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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.333 2005年12月13日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「中国最新情報」は年末年始のため、4週間休刊します。
 次回配信は2005年1月17日の予定です。

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:国内構造変化を戦略的にとらえる】
●統括本部ランキング 統合本部を置く都市とその能力
●初の全国経済センサス公報 私企業は約5割増
●WTO加盟4年 外国企業の要求する中国開放分野

┏【金融】
●ヤミ金融融資規模8000億 農民貸借の第一選択肢に
●中国銀行香港支店 人民元業務拡大

┏【社会】
●中国地震局責任者 都市群の耐震減災が重要
●米中世論調査対比 中国人は米国を重視しているが余り好感を持っていない

┏【経済データ】
●外国為替(12月12日)

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……【特集:国内構造変化を戦略的にとらえる】……………………………………
●統括本部ランキング 統合本部を置く都市とその能力
 中国で初めての「中国統括本部青書」が4日、公表された。

 本書は全国35主要都市を対象とし、統括本部発展能力について初めて言及した
ものである。トップテンは、北京、上海、広州、深セン、成都、杭州、天津、南
京、青島、武漢。
 北京の統括本部発展能力の総合得点は87.33で、全国第1位となった。研発能力、
専門サービス、開放程度3つの指標が第1位、ビジネス施設指標が上海の次点で第
2位、政府サービスとインフラが上海と広州に次ぐ第3位となった。

 専門家の分析によると、第一ランクの都市である北京、上海、広州の3都市は、
統括本部発展の総合能力が強く、今後多国籍企業と国内大企業グループの全国統
括本部を主に誘致すべきであるという。
 第二ランクの都市である深セン、成都、杭州、天津、南京、青島、武漢7都市
は、今後多国籍企業あるいは国内大企業グループの地域統括本部とするのが望ま
しい。
 第三ランクの都市である寧波、大連、瀋陽、重慶、済南、西安といった13都市
は、統括本部発展の総合能力は普通で、国内大企業グループの地区統括本部を誘
致するのに適している。
 第四ランクの都市、合肥、長春、ウルムチ、海口といった12都市は、統括本部
発展の総合能力は35都市の平均より低いため、省レベル統括本部を発展させるこ
とが適切である。

 しかし、中国統括本部発展にはまだ主に3つの問題が残っている。
 第一に、統括本部の発生と発展に対するガバナンスをより一層深める必要があ
る。
 第二に、政府のマクロ計画とその誘導が統括本部発展ニーズよりおくれており、
統括本部の集中地域は計画性に欠け、都市全体の発展にある程度の不調和が存在
する。
 第三に、現行の行政体制、財政制度、GDP計算、政府業績審査制度などの制約
を受けて、企業統括本部と生産基地の分離が難しい状況に直面している。

 北京市政府の陸昊副市長は4日、北京はより強い革新能力、より高い専門サー
ビス水準、優位な市場条件、より豊かな産業インフラを持ち、統括本部発展に優
位性があるとして、現在、北京での統括本部の発展では、セントラルビジネス地
区(CBD)、金融街、中関村サイエンスパークの海淀パークが三大統括本部集中地
域として初歩的に形成したと表明している。〔第一財経日報12月5日〕

●初の全国経済センサス公報 私企業は約5割増
 国家統計局は12月6日、「第一回全国経済センサス主要データ公報(第一号)」
を発表した。2年をかけてまとめたもので、第一回全国経済センサス後に発表さ
れた初めての公報だ。

 今回のセンサスの基準日は2004年12月31日で、資料は2004年度のもの。
 センサスの対象となったのは、中国国内の第二産業、第三産業に従事するすべ
ての法人、産業活動組織、個人経営主。
 主なセンサスの内容は、組織の基本的な属性、就業者数、財務状況、生産状況、
生産能力、原材料やエネルギーの消費量、科学技術活動の状況などだ。
 ただ、この第一回全国経済センサスには農業が含まれていない。農業の調査は
難度が高く、2006年度末に実施する予定とされている。

