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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.329 2005年11月15日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:貧困がもたらしたエイズ村】
●一大学生が始めたエイズ村調査 上

┏【金融】
●銀監会が銀行業犯罪事案の実績公表 209名の高級管理職失脚

┏【自動車】
●質検総局 1年でリコール自動車およそ34万台
●庁局レベル及びそれ以下の幹部の専用車が取りやめ

┏【社会】
●中国毎年40万人が空気汚染で早死に
●中国では9割の若い女性への教育が男性化傾向?

┏【経済データ】
●外国為替(11月14日)

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……【特集:貧困がもたらしたエイズ村】……………………………………………
●一大学生が始めたエイズ村調査 上
 20年前にはエイズという名前さえ聞いたことがなかったが、今日では中国は31
省でエイズが蔓延しているという国になってしまった。
 政府発表による最新データでは、中国のエイズ患者は84万人にも上っているが、
そのうち5%の情報が確認されているだけで、残りの95%はどこのだれであるかも
全くわかっていない。
 WHOの推計では、毎年30%の成長率で計算すると、2010年に中国のエイズウイル
スの感染者は1000万人になる。これは130人に1人の計算になる。
 西側諸国では麻薬や注射などが感染源であるが、中国での最大の元凶は麻薬や
不潔な性行為ではなく、売血や血液管理の混乱によりもたらされた集団感染であ
る。

〈楊松さん エイズ村を調査する大学生〉
 「以前の私はエイズは外国の病気だと思っていて、自分とは全然関係ないこと
だと思っていました。まさか身内がそんな病気になるとは思っても見ませんでし
た」
 「エイズの緊急状況――エイズ高発生地域からの調査レポート」の作者である
楊松さんは、現在浙江伝媒学院大学の2回生で、ここ1年間で、エイズの高発生地
域の河南省上蔡県で12回、メディアから「エイズ村」と呼ばれている文楼村で7
回、自費で社会調査を行い、21万字に上る調査レポートを書いている。

 10月、記者は杭州で楊松さんに取材を行った。
 「どうしてエイズに関心を持ったのですか?」楊松さんは、率直に納得させら
れる理由を話してくれた。
 1999年、楊松さんは中等専門学校を卒業して故郷へ帰った。故郷は山西省南部
の県政府のある小さい町である。
 そのとき、私はそこでの売血状況がとても深刻であることをりました。みんな
いつも塩水みたいなものを飲んでいると言っていました」偶然にも、彼の故郷に
売血が原因でエイズウイルスに感染した人がいることを知ったという。
 さらに彼を驚かせたのは、自分の授業料の一部が親戚の一人が売血した金だと
いうことだった!。
 「以前はエイズに対して余り理解していませんでした。エイズは外国の病気で、
自分とは全くかけ離れたものだと思っていました。それが自分の身内に起こり得
る脅威だとは全く予測していませんでした」

 そのときからエイズ問題は楊松さんの強烈な関心事となった。その数年後、記
者、教師となり、大量のエイズ関連書籍、資料、メディア報道を調べ、エイズの
情報を収集した。
 「当時、故郷とその近くの省で調査を行ったことがありました。数カ所の地区
のエイズ感染は売血と直接関連があることを発見しました。しかし、このときは
レポートはまだ発表しませんでした」
 「私は自分でエイズ発生地区に行ったことがあります。このときの衝撃が大き
く、やめることができなくなってしまったのです」楊松さんは自分の行動をこう
説明している。

 その後、一部の中央メディアが河南省上蔡県の「エイズ村」に関心を持ち始め
たことを知った。
 「これはきっかけにすぎないんですが、エイズについては文楼村が既成事実に
なったということで、ここをモデルとしてエイズ村の状況を研究できると思いま
した。
 文楼村は1つの縮図で、防止コントロール政策でも救助モデルでも、経験か教
訓かにかかわらず、全国の同じような状況や兆しがあらわれている地方の参考に
なると思っています」

