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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.340 2006年2月28日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:貧困の原因と政策支援】
●NGO6団体と政府が協力 貧困扶助分野をNGOに開放へ
●教育と医療が貧困の原因 貧困自覚は農村より都市の方が多い
●黄河上流の不思議な現象 水力発電所の開発で民衆はさらに貧しくなっている?

┏【国内政策】
●中国GDP計算は新プラン作成で透明度を高める
●国有資産流出 5つのパターン

┏【金融】
●個人資金、外国資金の農村金融組織への資本参加が可能に

┏【社会】
●治安調査 安心感は3年連続の低下

┏【経済データ】
●外国為替(2月27日)

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……【特集:貧困の原因と政策支援】…………………………………………………
●NGO6団体と政府が協力 貧困扶助分野をNGOに開放へ
 21日、NGOと政府が協力して実施する村レベルの貧困者扶助企画プロジェクト
のNGO公募結果が出され、NGO6団体が発表された。これら団体は、中国政府貧困
者扶助分野が公開されテスト的に参入が開放された初めてのNGO組織である。

 このプロジェクトは、江西省貧困者扶助弁公室より1100万元の財政扶助金が提
供され、中国扶貧基金会の委託で公募されたNGOが江西省楽安県、興国県、寧都
県の重点貧困村扶助企画プロジェクト22件を実施するものである。

 このプロジェクトは国家財政部及びアジア開発銀行の支援を取りつけており、
アジア開発銀行は、イギリス政府により出資されて設立した貧困者扶助合作基金
から100万米ドルを提供する。
 このプロジェクトは昨年12月19日に立ち上がり、NGO(またはNGO連合体)合計
18団体が中国貧困者扶助基金会に応募意向を示し、最終的にNGO(またはNGO連合
体)10団体が11件の応募申請を提出した。

 アジア銀行の中国代表処の宋思年氏は「中国政府は、多くNGOが貧困者扶助に
参画することが貧困扶助事業の欠陥や効率低下の問題を解決する方法の一つと考
えている」と示し、この意義は大きいと考えている。

 なお、NGO6団体は、以下のとおりである。
1) ヘイファー・プロジェクト・インターナショナル
2) 江西省山江湖可持続発展促進会
3) 江西青少年発展基金会
4) 寧夏扶貧與環境改造センター
5) 中国国際民間組織合作促進会
6) 陜西省婦女理論婚姻家庭研究会
〔新京報2月22日〕

●教育と医療が貧困の原因 貧困自覚は農村より都市の方が多い
 零点調査と指標データが最近共同で完成させた「2005年中国住民生活の質指数
研究報告」では、子供の教育や家庭にいる病人の存在が自身に貧困をもたらす最
も重要な原因の2つであることが明らかになった。
 若干感覚的に意外に思ったのが、貧困を自覚する都市人口は、農村人口よりも
高いことだ。

 今回の調査は、北京、上海、広州、武漢、成都、瀋陽、西安、南通の8つの大
中都市と、浙江省紹興市諸曁、福建省福州市長楽、遼寧省錦州市北寧、河北省石
家荘市辛集、湖南省岳陽市臨湘、四川省成都市彭州、陝西省咸陽市興平の7つの
小都市とその周辺農村、計4128人に調査を行った。人数の内訳は、都市2118人、
小都市1140人、農村870人である。

〈貧困を自覚する人の比率が最も高いのは都市〉
 「生活水準から考えて、あなたの家はその土地でどのような生活水準にありま
すか?」という質問に対して、大多数の人(6割)が「普通」と回答している。
 都市住民の収入は明らかに小都市や農村住民の収入よりも高いにもかかわらず、
都市住民の中での貧困者の割合は最も高く21.4%だった。農村住民では19.4%、小
都市ではわずか14.9%にすぎなかった。

 自分が豊かであると自覚している小都市の住民は26.7%に達し、この3つのグル
ープの中では最も高かった。このことは一つの道理がある。貧富とは心理的に近
所や同僚や周辺の人から比較して結論を出すものである。
 現在の中国では、小都市住民のこのような心理的な感覚は明らかに都市や農村
住民よりもよく、実際の収入が最も高い都市住民の心理感覚は最も悪かった。