 2004年に開始された調査期間2年の第一回全国経済センサスは、新中国建国後
初めて実施される国情、国力の重要調査であり、第二次、第三次産業の基本状況
調査を主旨とするものである。
 国家統計局の関係者によると、経済センサスは各分野の網羅的なデータを把握
し、マクロコントロールのよりどころとすることを主な目的としている。
 アモイ大学国民経済核算研究所の楊燦所長は、経済センサスは過去に実施して
いたサンプリング調査に比べ正確性が改善されており、国民経済計算において役
立つものであるとの認識を示している。

 今回発表した「第一回全国経済センサス主要データ公報(第一号)」は、主に
工業、第三次産業の基本的な組織状況、就業人員、企業資本に及ぶものである。
 センサス公報によると、全国の第二次、第三次産業の企業法人は2004年末現在
で516万9000社。2001年度の第二次全国基本組織調査に比べ、企業法人の数は7.4%
増の22万3000社だった。そのうち、民営企業が198万2000社と、2001年の第二回
全国基本組織センサスのデータに比べ49.7%増加した。
 全国の第二次、第三次産業での就業者数は2004年末時点で3億882万8000人。そ
の内訳は、第二次産業1億5463万8000人、第三次産業1億5419万人だった。
 そのうち、組織内の就業者は69.5%の2億1460万4000人、個人経営者は30.5%の
9422万4000人だった。
 組織で就業する人の割合は、製造業39.1%、建築業13%、公共管理及び社会組織9%、
教育7.1%、卸売及び小売業6.4%だった。
 すべての企業法人の資本総額に占める各所有タイプへの投資額の割合は、2004
年末時点で国は48.1%の8億7000万元、集体は7.9%の1億4000万元、個人は28%の5
億1000万元、香港・マカオ資本は7.3%の1億3000万元、外資は8.7%の1億6000万元
だった。

 今回の経済センサスデータの全体的な誤差率は4.9%と、データの質は当初の目
標に達したという。
 国家統計局は今後引き続き第二号、第三号公報を発表し、第二次産業(工業)、
第三次産業の詳細に言及する。〔21世紀経済報道12月7日〕

●WTO加盟4年 外資系企業の要求する中国開放分野
 中国がWTOに加盟して4年、外資系企業は、中国政府の関税削減、金融サービス
業などの開放作業に相当積極的な評価を与えているものの、まだまだやるべき課
題が山積していると指摘する。

 12月13日、WTOの香港閣僚会議が開催される。12月18日に閉幕するこの会議で
はドーハ・ラウンド再開を協議する。2001年末に始まった交渉は、先進国の農業
補助問題で意見の一致が見られず、現在交渉は中断したままである。

 今回の香港閣僚会議で中国は特定の国を批判する予定ではないが、中国がWTO
メンバー国としての義務履行において、恐らく各方面の指摘を受けることになる
だろう。
 昨年までは、外資系企業はこのことに対しては中国に一貫して賞賛する態度を
とってきたが、ここ数カ月は、幾つかの外国商業団体、米商工会議所などは、中
国政府への批判度を強め、北京に日程を早めるよう呼びかけている。

 中国政府の貿易問題顧問の張漢林氏は、中国にWTO規則遵守に95点をつけた。
しかし、中国の知的財産保護方面では80点にした。

 外資系企業は以下の分野で中国にまずまずの点をつけている。
1) 関税――中国の輸入関税の平均税率は、2001年初頭の15.3%から今年は9.4%に
 下がった。
2) 金融サービス――2004年12月以降、外資銀行は中国の18都市で人民元業務取
 り扱い許可を得た。中国がこれらの分野の開放歩調はWTO加盟で承諾した開放
 予定より早まっている。
3) 保険――外資保険会社は、中国政府が昨年12月の規制緩和後、中国顧客の健
 康保険、団体保険、養老保険の販売額が増加したとしている。
4) 政府調達――中国政府は今年WTO政府調達協議の交渉のテーブルにつくことに
 同意した。中国がこの協議に加入することによって、外資系企業は無差別に中
 国政府調達のサプライヤーになることができる。

