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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.524 2011年2月1日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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◎「ビジネス企業研修@中国」http://www.bizchina.jp/
★今週の読者数合計:6,016名(2011年1月31日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:深刻な物価上昇に募る不満と苦境】
●低所得者の食品価格上昇不満 高所得者の不動産価格急騰世論にかき消される
●ネットの笑話 中国の高い不動産価格を皮肉る
●中国農村1人当たり純収入 ここ十数年来初の都市超え

┏【国内政策】
●2010年 歳入8.3万億元 前年の倍
●歳入4年で倍増 税負担は海外水準を下回る
●海南省 地方税収入200億元突破 全国トップの成長速度

┏【金融】
●中国人民銀行 2010年に押収した偽造紙幣は3億元超
●中国人民銀行 「目下高額紙幣発行の計画はない」
●中国人民銀行 現金好む国民性 例年紙幣製造額9000億元超

┏【労働】
●全国労働組合会員2.39億人 新規加入会員の多くは農民工

┏【国内経済】
●大卒向け起業支援始まる 起業には過重な税負担はマイナス
●綿価格の高騰で多くの紡績企業が倒産 2011年は厳しいとの見方

┏【経済データ】
●外国為替(1月31日)

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……【特集:深刻な物価上昇に募る不満と苦境】……………………………………
●低所得者の食品価格上昇不満 高所得者の不動産価格急騰世論にかき消される
 2010年の物価高騰は人々の悩みの種となっている。
 広州社情民意研究センターが広東10都市の住民に行った抽出調査によると、物
価水準への不満についての回答はここ9年来で大幅上昇の67%と48ポイント増加し、
2002年以来最高を記録した。

〈8割近い低所得者が物価に不満〉
 2002年、物価水準に対し、とても不満、やや不満とする回答者は18.9%にすぎ
なかった。しかし、物価水準に不満を持つ回答者は、2007年の物価上昇で64.7%
まで上昇、2008、2009年は減少したが、2010年に再度大幅上昇し、67%に達した。

 2010年、月額平均800元以下の低所得者の回答者のうち78.7%が物価に不満を持
っており、2009年比で29.4ポイントふえた。月収平均800―1500元の低中所得者
では、7割を超える人が不満を持っていた。月収平均1500―3000元の中額所得者
の不満度は67.1%、月収平均3000―5000元の中高所得者の不満度は60.5%、月収平
均5000元以上の高所得者の不満度は61.3%だった。

 高所得者の不満度もここ3年来一貫して大幅上昇しており、2010年の不満度は
2005年の約3倍増で、低所得者の1.7倍増をはるかに上回った。高所得者と低所得
者との不満度の差は年々縮小し、高所得者は物価不満世論を唱える新たな所得者
層となったと見てとれる。

〈低所得者層 食費を切り詰め〉
 国家統計局が分類したデータによると、世帯所得のうち、最低所得世帯と低所
得世帯の食品支出の増加幅は近年激増しているが、米、肉類、野菜の購入量はこ
こ数年はっきりと減少している。

 「支出は多いが、食べるのは少なく」低所得者層の生活水準は低下している。
2005年に比べると、最低所得世帯の2009年の主要食品の1人当たり購入量は米
14.90%減、豚・牛・羊肉9.90%減、野菜等15.82%減となった。
 データによると、2008年の価格上昇で、最低所得世帯は肉や野菜の摂取を減ら
した。しかし、2009年に物価が下がると、肉や野菜の摂取がふえた。このように、
物価上昇に対し、低所得者層は食品消費を減らして対処するしかなくなっている
ことがわかる。

 アナリストは次のように指摘する。
 近年、水・電気、教育・医療等公共財の価格が著しく上昇し、広州を例にとる
と、上下水道代が10年来で122%増加し、同期間の物価上昇幅をはるかに上回った。
一方、所得増加は緩慢であるけれども、水道・電気等公共財は比較的消費硬直性
が高く、都市の人々は使わないわけにはいかない。したがって、低所得者層は価
格上昇に対し、口から入るものを節約し、水道・電気代、学費、医療費を支払う
しかない。

〈食品価格上昇は社会分裂を加速する〉
 食品価格上昇の高所得者層に対する影響は大きくないものの、食品消費が上昇
傾向により、高所得者の近年における物価への不満が急速に上昇し、そのことが
主に2007年以降の不動産価格の急騰の要因となった。
 高所得者の住居改善の願いは強く、政府に住居問題解決を期待する人はふえ続
け、2010年に43.4%の最高値を記録した。
 同時に、食品価格の上昇は社会分裂を加速し、低所得者層の生活を困難にして
いる。豚・牛・羊肉を例にとると、低所得者の1人当たり購買量は2005年では最
高所得者より6.92キログラム少ないだけだったが、2009年になると16.68キログ
ラムも少なくなった。