〈貧困になる原因は教育出費が最も多い〉
 では、自分が貧困であると自覚するグループの中で、家庭を貧困にする原因は
何だと考えているのだろうか?
 調査によると、教育の出費が貧困になる一番大きな原因とされた。
 都市に限らず、小都市や農村の貧困グループでも、ひとしく半分の割合で「子
供の学費」が家庭を貧困にする原因だと答えている。
 特に、農村において、教育費は家庭支出の中で最も大きくなっている。
 2004年10月―2005年10月において、就学している子供がいる農村家庭における
子供の教育費の家庭収入に占める比率は平均32.6%であった。都市、小都市の家
庭における子供の教育費の家庭収入に占める割合はそれぞれ25.9%、23.3%であっ
た。

 貧困住民の第二の負担は医療費である。
 これは農村地域において最も際立っており、24.7%の農村貧困住民が「家庭に
病人がいる」ことが家庭を貧困にする原因だと答えている。
 2004年10月―2005年10月において、農村家庭における医療費の家庭収入に占め
る割合は21%で、都市の7.9%、小都市の9%よりも明らかに高かった。
 国務院発展研究センターのデータにおいても、大病を患うと、現在中国におい
て平均医療費は7000元以上かかるが、年間収入が数千元という農村家庭が少なく
ない中、一回の大病も家庭を大きな困難に陥れるとも言えるのだ。

 そのほか、一部の都市や小都市の貧困住民は「家庭に介護が必要な高齢者がい
る」ことを貧困の原因だととらえている人が14%前後いた。
 農村住民では、「農業生産資料の高騰」(11.8%)、「子供が多い」(8.9%)
を重要な原因として回答している。

〈稼ぎが少ないことは関係ないのか?〉
 実は、出費が多いことを除けば、富を築く能力の差が貧困に至るより根本的な
原因である。では、どんな要素がお金を稼ぐことを妨げているのだろうか?
 調査によると、都市や小都市住民はそれぞれ「コネがない」ことがお金を稼げ
ない最も重要な原因だと考えており、次に、「知識や技能がない」ことを挙げて
いるので、興味深い。
 農村住民は誠実で、回答が最も多かったのが「技術や技能がない」で、その後
は「運がよくない」「青年、壮年の労働力不足」「農作物の価格が低い」と回答
している。

 このように見ると、貧困問題を解決するには、やはり教育や医療という2つの
貧困へと導く最も重要な原因について関連投資をふやし、教育費や医療費を削減
する措置を講じることである。
 この点に関して、中国では、2年の時間をかけて農村で義務教育にかかる学費
や雑費の全面的な免除措置を段階的に行ったことは、この方面での重要な措置で
あった。同時に、政府は知識や技能訓練を強化し、貧困人口が貧困から脱出する
能力を強めるべきである。
〔南方日報2月13日〕

●黄河上流の不思議な現象 水力発電所の開発で民衆はさらに貧しくなっている?
 「すぐ近くにダムがあるのに水はありません。すぐ近くに発電所があっても電
気は使えません。発電所が多くなればなるほど、民衆は貧しくなっています」こ
のような不思議な現象が黄河上流の階段状に建設されている水力発電所開発地区
で起こっている。
 先日、中国共産党の中央党校プロジェクトチームが発表した調査報告によると、
黄河上流の青海省の渓谷では、水力発電所ができたが、地元は豊かになっていな
いばかりか、かえって貧困を深めており、総合的な措置を講ずべきと指摘してい
る。水力発電所の開発が現地の経済発展と隔絶されている状況をできるだけ早く
変えていかなければならないというのだ。

