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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.666 2017年2月14日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:経済社会の進展に伴う春節の伝統の希薄化】
●農民工「故郷に帰ったら戻らない」 大都市でのチャンス減
●春節の雰囲気が薄れたのか 社会が多元化したのか
●春節期間 全国観光客数は延べ3.44億人、収入は4233億元
●春節 東莞が全国トップの空っぽ都市 広東省で4都市

┏【国内経済】
●東莞のGDPの半分をつくり出していた台湾企業 数千社が撤退

┏【経済データ】
●外国為替(2月13日)

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……【特集:経済社会の進展に伴う春節の伝統の希薄化】…………………………
●農民工「故郷に帰ったら戻らない」 大都市でのチャンス減
 中国の近代都市で一旗上げようという考えは捨て、張志浩(音訳)はこの春節に
農村に戻った。そこは彼が「家」と言える場所であり、もう故郷から離れないだろ
う。経済成長が減速し、数千人以上の中国人が大都市から立ち去って戻らない。張
志浩もその1人である。

 中国経済の繁栄は張志浩のような農民工によってつくられたものである。張志浩
が2015年に北京に来たときには21歳、貧しい故郷を離れ、自信にあふれていたし、
努力すれば財産を築けると思っていた。
 しかし、賃金未払いや工場の海外移転は多くの農民工にも不安定さを感じさせ、
張志浩も御多分に漏れず大工を廃業し、自分の生まれ故郷の村で農業の仕事を探す
ことにしている。
 「家具工場で仕事をしていたが1日200元しか稼げないし、何日も仕事がなければ
給料は入らない」このとき既に張志浩は故郷に帰る列車に乗っていた。彼の故郷は
中部地域の河南省にあり、片道10時間かかる。

 約2.8億人の中国人が農村から近代的な都市へと出稼ぎに向かった。彼らは子供
を故郷に残し、より過酷な労働にたえ、より高い給料を求めていた。
 厳格な居住登記規定により、6000万人を超える「留守児童」が彼らの祖父母や親
戚とともに生活している。農民工はこれらの代償を払ってでも明るい未来に賭けて
いる。
 しかし、これらの未来には現在、不確実性があふれている。

 中国の2016年の経済成長率は6.7%にすぎず、2015年の6.9%よりさらに低く、加え
て2015年の経済成長率は25年ぶりの最低の記録となった。
 政府データによると、農民工の平均賃金は毎月約3000元だが、賃金の伸びは減速
しており、2011年には21%だったが、2015年は7.2%でしかない。ブルームバーグが
以前実施した専門家調査結果でも、2016年の農民工の賃金の伸びはさらに一段と下
がっていた。
 多くの工場は生産ラインを既に人件費が低い国、例えばカンボジアやベトナムに
移している。
 繁栄し発展している沿海都市の生活コストはますます上がり、このことも農民工
が故郷に戻って仕事をすることを考えさせている。〔参考消息2017年2月1日〕

●春節の雰囲気が薄れたのか 社会が多元化したのか
 きょうは春節の6日目、2017年の春節休暇も終わりに近づいた。ネットで年越し
用品を選ぶ人もいれば、旅行することを選ぶ人もいれば、微信で新年の挨拶をする
人もいた。
 今日、中国の伝統的な文化において最も重要なこの祝日において、伝統的な風俗
習慣を守ることは本当に薄れてしまったのか、春節の雰囲気はどこに行ってしまっ
たのだろうか。

〈ネットで年越し用品 伝統的な春節の雰囲気が薄れる〉
 インターネットは中国人の消費方法を変え、人々の年越し用品を購入するルート
を広げた。先日発表された第39回「中国インターネット発展状況統計報告」による
と、2016年、中国のモバイル決済ユーザー数は4.69億人に急増し、年間成長率は
31.2%だった。

 山東省煙台に住む張建は、一部の年越し用品をネットで購入した。「私にとって
のネットと実体店の最大の違いは、スーパーを見て回るのは時間がかかるし、商品
を自分で運ぶ必要があるということだ」
 ここ数年、張建は春節前に仕事が忙しく、年越し用品を購入する時間に忙殺され
ていたため、ネットでの購入で時間短縮を図った。
 しかし、率直に言えば、ネットでの購入では、例年の年越し用品市場やスーパー
でたばこ、酒、あめ、お茶を買うという春節の雰囲気が薄れてしまう。「結局、家
族で年越し用品を選びに行けば、スーパーの飾り物も見えるし、人出も多い、この
感覚とは違うということだ」

