CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.733 2020年4月3週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
登録/解除:http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ツイッター https://twitter.com/bizchina_jckc

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:コロナ巣ごもり下での子供ケア】
●コロナ巣ごもり 「親密」をどう維持する?

┏【李年古の日中異文化交流術】
●不都合な事実をどう「納得」させるか(その1)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:コロナ巣ごもり下での子供ケア】……………………………
●コロナ巣ごもり 「親密」をどう維持する?
 新型コロナウイルス感染者の流行で、青少年は何に悩んでいるのだろうか。
 調査によると、70%を超える学生は明確に感じてはいないが、20%の学生には大き
く分けて6タイプの悩みを抱えていることがわかった。
 第一に、疫病をコントロールできないこと。第二に、春節に親戚友人を訪ねられ
ないこと。第三に、自宅にマスク、消毒用品、生活用品が十分にないこと。第四に、
外に遊びに行けないこと。第五に、両親が仕事に行けないため家計収入に影響があ
ること。第六に、両親と自身の携帯利用時間が多くなることである。

 成都市教科院が成都の小中学生と保護者に行った、コロナ流行が与えた影響につ
いての調査結果は、以下のとおり。

 第一に、コロナ流行は小中学生及び保護者に心配をもたらしている。
 90%の保護者と学生は程度が異なるが心配している。小学生と保護者は中学生に
比べてより心配度が高く、90%はコロナ流行が生活に影響を与えていると考えている。
 ただし、幸いにも、99%の小中学生と保護者は今回のコロナ予防措置が比較的う
まくいっていると考えており、大部分の学生が保護者の指示を聞いている。

 第二に、これら小中学生の生活への影響については、大部分は規律のある時間配
分をできており、決まった時間に起床、休憩ができている。大部分の小中学生の休
憩時間は10時間前後で、睡眠も充足している。小学生は中学生と比べさらに睡眠時
間が長くなっている。

 第三に、これら小中学生の学習状況については、大多数の小中学生は時間どおり
に宿題を終えることができるが、20%は終えられない。
 コロナ感染により新学期開始が延期されたが、7割前後の小中学生とその保護者
が予定どおりの開始を望んでおり、特に小学生とその保護者はよりそのことを望ん
でいる。40%前後の小中学生は新学期開始の延期を受け入れられるとしている。

 なぜ新学期開始の延期を憂慮しているのかというと、小中学生の3分の1は、イン
ターネット授業に参加できない、このような授業参加方法になれていないからである。
 そのほかに、保護者は子供たちの携帯使用時間が長くなることで視力に影響があ
ると心配している。そのため、インターネットを利用した授業参加について、保護
者は小中学生以上に懸念している。

 第四に、私たちの最大の関心事でもあるコロナ流行中の小中学生の心理状況につ
いてである。
 実際には、大多数の学生の在宅期間中の情緒は比較的正常であり、比較的楽観的
である。しかし、同時に不安、焦り、恐れという3つの気持ちも持っている。

 それでは、コロナ流行中、親はどのように子供たちの不安で勉強したくない気持
ちを緩和するべきだろうか。

1 子供が自分でやるように仕向け、それを受け入れる。
 まず、子供に自分のやり方でやらせる。それは、子供の反応はより自然的、直接
的、原始的、本能的であるため、泣く、騒ぐ、走る、はねる、たたくといった動作
はコロナ流行に対する体の反応であり、体の中のエネルギーを発散する必要がある。
 我々大人がちょっと指導すべきは、子供が泣いているのなら、子供の手の上に手
を重ね、理解者がいるということをアピールする、子供が家の中を行ったり来たり
物を運んだりするときに、子供にどうやって行動するかを教えるということである。
 非常に簡単な方法としては、子供に絵を描かせ、落書きをさせる、その子供が描
き出したものこそ表現したいことである。歌を歌ったり踊りを踊ったりすることに
よっても、体の中に抑えつけていたものを伸び伸びと表現することができる。
 子供と一緒に絵を描き、歌を歌い、笑い話をし、抱き合うことができれば、それ
は非常に自然な回復プロセスである。

2 子供に成熟した反応方法を教える
1) 身をもって規則となり、模範を示し、みずからの言行で教え導く
 以前、ある子供が私に言ったことがある。お母さんは勉強しろと言うけれども、
お母さんも勉強しないくせに、どうして私に勉強しろと言うの?テレビを見てはい
けないと言いながら、お父さんとお母さんは毎日テレビを見ている、どうして大人
はよくて私はだめなの?と。
 私たちが本当によい父母であるならば、まず、身をもって規則となり、子供を導
く必要がある。携帯電話で遊ばせないようにするのに、父親が一日中携帯をいじり、
手放さないなら、教育的効果はよくなるはずがない。よって、父母は身をもって規
則となり、模範を示し、みずからの言行で教え導く必要がある。

2) 父親は落ち着き、母親は優しく
 父の落ち着きは子供に安定した感覚を与える。父親が、コロナ流行状況は既に好
転しており、学校は予定を検討中であると言い、母親が優しければ、子供に家の中
は快適な環境であると感じさせることができる。
 子供とコミュニケーションをとる際、親は、恐怖、緊張、焦り、いら立ちといっ
た感情を子供に伝染させてはならない。研究によると、子供は両親が自分よりもい
ら立っていると、これらを感知できる。よって、私たちは子供を指導する際、みず
からの状態を調整した上でコミュニケーションをとる必要がある。