〈水力発電所で地元をさらに貧困に〉
 プロジェクトチームの責任者で中国共産党中央党校の研究室副主任の周天勇教
授を取材したところ、青海省東部の黄河の渓谷の水力発電所の開発流域は、共和、
貴徳、尖扎、同仁、循化、化隆、民和の7県で、流域面積は2万平方キロメートル、
人口はサラ族、フィ族、トゥー族、チベット族などの少数民族による106万人で、
青海省総人口の5分の1を占めている。
 水力発電所の開発によって現地の発展を促進できると考えていたが、長期にわ
たる開発の結果は失望させられるものであった。

 現地調査では、青海省黄河の渓谷の竜羊峡では、全部で13カ所、さまざまな規
模で、発電電気容量が1172万キロワットという発電所の建設計画があり、総投資
額は500億元になると予想されている。
 現在建設済みの水力発電所では、各民族の農民や牧畜民8800人の1.42万ムーの
耕地、林地、牧草地帯、果樹園、宅地などが収用された。
 今年はダムの水位が上昇したために、ダム付近の多くの農民や牧畜民は2回目
の引っ越しを余儀なくされた。国家の補償はほんのわずかなのに、農民や牧畜民
のこうむった損失は甚大で、引っ越しをすればするほど貧困の度合いを増してい
る。
 その原因の一つは、引っ越し後の耕地が以前より悪くなっていることである。
平地の畑が傾斜地の畑に、交通の便利なところから交通の不便なところになって
いる。

 また、もとの自然かんがいが電力によるかんがいになり、食料生産コストがか
なり上昇している。同時に、耕地の海抜上昇や気候などの環境変化で、品質がよ
くて特色ある農産物が栽培できなくなってしまったところもある。
 そのほか、有効な収入サイクルができていないため、建物の取り壊しや立ち退
きのために得た補償費用は数年で使い切ってしまい、現地では貧困にあえぐ者も
あらわれている。

〈水力発電所は現地の経済発展を促進しているわけではない〉
 周天勇教授によると、既に28年近く水力発電所の開発が行われてきたが、黄河
の渓谷地帯の農民全体の収入レベルは依然としてかなり低いという。
 黄河の渓谷の農民の2004年の1人当たり純収入はたった1772元で、青海省平均
より232.5元低く、全国平均より1164.3元低い。黄河の渓谷海東地区の都市化レ
ベルは約20%で、青海省平均より約18.5%低く、全国より22%低い。
 同時に、貧困人口は多く、貧困の度合いもひどい。現在、黄河流域の貧困人口
は29.7万人で、青海省全体の貧困人口の22%を占め、その中でも収入が625元以下
の絶対的な貧困人口は11.4万人で、当地の貧困人口の38%を占めている。

 黄河両岸の農業区では10年のうち9年が干ばつで、単位収量はとても少ない。
少数民族の農民家庭では、その多くが、学校へ行かせるために貧しくなったり、
病気になったために貧しくなったりして、極度の貧困状態に陥っている。
 調査グループによると、調査の際、かまどがあるだけで、すべての財産を合わ
せても200元もないという農民の家が多くあったという。多くの農民は長期のわ
たる水力発電所の開発によって全く利益を得ていないのである。

 青海省、海東地区、黄河の渓谷の各県は、第九次五カ年計画、第十次五カ年計
画で、現地の貧困人口減少のために努力をしてきた。
 しかし、ダムの建設のために土地を失ったこと、かんがいコストの高騰、民族
移動による言語の問題などが原因で、効果が他地域と比較して芳しくない。しか
も、一部の多少貧困と見られていた農民も、災害、病気、教育で極貧になってし
まっている。
 確かに、水力発電所の建設期間中は、現地の建設サービスを行う第三次産業の
発展が比較的早く、税金は比較的増収となったのだが、発電所ができ上がると、
第三次産業は急速に落ち込み、歳入は大幅に減少し、収益増加の際に計画された
多くのプロジェクトは、収入減少後には大きく頓挫している。

〈地元は水力発電所の開発に失望している〉
 周教授によると、現地の各民族は、水を眺めてため息をつき、電気を眺めてた
め息をつき、ダムを眺めてため息をついている。水力電気所に失望と不満でいっ
ぱいなのだ。
 国家からの黄河の渓谷の水力発電所開発投資は巨大で、著しい効果を見せてい
るが、現地の各民族は「3つ眺めてため息3回」という状況である。