〈年越しにお見合いさせられ仕方なく旅行を選ぶ〉
 年越しの方式の変遷は年越し用品のネット購入から始まるが、これだけではない。
現在、春節休暇を使っての旅行は多くの人あるいは家族の選択肢になっている。
 国家観光局のサイトのデータによると、2017年1月30日、中国の観光客総数は延
べ6310万人で前期比15.1%増だった。春節休暇の前半4日間では、中国の観光客総数
は累計2.58億人で前期比14.2%増だった。

 しかし、仕方なく旅行に行く人もいた。湖南省株洲に住む陳威は、春節2日目に
「タイに逃げた」。
 北京で働く陳威は30歳で、年越しで帰省するたびに家族からお見合いをセットさ
れるので、海外旅行がそれを打破する突破口となった。

 「春節自救指南」という歌が今年春節直前にネットで人気になったが、この歌詞
は、帰省して年越しする青年が親戚による「拷問」にさらされるときの愛情観や仕
事観を描いている。
 多くのネットユーザーはこの歌を自分の心の声として歌っており、結婚やお見合
いへの嫌悪感が既にコンセンサスになっている。

 「タイの景色は美しいし、海風はきれい、塩臭くないし、見合いもない」陳威は
年越し旅行を選んでよかったと言い、異国の春節の雰囲気は薄いが、ちっとも気に
ならないという。
 「毎年見合いさせられるようになってから、春節の雰囲気はとうになくなってい
る」

〈流動で春節の雰囲気が薄れる どこから流れてきたのか?〉
 陳威と同じように故郷から離れて働く中国人は2.4億人を上回る。
 2016年の国家衛生計画出産委員会が発表した「中国流動人口発展報告」によると、
2015年の中国の流動人口規模は総人口の18%を占め、6人中1人が「漂って」いるこ
とになる。
 今年1月13日から始まった年に1度の春運では、数億もの流動人口が年越しのため
に家路に向ったが、安定しない心理状態は春節休暇でも完全に癒やせない。

 河北省石家荘に住む李峰は、春節の雰囲気で最も重要なのは春節前日夜のための
準備だと考えるが、北京で仕事をしているとなると、往々にしてその1日前にしか
家に帰れない。
 「私が帰省するのを待って、家は既にきれいに掃除されているし、買うべき年越
し用品は既に買われているし、仕込むべきぎょうざも既に仕込まれている、年越し
は短い休みにすぎない」李峰は言う。

 華中師範大学社会学院の金小紅副教授は、この帰結は一種の「根なし草」という
心理状態で、社会の経済水準が向上しても自己の文化が必要であり、みずからの故
郷文化に対する帰属感が足りなければこのような心理状態になるかもしれないと見
ている。

〈春節の雰囲気が薄れたのか、社会が多元化したのか〉
 アリペイの五福を集めるキャンペーン、微信での新年の挨拶や紅包の取り合いな
ど、幾つかの古い習慣は経済社会の発展に伴って徐々に薄れており、一方で幾つか
の新しい新年の挨拶方法が徐々に習慣となってきている。
 北京民俗学会の高巍秘書長は以前、社会の転換時期では、幾つかの春節の雰囲気
は薄れるか風俗習慣が変化するが、これはとても正常なことであるとしていた。

 金小紅副教授によると、以前、年越しといえば、親しい友人と飲み食いし、マー
ジャンをしたものだが、経済条件が改善するにつれ、現在多くが旅行等で年越しす
ることを選び、集団で集まって一緒に祝日を祝うという割合は下がっている。
 「都市での生活にはさらに多元化した選択肢がある。これは消費レベルの向上の
あらわれで、社会自身が発展し、年越しの文化形式と内容の表現もそれにつれて変
化している」(金小紅副教授)
 しかし、現代人は春節休暇で精神的な豊かさを築く必要がある。
 「春節には休みの期間があり、どこに行っても真っ赤なちょうちんがかかってい
るが、春節の雰囲気が薄れていると感じる」金小紅副教授は、人が物質的な価値観
の追求のほか、さらに多くの楽しさの追求があるべきだと見ている。

