CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子マガジン《中国最新情報》  No.536 2011年7月4日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
登録/解除:http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「ビジネス企業研修@中国」http://www.bizchina.jp/
★今週の読者数合計:6,044名(2011年7月4日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:2011年下半期以降の経済展望】
●2011年下半期経済トレンドを予想
●中国の信用供与の対GDP比率 警戒レベル1割を超える

┏【国内経済】
●中国新型都市化水準 上海トップ
●審計署 三峡集団に会計検査 批難事項多数

┏【環境】
●中国七大水系 全体的に軽度の汚染

┏【環境】
●離婚率7年連続上昇 中国では1日当たり5000世帯の家庭が崩壊
●1日に5000組余りの夫婦が離婚 不倫が最大の理由

┏【経済データ】
●外国為替(7月4日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:2011年下半期以降の経済展望】………………………………………
●2011年下半期経済トレンドを予想
 6月22日、スタンダード・チャータード銀行年央投資トレンド分析会が上海で
開催され、スタンダード・チャータード中国財富管理部の梁大偉副経理は、2011
年上半期の国内外の経済情勢を振り返り、下半期の展望を占った。

 2011年上半期の世界株式市場を振り返ると、先進国は発展途上国よりもいい状
態にあったとして、梁大偉副経理は、要因を3つ挙げた。
1) 先進国のインフレ圧力は小さかった。一方、発展途上国のインフレ率はどこ
 も5%以上であり、インドとロシアでは10%である。
2) 先進国の貨幣政策と流動性がやや緩和した。
3) 先進国の資本市場の時価評価がさらに下がった。

 2011年下半期経済情勢の展望について、梁大偉副経理は楽観視しており、「上
半期の経済指数はとても低かったことにより、予想を上回って、今後底を打って
反動が来る機会があり、新興経済国の経済情勢のソフトランディングの可能性も
最大になる」と指摘した。

 また、梁大偉副経理は以下のように予測した。
 中国の下半期のインフレは下落し緩やかな水準に至り、緊縮政策は緩和する。
下半期のCPIは前年同期比4%―4.5%増、年間CPIは前年同期比5.1%増、GDPは前年
比9.3%増となる。中央銀行は今後半年以内にさらに1、2回の利息を引き上げる可
能性がある。米国の実質利率は早くても2014年になってから正常値に回復する。

 為替レートにおいては、「世界的な景気低迷と米連邦準備理事会の量的金融緩
和第2弾(QE2)の終了で、米ドルレートは第2四半期末、第3四半期初めに短期的
な反動があるかもしれないが、中長期的には依然として軟調に推移する」
 そして、人民元レートの変動幅は広がり、2011年末までに、人民元の米ドルレ
ートに対する仲値は6.28前後となると予測される。

 このほか、今年第4四半期の原油価格は1バレル103米ドル、金価格は1オンス
1550米ドル、銀価格は1オンス38米ドル、プラチナ価格は1オンス2000米ドルとな
ると予測した。〔和訊網2011年6月22日〕

●中国の信用供与の対GDP比率 警戒レベル1割を超える
 6月24日、重慶で開催されたクレディ・スイス中国投資年次総会において、ク
レディ・スイスの中国担当責任者である陳昌華氏は、中国経済は「緩着陸」、つ
まり、長期間経済成長が減速し、その幅も市場予測を上回るだろうとの見通しを
語った。
 クレディ・スイスは、高どまりするインフレ、とまらない労働コストの上昇、
大量の地方債務が、低迷する中国経済の成長に一層の脅威を与えるだろうと見て
いる。
 特に注目すべきは、大規模な簿外融資の影響で、中国の信用供与の対GDP比率
が警戒レベルを超えた点である。

〈中国経済「緩着陸」の可能性大〉
 「目下のところ、市場関係者は、中国経済は「軟着陸」(ソフトランディン
グ)し、経済成長は第2―3四半期に減速した後、再び上昇に転じるとの見通しを
依然としてしている。私は、中国の経済成長率は長期にわたって8―8.5%の比較
的低水準を維持すると見ている」陳昌華氏は語る。

 陳昌華氏は「第一財経日報」のインタビューを受けた際、「「軟着陸」とは、
経済成長が減速した後、急速に上昇に転ずることを意味するが、「緩着陸」の状
況下では、経済成長は比較的長期間緩やかになる。中国の状況はまさに「緩着
陸」である」と語った。