 1つ目の水を眺めてため息をつくというのは、黄河とダムが近くにあるのに、
ため池の水を使ったり、高値の水を買わなければならないことにある。かんがい
しなければならない農地のかんがいコストと電気代の高騰でかんがいができず、
かなりの土地が荒廃している。
 黄河流域の一部では、雨水や黄河からの水をため池に貯めて使っている。一部
の辺境の山岳地帯の農民は、アルカリ質やフッ素などの有害な水や雨水を使って
いる。
 黄河の水面とかんがいする耕地には標高差があるため、かんがい費用に1ムー
当たり60元から120元がかかる。さらにその他の生産資料も高騰しており、穀物
を栽培すると大幅に損をするような状態になっている。

 2つ目の電気を眺めてため息をつくというのは、発電所で発電された電気が工
場や都市や東部に送られて、現地の経済や社会発展を促進する効果が余りないか
らである。
 発電所は目の前に建っていて、現地の農民にとっては発電所を建設するために
数万ムーの肥沃な耕地を失うという犠牲を払っているのに、電気使用や電気料金
には優待的な特権は全くない。

 3つ目のダムを眺めてため息をつくというのは、発電所の近代化されたダム、
工場、職務、娯楽、宿舎などの建築物、水力発電所建設や運営に携わる従業員の
高収入に比べて、現地の農村は立ちおくれており、壊れかかった自分たちの家、
農民の貧困と著しいコントラストを描いているからである。
 水力発電所は現地の経済と社会発展にはならず、巨大な格差が目の前にあって、
幹部と民衆の心理はかなり落差がある。

 周教授は、調査研究の過程で「発電所はどんどん建設され、私たちは引っ越し
をすればするほど貧しくなり、見れば見るほど希望がなくなるのです」という話
を聞いたという。

〈現在の水力発電所の開発方式の再考と政策提案について〉
 中央党校のこの調査研究報告では、黄河の渓谷の水力発電所開発は電力事業の
発展を促進したとされている。しかし、現在の黄河の渓谷の水力発電所の開発状
況を見ると、全体での計画性がなく、現地の経済とは全く隔絶された開発方式だ
と指摘している。

 周天勇教授によると、このような開発方式では、経済的には水力発電所開発に
よって国民全体の経済発展を促進させることはできたとしても、現地の農民の貧
困脱却や発展に貢献することはないどころか、損害を与え、民衆と幹部の心理的
な落差をますます広げている。これは調和のある社会建設にはマイナス影響で、
このような水力発電所の開発はやらないほうがましであるという。

 この報告によると、現在の黄河の渓谷の水力発電所の開発方式を徹底的に変え
る必要があり、水力発電所の開発は現地の各民族が貧困から脱却し、発展を促進
させなければならないとしている。そして、西部大開発で、黄河の渓谷の民族地
域について国家は考慮しなければならないとしている。

1) 交通では、各ダム間に道路を開通させ、竜羊峡から劉家峡までを幹線道路で
 結び渓谷交通圏とする。黄河の渓谷地区のおくれた交通状況を改善して、第十
 一次五カ年計画に、発展改革委員会と交通部はプロジェクトと資金で協力する。

2) 水力発電所の開発と農業の水利かんがいをセットとし、節水と特色ある農業
 を発展させる。

3) 国は現地の観光事業を発展させるよう協力し、劉家峡から竜羊峡のダム、地
 質、森林、寺院、遺跡、民俗などを特色ある観光地帯とすることで、観光資源
 によって地元を貧困から脱却させ豊かにする。

4) 水力発電所の税収を調整して、現地の県レベルの財政収入を増加させる。現
 在の電力税収の割り当てでは、貧困の扶助、義務教育、農民の移転就職のため
 の職業教育、保健衛生防疫体系の整備などは現地の県レベル財政でできない。
 現在の黄河の渓谷の水力発電所の税収を中央と各レベルの地方自治体の間で分
 けることで、現地の県の総合税収を向上させる。
〔経済参考報2月15日〕