 楊松さん自身はこの仕事をしたいと心の中で考えていたが、父の願いを実現す
るため、2004年、大学へ進学し、浙江伝媒学院のニュースラジオ学部の大学生と
なった。このとき彼は既に23歳になっていた。
 大学入試が終わると、楊松さんはすぐに河南省上蔡県での実地調査を始めた。
その後1年余りの祝日と休日には、楊松さんは1人でそっと実地調査に行って資料
を探し集めた。短いときは2、3日で長い時は2週間にも及んだ。
 学校の新1年生に対する指導は厳しく、休むことは容易ではない。ときには、
楊松さんは金曜日の晩の列車に乗り、翌日昼ごろに上蔡県に着き、学校に急いで
引き返して月曜日の朝7時に授業を受けるということもあった。
 「自分でやりたいことで大変に意味があることだったので、少しずつでしたが
実現できたのだと思います」年齢のため同級生より大人びている楊松さんである
が、信念を持った顔立ちである。
 「自分のしたいこと」のため、楊松さんは5年間働いて貯めた7万元の、授業料
以外の大部分をすべてエイズに対する調査に使ったという。

〈初めてのエイズ村訪問 エイズの事実を隠さない文楼村村民〉
 河南省上蔡県文楼村は広くメディアで注目されている「エイズ村」である。政
府の統計によると、村民の3000数人中20―30%の人にエイズ感染が検出されてい
る。
 ここで楊松さんはエイズの患者と一緒に過ごし、同じ皿で食事し、彼らがつく
った酒を飲み、握手をし、一晩中ひざを交えて長話をしている。
 怖くないはずがない。しかし、エイズに対する十分な知識と理解があるため、
感染の可能性がある状況をよく知っており、しかも自分を守ることにとても注意
している。
 「座れというなら座ればいいのです。飲めといえば飲めばいいのです。簡単に
言えば、傷口がなければ危くないのです」もし、口内炎ができたら、村では食事
をしない。
 「エイズ村では、歩くときには注意しなくてはいけません。道端には点滴の注
射針がそこらじゅうに捨てられていますので、針を踏んで刺さないように注意し
なければなりません」

 「文楼村でエイズが発生した後、彼らの親戚の多くは彼らとのつき合いをやめ
ている。ほかの地方でも続々とエイズウイルスの感染者が発見されているけれど
も、村人以外の人はやはり文楼村に対しては言いあらわせない恐れを抱いてい
る」と楊松さんは言う。
 以前にある人がタクシーで文楼村に行こうとしたが、運転手は絶対に行きたく
ないと言い、渋々行っても村入口から100メートルも離れたところまでで降ろさ
れたという。
 文楼村の健康な人も他の村の人との結婚が難しいという。エイズ患者の触った
ことがあるものを湯で消毒したり、それでも安心できないで燃やしたりしている。
 「実際は、エイズウイルスは空気感染、飛沫感染、一緒に食事するなどの日常
の行為で伝染することはあり得ません。はっきりわかっていることですが、体に
傷がなければ、粘膜が血液や体液に接触しなければ安全なのです」と楊松さんは
言う。

 「私たちはエイズです」初めて村に行ったとき、村民のエイズに対する態度に
楊松さんを多少驚かされた。よく知らない来訪者に対してもエイズであることを
隠さないのである。
 自発的に楊松さんに写真を撮らせる子供までいた。村民の率直で誠意のある対
応は、楊松さんにエイズをさらに深く理解するチャンスを与えることになった。
 「今、文楼村の患者と健康な人とのつき合いは既にかなり自然な状態になって
います」楊松さんは、多くの村民はエイズ対しての知識が豊富で、病気になった
者も積極的に治療に協力しているという。政府のエイズに対する宣伝ととても大
きな関係があると考えられる。

〈辺鄙で貧しい村落に広がるエイズ感染〉
 「見てください、この子はこんなにかわいいでしょう。でも、エイズに感染し
ているんです。おじいさんもおばあさんも亡くなって、お母さんもエイズに感染
しています。お父さんはこの家で一人だけ感染していなかったんですが、他の省
に出稼ぎに行ったまま帰ってこないんです」
 「これは数日前の葬式の写真です。村民たちはこんな光景に慣れてしまってい
ます。いつか棺おけの中に横たわるのは自分ということを知っているのです」
 楊松さんは自分で撮影した写真を見せて説明した。