 このような状況下において、クレディ・スイスは以下のように予想している。
 一部の地方不良債権問題だけは困難な交渉を経て解決できる。不動産市場では
15―20%の価格調整が行われ、長期の販売不振に陥る。GDP成長率は名目8―8.5%
の間を推移し、CPIインフレ率も4%前後を維持する。また、金融部門の融資も鈍
化し、より保守的傾向となり、信用供与の対GDP比率は長期トレンドまで次第に
下落する。企業利益水準は10%前後を維持できる。

 注目すべきは、クレディ・スイスのエコノミストが中国経済に対する予測を修
正し、2012年中国のGDP成長率を8.9%から8.5%に下方修正するとともに、2011年
下半期から2012年にかけて、インフレの継続、緩やかな成長、継続的な引き締め
政策が実施されるとした点である。

〈信用供与の対GDP比率 既に10%の警戒レベルを超える〉
 クレディ・スイスの分析によれば、過去2年間で、大量の簿外融資によって中
国の信用供与の対GDP比率は警戒レベルに達したが、この点は市場からは軽視さ
れがちであるという。
 中国銀行が2011年第1四半期に公開したデータによると、2009―2010年、金融
部門全体の信用供与総額は、2008年末から71%増の26.7兆元となった。

 クレディ・スイスのアナリストはバーセル銀行監督委員会の手法を用い、目下
の信用貸付のGDP比と上述長期トレンドからの乖離から銀行業の信用供与リスク
を見積もったところ、目下当該比率は警戒レベルの10%をはるかに超えていると
結論づけた。
 クレディ・スイスは、当該データは将来の銀行業の資産の質に対する警鐘であ
ると見ている。また、上述のアナリストは、2011年第1四半期、非金融系企業1000
社のインタレストカバレッジレシオは既に2008年の金融危機の水準に近づいてい
ると語った。
〔第一財経日報2011年6月23日〕

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【国内経済】…………………………………………………………………………
●中国新型都市化水準 上海トップ
 最新の「中国都市化報告2011」が発表され、中国の50の代表都市の新型都市化
水準ランキングで上海がトップとなった。しかし、正常平均出勤所要時間ランキ
ングでは、北京が38分となり、追い抜かれた。

 中国科学院持続可能な発展戦略研究チームの座長、専門家が1年かけ完成させ
た「中国新型都市化報告2011」が23日に北京で発表された。
 この報告は、都市・農村発展原動力、都市・農村発展品質、都市・農村発展公
平の3大指標研究の計算を通じて、31の省都を含む中国大陸の50の代表都市の新
型都市化水準を出したものである。
 上位10都市は、上海、北京、深セン、成都、広州、天津、蘇州、重慶、東莞、
無錫だった。

 また、専門的な計算公式と指標を設定し、50主要都市の正常平均出勤所要時間
を算出したところ、北京が38分でトップ、上海、広州が36分で続き、南寧、桂林
等14都市の正常平均出勤所要時間は20分以下だった。

 専門家は、都市の正常平均出勤時間は、都市の実際の交通状況が正常な状況の
もとで市民が出勤するのにかかる平均時間であるが、種々の状況により、市民の
現実の出勤所要時間は往々にして正常平均出勤時間を遠く上回っており、両者の
時間差は都市交通渋滞が生み出したものだとしている。
 かつては、ある都市の管理状況を評価するとき、人々はGDPを使って判断して
いたが、現在は、出勤ルートにおける渋滞時間を指標として用いることで当該都
市の管理水準を判断できる。

 専門家は、渋滞問題解消はよいことで、政府管理水準が高いことを証明するも
のであるとし、渋滞時間を減らすことは、エネルギー、資源、時間を節約するこ
ととイコールで、効率を上げ、そのことによってさらに多くの富をつくり出す能
力を持つようになるとしている。〔中国新聞網2011年6月24日〕

●審計署 三峡集団に会計検査 批難事項多数
 中国の審計署(会計検査院に相当)は2010年、中国長江三峡集団(以後「三峡
集団」と略)の2009年度財務収支の会計検査で、会計検査範囲にある重大批難事
項に対し、関連年度をさかのぼって検査した。
 三峡集団は、対外投資、入札管理などの分野で問題があった。

