物欲しさに近づくと、手提げがもらえました。
 それを持って建物の中に入ると、長机といすが並び、その向かい側には教授陣
がスタンバイしており、何か質問があれば直接先生に聞けるようでした。その横
には入学案内や入学試験問題、赤本まで並べられている机もあり、しかもそれが
自由に取っていっていいようでした。
 手提げの中にはボールペンやら飴やらが入っていたり、無料のお食事券で「学
食体験」、庭にはアイスクリームの出張車があり「無料サービス」の張り紙が張
られているのです。
 これらは、私が昔、少しだけお手伝いした記憶がある母校のものとは相当違い、
ここの?最近の?オープンキャンパスってすごいなと思いました。(ま)
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●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―)
 http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで)
 http://www.jckc.com/nweek/view.php?no=1
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:劉志軍 戴小芳 アヤ 奥谷道弘 リン 後藤せいか カスミ
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