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IT産業の発展と悩み

ソフト産業に関する北京のチャンスと悩み

 北京は全国のソフト産業の中心になることを計画している。市科学技術委員会ソ
フト促進センターの姜広智主任が4日、米マイクロソフト社が協力して設立した中
国初のXML(最新インターネット言語仕様)技術サービスセンターの除幕式で明
らかにした。
 説明によると、「全国ソフト産業技術革新センター」「ソフト生産開発生産センタ
ー」「ソフト人材養成センター」「ソフト・インキュベーター(企業ふ化器)センタ
ー」「ソフト製品取引センター」「ソフト輸出センター」建設を市政府のソフト産業
発展計画の重要な内容としている。中関村国家級ソフトパークを中心として、北京
工業大学ソフトパーク、昌平中軟ソフトパークなどのソフトパークが相次いで完成
しており、計画も進んでいる。
 同時に北京のベンチャー型ソフトウエア業者は現在、「5大不足」に手足を縛られ、
WTO加盟後の挑戦と国際競争に対応するのに影響しているという。
 この数年、全世界のIT産業は落ち込み傾向のなかで、北京地区のソフト産業は
終始、勢いよい発展を続けている。北京地区には現在、ソフト開発企業1500社があ
り、従業員は6万人余りに上っている。北京地区のソフト産業の生産額、人材数は
ともに全国一で、2000年の生産額は全国の3分の1、輸出額は全国の3分の2を占
めている。そんな中でも北京地区のソフト企業は多くの困難を抱え、自身では解決
の難しい問題にぶつかっているという。
 第1は企業の規模が小さく、国際競争力が弱いこと。北京の600余りのソフト企
業のうち、大多数は従業員が100人足らず、売上高が数百万さらには数十万元の小
企業で、影響力が限られ、余力が乏しく、まったく国際市場の競争に参加できない。
 第2はソフト製品がなお「粗放型」の段階にあること。現在、ソフト開発は応用
ソフトに集中し、基本ソフトやサポートソフトなど「高度先端ソフト」製品は基本
的に外国メーカーが独占、最も強みのある中国語ソフトおよび国の中核分野と重点
プロジェクトでさえ、ほとんど外国のソフト製品が使用されている。
 第3はソフト市場が成熟していないこと。一方で、ソフトの知的所有権の保護が
不十分で、海賊版が横行、企業のソフト自主開発の意欲を減退させている。他方、
政府による国産ソフトの調達が少ないことも、ある程度影響している。
 第4はソフト産業の優遇政策が徹底していないこと。中国のソフト産業のスター
ト時期は早かったが、発展速度、規模と競争力はインドに大きく遅れをとっている。
1つの重要な原因はインド政府が租税、銀行融資、ベンチャーキャピタル、基盤整
備などの面で、ソフト産業への傾斜政策をとっていることである。
 第5は人材の数と質がソフト産業の発展に対応できないこと。現在、中国にはソ
フト専門人材が14万人いるが、上級ソフトの技術人材、管理人材とシステム設計の
技術人材は不足している。
 姜主任は北京市で今後3年間に、ソフト企業の品質保証システムづくりに1000
万元余りを投資し、CMM評価を普及させることによって、ソフト企業を国際水準
に向かわせることを明らかにした。

中国のIT人材不足42万人

 中国のソフト業界は情報技術人材の不足で発展が制約されている。現在、中国の
IT人材需要は60万人で、不足は42万人に達している。毎年、大学で養成される
専門人材は5万人にすぎない。
 専門要員の不足が非常に大きく、需給比率も出せない状態で、またソフト要員の
勤務先移転率があらゆる業種で1位となっている。
 杭州に進出している多国籍企業の中国地域担当責任者によると、現在、給与を月
50元アップしたぐらいでは、プログラマーは別の企業に移ってしまうという。人材
がいてはじめて、事業があるのであり、人材がいなくなり、事業がストップする状
況がしばしばみられる。
 世界最大のコンピュータ人材養成機関であるインド・アプテク社のアシシ中国駐
在首席代表は最近、当地での講演で、次のように指摘した。
 IT業界で最も不足しているのは実際の仕事を行うブルーカラーで、顧客サービ
ス要員、インターネット・プログラマー、インターネット・ビジネス・プランナー、
視覚化コンピューティング要員、部品技術要員、メディア・プログラマー、ネット
ワーク管理要員、ネットワーク開発要員などだ。これらの仕事は必ずしも全日制大
学卒業でなければならないことはなく、実際に仕事ができるソフト技術者が必要な
のである。
 調査によると、世界中でブルーカラーのIT要員が不足しており、中国の状況は
特に深刻である。各国のソフト技術者養成機関は交流と差別化を重視し、学生を全
面的なソフト要員に育成すべきである。