 しかし、社会的地位が高く、発言権が強い高所得者層の不動産価格上昇世論の
糾弾の熱心さ、激しさは食品価格上昇世論をはるかに上回っている。
 食品価格上昇については、「蒜〓狠」(ニンニクの価格上昇を皮肉った言葉)、
「豆〓玩」(緑豆の価格上昇を皮肉った言葉)というようなブラックユーモアが
世間ではやっているだけである。しかし、低所得者層の生活にとってはそんな生
易しい問題ではない。

 近年来の物価上昇は、実際には食品価格の上昇が主導しているが、食品価格に
ついての世論の影響力は不動産価格に及ばない。そのことで、インフレで最も深
刻な影響を受けている社会層を軽視し、激化する貧富の差の加速を軽視するとい
うことがあってはいけないのだ。
〔中国新聞網2011年1月19日〕
注)〓は、にんべんに「尓」

●ネットの笑話 中国の高い不動産価格を皮肉る
 北京住民は高まる住宅価格に憤怒の気持ちでいっぱいである。このことは中国
語のネット上に広まった農民、強盗犯、遊女がそれぞれ住宅を買うのにどのくら
いの時間を必要とするかを計算したある風刺メールにその一端がうかがえる。

 中国の消費者物価指数は11月に5.1%上昇した。最近の中国中央銀行の調査では、
公衆の物価上昇に対する不満足度は、1999年にこの統計を編集して以来の最高水
準に達した。
 しかし、これらの調査では、中国人、特に辛辣な政治ユーモアで知られている
北京人を十分には表現できない。このようなユーモアはしばしば彼らが苦境に陥
るときに余すことなく露呈されるもので、このメールでは、具体的に住宅を買う
のに支払わなければならない代価を指摘している。

 このメールは多くのバージョンで広まっていて、市民が北京市中心に100平方
メートル、時価300万元(45万ドル相当)の住宅を買うのにどのくらいの時間が
必要かを推計している。これらの推計は決して科学的ではないが、非常に面白い
ものだ。

 自然災害が発生しなければ、中くらいの農地を耕作する農民は、唐の時代から
貯金を始めて、現在になってやっと住宅を買うことができる。唐は西暦907年に
終わっている。
 1カ月の平均給料が1500元の中国のブルーカラー労働者は、土曜の休みを放棄
すれば、19世紀半ばのアヘン戦争から貯金を始め、現在になってようやく自分の
住宅を買うことができる。
 遊女は1万回客をとらなければならず、毎日1回として、1日も休まず18歳から
46歳まで働いて、やっとこのマラソン式の「快挙」をなし遂げることができる。
 強盗犯が部屋を買うお金を十分に貯金したいのならば、2500回強奪行為をしな
ければならない。

 なお、これらの推計に内装や家具、家電の費用が含まれないのは当然である。
〔英フィナンシャル・タイムズ2010年12月24日〕

●中国農村1人当たり純収入 ここ十数年来初の都市超え
 国家統計局が20日に発表したデータによると、2010年、中国の都市・農村住民
の1人当たり純収入は前年比でそれぞれ都市7.8%増、農村10.9%増であった。1998
年以降、中国の農村住民1人当たり純収入成長速度(実際ベース)が初めて都市
を上回った。

 2010年の中国都市住民世帯1人当たり総収入は2万1033元(前年比11.5%増)で
あった。
 都市住民1人当たり可処分所得は1万9109元(11.3%増)、物価要素を考慮する
と実質7.8%増であった。
 都市住民1人当たり総収入のうち、給与収入は10.7%増、補助金収入は12.8%増、
経営売上収入は12.1%増、財産性収入は20.5%増であった。

 同時期における農村1人当たり純収入は5919元(14.9%増)で、物価要素を考慮
すると、実質10.9%増であった。
 そのうち、給与収入は17.9%増、自営収入は12.1%増、財産性収入は21.0%増、
補助金収入は13.8%増であった。〔新華網2011年1月20日〕
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    ━…━ 中国拠点マネジメント実践セミナー ━…━

