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WTO加盟前夜

政府の審査・認可制度改革推進 WTO加盟に向けて

 中国国務院経済体制改革弁公室の李剣閣副主任は「天津国際市長顧問フォーラム
」で、「WTO加盟を間近に控え、中国政府は世界で実施されている市場ルールに基
づき、経済管理制度を調整しなければならない。現在進めている行政審査・認可制
度の全面的整理、改革はその重要な一環だ」と強調し、さらに次のように指摘した。
 中国は現在、計画経済から市場経済への転換期で、不合理な行政審査・認可制度
が数多く残り、市場の役割を生かすことが妨げられ、中国経済の世界との一体化が
阻害されている。WTO加盟を前に審査・認可制度の改革を進めなければならない。
 中国の行政審査・認可制度改革は、成熟した市場経済の世界的なやり方とは、ま
だかなりの格差がある。われわれが行うべき改革は企業にしかるべき生産経営権と
投資の決定権を与え、企業が管理できることは企業が管理するようにし、政府部門
が審判員も選手もやる状況をなくさなければならない。
 行政審査・認可は一種の事前管理で、真に解決すべき多くの問題は審査、認可後
にある。現在、行政機関の中には審査・認可を重視し、管理を軽視する傾向がかな
り顕著で、管理の役割があいまいで、このために企業の経営状況が混乱している。
市場の行政に対する規範化要求がますます強まり、またこの改革を通じ、中央と地
方の政府と企業の関係を規範化し、政府が監督管理者の役割を果たすようにしなけ
ればならない。同時に現在、かなりの部門が審査・認可権を利益獲得の手段として
いるため、これが腐敗を生み、社会の発展を阻害している。審査・認可制度改革は
法に基づいて権限を有効に制約し、腐敗を根絶する重要な措置である。
 改革は決して行政審査・認可をやめるものではなく、法制化、合理化、科学化を
進めるものである。実際の問題は審査・認可項目が多すぎ、行政審査・認可権が乱
用されることにある。従って、改革によって政府がマクロコントロールと公共管理
の役割を果たし、計画と監督管理に重点的に取り組むようにすることである。

WTO加盟に備え3貿易機構を設置

 対外貿易経済協力省(貿易省)は11月1日、WTO司、中国政府WTO通報諮問
センターと輸出入公正貿易局を設置した。
 貿易省の職員は「WTO司はWTOの枠組みのなかで進める日常的な交渉を担当
し、中国とWTOの関係などに関する実務を処理する。中国政府WTO通報諮問セ
ンターはWTOにおける中国の通報・諮問実務を担当し、貿易政策を審議する。輸
出入公正貿易局はダンピング防止、補助防止、保障措置関連の活動を担当し、中国
の輸出商品に対するダンピング訴訟に関する応訴を指導・調整する」と説明した。
 また「このような貿易省の行動は、中国政府がWTOの加盟を重視し、責任を負
おうとしていることを示すもので、WTO加盟という新しい情勢に対応するために
中国政府がとる重要な措置である。これらの機構の設置は、機構面から、WTOに
加盟してからの権利と義務の均衡を確保し、対外的な約束を全面的に履行するため
の必要な保証を提供するものだ」と語った。

浦東・金橋、外国人・台湾人就業受付センターを開設

 上海の浦東金橋輸出加工区は29日、「外国人、台湾・香港・マカオ人就業受付セ
ンター」を開設した。これは金橋加工区が中国のWTO加盟に対応し、投資環境を
改善するためにとった新しい措置。
 中国最大の輸出志向型開発区の1つである金橋輸出加工区は、すでに24の国と地
域から100億ドル近い資金を導入しており、GM、アルカテル、シーメンス、シャ
ープなど60余りの世界的多国籍企業が70以上の企業を加工区に設立している。こ
れら全額外資企業や合弁企業では、外国人や台湾・香港・マカオ人が日ごとに増え
ており、彼らに提供する就業関連サービスと彼らに対する管理を規範化することが
急務になっている。
 そのため、上海市労働社会保障局外国人就業管理弁公室と台湾・香港・マカオ人
就業管理弁公室は金橋加工区に就業受付センターを開設した。センターは雇用側か
ら提出される「外国人就業許可証」「外国人就業証」「台湾・香港・マカオ人就業証
」「定住外国人の上海における就業許可証」などの交付申請を受理する。