 2006年―2009年、三峡集団はフィージビリティースタディーが不十分な状況で
10.68億元を投入し、揚水発電所2基を建設していた。2つのプロジェクトは目下
停滞状態にあり、損失のリスクに直面している。
 審計署が先述の問題を指摘した後、三峡集団は、地方政府と交流・協力の強化、
工程原価管理の抑制などの措置をとり投資リスクを低下させ、そして、その中の
1つである発電所プロジェクトに対し、全面移譲することで前期の投入コストの
回収を計画した。

 2008年―2009年、三峡集団は陝西省蒲城のジメチルエーテル・プロジェクトと
雲南省の先三鋒石炭化学工業プロジェクトの投資建設に資本参加したが、どちら
もまだ発展改革委員会の審査を通過していなかった。
 三峡集団は、関連プロジェクトの持ち株会社に審査・許可の手続を行うよう促
している。

 2007年―2009年、三峡集団は国家規定の標準を超えて入札募集代理費を1670.92
万元多く支払っていた。同じ時期、契約金額が3.58億元の電気機械設備の調達7
件を公開入札で行っていなかった。
 一部のプロジェクトの入札評価過程で規範が十分でなく、内部関連取引を通じ
て直接子会社に委託し、一部の附属プロジェクトが規則に反して外注、業務委託
されたなどの問題があった。

 内部管理の分野では、2009年、三峡集団が全体上場の過程で資金の使い方がま
ずく、一部の貸付資金を収益の低い財テク商品へ振り向けたことで、グループ全
体の財務コストを1.21億元増加させた。
 さらに、仲介機構を直接指定したり、仲介費用を基準より少なく給付したり、
財務顧問会社を繰り返し雇用するなどの問題があった。

 2004年―2009年、所属会社の三峡財務公司も、規則に反して貸付条件が不適切
な企業に累計11.17億元を貸し付け、2009年末までに貸出残高が6.48億元になった。
 審計署が上述の問題を指摘した後、三峡財務公司は貸し付けの1億5550万元を
回収した。

 三峡集団は対外株式投資においても管理体制が余り整っておらず、非主力産業
の投資拡張が速く、一部対外株式投資の利益が芳しくないという問題がある。

 審計署はまた、三峡集団及び所属会社は会計検査年度以前にも問題があること
を発見した。
 2007年、所属する金沙江開発有限責任公司設立事務所が建設した成都三峡ビル
プロジェクトは、国有資産監督管理委員会に報告せず、用地目的の変更手続を行
わない状況で、3.58億元を増額して投資し、高級ホテルを建てた。
 2008年、三峡集団は宜昌青雲公司の土木建築プロジェクトの工事に431.55万元
多額を支払った。
 審計署が上述の問題を指摘した後、三峡グループは国有資産監督管理委員会に
報告し、関連手続を事後的に行った。〔聯合早報2011年5月21日〕

……【環境】…………………………………………………………………………
●中国七大水系 全体的に軽度の汚染
 「2010中国環境状況公報」(公報)が6月3日、北京で発表された。
 公報は、一部の中国の環境質量指標が2010年も引き続き好転したものの、全国
的な地表水の汚染が依然として深刻で、都市部の半数以上で酸性雨が認められた
ほか、農業面源汚染物の排出量が大きく、環境全体が依然として非常に厳しい情
勢にあると指摘している。

 中国環境保護部の李干傑副部長は会見で、公報について、以下の7つの分野で
解釈を加えた。
1) 長江、黄河、珠江、松花江、淮河、海河、遼河の七大水系は全体的に軽度な
 汚染だった。204の河川において409の河川断面を調査したところ、「劣5類」
 水質の断面比率は16.4%だった。栄養状態が観測されている26の湖沼のうち、11
 カ所が富栄養化状態だった。
2) 近海沿岸水域の水質は全体的に軽度な汚染だった。四大海域では、黄海と南
 海沿岸海域の水質は良好、渤海沿岸海域の水質は悪く、東シナ海の水質は最も
 悪かった。
3) 都市部の大気は全体的に良好だが、一部の都市で汚染が認められた。113の環
 境保護重点都市では「2級」基準の割合が73.5%を占め、前年より6.2ポイント
 上昇した。このほか、酸性雨について観測されている全国494都市のうち、249
 都市(50.4%)で酸性雨が認められた。
4) 全国73.7%の都市の音環境は、良好または比較的良好な水準だった。
5) 環境放射能の状況は全体的に良好で、原子力施設、原子力技術利用プロジェ
 クトの周辺環境の電離放射線について、全体的に明確な変化は見られなかった。
6) 一部の生態系統機能で改善が見られたが、生物多様性の低下傾向がまだ有効
 に抑制されておらず、遺伝資源の喪失や流失が続いている。
7) 農村環境問題は日ごとに表面化しており、農業面源汚染物の排出量が大きく、
 都市部汚染の農村への転移が加速傾向にある。