    ▽中国におけるマネジメントのあり方(講義)
    ▽マネジャー役割遂行演習(討議・ロールプレイング)
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【期日】第1回 2011年2月24日(木) 10:00―18:00
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【会場】日本能率協会・研修室(東京・港区)
【定員】25名(5名に満たない場合は延期する場合があります)
【会費】(社)日本能率協会法人会員(事業所単位) 44,100円/1名
    上記会員外 52,500円/1名
【問合】(社)日本能率協会 教育・研修事業ユニット
    TEL:03-3434-1955 FAX:03-3434-6387
【URL】http://school.jma.or.jp/search/detail.php?seminer_no=1895

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●2010年 歳入8.3万億元 前年の倍
 財政部の20日の情報によると、2010年全国歳入は8兆3080億元で、前年比1兆
4562億元増(21.3%増)であった。

 2010年中央レベルの歳入は4兆2470億元(18.3%増)、地方レベルの歳入は4兆
610億元(24.6%増)であった。歳入のうち税収入は7兆3202億元(23%増)、非税
収入は9878億元(9.8%増)であった。
 12月期における全国歳入は6340億元で、前年同月比1215億元増(23.7%増)で
あった。内訳は、中央レベルの歳入は2230億元(20.5%増)、地方レベルの歳入
は4110億元(25.5%増)であった。

 歳出では、2010年全国歳出は8兆9575億元で前年比1兆3275億元増(17.4%増)
であった。2010年12月期における全国歳出は1兆7982億元で10.4%減であった。
 全国における2010年歳出は歳入よりも多く、そのマイナス額は△6495元(マイ
ナス6495元)で、年初予算の△1兆500億元(マイナス1兆500億元)に比べるとマ
イナス額は大幅に減少した。歳出入差額が2010年GDPに占める割合は1.6%であった。

 主要歳入では、2010年国内増値税は2兆1092億元(14.1%増)。国内消費税は6072
億元(27.5%増)。営業税は1兆1158億元(23.8%増)。企業所得税は1兆2843億元
(11.3%増)。個人所得税は4837億元(22.5%増)。輸入商品増値税・消費税は1
兆487億元(35.7%増)で、関税は2027億元(36.6%増)。輸出還付税は7327億元
で、前年より841億元(13%増)多かった。帳簿上、歳入から相殺される。車両購
入税は1792億元(54%増)。

 財政部によると、各歳入のうち、成長が速く、予算よりも歳入の方が高かった
重立ったものは、輸入商品増値税・消費税、関税、国内消費税、車両購入税等だ
った。2010年当初の全国人民代表大会が批准した予算と比べ、中央歳入は予算よ
り4410億元上回った。

 主に2010年当初の歳入予算割り当ては関連の経済予測指標の概算によるもので
あって、予算執行中に指標が予測を上回れば、相応に歳入は予算を上回ることに
なる。

 具体的には、以下2方面の歳入超過額合計が歳入超過額全体の94.1%を占めた。
そのほかの各種歳入も歳入超過となった。
1) 輸入商品増値税・消費税と関税が2865億元多かったのは、主に2010年の対外
 貿易輸出入総額が34.7%増(うち輸入は38.7%増)であったためで、当初予想の
 8%成長をはるかに上回った。
2) 国内消費税及び車両購入税が1285億元多かったのは、主に、2010年の自動車
 販売台数が34.2%増であったためで、当初予想を上回る等の要素の影響があった。

 関連法律法規規定によると、中央財政の歳入超過は、法律で決めた成長率に基
づいて教育、科学等の支出増、現行の財政体制に基づいた地方税収返還、移転支
払い及び中央財政赤字削減等への適用の増額のほか、残りの部分はすべて中央予
算安定調節基金に繰り入れられ、以後の年度で全国人民代表大会の批准を経て、
再編成し使用される。〔中国証券報2011年1月21日〕

●歳入4年で倍増 税負担は海外水準を下回る
 国家統計局が20日に発表したデータによると、2010年中国国内総生産(GDP)
速報値は39兆7983億元で、物価要素を考慮すると、前年比10.3%(1.1%増)であ
った。
 四半期別では、第1四半期は前年比11.9%増、第2四半期は同10.3%増、第3四半
期は同9.6%増、第4四半期は同9.8%であった。産業別では、第一次産業は4.3%増、
第二次産業は12.2%増、第三次産業は9.5%増であった。