WTO加盟後に備え、保険会社を改革 

 WTO加盟後の保険業の厳しい挑戦を迎えるため、中国はいま中国資本保険会社
の体制改革とシステム転換を積極的に推進している。
 中国保険監督管理委員会(保監会)の呉小平副主席は次のように指摘した。
 現在、中国保険市場の内資保険会社は管理体制、経営システムと競争力面で、先
進国の保険会社と大きな開きがある。保監会は国有独資(政府全額出資)保険会社
の体制改革を積極的に推進し、近代的企業制度づくりの要求に従い、資本参加、共
同出資、正規の上場など複数の形式で、財産権関係を正し、近代的企業の法人統治
構造を確立し、有効な内部刺激・制約メカニズムを作り上げる。中国資本の株式制
保険会社が外資、民営および上場会社の資本参加を受け入れて、資本と保険金支払
い能力を増強し、企業統治(コーポレートガバナンス)構造を強化し、システム転
換を図ることを奨励し、条件にかなう場合には、正規の上場を奨励する。
 保監会は近代的企業制度にかなった国内の株式制保険会社の機関認可制度の整備
を急ぎ、条件にかなう株式制保険会社の店舗網づくりを速め、競争力を強め、シェ
アを拡大する。地域的保険会社の営業の地域制限を徐々に撤廃し、条件にかなう企
業の全国での出先機関設置を認め、経営、競争環境を改善し、本当に市場の秩序あ
る競争と健全な発展を実現する。

人民元自由交換の研究、WTO加盟後に着手

 劉廷煥中国人民銀行副総裁は31日、世界経済フォーラム東アジア経済サミットで
「WTO加盟後、当局は人民元の自由交換について早急に研究を行うが、具体的な
タイムテーブルは設定していない」と語った。
 劉副総裁は「アジアが金融危機に見舞われた際、中国は人民元を切り下げず、ア
ジア経済の安定維持に重要な役割を果たした。今回の世界経済の低迷で、中国を含
むアジア各国の経済は特に輸出面で影響を受けている。現在の経済環境のもとでも、
中国は人民元を安定させる政策を維持しており、調整するつもりはない」と語った。
 また「アジアの金融制度の安定した発展を維持するため、各国の中央銀行は相互
に協力して、為替レートの安定を維持し、アジアの債券市場の発展を推進しなけれ
ばならない」と強調した。
 劉副総裁は、アジア地域に近代的な決済システムと債券取引システムを設立する
ことを提案し、「債券市場が発展すれば、アジア資金の増値能力を高めることができ、
外からの衝撃を防ぐことにも役立つ」と語った。
 さらに「アジア地域にはネットワーク決済システムがなく、通貨市場の投資手段
も少ない。しかも効率が悪く、リスクが大きい。域内の通貨市場を発展させ、債券
取引市場のオンライン化を進める必要性がある」と語った。

世界の携帯電話メーカー、WTO加盟で商機探る

 中国のWTO加盟が近づいているため、世界の携帯電話メーカーは巨大な中国携
帯電話消費市場に大きな関心を示すようになっており、新しい投資ブームと競争が
展開されようとしている。
 モトローラ、シーメンス、アルカテルは先ごろ天津で開かれた天津市長国際顧問
フォーラムで、中国の情報産業の潜在力は非常に大きく、今後も対中投資と協力を
拡大していきたい、と相次いで表明した。
 この2年、世界のIT産業は低調だが、中国のIT産業は年平均30%の成長を記
録しており、情報産業省が設定したIT産業の今後5年間の成長率はGDP(国内
総生産)の3倍となっている。中国の携帯電話加入者は今年、米国を上回る1億200
0万余りに達し、現在も70%の成長を記録している。中国がWTOに加盟すれば、
より多くの企業にビジネスチャンスを提供することになる。
 モトローラの対中投資は、すでに34億ドルに達しており、昨年19億ドルを投入
して天津に建設した中国最大の半導体チップ基地を含め、対天津投資は30億ドルに
達した。モトローラは次の段階として、半導体・ソフト基地を建設し、発明性およ
び技術と情報の提供と転換を強調し、携帯電話分野における同社の対中投資の指導
的地位を確保する計画だ。
 モトローラより遅れて中国市場に進出したシーメンスも野心的な計画「3位を確
保し、2位を目指す」計画を始動させた。過去2年間に、中国市場におけるシーメ
ンスのシェアは4%から14%に増え、携帯電話の販売台数は昨年9月から、中国市
場の3位を占めている。
 アルカテルの対中投資は過去の簡単な方式から、現在の光ファイバー・ネットワ
ークというハイテク分野に転換されている。また同社は中国をアルカテルのアジア
太平洋地域における技術拠点と輸出拠点に換える計画にも取り組んでいる。
 世界の大手携帯電話メーカーはWTOに加盟してからの中国携帯電話消費市場の
巨大なビジネスチャンスをつかもうと闘志を燃やしており、中国がWTOに加盟す
れば、携帯電話市場は繁栄し、市場競争は一段と激化するだろう。