 例えば年越しの見合いが生み出す衝突などは、多元化した価値観がもたらした避
けがたい世代間の対立である。年越しをきっかけに、完全に異なる人が相対して相
互に意思疎通を行うことから、往々にして気まずさと対立が一緒に爆発することに
なる。
 「小都市あるいは農村から外部で働く青年について、家族や親戚は役割と社会へ
の期待を持つ。しかし、このような若者は大都市に流動し、さらに多元的な価値観
を知り、伝統的な生活要素がとても重要だと考えなくなる」(金小紅副教授)
 しかし、一方で、親類関係では、若者は年長者や家族の彼らに対する期待に同調
しないわけにはいかず、都市化のプロセスの中で、結婚、消費や個人的な志向など
避けがたい文化の衝突があらわれている。
(文中の人名は仮名)
〔中国新聞網2017年2月2日〕

●春節期間 全国観光客数は延べ3.44億人、収入は4233億元
 国家観光局から得た情報によると、2017年の春節期間、全国観光客数は延べ3.44
億人、観光総収入は4233億元だった。中国公民の海外旅行者数は約615万人で前期
比7%増だった。

〈観光キャンペーンが多彩で豊富 総合収入は引き続き増加〉
 春節休暇7日間の観光市場の状況は、休日観光需要が増加、キャンペーンは豊富
で多彩、全国各地で外出熱がアップし、旅行者数、旅行収入はどちらも上昇し、旅
行先で年越しすることが流行になってきている。

 国家観光局データセンターの推計を総合すると、2017年の春節休暇期間の全国観
光客数は延べ3.44億人で前期比13.8%増、観光総収入は4233億元で前期比15.9%増だ
った。

 2022年冬季オリンピックが中国で開催されることから、氷と雪の旅行が人気があ
ったことを受け、大部分の北方地域は2桁成長となった。
 大部分の南方地域の気象条件は外出によく、暖かさを求める旅行は海南から西南
地域の各省区に広がっている。

〈一家で年越し旅行 春節前日にピーク〉
 年越しで家族旅行を選ぶ人が多くなっている。春節の前日、全国では旅行の出発
のピークが到来し、観光客総数は延べ5050万人で前期比10.4%増、観光収入590億元
で前期比13.3%増だった。

 各地の景勝地は、例年の春節休暇初日の寂しい光景から、好調な滑り出しとなった。
 1月27日当日、甘粛省の国内外からの観光客数は延べ86.05万人で、観光収入は5.2
億元、それぞれ前年同期比22.1%増、25.9%増だった。
 湖南省が全省休日モニタリングを行っている72の重点景勝地での観光客数は延べ
56.04万人で、観光収入は4666万元、それぞれ前期比48.5%増、66.49%増だった。
 海南省のこの日の入島者数は延べ15万人で前期比25%増だった。

〈家族と世界へ 世界にチャイナウイーク到来〉
 「全国観光団体サービス管理システム」によると、春節期間において、中国公民
の出国観光客数は約615万人で前期比約7%増だった。そのうち団体ツアー客は37.4
万人で前期比2.5%増だった。

 香港入境事務処が発表したデータによると、春節休暇期間に香港を訪れた中国大
陸の観光客数は69.7万人で前期比3.7%増だった。
 マカオ観光局が発表した入境観光客統計データによると、春節期間にマカオを訪
れた中国大陸の観光客数は53.3万人で前期比8.5%増だった。

 海外への自由旅行客は増加し、高級な海外旅行も急成長している。
 海外旅行客の出身都市は、沿海の経済発達した地域、北京、上海、広州、深セン
等の一線都市から、二、三線都市の内陸部に延伸している。例えば広西で海外旅行
をする人も増加しており、出身省別ランキング上でも上昇している。
〔中国新聞網2017年2月3日〕

●春節 東莞が全国トップの空っぽ都市 広東省で4都市
 とり年が到来し、年に1度の春運(旧正月の帰省ラッシュ)もピークに入った。
 先日、360ビッグデータセンターが、9億人のユーザーの春運開始の直前から春節
前日夜までの移動をもとにして、2017年の春節の「空っぽ都市指数」を発表した。
春節十大空っぽ都市ランキングのうち、広東省の4都市が上位5都市に入った。