 「2010年、我々は国際金融危機の影響の対処を強化、拡大した結果、国民経済
はおおむね良好であった。現在、国民経済は再び上昇気流に戻り、良好で安定成
長へ向かう重要な転換期にある」
 国家統計局長の馬建堂局長は記者会見の席上、このように経済展望の基本姿勢
を示した。

 また、2010年全国歳入(財政収入)は8兆3080億元で、前年比1兆4562億元増で
21.3%増、成長幅はほぼ前年の2倍であった。12月は23.7%増であった。

〈歳入4年で倍増 マクロ税負担が多過ぎる?〉
 2006年、全国歳入が4兆元に近づき、2010年に8兆元の大台を突破した。その間、
わずか4年間だった。
 統計局と財政部のデータを比較すると、2010年のGDPを時価ベースで計算する
と16.7%増であるが、歳入の成長速度は21.3%に達し、GDP成長速度を上回った。
 いかにしてこの現象をとらえるべきだろうか? 新華社の解釈では、歳入成長
とGDP成長率との関係は「理性的に客観的に」とらえるべきで、二者の間には直
接的な対応関係はないとしている。

 財政部財政科学研究所の劉尚希副所長によると、歳入は税収入と非税収入から
成るもので、各税目の課税基盤とGDPの構成要素と統計の枠組みは一致しておら
ず、金額的に直接的な対応関係はない。歳入は価格水準の変化、税収政策の調整、
徴税管理水準の変化も影響するが、これらもGDPの変化とは基本的に無関係である。

 ある専門家によると、中国の現行19税目のうち、増値税の課税基盤の中に含ま
れる工業及び商業付加価値額部分はGDPと若干の関連性があるものの、それ以外
のその他の税目の課税基盤はGDPとの関連性はわずか、ないしは直接的な量的対
応関係はなく、また、関税及び輸入関連税の課税基盤の成長とGDP成長にはマイ
ナスの相関がある。
 なお、産業構成別に見てみると、税収は主に第二次、第三次産業から徴収され
るものだが、第二次、第三次産業の時価ベースの成長は通常はGDPのそれより高い。

 歳入の高成長は、中国のマクロ税負担が高過ぎることを意味しているのだろうか?
 このことについて、専門家は、統計の枠組みが統一されていないことから、中
国のマクロ税負担水準は理性的にとらえるべきで、国際的には、枠組みすべての
政府歳入にしろ、GDPに占める使用可能な資金にしろ、目下中国におけるその割
合は高いわけではないと指摘する。
 「全体的には、中国のマクロ税負担水準はわずか25%前後にすぎず、発展途上
国の平均水準35%を下回り、さらに工業国の平均水準45%をも下回っている」中央
財経大学財政学院の馬海濤院長はこのように語る。

 劉尚希副所長によると、目下、中国の歳入がGDPに占める割合は20%前後であっ
て、国外の水準を明らかに下回っているという。また、専門家は、人々が国家の
富の成長に関心を持つのは、人々の生活のさらなる改善への期待を寄せているか
らではないかと指摘する。
 専門家は、財政のパイが大きくなるに従って、財政部門もさらなる財政の科学
化、精密化した管理を強化し、財政資金の管理能力を高め、財政資金は有効に人
々から取ったものを人々へ使うことを確保するべきであると提案している。
〔楊子晩報2011年1月21日〕

●海南省 地方税収入200億元突破 全国トップの成長速度
 2010年の海南省地方税税収は初めて200億元を突破し、増加速度は全国地方税
のトップとなった。
 税務情報化建設も重要なブレークスルーとなっている。中国国内で初めて国、
地方税共同の12366システムが正式に開通、稼働している。

 海南省地方税務局の劉平治局長によると、2010年の海南省地方税収入は急成長
を遂げ、各税収入は226億元で、税収総額は初めて200億元の大台を突破、前年比
56.2%増、81億元の増収となり、増加速度は全国地方税のトップとなった。
 税収が地方一般予算収入に占める割合は73.8%で、前年比より3.5ポイント上昇
した。各社会保険収入は77億元で、前年比13%増、8.8億元の増収となった。
〔新華網2011年1月20日〕

……【金融】………………………………………………………………………………
●中国人民銀行 2010年に押収した偽造紙幣は3億元超
 新華社の報道によると、中華人民共和国中央銀行(以下、中国人民銀行)の馬
徳倫副総裁は18日、2010年、中国金融機関の押収した偽造人民元は2009年を46%
下回る430.9万枚、額面にして3.38億元であり、その枚数の内訳は、100元札が最
多の71%、10元札が11.4%を占めたと語った。また、押収した偽造硬貨は2009年を
52%下回る575.6万枚、額面にして547.1万元であるとしている。

