CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

昨年の中国税収

昨年の中国の税収1.5兆元超える 

 昨年、中国の税収は1兆5000億元を突破し、1兆5157億元に達し、前年より19.7%、
2496億元増えた。各月の平均税収が1000億元を超え、国税が初めて1兆元の大台
を突破した。
 中国の税収が毎年、大幅に伸びていることに、一部の人は疑念を抱き、税収の伸
び率と国内総生産(GDP)の伸び率が対応せず、積極財政策を実施する中で、税
収が増えることで、内需拡大策の効果が減じられるのではないかと考えている。
 税収が1兆5000億元を超えたことをどのようにみるべきなのか。
 まず明確にすべきことは、中国の国情から、単純に税収の伸び率とGDPの伸び
率を対応させることはできない。発達した市場経済の国と比べ、中国が実施してい
る近代的徴税は歴史が短く、徴税管理体制はまだ完全ではなく、抜け穴が非常に多
く、従って、徴税管理を強化する余地は非常に大きい。税収の対GDP比をみると、
米国が約30%なのに対し、中国はやっと15%である。
 昨年、中国は内需拡大策を引き続き実施し、経済構造調整に力を入れ、国民経済
に多くの積極的変化がみられた。GDPは9兆5800億元に達し、前年を7.3%上回
った。工業の収益が好調で、国が重点的に監視する14業種のうち、13は業種全体
で黒字となった。これによって、税収の増加と税源の拡大に確固とした基盤が築か
れた。初歩的試算によると、昨年、経済成長によって直接もたらされた税収増は1200
億元前後で、増収総額の約50%を占めた。
 このほか、車両購入税など国の政策調整によって新たな税源ができた。試算によ
ると、徴税の政策的要因による税収の増加は500億元前後で、増収総額の約20%を
占めた。企業所得税の完納など特別な要因による税収増は200億元前後で、増収総
額の約10%を占めた。
 税収が伸びたもう一つの重要な要因は徴税管理を強化したことである。試算によ
ると、昨年、税務部門が徴税管理を強化したことで、500億元前後の増収となり、
増収総額の約20%を占めた。昨年、付加価値税が大幅に伸びた主な要因は、税務の
電子化が進み、不正を有効にチェックできるようになり、偽領収書の発行を厳しく
取り締まり、付加価値税の流失を減らしたことである。
 専門家の分析によると、昨年の税収の伸びからみて、中国は現在、税収増と経済
発展の好循環に次第に入りつつある。これは次の点に現れている。1、各月の平均
税収が1000億元以上で、税収規模が新たな段階に進んだ。2、税収の伸びは主に国
内の「両税」(付加価値税と消費税)と3つの所得税(内資、外資企業と個人の所得
税)に依拠している。3、中西部地区と東部地区の税収の伸びの格差が縮小してい
る。4、付加価値税の伸びが大きく、近年、税収全体の伸びを大きく下回っていた
状況が改善された。

国家税務総局長、税収1.5兆元超えで記者会見 

 中国国家税務総局の金人慶局長は、国務院新聞弁公室主催の記者会見で質問に答
えた際、「現在、中国の税制は間接税が中心で、直接税のカバー範囲は広くない。従
って減税が直接、消費者に与える恩恵は限られており、消費需要の促進作用を果た
すのは難しい」と述べた。
 逆に、間接税の引き下げは物価下落を招くことになり、物価指数の上昇が遅い現
在の条件下で、大規模減税は経済成長の促進作用を果たさないだけでなく、経済に
悪影響を与える可能性があると指摘した。
 金局長はまた、近年、いくつかの減税措置もとっており、毎年の減税額は数百億
元に達していると語った。
 国家税務総局のまとめによると、中国は固定資産投資先調節税の徴収を中止して
おり、これだけで毎年200億元の減税を実施したことになる。また国産設備を使っ
て技術改造を進める企業の所得税を40%免除し、不動産2次市場の租税を50%減ら
し、ハイテク、IC産業に優遇租税政策をとるほか、西部大開発と農業基盤整備を
支援するため優遇税制を適用している。
 金局長は「積極財政策の実施過程で発行した国債は、税収の増加で償還すること
になる。従って、今後は税収の安定した伸びを確保しながら、増税・減税を織りま
ぜて、構造を調整する租税政策をとっていく」と指摘した。
 さらに、透明な、正規の、統一的租税体系をつくるため、今年も引き続き公課を
公租に改め、その実験範囲を10省・市・自治区に拡大すると表明した。加えて現在
国際石油価格が下落し、燃料油税を導入するよい機会であるが、燃料油税導入の具
体的スケジュールはまだ決まってないと述べた。

昨年の歳入1兆6371億元、予算目標上回る

 昨年の中国の財政予算執行状況は全般的に良好で、歳入は1兆6371億元、歳出は
1兆8844億元に達し、歳入も歳出も予算目標を上回った。項懐誠財政相によると、
昨年の財政予算の執行状況には以下のような特徴がみられた。
 歳入も歳出も予算目標を上回っており、中央財政の赤字は予算の目標以内に抑え
ることができる。初歩的なまとめによると、昨年の歳入は前年より22.2%増え、歳
出は18.6%増えた。歳入から歳出を差し引いた赤字は第9期全人代第4回会議が承
認した2598億元以内に抑えられる。
 歳入が大幅に増え、大部分の税種が大幅増を記録した。昨年の歳入は98年を8ポ
イント、99年を6.3ポイント、2000年を5.2ポイント上回った。税種別にみると、
収入が減少した証券取引印紙税、農業税を除く付加価値税、法人税、個人所得税、
営業税、輸入段階税などの主要な税種は安定的に増えた。
 歳出はインフラ投資が強化され、基本建設支出が前年比20.2%増の2518億元、
農業支援支出が18%増の905億元に達した。教育への資金投入が増え、教育事業費
支出が24.8%増の2202億元、社会保障補助支出が29.7%増の1071億元に達した。
 予算管理制度の改革が進み、予算管理が一段と規範化された。部門予算の実施範
囲が一段と拡大され、予算編成が細分化された。全人代に部門予算の編成を報告し
た単位は昨年、国務院所属の26部門に拡大された。財政国庫管理制度の改革実験も
順調に進んでいる。政府調達の範囲も絶えず拡大されており、政府調達の規模は昨
年、600億元に達した。 

内外企業の所得税一本化 具体的計画ない

 中国国家税務総局の金人慶局長は「現在のところ、国内企業と外国企業の所得税
を一本化する具体的スケジュールを設定していない」と言明し、次のように述べた。
 中国は国内企業と外国企業の所得税をWTOのルールに従い、一本化することを
検討しているが、まだスケジュールはない。現在の世界経済が不安定で減速してい
る状況から、中国政府は一本化を決めるにあたり、世界情勢をさらに観察し、研究
する必要がある。
 中国では外国企業は所得税については、15%の優遇措置を受けている。近年、中
国では外国企業からの税収の伸びは税収全体の中で最も大きいものになり、渉外税
収は年平均1000億元に達している。