3) たくさん寄り添い、話を控えて多く聞く
 子供がお父さんやお母さんに話したいことは何だろうか。子供に楽しいことを話
させ、子供の話をたくさん聞くことにより、彼らの状態をより理解することができ、
子供は話すことにより気分がよくなる。
 例えば、コップを子供の心のストレスだと例えた場合、コップがいっぱいになっ
ていたら、何を教えることができるだろうか。ただ、それ以上水を入れることはで
きないが、聞くことにより、思いを吐き出させることはできる。子供の話を聞くこ
とができれば、子供もあなたの話を聞くはずである。子供は、両親は信頼でき、自
分を理解してくれ、時間を使ってつき合ってくれると感じるであろう。
 子供とコミュニケーションをとりたい、方法などを教えたいとき、子供は多かれ
少なかれ耳を傾け、耳を塞ぐことはない。子供を理解しようとせず、毎日説教をす
れば、子供の耳は詰まってしまい、つまり、コップはいっぱいになり、あなたの教
育は効果のないものとなる。

 子供とコミュニケーションを行う時間のコストは高く、よく考えずにすぐ行って
はならず、一緒に腰を落ちつけてよくよく行う必要がある。それから、寄り添うこ
とであり、話すことを控えて多めに聞き、子供が話し終えて、あなたが大体の状況
を理解した後、子供に対しお父さんお母さんの考えを聞きたいかを尋ね、その後、
あなたの観点を話す。
 家庭での教育において大人は計画性を持ち、家族がともにいる時間は規律がなけ
ればならず、リズムも重要である。
〔新浪科技2020年3月5日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●不都合な事実をどう「納得」させるか(その1)
 今、私たちがかたずをのんで、こんな風景を見守っている――世界の全員が乗っ
ている船は穴が開けられ、大波にのまれかけている。だが、船長や舵手らのリーダ
ーたちは、浸水の箇所を探す余裕もなく、事故の犯人が誰かと激しいけんかをして
いる。他の船員らはみずからを何とかするのに夢中で、力を合わせて助け合う姿勢
を見せてくれないのである。

 まさに世界が「新型コロナウイルス」という共通の敵と戦っているその光景は、
これと重ねて見られるであろうか。もし、これが人類が共同の危機に遭難したリハ
ーサルとして捉えるならば、果たして合格点は得られただろうか?


〈「運命共同体」としてのリスクが高まる〉
 これからの組織も、国家と同じく不確定な時代に入り、直面するさまざまなリス
クは、新型ウイルスみたいに増殖や変種しやすい状況になるのではないか。だから、
私たちはこの世界規模の遭難図をミニチュアサイズに縮小させて、会社組織という
レベルで復元させてみたら、どんな状況かを想定しておくべきだろう。
 想像してみよう。新型ウイルスに似ているようなリスクが組織に襲われている最
中に、社員が、K-1の熱戦を見に行きたい、愛犬を連れて街を散歩したい、あるい
はこんな同僚と同じ職場で働くのは絶対嫌だと言い出し、出社を拒んでいるとする。
互いに排除し、むき出しの差別意識さえ向けられている。
 さて、あなたがこの組織のリーダーであれば、ばらばらのメンバーをどのように
説得して、納得させた上でまとめるだろうか。

 価値観が多様化される組織の中で、さまざまなリスクに対する捉え方は、文化や
価値観の違いによって大きな隔たりが出てくる恐れがあるということは、充分に考
えられることであろう。今回の危機でも、生命観や生き方に対する認識のギャップ
さえ深刻的に見受けられている。

 例えば、中国人社員の場合は、危機に直面した際に自分が決して安全ではないと
強い恐怖心を持っている。生きることこそすべてであり、個々の自由を犠牲にする
のが避けられないと覚悟している。
 彼らの先祖は代々、常に不確定な時代にさらされながら、個人の利益を祭物とし
て捧げる歴史を繰り返して体験してきた。なので、リーダーに対しては、羊みたい
なおとなしさを見せる一方、自分の運命について、リーダーに無限な責任まで押し
つける考えがあるのも否定できない。

 一方、欧米人の社員らは、自由なしの生き方に意味がないと思い、どんな厳しい
リスクに直面したとしても、リーダーは命と自由をてんびんにかけ、そのバランス
を厳重に図ってもらいたいと思う。
 このような多様性を内包した組織で、時に対立するような価値観や利益の人々を
どう説得させてまとめていくのは、これからのリーダーに対して求められる大切な
能力になるだろう。

 一つだけ言えるかもしれないことは、ばらばらな価値観を互いに認め合うのはも
ちろん大事なことだが、しかし、いざという危機が差し迫ってきた時期に、リーダ
ーは全員の意見を調整させながら、最後に独断する決定力が必要となるのだ。
 その独断専行の結果を全員に従わせるための説得力がカギとなる。そのコツは、
全員にとって「正解」よりも「納得解」のほうがはるかに重要なのだ。その「納得
性」を得るために、リーダーが日々、いかに部下との信頼関係を築けていくかが決
め手となるに違いないだろう。

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編集者コラム――時間差》
 読者様、お元気にお過ごしでしょうか。日本でもコロナウイルスが蔓延フェーズ
に入ってきて、過去の中国ニュースがある意味で参考になる部分もあるなと感じて
います。(ま)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
●ツイッター https://twitter.com/bizchina_jckc
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改頁:(1) 2 »