 「2010年中国環境状況公報」は、環境部、国家海洋局、国家林業局など多くの
部門が共同で編纂した。主に、汚染物質の排出量の全体的な提言、淡水環境、海
洋環境、大気環境、音環境、固体廃棄物、環境放射線、自然生態、土地・農村環
境、森林、草原、気候・自然災害などを含む12の章節から成る。
〔聨合早報網2011年6月3日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●離婚率7年連続上昇 中国では1日当たり5000世帯の家庭が崩壊
 中国の離婚率が7年連続上昇している。
 このほど公表された中国民政事業の統計データによると、中国では2011年1―3
月期に46万5000組の夫婦の離婚登記が処理された。前年比で17.1%増と、1日当た
り平均5000余世帯の家庭が崩壊したことになる。
 中国は2010年、120万余りの夫婦の結婚が登記されたが、より多い196万余りの
夫婦の離婚が登記された。うち、北京市や上海市など大都市での離婚率が3分の1
余りを占める。

〈「新離婚時代」の到来〉
 「人民日報」は6月2日、中国婚姻家庭研究会専門委員会の陳一〓副主任の「社
会形態や社会環境の変化に伴い、家庭は試練にさらされている。中国の「新離婚
時代」が到来した」とする発言を引用した。

 離婚率の上昇は、社会の発展や時代の進歩が個人生活により多くの選択の機会
や自由な空間をもたらすとともに、人間関係の矛盾や感情リスクをもたらしたこ
とを反映している。
 1949年の中華人民共和国の建国後、中国の結婚は30年間安定していた。離婚率
は、明らかに改革開放後に上昇しており、ここ数年で中国の結婚は動乱期に入っ
た。データによると、1970年代末から中国の離婚者数が増加し離婚率が上昇し始
め、ここ5年で目に見えて上昇が加速し、増加幅は7.65%にも上る。
 年齢構造を見ると、22―35歳までの年齢層が離婚の大半を占める。36―50歳の
年齢層は婚姻の安定期だが、50歳以上の年齢層になると離婚率が再び急上昇する。
 教育的背景から見ると、学歴の高低と離婚率の高低は反比例する。学歴が低い
ほど離婚率が高く、学歴が高いほど離婚率が低い。

 「人民日報」は、単に80後(1980年代生まれ)の結婚が大きく変化しただけで
はなく、その世代の親の世代の結婚にも赤信号がともっていると報じた。
 「今は、子供が大学を卒業し自立して家庭の責任が終わると、それ以降、とも
に生活しなくなっている」
〔聯合早報2011年6月3日〕
注)〓は、たけへんに「均」

●1日に5000組余りの夫婦が離婚 不倫が最大の理由
 「家が和めば何事も栄える」と中国古代から崇拝されているこの考え方は、ま
さに婚姻状況の衝撃をまともに受けている。
 このほど公表された全国民政事業統計のデータによると、今年第1四半期に46
万5000組の夫婦が離婚届を提出した。昨年の同時期に比べ17.1%の増加し、平均
すると1日に5000組余りの家庭が崩壊していることになる。中国の離婚率は7年連
続増加し続けている。

 「中国式離婚」は世界の注目を集める現象となっている。外国のメディアは
「我一代」(ミージェネレーション)という造語を生み出し、かつて世界の婚姻
が最も安定した国と称したこの中国の離婚率が増加傾向にある原因を分析している。

〈北京、上海での離婚率は3分の1を越えている〉
 「一目ぼれ」で結婚、「突然切れて」離婚。
 北京市朝陽区婚姻登記処の職員によると、当処で近年離婚届を提出する夫婦の
中で、35歳以下が半数を占め、そのうち80年代生まれの人が多数で、電撃離婚的
現象が日増しに増加しているという。
 「届けを出す時でさえけんかし、離婚証明書を受け取ると抱き合い大泣きする
人もいる」