 春節期間において全国の空っぽ都市率が最も高い十大都市は、東莞、佛山、広州、
深セン、長沙、上海、蘇州、北京、武漢、鄭州。
 東莞は7割(69.26%)の人が帰省で都市を離れ、春節期間における最も空っぽな
都市となった。佛山、広州、深センも6割以上の人が帰省して年越しする。

 北京、上海、広州、深セン等の一線都市、経済が発達している珠江デルタ、長江
デルタ地域は空っぽ都市率が最も高い地域となった。
 広州(61.36%)、深セン(60.76%)、上海(56.76%)、北京(52.01%)は半数以
上の人が帰省して年越しする。

 空っぽ都市のデータによると、これらの一線都市は依然として就業機会、手厚い
給料、便利な公共施設が全国各地の人を引きつけている。

 どのような地域の人が外で働くことを好むのだろうか?
 江西、湖南、河南、安徽、山東などが、外に働きに行く人の主要な出身地である。

 江西は最も懸命に働く省とも言える。外に働きに行く農民工が省全体の人口に占
める割合は7.25%で、全国トップとなった。
 2位から5位は、湖南(7.16%)、河南(6.30%)、安徽(6.27%)、山東(6.05%)
だった。
 全体的に中部地域は外に働きに行く人が多く、人の流れも主に北京、上海、広州、
深セン等の沿海の経済が発達した地域に向かう。

 一線都市では北京が全国の政治の中心であり、最も広範な地域から働きにやって
くる。
 山東、河北、内モンゴル等が北京外からの労働者の主要な出身地である。中でも
山東省の割合が高く、約20%を占める。このほかにも、河南、浙江等の省からも少
なくない。

 北京に対応する経済の中心は上海で、上海外からの労働者は長江デルタから来る。
 安徽、江蘇、浙江の3省で全体の半分を占める。

 広州と深センでは珠江デルタ地域にあり、外からの労働者の人口構成は非常に似
通っていて、大多数は南方地域の省から来る。
 広州では、外からの労働者で最も多いのは広西で、湖南、江西、四川、湖北が上
位5省である。
 深センでは、湖南が最も多く、広西、江西、湖北、四川と続く。
 全体としては、広州と深センは南方出身者が働きに出ようと真っ先に選ぶ都市で
ある。〔南方網2017年2月2日〕

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……【国内経済】…………………………………………………………………………
●東莞のGDPの半分をつくり出していた台湾企業 数千社が撤退
 東莞厚街鎮の白濠工業区へ行くと、工場の外にかかっている分割リース広告が目
に飛び込んでくる。長期間放置されているように見える工場もある。
 そのうちの香港資本のとある眼鏡会社はさらに閑散としており、工場外に張られ
ている公告では、当該会社の法定代表、董事長、株主とは2016年9月から連絡がと
れないとなっている。

 シンガポール「聯合早報」ネット版1月4日報道では、目下、東莞工業区は人けが
なく、連帯波及を受けた工場付近の多くのスーパーやレストランも店を閉め、ドア
の外に「人気店貸し出し中」の広告を張っている。
 長安鎮で出稼ぎをする広西出身の農民工の蒙さんは「夜同僚と出かけると、確か
に人がとても少なくなっている」と語る。

 東莞虎門で20年以上になる東莞台協の謝慶源・執行常務副会長は、全世界が不況
となり、東莞の加工貿易もその影響を免れることはできなかった、生産能力過剰に
加え、利益率が低過ぎて注文を受けることができず、工場は一定の生産ラインをと
めざるを得ず、これによりあいた部分を分割してリースに出したと語る。

 工場の減産により労働者は郷里に帰った。しかし、奇怪な現象として、多くの工
場の外には労働者募集の広告が立っている。
 既に減産となったのに、なぜまだ労働者を募集するのか?
 謝慶源副会長の説明によると、主にやはり労働者募集が難しいという以前からの
問題があるからである。
 中国大陸の人口ボーナスは終わりに近づいており、それが労働コストの不断の高
騰を引き起こし、さらに「五険一金」が企業の負担を重くしている。