 楊松さんは1年余りで数十名のエイズ患者、衛生局の退職幹部、衛生所の医者、
郷政府の役人を訪問し、彼の誠意でたくさんの簡単に聞けない話を取材した。エ
イズについてすべての方面での理解をすることができ、500数枚の写真を撮影し
ている。
 「死への恐怖が村民の胸にまるで重い石を載せられているようになっているん
です」と楊松さんは言う。発病しなければほとんどの人は検査に行くことを望ま
ない。「明日自分がエイズだとわかったとしても、やはり1日でも遅くと願って
います。きっとプレッシャーに耐えられないからでしょう」。
 文楼村の村の入口から遠くない田畑に毎年新しい墓がふえている。死者の圧倒
的多数はエイズによるものである。

 この辺鄙で貧しい村落でどうして広範囲でエイズに感染したのだろうか?。楊
松さんは、売血、気の狂ったような「血漿経済」が原因だと言う。
 6つの集落を持つ人口3170人の文楼村では、貧困から抜け出すため、1995年以
前は1310人がいつも売血を行っていた。
 1999年11月と2001年4月に行われた現地衛生部門の調査によると、売血経験者
の約43%がエイズウイルスに感染している。具体的には、800人の小集落の村民自
身の統計では、90%の青年、壮年――少なくとも300人以上が常に売血を行ってお
り、そのうちエイズの魔の手から運よく免れたのはたった5人だった。

 ある村民が楊松さんに語ったところによると、一部の経済的におくれている田
舎では、かなり長い期間売血で生き延びていくような状態にあった。道路には売
血のために市内に行く村民を乗せた車でいっぱいだったという。
 その車でうちの中のものをそろえにいくかのようで、「こっちの腕を化学肥料、
こっちの腕を種にしよう」などと話していた。
 今でも村民たちはあの一世を風靡した言葉をはっきりと覚えている。「腕を曲
げれば50元」。

 楊松さんは、河南などの幾つかの省のエイズ調査しただけであり、全国の状況
に対しては発言することはできないという。しかし、河南省東部のある市の比較
的大きな病院の医者は、ここ数年の間に検査したエイズ患者とエイズウイルス保
菌者は1000例以上、すべてが献血か輸血を受けた者だったという。
 衛生部門の関係者によると、血漿経済が最高潮のときには、防疫ステーション、
衛生局、病院などだけではなく、郷鎮企業局、公安局、人民武装部、物資局など
の各種の関係がある部門も関係がない部門も、次から次へと血液銀行の業務を行
っていたという。
 「最高潮の時期には、河南省全体の血液銀行は200カ所以上ありました。これ
以外にも未許可の不法な血液銀行があり、これらは統計に入っていません」

 「ここの多くの人は、午前中に県政府のある町に行って売血し、帰ってすぐに
またほかの地方へ行って売血していました」ある老人はみずから楊松さんにこの
事実を教えてくれた。
 「私は少なくとも1年に300回は売っていました、平均するとほぼ毎日1回です。
実際には1日に2、3回血を抜くことはしょっちゅうでした」と村民の阿勲さんは
言う。
 採決手帳に書かれている規定では、血漿採血をした者は少なくとも2週間以上
の時間を置かなければならないとある。しかし、実際はこの規定は名ばかりの存
在だったのである。
〔中国青年報10月31日〕
(次号に続く)

……【金融】………………………………………………………………………………
●銀監会が銀行業犯罪事案の実績公表 209名の高級管理職失脚
 資金の着服・逃亡後わずか20日で当局に捕まるとは、宋紅毅も予想しなかった
だろう。
 宋紅毅はかつては交通銀行鄭州市花園北路分処理主任だったが、1200万元の公
金横領、220万元の容疑がかけられている。
 収賄、複数にわたる口座の署名・印鑑の偽造し、預金を株式投資に流用し、株
式投資で稼いだ金で穴を埋めようとしたが、少なからず損を出した。
 宋紅毅は7月5日に資金を持ち逃げし、7月25日午後3時に鄭州市金水区で当局に
逮捕された。