 馬徳倫副総裁は「2010年中国の偽造通貨の取り締まりに関する情勢は明らかに
好転し、偽造通貨犯罪の発生率も大幅に減少した。偽造手法は絶えず刷新されて
いるものの、その精度は決して高くはない。金融機関による押収量も大幅に減少
し、流通している偽造通貨は明らかに減少している」と語った。
〔聯合早報2011年1月18日〕

●中国人民銀行 「目下高額紙幣発行の計画はない」
 「中国人民銀行に第6期人民元を発行する計画はない」
 中国人民銀行が高額紙幣や第6期人民元を発行する可能性があるとの憶測が市
場に出回っていることを受け、中国人民銀行の馬徳倫副総裁は18日、メディア座
談会の席上で、中国人民銀行は現在高額紙幣発行に関するいかなる計画もなく、
「第6期人民元」もまた中国人民銀行の通貨発行計画に組み込まれていないと語
った。
 「国民が現金による消費を特に好むことから、中国は世界で現金流通量が最も
多い国となっており、このことが、人民元発行に一定の圧力をかけている。中国
人民銀行の通貨発行量は消費者物価指数(CPI)や物価水準と連動するものでは
なく、国民の所得水準、GDP成長率及び現金流通範囲の拡大に関連するものであ
る」〔人民網2011年1月19日〕

●中国人民銀行 現金好む国民性 例年紙幣製造額9000億元超
 中国人民銀行が高額紙幣や第6期人民元を発行する可能性があるとの憶測が市
場に出回っていることについて、中国人民銀行の馬徳倫副総裁は18日メディアの
インタビューを受け、現在中国人民銀行に高額紙幣及び第6期人民元の発行計画
はないと語った。
 馬徳倫副総裁は、紙幣製造能力は物価水準とCPIとあわせて考えてはならない
としている。

〈春節の新札投入量 2010年を超える見込み〉
 馬徳倫副総裁は以前、署名論文において、人民元の製造能力が毎年ほぼ20%近
い割合で伸びている現金需要に追いついていないと語っていた。
 馬徳倫副総裁は18日、現金需要の増加は、主に中国のGDP成長及び国民の所得
レベルの向上、人民元流通範囲の拡大に関連しており、物価の上昇と結びつけな
い方がよいと語った。

 国民が現金による消費を特に好むことから、中国は世界で現金流通量が最も多
い国となっており、このことが人民元発行に一定の圧力をかけている。また、
2005年から香港、台湾及び海外各国で人民元が普遍的に使用され始めたことも人
民元の需要を高めた。
 国民及び企業の現金需要の激増から、毎年元旦及び春節期間の中国人民銀行に
よる通貨純投入量は通常前年同期の2―3倍となっている。馬徳倫副総裁は、2011
年1月の投入量は前年同期の1兆2680億元を超える見込みであるとしている。
 現金は破損等の影響で5―7年ごとに流通の輪から外れ、新札に変える必要があ
る。2010年末中国の流通紙幣は4.6兆元に上るが、5年ごとに流通から外れるとす
れば、毎年製造が必要な新札は平均して9000億元を超える。(重複のため、後略)
〔新京報2011年1月19日〕

……【労働】………………………………………………………………………………
●全国労働組合会員2.39億人 新規加入会員の多くは農民工
 2010年9月末までで、全国労働組合会員は2.39億人に達した。新規加入者は1361.3
万人で、そのうち出稼ぎ農民会員は839.8万人に達した。団体協約締結総数は
140.8万件で、企業243.9万社、従業員1.85億人を網羅している。
 これは、18日に開催された全総第15期第5回執行委員会において得た情報である。

 2010年以来、労働組合の「2つの普及」重点プロジェクトが着実に推進し、目
覚ましい成果を挙げている。
 2010年、国内外からの経済展望の厳しい挑戦と複雑で変化に富む労働関係に直
面し、各レベルの労働組合は、法に基づく企業労働組合組織の全面設立普及を推
進し、法に基づく企業賃金団体交渉の全面展開普及を推進した。
 労働組合組織普及は引き続き拡大しており、末端の労働組合設立が一層強化し、
調和のとれた労働関係を大いに発展させている。