 「社会の変化、社会環境の変化に伴い家庭に引き起こされた副産物は、「新離
婚時代」の到来である」と中国社会科院研究員、中国婚姻家庭研究会専門委員会
の陳一〓副主任は述べる。中国の婚姻は、新中国が成立して60年、前半の30年間
の超安定型段階から、後半の30年間、特に近来の激動の時期に入ったという。
 統計データによると、1970年後半から中国の離婚人数と離婚率は上昇し続け、
ここ5年は顕著に加速し、増加幅は7.65%に達している。昨年、中国全国120万組
以上の夫婦が契りを結んだと同時に、196万組以上の夫婦が別れ別れになってい
る。現在、北京、上海の離婚率は既に3分の1を超えている。

 陳一〓副主任によると、離婚率の上昇は社会が発展したことと、時代の進歩が
個人生活にさらに多くの選択のチャンスと自由をもたらしたと同時に、人間関係
の矛盾と感情のリスクをももたらしたという。

〈不倫はプライバシー問題である〉
 陳一〓副主任は次のように述べた。
 「30数年前までは、伝統的な婚姻パターンと言えば、共稼ぎによる経済的助け
合い、出産・子育てをする共同体であり、また「よい人は離婚しない、離婚する
人は悪い人」という観念と、寄り合い式住宅の近所の人々の監視が加わり、婚姻
の安定に対し大きな作用を果たしていた」
 「今では、男性は小さな金庫を持ち、女性はへそくりを隠し、どちらも別れら
れないということはない。一般的な家庭は一人っ子で、婚姻をつなぎとめる血縁
のきずなは薄くなった」「最も重要なのは愛情観の変化。どちらかが不倫をして
も、汚職、収賄さえしなければ、もう片方はそれを突きとめようとはしない、プ
ライバシーの問題となっている」

 ジェンダー問題が専門の中国社会科学院の李銀河研究員は、中国は何代かの世
代を通して、親子関係中心から夫婦中心の核家庭へと変貌したと見ている。
 「過去、農村の人と結婚し一生を過ごした教授がいた。今日、婚姻家庭の凝集
力に変化が生じ、夫婦の心の調和や文化のつり合いや性生活をどのように満たす
かに関心が注がれるようになった」

 陳一〓副主任によると、地域流動と職業流動を含む社会流動の増加により、仕
事でストレスを感じ、出張が頻繁になり、夫婦間の時間が減少したことに加えて、
社会交際の拡大、教養娯楽場の開放、異性との出会いの機会が増加し、不倫は離
婚を引き起こす最大の要因となったという。

〈昨年離婚数トップ3は四川、江蘇、山東〉
 民政部がまとめた2010年全国31省(香港、マカオを除く)第4四半期の民政事
業統計データによると、2010年に離婚届提出者数は、四川省が最も多い16万9294
組、次は江蘇省12万947組、山東省11万6386組であった。北京は3万2982組の夫婦
が離婚届を提出しており、31省中第24番目であった。チベットは離婚人数がわず
か459組で、最も少なかった。
〔広州日報2011年6月7日〕
注)〓は、たけへんに「均」

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行7月4日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     8.0011  646.61    83.1   941.14
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編集者コラム――何度でも》
 いよいよ7月1日から3年間のマルチビザを取得できるようになり、中国からい
らっしゃる方もますますふえそうですね。
 数次ビザは何度でも出入国ができるそうですが、「何度でも」というのはどこ
まで何度でもなんだろうと実は思っています。
 「何度でも」というのでならば、観光目的の旅行者が季節ごとに何度も来ると
いうだけでなくて、例えば、中国人の親族とか中国人の恋人や婚約者とかをこの
ビザで来日させ、在留許可期間ぎりぎりで日本発の格安航空券で出国、またトン
ボ返りさせることを繰り返すことも可能なのかなと思います。留学ではないけど
長期に日本で学びたいことがある、長期間慈善活動したいという中国人の中でも、
このようなことを考える人がいるかもしれません。
 具体的には書かないんですが、過去の私個人の乏しい経験ですが、ビザ免除国
の外国人が何度も出入国して1年の長い間を日本で生活しているみたいになると、
入管からかなり厳しい警告を受けるという感想を持ちました。当然といえば当然
かもしれませんが。
 「何度でも」はどこにでも紹介されていますが、それ以外の傾向はよくわかり
ません。関係者にはそれなりに通達がいっているのかもしれませんが、個人が自
分の都合のいいように早合点したりして、トラブルにならなければいいなと思い
ます。(ま)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 奥谷道弘 リン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改頁:(1) 2 »