 宋紅毅も、中国銀行業監督管理委員会(CBRC、銀監会)がこのほど開催した銀行
業犯罪事案整理第7回作業会議で発表されたデータの1つだ。
 銀行・金融機関で犯罪に関与した人員は、2005年第3四半期で892人。前年同期
比で224人増加した。

 今回の銀行業犯罪事案整理第7回作業会議では、銀行業犯罪事案整理について
目下直面している難題が明るみに出た。
 データによると、重大事案が目立ち、資金の持ち逃げの割合が高どまりしてい
ること、内部関係者が外部の人間と結託した事案が後を絶たないこと、不良資産
の分離中の隠匿事案が多いこと、詐欺事案が多いことなどの特徴が明確に示され
た。
 このような問題の劉明康・銀監会主席の対処方針について、今回の会議では、
これまでに開催された同様の会議と異なり、審計署、公安部、監察部と最高人民
検察院の責任者が会議に参加して協議が行われた。

 会議では、銀監会から今年の第1―第3四半期の銀行業犯罪事案整理の実績が提
出された。
 それによると、第一に、銀行・金融機関で発生した894件の事案については、
みずから調査し発見した事案が613件と前年同期に比べ179件増加した。事案の自
主的発見率は68.57%に達し、前年同期7.18ポイントの伸びとなった。
 第二に、銀行・金融機関で発生した100万元以上の事案は2005年第3四半期で84
件と第2四半期に比べ8件減少した。
 また、銀行・金融機関が100万元以上の事案で回収した被害額は第1―第3四半
期で合計10億1900万元と前年同期比で4億5200万元の増加、犯罪事案による損失
額の回収率は26.92%と前年同期比で1.8%上昇した。

 第三に、主要な銀行・金融機関の事案件数と事案金額は次第に減少し、国有商
業銀行、政策銀行、株式会社制の商業銀行で発生した事案は2005年第3四半期で
199件と前四半期から86件減少した。損失額は2億4600万元と前四半期から3億9700
億元減少した。各種リスク額は1億6900万元と前四半期から3億8300万元減少した。

 なお、実績データ上で明確に「上昇」を示しているのは、責任追及の件数だっ
た。
 銀行・金融機関が事案に関与した人員を処分した人数は、2005年の第1―第3四
半期で892人。前年同期に比べ224人増加した。
 そのうち高級管理人員が209人、中間管理人員が167人と、管理人員が全体の
42.15%を占め、昨年の上半期に比べ2.4ポイント増加した。
 さらに、関係者に対して責任を追及したのは2710人で、うち監督責任の追及が
974人、高級管理人員の資格を取消した者が74人だった。〔第一財経済日報11月9日〕

……【自動車】……………………………………………………………………………
●質検総局 1年でリコール自動車およそ34万台
 国家質量監督検査検疫総局が近日、「欠陥自動車商品リコール管理規定実施年
度報告」を公布した。
 この報告により、自動車リコール制度が実施して1年、中国がリコールした欠
陥自動車はおよそ34万台であることが明らかになった。

 2004年3月、中国は正式に「欠陥自動車商品リコール管理規定」を公布し、2004
年10月1日から正式に施行された。
 規定が実施されてから2005年9月まで、国内外自動車メーカー21社が29回の自
主的にリコールを実施した。リコール車種は33類に及び、リコール車両数は33万
9696台だった。

 国家質検総局の業務計画では、2005年年末にM2、M3類(9席以上のバス)をリコ
ール管理範囲内に入れる。
 現在の重要事項としては、M2、M3類自動車の特徴を研究調査することでより深
く理解し、科学的合理的な管理方法が制定できるようにし、N類の自動車部品の
リコール管理についても実行可能性についての研究を行う。〔広州日報10月25日〕