 外資系企業が中国政府にさらなる改善を要望する分野は以下の点である。
1) 知的財産権保護――米商工会議所は、今年上半期、アメリカ国境で没収する
 海賊版の70%が中国大陸と香港からのものであるとしている。
2) 流通権――在中国米商工会議所の先日の報告によると、外資系企業の中国で
 の流通権付与の進捗が遅く、失望させられているという。この分野の規制はは
 っきりせずあいまいである。
3) 政府の透明度――外資系企業は、中国政府はよく法規を正式に実施した後に
 なって対外的に発表するため、当法規に対する公開議論を行う機会がなくなっ
 てしまうとしている。
4) 標準規格――中国政府は全国的な技術規格を制定することに着手したが、外
 資系会社にすれば、これは新しい非関税障壁で、WTOの公平競争の原則に違反
 するという。

 外資系企業は中国の一部の分野で逆行的な行為に苦情を申し立てている。
 例えば、中国政府が今年4月自動車組み立てに使う部品の輸入に新しい関税政
策を打ち出し、この種の部品の関税税率を完成車の税率に引き上げていることな
どである。〔青年参考11月30日〕

……【金融】………………………………………………………………………………
●ヤミ金融融資規模8000億 農民の第一選択肢に
 ある専門家による定量法で行った国内ヤミ金融現象に関するプロジェクト調査
の結果によると、現在全国的ヤミ金融の融資規模は8000億元近くなり、正規ルー
トで行った融資規模の28.07%に達した。

 中央財経大学プロジェクトチームは最近、中国ヤミ金融規模とマクロ経済への
影響というプロジェクト研究を完成した。
 プロジェクトチームは全国20省を対象にヤミ金融状況の現地サンプリング調査
を行い、各地のヤミ金融、農村ヤミ金融、中小企業のヤミ金融の規模に対して基
本的な判断を下した。

 プロジェクト責任者である中央財経大学金融学院の李建軍助教授は、調査推計
によると、現在中国のヤミ金融による融資規模は7405億元から8164億元の間で、
ヤミ金融規模の平均指数は28.07、つまりヤミ金融の融資規模は正規ルートによ
る融資規模の28.07%を相当すると語った。
 この指数を20省の調査平均値にすぎないことを考えれば、全国的規模で推計す
ればヤミ金融規模の指数は26.73から29.47の間にあるべきだという。

 できるだけ調査の正確性を担保するため、調査グループは76の小グループを分
けて、全国20省、82市(県)、206村落、110社の中小企業、1203人の個人経営者を
対象にそれぞれ現地調査を行った。
 それによると、現在全国の約3分の1強の中小企業がヤミ金融ルートで融資を受
けていた。
 農家では銀行、信用協同組合などの正規金融機関から受けた融資が半分以下で、
逆にヤミ金融で受けた融資が55%を上回った。
 さらに地方分布から見ると、経済の発達がおくれている地域であればあるほど
ヤミ金融に対する依存性が高いのが特徴だ。〔新華網12月6日〕

●中国銀行香港支店 人民元業務拡大
 12月5日より、香港住民の中国銀行香港支店における人民元両替は、一回当た
りの上限額がこれまでの6000元から2万元まで引き上げられる。

 中国銀行香港支店は5日、人民元業務を拡大すると発表した。
 香港住民の個人人民元送金の上限を1人1日5万元から8万元に上げ、さらに人民
元カードの与信限度額も取りやめた。
 そのほかの主要な内容としては、「指定法人顧客」が人民元預金口座を開設し、
当該口座の人民元預金を香港ドルに換金する業務を行う。また、「指定法人顧
客」の業界範囲を、ショッピング、飲食、宿泊、交通、通信、医療、教育業界の
企業まで拡大する。
 中国銀行香港支店は、香港関連の人民元決済サービスを初日に打ち出した銀行
の一つになった。

 中国銀行香港支店の林炎南副総裁は5日、人民元業務が第一段階の発展を経て、
預金と業務上の大きな発展は比較的難しいが、将来的には正常な成長軌道に移っ
てくると予想されると示した。
 第二段階では、人民元サービスの重点を新規法人顧客の開拓に置くと語った。