世界最少の高容量メモリーを開発

 中国で世界最少の高容量メモリーが開発された。ライターほどの大きさのチップ
で、普通のフロッピーディスク800枚のデータを保存できる。
 コンピュータ外付けメモリー設備で、「優盤」(英語名ONLY DISC )と命名された。
メモリー速度は普通のフロッピーディスクの200倍から300倍で、100万回の書き
込み、消去が可能。寿命は10年で、フロッピーディスクの10万倍前後。
 ハルビン市朗科科技公司のコンピュータ専門家、呂正彬氏が開発したもので、世
界特許を取得している。
 従来のハードディスク、フロッピーディスク、光ディスクなどのコンピュータ記
憶方式は主に磁気や光を媒体としており、駆動装置が必要で、磁気障害や外的力が
加わると、簡単にデータが失われる。
 呂氏によると、「優盤」は磁気ディスクメモリー技術、フラッシュメモリー技術な
どを一体化し、半導体メモリー技術を採用し、電流を通じ、電子的に書き込み、消
去を行うもので、フロッピーディスクと比べ、データ保存の信頼性、安全性が大幅
に向上している。
 「優盤」は差し込むだけで、直ぐに使え、駆動装置は必要なく、携帯、使用に便
利で、移動事務や遠隔教育、情報処理、報道、金融、財政、税務およびデータ、音
声、画像などマルチメディア情報伝達に広く応用できる。

北京で高温超電導線材の生産ライン稼働

 中国初のビスマス系高温超電導線材生産ラインがこのほど、北京に完成し、正式
に生産に入った。
 生産ラインは北京英納超電導技術有限公司が完成させたもので、年産能力200キ
ロ。2年内に北京経済技術開発区に年産能力1000キロ以上の生産基地を完成させ、
独自の知的所有権を有する超電導産業を積極的に発展させる。
 英納の創立者、韓征和博士によると、高温超電導材料は一般に液体窒素温度(零
下196度)で、電気抵抗がゼロに近づくもので、同じ直径の高温超電導材料と普
通の銅材料を比べると、前者の電導能力は後者の100倍以上に上る。これらの製品
はエネルギー、交通、環境保護、医療、軍事などの分野に応用できる。
 韓博士は中国教育省の特別招請教授で、清華大学応用超電導研究センター主任を
務める。デンマークなどで超電導研究および産業化事業に10年余り従事し、長さ
1200メートルのビスマス系超電導線材をつくりだし、世界記録を樹立した。

モトローラ、成都にソフト開発基地

 モトローラ(中国)電子有限公司と成都ハイテク区投資有限公司の協力契約が4
日結ばれた。この契約に基づき、モトローラ中国ソフト・センターは成都に大型研
究開発基地を開設する。
 モトローラは同基地に対し、今後5年間に5、6億元の資金を投入、10年後には
10億元を超える資金を投じる。中国でのソフト開発基地開設は3つ目。
 基地は成都市ハイテク産業開発区西区に建設する。敷地面積は約2万平方メート
ル。モトローラは短期間に職員と管理者の現地化を実現し、地元ソフト開発機関と
の共同開発を積極的に進めるとしている。
 モトローラ中国ソフト・センターは1993年に設立され、ハイテク・ソフトの開発
を進めている。昨年、CMMの最高等級5級の認証にパスした中国で初のソフト企
業となり、中国は米国、インドに続きCMMの最高等級認証を取得した国となった。