●庁局レベル及びそれ以下の幹部の専用車が取りやめ
 重慶の全国機関事務業務協会三期一回常務理事会に出席した全国機関事務業務
協会副会長兼秘書長の王元慎氏は、現在公用車改革テストが開始され、中国公用
車改革の基本構想として、下から上まで、庁局レベルの幹部まで改革し、庁局レ
ベル及びそれ以下の幹部の専用公用車を取りやめるかもしれないと表明した。

 現在、各地政府調達の自動車台数は毎年20%以上の速さで上昇し、2004年、中
国政府調達規模は2200億元となり、そのうち自動車の調達額は500億元もあった。
公用車の高額支出は各レベル財政の重い負担となっている。ある地域では、庶民
が官僚の「車」を「お尻の下にはビルが建つ」とやゆしている。

 王元慎氏は、現在、20余りの中央国家機関が定期バス改革を行ったと語った。
 定期バス改革は2段階で行われ、第1段階として、車両をレンタルし、段階的に
国家機関の定期バスを取りやめることにした。しかし、北京では車のレンタル価
格も低くなく、エアコンなしのバスのレンタル料が1台1カ月で5000元もする。
 そのため、定期バス改革の第2段階が走り出した。家との距離の遠さにより、200
―500元の交通補助を与えることで定期バスのレンタルを取りやめることにした。

 王元慎氏は、公用車の改革はテストをして、例えば貨幣化改革、タクシー券、
管理強化などの多様な方式によって上から下まで行うべきであるとしている。
〔市場報11月9日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●中国毎年40万人が空気汚染で早死に
 中国国家環境保護総局の未発表研究によると、中国では毎年40万以上の人が空
気汚染で早死にしているという。
 法新社の報道によると、中国環境規画研究院の王金南チーフエンジンニアは、
2003年の研究により、毎年30万人が屋外汚染で死亡、11.1万人が室内汚染で死亡
しているということを披露した。
 中国環境規画研究院は中国国家環境保護総局の部門である。

 北京で開催された空気汚染国際セミナーの付属会議上、王金南氏は「これはま
た保守的なデータであり、実際のデータはさらに高い可能性がある」と続けて披
露した。
 研究データは世界銀行の推測を証明している。世界銀行は、中国では毎年40万
人が肺病、心臓病のような汚染関連の病気で死亡すると指摘している。

 王金南氏は、中国の屋外汚染の汚染源は主に石炭発電、工場汚染、大量に増加
する自動車であると説明した。
 さらに、室内汚染の汚染源は、暖房や炊事で燃焼される石炭、木、農業残滓で
あると追加説明した。

 研究院の研究によると、中国では3分の1の都市住民は2級以上の汚染都市に生
活している。王金南氏は、2級汚染は健康によくない影響を与え、3級は「非常に
危険である」と指摘している。1.16億の人は3級汚染の都市に居住している。
 研究院が2003年に中国主要都市341都市に対して行った研究によると、27%の都
市では汚染状況が厳しく、32%は汚染状況が軽微、41%は空気状況が良好である」
という。〔青年参考11月9日〕

●中国では9割の若い女性への教育が男性化傾向?
 最近、香港中文大学の張雷教授が、北京、上海、深センなどの大都市で1000名
近くの子供を持つ両親を対象に調査した結果、9割以上の両親の女の子供に対す
る教育が男性化傾向にあるという結果を出した。
 この報告は、社会の各方面で教育理念の「性別戦争」を引き起こしている。

〈男性化教育は名ばかりで中身がない〉
 張雷教授による「男性化教育」とは、人とのつき合いの中で人に影響を与える
ことができ、人を導いていけるように教育すること、また、職業を選択する上で、
伝統的観念から見て女性にふさわしくないと思われる仕事を選ぶことが含まれて
いるという。
 教授の調査によると、9割以上の家庭では女の子供に対する教育が男性化傾向
にあるという。

 張雷教授の報告書の中には、女性でも男性でも、両親は伝統的な男性的価値観
を応用して、一人っ子が社会で発展し競争していけるよう励ます傾向にあるとあ
る。調査によると、職業の選択状況から見て、両親や教師や学生の考え方では職
業と性の特性ははっきりしなくなってきたと考えている。

