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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.760 2021年7月5週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「中国最新情報」は夏休みのため、休刊します。
 次回配信は2021年9月3週の予定です。

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:ショッピングモールの中国ナイトタイムエコノミー】
●ショッピングモールのナイトライフ

┏【李年古の日中異文化交流術】
●なぜ、日本人の管理手法は不評を買ってしまうのか 3
◆日本企業は、高給以外の魅力提示で人材争奪戦に勝つしかない時代に入った

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……【特集:ショッピングモールの中国ナイトタイムエコノミー】………………
●ショッピングモールのナイトライフ
 かつてのショッピングモールは流行に合わせた買い物を目的としていたが、最近
のショッピングモールは、だんだんと流行に合わせた生活をつくり出す場所、時間
を消費する目的地になりつつある。
 ナイトタイムエコノミーに促され、ショッピングモールのナイトライフはますま
す興味深いものになっている。
 アイリサーチの統計によると、中国のナイト消費は総小売売上高の約6割を占め、
約17%の規模で成長を続けている。
 中国旅游研究院が発表した「ナイト観光市場データ報告2019」によると、ナイト
観光消費は80年代、90年代生まれの若者グループが最も高く、ピーク時間は夜6時
から10時が77%を占める。
 ナイトタイムエコノミーの発展において、南部の都市は、気候や地理的条件や住
民性による利点がある。データによると、上海の夜間売上高は日中の62%を占め、
広州のサービス業界の生産額の55%は夜間消費に由来し、重慶の夜間のレストラン
収入は総収入の3分の2を占めている。

〈ショッピングモールがナイトタイムエコノミーを明るくする〉
 夜間のショッピングモールの営業状態は、レストランに限らず多元化している。

▽夜の食事
 朝食、昼食、夕食が終わった後、ショッピングセンターが新設した深夜食堂、バ
ー、夜食等が、若者や夜間に活動する人々により多くの消費の選択肢を与えている。
ナイト消費は、スポーツイベントなどさまざまなテーマでつくり出される。

▽夜の娯楽
 日中は仕事が忙しく、若者の多くは娯楽と余暇時間を夜間に費やしている。比較
的よく見られるのは、夜間に最新の大ヒット映画を見たり、ジムで汗を流したり、
カラオケでパーティーを開いたり、バスケットボールやスポーツゲームを企画した
りすることで、どれも悪くない選択肢である。あるいは、24時間営業の書店でセミ
ナーに参加したり、静かに本を読んだりとか、2―3人の友達と演劇を見に行くこと
もできる。

▽夜のショッピング
 中国東部では、ショッピングモールの平日の営業時間は大体午前10時から午後10
時までである。ほとんどのショッピングモールは、週末には夜間営業時間を午後11
時またはそれ以降まで延長している。
 ショッピングモールの来店客の分析によると、夜間客の割合は比較的高く、およ
そ40―60%を占める。平日は、会社か学校に行き、終業あるいは放課後になってか
らモールをぶらぶらしたり、会食や買い物したりする。
〔聯商専欄2021年6月3日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●なぜ、日本人の管理手法は不評を買ってしまうのか 3
(前号より続く)
◆日本企業は、高給以外の魅力提示で人材争奪戦に勝つしかない時代に入った
 昨今、日系企業が中国で悩んでいる最大の課題といえば、有能な人材の採用が難
しいこと、たとえ採用できたとしても会社に引きとめられないことであるに違いな
い。特にここ数年では、ローカル企業はかなりの競争力がつき、人材を奪い合うた
めの体力が一段高くなってきた。そのかわりに、日系企業に勤める魅力が相対的に
薄まってきた。

 過去、日系企業は欧米企業に比べて賃金の面が低いとはいえ、同業の中国企業よ
りは2―3割高かった。しかし、今はほぼ伯仲しているか、業界によってむしろ低い
方だと断言できよう。
 ジェトロが最近、中国進出した日系企業を対象に調査を行った経営上の問題点は
下記のとおりである。

▽日系企業における経営上の問題点
(中国製造業上位10項目から抜粋した上位4位のパーセンテージ、複数回答)
 従業員の賃金上昇――80.1%
 限界に近づきつつあるコスト削減――48.2%
 競合相手の台頭(コスト面での競合)――46.1%
 従業員の質――45.9%
(出典:2016年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査―中国編―日本貿易振
興機構(ジェトロ)2017年1月)

 これを見ると、従業員の質に強く不満を感じる一方、諸のコスト削減が限界まで
来ているので、現状では賃金を上げるのはかなり厳しい状況であるのがわかる。つ
まり、高給を払ってより質の高い人材を求めるのは、ますます無理な話になってし
まったのである。

 しかし、台頭した競合相手・ローカル企業の台所事情は、どうなっているのだろ
うか?
 もし日系企業と同様に体力が衰えているならば、そんなに危機感を持たなくても
済む話だが、実際には少し違った光景が見えているようだ。

 2016年3月、中国の人気リクルート会社・「前程無憂」のサイトは、4大都市のハ
イレベル人材の企業応募情報を公表した。
 同じ製造業でローカル企業が主体となる会社の人材募集条件を見てみると、年俸
40―90万元の高給を提示した求人の比率は、求人案件全体の5.2%を占めている。中
でも自動車業界はさらに1ポイント高く6.2%となる。製造業をはるかに上回ってい
るのはITと金融業界で、それぞれ47%と46%と突出している。
 中国では、「大きな褒賞の下では、手柄を立てようとする者が必ず出る」という
考え方が根づいているため、企業が人材を引き寄せるために大金を惜しまずに使お
うとする。

 上記のデータを合わせてみればわかるように、日系企業は賃金ではローカル企業
との人材争奪戦にもはや勝ち目がない。それでは、一体何を武器にして熾烈な競争
の中で人材を勝ち取るか?それを真剣に考えておく時代が始まった。
 つまり、優秀な中国人にとって、高給以外で会社側が社員に高いモチベーション
を与えられる魅力とはどのようなものがあるのか?僕は、企業文化とともに、上司
の人間性と上司のマネジメント力こそ人材を引きつける最大の魅力だと言いたい。
(次号以降に続く)

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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