 そして、順調に人民元新業務を推進するため、中国銀行香港支店は「指定法人
顧客」に「商匯通」サービスを提供し、顧客にワンストップの人民元サービスを
享受してもらい、かつまたATM10台を増設し、顧客に人民元現金への便宜を与え
る。

 中国銀行香港支店のデータによると、顧客がATMを通じて行った人民元現金取
引数は今年10月は2004年5月より170%を増加して245%を上昇した。

 それから、香港HSBCは、12月中旬から一定の基準を満たした法人顧客に人民元
預金商品を提供すると発表した。
 香港ハンセン銀行、星展銀行、東亜銀行等も5日より人民元の第2段階のサービ
スを開始している。〔新華網12月6日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●中国地震局責任者 都市群の耐震減災が重要
 3日開催された「中国科学と人物フォーラム」において、中国地震局の陳建民
局長は、第十一次五カ年計画中の耐震減災については、大都市と都市群の耐震減
災が重要だと漏らした。
 陳建民局長は、現在都市化プロセスが非常に早く進み、多くの財や生産拠点が
すべて都市に集中しており、災害が発生すれば、必然的に重大な損失をもたらす
ことになると語る。

 仮に地震が発生すれば、都市ガス、上下水道、電力等の故障が発生し、都市機
能がダウンすることもあり得る。中国の都市はハイリスク都市であると言える。
 陳建民局長は、20004年統計によると、仮に1日生産を停止すれば北京では12億
元の経済損失、珠海デルタでは34億元、長江デルタでは73億の経済損失が発生す
るおそれがあるという。

 陳建民局長は、地震に対する啓蒙活動を強化しなければならないが、「啓蒙活
動は地震のおそれがあるから行われているのではないか」と大衆が啓蒙活動に接
して不要な懸念を持つことはないことを希望している。〔新京報12月4日〕

●米中世論調査対比 中国人は米国を重視しているが余り好感を持っていない
 11月19日―20日、アメリカのブッシュ大統領は中国訪問した。胡錦濤主席はブ
ッシュ大統領の招待を受け、来年早々にもアメリカを訪問することが決まってい
る。
 米中の上層部の対話は日増しに頻繁となっているが、中国とアメリカのそれぞ
れ印象と考え方はどうだろうか?

 国際先駆導報の報道によると、アメリカのブッシュ大統領の中国訪問前夜の18
日、アメリカのピューリサーチセンター(Pew Research Center for People and
the Press)はアメリカのエリートと一般大衆の中国に対する態度の調査を発表
した。
 偶然にも、中国零点調査グループも同じ日に「中国人が見たアメリカ」という
調査レポートを発表している。
 このレポートから、中国とアメリカの双方の印象と考え方がよくわかる。

〈中国は既に最大の脅威ではなくなった〉
 「アメリカの世界での地位 2005」というピューリサーチセンターのレポート
では、「アメリカ首脳と大衆が、アメリカの最大の脅威として挙げた国は一致し
ていない」
 中国、北朝鮮、イランはアメリカ首脳が最も頻繁に言及している3つの国家で、
これは2001年の調査結論と大きく異なっている。2001年当時の首脳の大多数は、
中国はアメリカに対する最大の脅威となっている国家だとしている。

 この変化について、上海復旦大学アメリカ研究センターの孫哲教授は、ピュー
リサーチセンターの2001年のデータは「米国同時多発テロ」以前のもので、当時
「大使館誤爆事件」などの事件により、当時の米中関係は悪化していたとしてい
る。
 「中国人が見たのは自国の公使館への爆撃であったが、それはメディアによる
ものでした。そして、アメリカ人は、自国の大使が小石でいっぱいの大使館に閉
じ込められているのを見たのです」

 孫哲教授は「国際先駆導報」の取材で、「同時多発テロ」以後、アメリカは別
の方向へと意識が変わっており、中国に対する脅威を感じている人数の割合が下
がった重要な原因となっていると語る。
 そのほか、ここ数年アメリカのメディアの中国に対する報道絶対量が増加する
につれて、アメリカ人の中国に対する理解がさらに深まり、それによって一部の
人の中国に対する憂いが取り除かれているという。