……【国内政策】…………………………………………………………………………
●中国GDP計算は新プラン制定で透明度を高める
 国家統計局は、2006年以降の経済センサスがない年度の年度GDP計算と四半期GDP
計算プランを制定した。これらの2つのプランで、経済センサスの実施される年
度GDP計算と初めて関連づけられることとなる。
 新プランの制定目標は、IMFの関連条件に基づき、さらに中国のGDP計算の透明
度を高めることである。

 2006年以降の年度GDP計算は94業界に分類する。この分類は経済センサスの実
施される年度のGDP計算の業界分類と同一で、基本的に現行の国民経済業界分類
の大分類に当たる。2006年以降の四半期GDP計算は19業界に分類する。これは現
行の国民経済分類の一つであり、新しい傾向である。
 国家統計局は現在、2006年以降の経済センサスがない年度の四半期GDP計算プ
ランを制定しており、経済センサスがない年度GDP計算プランの制定に着手する。
これらの2つのプランは初めて経済センサスの実施される年度GDP計算と関連づけ
られる。

 2005年12月20日、国家統計局は経済センサス資料を利用した全国GDPを計算し
た概算結果を発表した。
 経済センサス資料を利用して計算した2004年のGDPは、通常の統計資料を利用
して計算したGDPより2.3兆元多く、16.8%高かった。この結果は多くの人の注目
するところとなった。

 しかし、実際にはこのデータの違いはGDP計算など各方面の変化によることで
ある。
 具体的には、資料ソースの変化、計算方法の変化、計算範囲の変化、分類の変
化、ある具体的な問題の処理方法の変化等々、通常年度GDP計算と比べ経済セン
サスの実施される年度GDP計算には多くの変化が生じていた。
 そのうち、資料ソースの変化は最も重要な変化としてGDPに対する影響は一番
大きく、GDP総量変化の90%ぐらいを占めた。
 国家統計局が現在制定中の2006年以降の経済センサスがない年度GDP計算プラ
ンでは、経済センサスの実施される年度の新しい計算内容を採用する予定。
〔中国経済週刊2月13日〕

●国有資産流出 5つのパターン
 中国国民党革命委員会江蘇省委員会の多くの金融の専門家が、先日、国有企業
改革のプロセスの中での国有資産の流失には5つのパターンがあり、厳重な警戒
が必要であると連名で提出した。

1) 「蛇が象を飲み込む」
 規模がやや小さめの企業が、常識を超えた方法で、規模、実力とも自身より巨
大な企業を合併し、大株主として少ないコストで大型企業をコントロールするこ
とを指す。
 法律の不備から、大株主の国有資産横領行為が発生する可能性が極めて高い。
広東科龍事件などが良い例である。

2) 「押し売り」
 地方政府が地方の経済発展を促進するために、「押し売り」型の合併を強行す
ることで、「みずから災いを招く」ことである。
 株主の権利を不用意に放棄することでうっかり「民営化」されると、新たに参
入した大株主が容易に株を支配する可能性がある。
 同時に、合併の過程の中で、権力と金銭の交換行為、あるいはインサイダー取
引がまざり込むと、新規参入した企業管理者ができるだけ早く投資利益を得て、
予定外の支出である「ダーティーなコスト」を補てんしようとして、横領行為で
莫大な移転利益を得るかもしれない。

3) 「報告書の合併」
 報告書で数字を操作して虚偽の合併を行うことを指す。このような合併行為は
横領行為を生むことになり、新規参入した大株主は、しばしば数字操作がなされ
る。
 「数字遊び」がなされた後は、大量の国有資産が個人の懐に流れ、最後には国
家、地方、社会に巨大な損失と負担を残すことになる。