 このほか、スキルの高い労働者を探すことが困難だということもある。
 スキルが上がるとヘッドハンティングされてしまい、さらには技術を把握した労
働者が新たに事業を始めて、同工場の同郷者を引っ張っていってしまう。
 あるいは、工場によっては注文状況が不安定なので臨時工を雇い、注文が来てか
らが働き始めということもある。

 東莞の一般的な労働者の月給は3000元前後であり、既に一部の東南アジアの国の
3、4倍となっている。対外販売を主とする多くの企業は、コスト削減のため工場を
東南アジアへ移転している。
 東南アジアへ移転する台湾企業のうち、去るべき者は既に去ったと謝慶源副会長
は語る。しかし、一部メーカーの研究開発基地はまだ珠江デルタに残り、引き続き
東莞に駐在する台湾企業は規模縮小、工場閉鎖、大陸内陸部都市への移転などをし
ている。

 東莞では現在、積極的に「ロボット化」措置を進めているが、「ロボット化」に
は大きな資金が必要なため、零細企業は継続が難しい。「皆が皆、郭台銘というわ
けではない」ため、この状態が続くと実体経済は大きな打撃を受けることになると
語る。
 謝慶源副会長自身は、数年前に鉄鋼工場のビジネスをやめ、現在は主に教育産業
を経営している。彼はできるところまでやってみると言うが、過去東莞にいた台湾
人は少なく見積もっても8―10万人、現在保守的に見積もってもその半分となって
いる。

 厚街で台湾料理屋を営む台湾ビジネスマンも、最近、少なくとも7、8軒の台湾人
向けの商売を行う料理屋が休業しているという。また、別の虎門の台湾人が現地の
旅行会社から伝え聞いたところによると、「最近、台湾へ帰る台湾ビジネスマンの
多くは片道チケットを買う」そうだ。

 アパレルを経営する台湾ビジネスマンは、15年前、台湾の労働力コストが高騰し
たため、台湾から虎門へ移転し発展したが、現在東莞で「以前と同じようなにおい
がしている」という。
 彼の観察によると、残って経営を続けているのは主に基礎のしっかりしている工
場であり、「今は資金チェーンも比較的厳しく、規模の小さな工場は持ちこたえる
のが難しい」

 台湾メディアによると、かつては東莞の経済発展の半分を台湾ビジネスマンが支
えていた。1999年前後には東莞の半分以上のGDPをつくり出したが、2008年のリー
マン・ショックがこの独占状態を打ち破った。
 東莞の2016年上半期の経済データによると、中国大陸企業の工業付加価値額は既
に香港・マカオ、台湾企業を大幅に超えており、かつその成長率は20%に近づいて
いる一方、外資企業は5.1%の下落となっている。

 中山大学嶺南学院財政税務学部の主任で東莞特約研究員の林江氏によると、東莞
には一時は5000社の台湾資本の企業があったが、現在は既に2000社を切っている。
 とどまっている台湾資本の企業は従来型の加工貿易を主体にしており、地方政府
が提唱するようなハイテク産業ではないことにより、地方政府と銀行から特別扱い
されず、産業支援政策とも無縁であることから、「台湾資本の企業はだんだん非主
流になっている」と分析する。

 しかし、林江氏は、東莞の台湾ビジネスマンが短期間内に完全に消滅することは
なく、「持ちこたえられるだけ耐える」だろうと予想する。
 台湾ビジネスマンの置かれた状況は複雑である。東莞で発展した一代目には撤退
の考えがあるだろうが、彼らの二代目、三代目は広東で育っており、今さら台湾や
東南アジアで発展しようにも適応が難しいであろう。特に東南アジアは「なれない
土地で、彼らにどんな有利があるのか」と分析している。〔参考消息2017年1月8日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行2月13日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
      6.045  688.98    88.81  731.48
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――666号》
 このメールマガジンは666号になりました。777号発行までメールマガジンという
メディア自体の寿命が続くのかわからないこともあり、ここでお祝いしておきたい
です。今やすっかりメールマガジンスタンドはまぐまぐとメルマの二強に集約され
た、それだけになってきたように思います。この二強はこのビジネスモデルをどこ
まで継続してくれるのでしょうか。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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