 孫哲教授は、中国がアメリカの最大脅威と考えるアメリカ人の割合は減少して
おり、アメリカ軍事力構成における直接の脅威が中国であるにすぎないと確信し
ている。もしこの質問を設定する際に、経済に対する脅威としたならば、この割
合はあるいは増加したかもしれない。
 アメリカ首脳にとって中国に対する憂慮は減少しているが、依然として中国は
北朝鮮、イランと並ぶ3大脅威である。しかし、孫哲教授は、イデオロギーの相
違によって、中国がアメリカの脅威だという論調がまだアメリカに残っているに
すぎないと考えている。

 「中国が世界の強国となり、アメリカに対する脅威となっている」という見方
は特にアメリカメディアが重要視しているもので、2001年と比較すると、2005年
のメディア界でこの見方を持っているものは19%と増加しているが、アメリカ防
衛部門では17%の人がこの観点を放棄している。
 北京大学国際関係学院の牛軍教授は、アメリカメディアの派手な宣伝によるも
のが比較的に多い、アメリカ防衛部門は中国とアメリカの軍事力の開き、さらに
中国軍への対応についてはさらに客観的であるべきだと考えている。

〈脅威の対象ではなく「難題」〉
 ピューリサーチセンターによると、中国は大多数のアメリカ首脳にとって「脅
威の対象」というよりも、むしろ一つの「難題」であるとしている。
 「中国は挑戦者であり、脅威の対象とは見ていません。この調査結論はアメリ
カ人の中国に対する傾向と合致するものです」と孫哲教授は言う。
 現在、アメリカ国内では中国の経済「進入」の憂慮がピューリサーチセンター
の調査に影響しており、アメリカ人はこの挑戦がさらに深刻になっていると考え
ているかもしれない。

 しかし、この調査によると、中国は「難題」ではあるが、決して防げないわけ
ではなく、将来的には中国はアメリカの重要なパートナーになるだろうと考えら
れている。
 特に、アメリカ首脳のメディアエリート、政府官吏、学界、科学技術界のリー
ダーは、将来的にはアメリカの最も重要なパートナーになると考えており、中国
の重要性は既にイギリスや日本を上回っているという。
 「これがアメリカのエリートたちの意識だと説明できます。もちろんアメリカ
は世界では「咲き誇った花」ですが、中国の発展するにつれて、中国の協力を得
ることができないとアメリカも多くのことができなくなっています」と孫哲教授
は言う。
 「さらに、中国は多くの問題で国際協力の態度をとっています」

 しかし、すべてのアメリカ首脳が中国を将来のアメリカの最も重要なパートナ
ーと見ているわけではない、特に外交、安全、宗教界ではそうではない。
 孫哲教授はこのような相違は今後の米中関係で紆余曲折がある可能性を示唆し
ているが、アメリカは中国をアメリカの将来にとって協力不可欠なパートナーと
みなしており、この観念がアメリカの対中関係処理への防波堤となっており「防
波堤の中の波がどんなに荒れ狂っていても、防波堤が決壊することはない」と考
えている。

 中国の脅威が減少し、さらに将来的に中国との連携を重視する――ピューリサ
ーチセンターの調査レポートの伝える情報は、米中関係に対する楽観的な予測を
意味するのではないだろうか?
 「これはよい前兆の一つにすぎません」牛軍教授は取材に対し「アメリカの一
般大衆の中国に対する見方は、突発的事件の影響を受けやすく、もし突発的事件
の発生後すぐに世論調査をすれば、結論は間違いなくある程度の変化が見られる
でしょう。このような敏感な反応は簡単に取り除くことはできません」
 孫哲教授も、調査結論に対して慎重であるべきだと考えており、アメリカが社
会主義国家との協力パートナー関係をつくり上げることは、確かに一つの挑戦と
言えるだろうとしている。「双方の今までにない全面的な交流という時代に入り、
今までなかった問題が起こることも考えられます。互いに問題処理するための経
験が不足しているからです」