〈北京の小学生は女が強く男は弱い〉
 海淀区のある著名な小学校では、職員室の壁に掛けられている13人の「少先
隊」幹部の9名が女性である。学校の責任者によると、小学校では生徒会やクラ
スの代表は女性が担当することが一般的な現象であるとのことである。
 北京市のある小学校のクラス担任は記者に対してこう語る。女子生徒はよく勉
強するけれども能力が低いという以前からある印象とは異なり、現在の小学校で
は、授業での成績から趣味特技まで、人柄のよさからクラブ活動まで、女性が男
性よりまさっている。

〈性別の戦争が議論を起こす〉
 「ぶりっ子」はもうネガティブな呼び方ではなくなった。多くの人に個性的に
見られていた代名詞――「野蛮な女」も、もう嫌がられることはなくなった。そ
ればかりか、トレンディーとなっている。
 北京師範大学教育学院張莉莉教授によると、両親の女の子供に対する教育は以
前に比べて確かに変化しているという。
 両親は、女の子供がいろいろなことに挑戦していける性格を持ってもらいたい
と期待している。能力においては言うまでもなく、自分の考えを主張できる勇気
を持ってもらいたい――両親はこのようにすることが子供に多くの飛躍するチャ
ンスをつくり出すことになり、これが現社会の一種の進歩であると考えている。

 張教授は、今日の社会の女性に対する認識は多元化傾向にあり、品のある活発
な女性が人気があるほか、人気番組「超級女声」の李宇春のように中性的な女性
も多くの人に受け入れられているという。
 また、女性の中性化は、全世界の大衆文化の一種の傾向であるともいう。この
ような傾向は、女性が男性化するというほかに、男性が女性化することも含んで
いる。

〈「性別」ではなく、「個性」を主張しよう〉
 景山中学2年生のある女子生徒は、学校では男性化、女性化の教育は必ずある
が、伝統的な教育はもう現在社会にはマッチしていない。かといって、完全な
「男性化」教育は女性独特の特性をゆがめてしまい、性別の混乱を招く。そこで、
両方の教育を総合した、すなわち中国古代の優良な伝統を備えた教育も現代社会
では人と人をつなげ、協力するのにはとてもいいと思うと述べている。
 この女子生徒は「ぶりっ子」という性格を代表するものではない。彼女は、完
全な「男性化」教育は「ぶりっ子」をつくり出す可能性があると心配し、慎重に
選ぶことが必要であるとしている。

 同じ景山中学の周教師は、性別の差から、男性に対しては明るく強く美しく、
男性の品性を伸ばす教育をし、女性に対しては相応の礼儀も教えているが、今日
では伝統的なおとなしいといった標準的な教育では通用しなくなっているという。
 「男女生徒ともそれぞれの個性を発揮することが大切であると主張したい」周
教師は考えている。〔北京晨報11月1日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                        (中国人民銀行11月15日発表)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.8635  808.56  104.24   947.39
関連ページ:http://www.bank-of-china.com/
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《編集者コラム――アジアシリーズ》
 週末にアジアシリーズを見に行ってきました。私はロッテファンではないので
日本戦はスキップし、今回のアジアシリーズの中では最も大事な対戦と思われる
韓国サムスンと台湾興農の試合を見てきました。
 昼間の中国選抜対ロッテでは球場一面がロッテファンで埋まっていましたが、
同じ球場とは思えないほど閑散としていました。マスターズリーグよりも入って
いないような気がしました。
 話によれば、中国選抜対台湾興農の状況はもっと少なく、中国側にはほとんど
人がおらず、台湾側も応援ツアーの人が固まっていたぐらいだったそうです。野
球は日本ほどはやっていないので仕方ないにしても、少し寂しく思いました。
 来年もアジアシリーズはやるはずなので、また行こうと思います。ことしと同
額であれば、日本戦以外ではネット裏と一部の席以外は1000円で入れるので物す
ごく得した気分になれます。(ま)

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●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―)
 http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで)
 http://www.jckc.com/nweek/view.php?no=1
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:劉志軍 戴小芳 アヤ 平井玲子 郭暁楠 奥谷道弘
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