 2010年、労働組合は、法に基づく企業賃金団体交渉の全面展開を積極的に推進
させ、労働組合の賃金団体交渉事業3年計画と団体交渉指導員の3年研修計画を研
究、制定し、第4期全国労働組合労働関係協調事業研修チームと団体交渉指導員
研修チームを立ち上げた。
 世界500強の在中企業の賃金団体交渉の制度設立推進を突破口として、各種企
業に従業員賃金の、交渉意思決定メカニズム、正常成長メカニズム、支払い保障
メカニズムの健全な設立を推進する。〔新華網2011年1月18日〕

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●大卒向け起業支援始まる 起業には過重な税負担はマイナス
 最近、中国は初めて大学生向けに自主起業税金優遇政策を始めた。
 1月1日より、大学卒業生が卒業年度より3年以内に自主的に起業した場合、毎
年8000元の税収減免を受けられるようになった。

 中国青年報社会調査センターが民意中国網と新浪網を通して行った1920人に対
する特定項目調査によると、この政策は87.8%の支持率を得ており、そのうち50.7%
が「非常に支持する」とした。回答者は80後が48.5%と70後が33.1%で多数を占め
ている。
 81.7%の回答者は、中国における法人税負担は大きく、起業し企業を成長させ
るには不利だとした。

 零点研究諮問集団が最近発布した「2010零点中国公共サービス大衆評価指数報
告」では、その他の年齢層と比較し、90後の起業難易度は最も低く、理想追求熱
情タイプであり、自発起業の確率はさらに高いとの予測を示した。
 また、全国大学卒業生の起業率は低いが、その原因を回答者の69.0%が「起業
指導不足」と考えていた。

 本調査の中で、51.4%の人が周囲に「幾人かの」自主的に起業する大学卒業生
がいると回答し、31.7%が「比較的少ない」と感じ、わずか9.4%は起業する大学
卒業生が「多い」とし、7.5%が「ほとんどいない」と回答した。
 米国等先進国における大学生の起業割合は20%―30%と高いのに対し、中国は1%
前後にとどまっている。〔中国青年報2011年1月20日〕

●綿価格の高騰で多くの紡績企業が倒産 2011年は厳しいとの見方
 本期の綿価格の上昇は需給矛盾が集中爆発したものである。2010年の綿花の減
産は10%を上回ると予想される。中国の紡織業の成長回復は綿花市場が支えとな
っている。

 2010年9月から11月初めまで、中国の綿花価格は着実に上がり続け、1トン当た
り1万8000元から3万数元まで暴騰し、上げ幅は約70%となった。
 紡織業において綿花は最も基礎的な原材料であり、特に、下着や家庭用繊維製
品などの分野において綿繊維は企業製造コストのほぼ60%―70%を占め、小さな動
きでも全体に及ぶと言える。
 綿価格の暴騰は、糸や生地、後処理等、産業チェーンの各部分にまで素早く波
及した。綿糸価格は倍、綿布価格は30%上がり、綿100%タオルの生産者価格は1グ
ラム2.8分から7分まで高騰した。

 毎年9月から翌年3月までは紡織企業の最繁忙の書き入れどきだが、今のところ、
江蘇省南通市、山東省文登市、浙江省余杭市のような紡織業集積地の6割近い綿
糸紡績企業が操業を停止している。
 特に、輸出企業は、現在さらに、為替レートの圧力、EU債務危機など多くの不
利な要因の影響に直面し、受注には一層慎重になっている。

 綿価格の影響を受けると同時に、輸出企業の利潤はさらに為替相場変動という
懸案に直面している。最近、人民元が3%近く上昇し、輸出型企業の利潤を直接的
に押し下げている。〔東方早報2010年11月18日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行1月31日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     8.0223  658.91    84.56  895.52
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――来週も配信します》
 2010年の数字がたくさん発表されているので、今週はそれをできる限り紹介す
ることにしました。数字は増加増加のオンパレードですが、そういう記事を並べ
ると、中国マスコミの注目点や懸案で見えてくるものもあるかもしれません。
 なお、マイナス(-とか-とか)は記号にすると埋没してしまうため、以後マ
イナスが必要な文脈では△と書くことにします。よろしくお願いします。
 あれもこれもと用意してみたものが余りにも膨大になってしまったので、残余
の貿易関係等指標は来週も発行して載せることにします。来週も配信されても驚
かないでください。
 個人的には、ことしこその気持ちで迎えた今年のお正月も1カ月たって何もし
ていない状態ですが、中国ではこれからいよいよ春節ですね。読者の皆様、楽し
く明るい新しい年をお迎えください。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子
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