〈アメリカを重視、しかし余り好感を持っていない〉
 「多くの人は米中関係がますますよくなっていると考えているが、中国人のア
メリカに対する好感度は一貫して比較的低く穏やかに上昇しており、その上昇幅
は大きくないと言えます」と中国零点調査グループの「中国人が見たアメリカ」
というレポートは報告している。

 重要度は重要度、好感度は好感度であり、中国零点調査グループの調査では、
「米中関係の重要性曲線」と「アメリカに対する好感度曲線」には全く関連性が
ない。
 アメリカを「他国の内政に干渉する」85%、「経済的に別の国家を支配する」83%、
「他の国に自国の文化を無理に押しつける」65.7%と考えており、68.8%の人はア
メリカには「権力主義」の印象があるという。半分以上の人(55.6%)は、アメリ
カは中国を尊重していないと考えている。

 「旅行目的地、商品供給地、文化発信地、多国籍企業の管理モデルの発信地と
して、中国人にとってはアメリカは絶対的で極めて価値のあるパートナーです」
中国零点調査グループの袁岳理事長は国際先駆導報の取材に対し「中国人がアメ
リカに対してマイナスと感じているのは、主にアメリカ政府の行動パターンによ
るものです」と答えている

 袁岳理事長は、このようなマイナス面は3つの方面から来ていると考えている。
 一つ目は、アメリカの台湾問題の処理方法が不満である。
 一方では一つの中国を支持すると言い、一方では台湾に最新の武器を売ってお
り、議会ではたびたび幾つかの「台湾独立」を支持するとしている。
 二つ目は、アメリカが世界各国のことに関与することが不満である。
 「中国では、もし隣近所の人がけんかしても、できるだけ仲裁をするようにす
るのであって、こぶしを使うことはありません。もちろん、おとなしい人を殴る
ようなことはありません」
 三つ目は経済上の不満である。
 一方では中国にWTO義務を履行するように求めているのに、自分がWTOの義務を
履行するべきときには、アメリカはそれを認めない。

 「心理学的には、相手のことをとても重要であると認識し、相手を注目してい
る場合、相手が正しい態度をとれば、実は好感度は上昇しやすくなります」袁岳
理事長は例を挙げる。
 当時のクリントン大統領が中国を訪問する前、好感度は39%にすぎなかったが、
中国訪問の際、台湾に対する「3つのNO」の政策を宣言した後は、急激に70%以上
にまで上昇している。
 アメリカの以前の幾つかやり方は、かなり多くの中国人にとって、両国のつき
合いには尊敬関係が不足していると思わせることになっている。
 「アメリカは今までいつも、他の人を教え諭しており、戦略的対話路線は米中
の互いにとって相手の考えを理解することができる」
 袁岳理事長は、ブッシュ大統領の訪中を含め、近ごろ米中は戦略的対話路線を
強化しており、このような見方をなくすことに寄与していると考えている。
〔国際先駆導報11月29日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                        (中国人民銀行12月12日発表)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.7135  807.65  104.13   953.11
関連ページ:http://www.bank-of-china.com/
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《編集者コラム――今年もお世話になりました》
 とても早いのですが、333回目という何ともきりのいい数字で今年の《中国最
新情報》の発行はおしまいにして、冬休みを4週間ほどいただきます。
 年末の最終発行時なのでまた何か読者様の声を聞きたいなと思ったのですが、
アンケートは準備不足なのでやめます。
 《中国最新情報》ブログをたまに更新していますので、そちらにコメントなり
トラックバックなりで励ましていただけるとうれしいなと思います。
http://news.bizchina.jp/。
 最後に、読者様には今年も講読をいただきましてありがとうございました。来
年も毎週出すことで地道に記事づくりが継続できればいいなと思っています。(ま)
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●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―)
 http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで)
 http://www.jckc.com/nweek/view.php?no=1
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:劉志軍 戴小芳 アヤ 平井玲子 郭暁楠 奥谷道弘
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