4) 「関連性のない産業との合併」
 国有資産改革の中で、株主の実力が強くなく、関連産業内での再構築ができな
い場合には、「関連性のない産業」同士の合併が行われ、合併しても企業の核心
的な競争力が高まることはなく、企業は利潤と現金の流れがつくれなくなる。
 このことで、大株主の横領する意欲が強くなり、企業が苦境に陥ると、しばし
ば横領や国有資産を移転して、利益を得ようとする。

5) 「下崗からの搾取」
 改革をする側が、みずからの利益を最大化を確保するために、弱者である下崗
労働者の利益を搾取し、改革の利益矛盾の衝突が絶えなくなる。
 これは、調和のとれた社会建設に影響を与え、下崗労働者の家庭生活にも影響
を及ぼすにとどまらず、社会の矛盾の激化、各種の危害事件の発生を招くことに
なる。

 中国国民党革命委員会江蘇省委員会はこの建議書の中で、国家当局は国有資産
横領行為の処罰を強化し、不法行為の温床となっている移転コストを増加するべ
きであると提案している。
 そのほか、持ち合いで相互に監視、協力ができる持ち株機構を設立し、国有持
ち株会社の業績が上がるよう努力し、同時に改革における資産分割協議では、一
定割合を弱者である下崗労働者の養老金、失業手当、医療保険金など基本生活に
必要な経費の支出を保障することが望ましいとしている。
〔新華網2月5日〕

……【金融】………………………………………………………………………………
●個人資金、外国資金の農村金融組織への資本参加が可能に
 21日に2006年中央政府の一号文件が発表され、個人資金、外資が農村金融組織
への資本参加できることになった。
 「中国共産党中央委員会、国務院の社会主義新農村建設に関する若干意見」で、
農村部金融改革を全面的に行うべく、十数項目にわたる重要改革を打ち出された。
中国農村の金融体制に大きな突破口があらわれた。

 「もし政府主導ではなく、完全な市場主導で競争を行うとすれば、利益追求優
先で、農村部で吸収した資金が都市部に運ばれ、都市部に集中投資される現象が
発生しやすくなる」国務院発展研究センター金融所の巴曙松副所長は記者のイン
タビューにこのように答えた。

 中央政府一号文件では、資本金充足を担保し、厳密的な金融監督及び合理的で
有効的な市場退出メカニズムの構築を前提に、県域における各種所有タイプの金
融組織設立を奨励することとし、個人資金、外資からの資本参加を許可する。

 巴曙松副所長は政府が主導して金融組織を推進することに自信を持っている。
「コミュニティー投資とは、伝統的な金融機関がサービスを提供したくないコミ
ュニティーへの投資だ。例えば幼児の保健、福利住宅、衛生保健など、低収入層、
中小企業、コミュニティーへの資金需要を対象にする」

 巴曙松副所長が考える、中央政府一号文件の中で比較的実用性のある農村支援
金融政策は以下のとおりである。
1) 県域内の各金融組織は資金の安全性を担保できるという前提で、一定割合の
 預金を地元に融資し、農業と農村の発展を支援し、関連部門はその管理弁法を
 急いで制定すること。
2) 郵便貯金資金の自主運用範囲を拡大して、郵便貯金資金を農村部へ還流させ
 ること。

 巴曙松副所長は、政府が農業の発展と組織改革の発展が有機的に結びつくこと
を支援していると考えている。例えば郵便貯金資金の農村部への還流は、郵便貯
金に発展のチャンスを与えている。
 巴曙松副所長が中央政府に提出した報告によると、郵便貯金が吸い上げた個人
貯金を人民銀行に預ける場合には、1元の利益も得られないにもかかわらず、人
民銀行に0.09%の利子を支払わなければならないという。これは、郵便貯金が今
後毎年新たに増加する1400億元余りの貯金残高のルートを自分で開拓しなければ
ならないことを意味している。
 これに対し、巴曙松副所長は、郵便貯金はその信用力とネットワークを使える
ことから、簡易保険業務を取り扱い、農村・農民・農業サービスを行ってはどう
かと提案している。〔上海証券報2月22日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●治安調査 安心感は3年連続の低下
 零点公司が18歳から60歳までの4128人を対象に実施した最新の世論調査を発表
した。住民の治安に対する安心感は2003年から3年連続で低下している。

 調査によると、治安に対する安心感は2005年が3.53ポイントと、2004年の3.62
ポイント、2003年の3.66ポイントをも下回った。
 都市部と農村の住民を比べると、都市部や市街地の住民の安心感は若干向上し
たものの、農村地域の住民の安心感が大幅に下降している。都市部と農村の住民
の治安に対する安心感の差は、4年間で今回が最も大きかった。

 都市と農村の住民の治安に対する安心感は、2003年に初めて上昇した後、連続
して下降している。
 従前の国家統計局によるものか、民間調査機関である零点公司によるものかは
さておき、その調査結果からは、1990年代後半から2003年以前まで国民の治安に
対する安心感は下降の一途をたどっている。2003年には大幅に回復したが、2004
年に再び低下し始めた。

 中国人民公安大学治安学科で研究員の指導に当たる王太元教授はこの問題につ
いて、今回の調査には人々の社会心理が客観的に反映されていると話す。
 王太元教授は、社会的な情報の開示が進み、マイナス面の報道がふえているこ
とが、人々への精神面にも影響を与えていると考えている。特に昨年、中国で深
刻な自然災害や死者数の報道が「解禁」されたこともあり、今後、人々がこのよ
うな情報に遭遇することがますます多くなると予想される。こうしたことは、社
会的な進歩のあらわれではある。

 さらに、王教授は次のように語る。「社会的な発展の不均衡、特に都市と農村
の貧富の差は拡大し続けており、さまざまな社会矛盾が一気に顕在化している。
治安の悪化や犯罪などが増加しているのもそのためだ。また、社会的な不均衡が
客観的に国民の心理的な負担を増大させ、治安に敏感になっていることに目を向
けるべきだ」

 さらに、安全社会学を研究する中国社会科学院社会学博士で華北科技学院の顔
〓・副教授は、農村地域の住民の治安に対する安心感の低下は深刻だと話す。
 村民自治制度のもと、農村では国の公権は影を潜めている。農村では、強い
「代替権力」がないままに村を牛耳る勢力や、地元の暴力的な反社会的勢力が一
部で増長しているという。
 このほかにも、ある村や町では公権力が農民への不法な金銭の貸し付けにより
暴利を貪るなど、市場経済に伴う条件の転換に加え、農村の社会保障制度の欠如
が、農民に自己の財産の安全に対する不安を抱かせている。
〔中国青年報2月20日〕
注)〓は、ひへんに「華」
……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                     (中国人民銀行2月27日18:34現在)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.9184  804.2   103.65   952.51
関連ページ:http://www.bank-of-china.com/
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《編集者コラム――オリンピック》
 荒川さんの金メダルも、会社に行ってふとニュースを見ていたらそれが流れて
いて初めて気づいたというぐらいに、日々忙しくしているうちにオリンピックが
終わってしまいました。私個人としてはWBCの野球の日程ばかりを追っていて、
オリンピックにはあまり関心がいっていなかったせいもあります。
 私個人の考えですが、そもそも冬季オリンピックは欧米だけでやっているロー
カルコンテンツだと思うので、これを世界的に盛り上げるように、東アジアの中
でももっと選手を養成したりして、アジア勢がもっともっとメダル争いの主軸に
食い込めるようになればいいなと思っています。
 特に、今回もメダルを獲得している中国や韓国の今後の活躍にも強く期待した
いです。
 ひとまず、中国は東アジアに冬季オリンピックを呼ぶべく、どこか北の方の雪
がよく降る地域でオリンピック誘致を派手にぶち上げてほしいなと思います。北
京オリンピックの記事を見ることはあるのですが、冬季オリンピックの記事は見
たことがないのです。(ま)
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●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―)
 http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで)
 http://www.jckc.com/nweek/view.php?no=1
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:劉志軍 戴小芳 アヤ 郭暁楠 奥谷道弘 リン
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