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中国地域開発戦略

全国2000カ所の開発区を整頓

 今年5月より土地市場の秩序の整理を始めて以来、各地で行われている開発区の
違法創設に対して整頓が行われている。現在のところ、全国で既に撤退または統合
された各種開発区は2046カ所で、土地市場の秩序は基本的に好転している。
 国土資源部のスポークスマンである弁公庁の王世元主任は、11月28日開催された
土地市場秩序回復整頓進展状況記者発表会において、国務院弁公庁が「各種開発区
の審査認定の一時取りやめに関する緊急通知」を公布後、各地で既に新設されてい
る開発区の申請認定、拡張工事の申請認定を停止したと語った。

 国務院五部委の監督検査の総括によると、全国に各種開発区(パーク)は5524カ
所あった。その後各地でさらに監督業務が強化され、検査漏れ・報告漏れの開発区
134カ所が判明したため、全国の各種開発区の総数は5658カ所となった。
 調査によると、各地でさらに違法創設された各種開発区が整理され、多くの開発
区が撤退となった。現在のところ、全国で撤退または統合された各種開発区は2046
カ所となっている。基本的に乱開発を抑えることができたと言えよう。

 これと同時に、多くの地方で土地徴収保障費の転用、無断留保、未払いに関する
問題解決が急がれている。
 土地違法案件の摘発が強化され、全国で摘発された土地違法案件は16.8万件に上
った。その中で、738人が党規則により処分を受け、134人が刑事事件として起訴さ
れた。また、国土資源部は既に5件の深刻な土地違法案件に対して直接公開調査を
行っている。
〔経済参考報11月29日〕

投資環境:沿海地区が下落、中西部地区が上昇

 台湾機電業界組織は中国の投資環境とリスクに関する調査レポートを発表した。
 これは一業界の発表であり、客観かつ公平さをやや欠く点もあるものの、各地で
どのような投資環境の改善が行われ、外国人投資家を引き付けているかについて、
ある程度参考になる。

 台湾地区電機電子工業同業公会は最近「2003年中国投資環境とリスク調査」を発
表し、中国62都市に対して、投資環境とリスクのランキングを行った。
 杭州蕭山地区がランキング1位で、2位無錫、3位上海市内、4位蘇州であった。最
下位は泰州で、下から2位は東莞石碣、泉州、温州であった。

 台湾地区電機電子工業同業公会(以下「台機電」)は1948年設立され、会員数は
4600社余りで、情報化、通信、半導体、光ケーブル、電子パーツ、家電など20余り
の業種にわたっている。台機電では既に3000社余りの会員企業が中国で投資を行っ
ている。
 1999年以来連続5年間、学者、専門家、研究機構や台湾投資家により中国の投資
環境とリスクの調査が行われ、「非常に推薦」、「推薦に値する」、「やや推薦」、
「しばらくは推薦しない」の4段階に分け、中国60都市(地区)余りに対してラン
キングを行い、台機電の会員企業や台湾投資家の参考になるよう情報提供を行って
いる。
 アンケートは、競争力の有無、投資環境、投資リスク、台湾投資家の推薦などの
4項目となっている。
 競争力に関して、基礎条件、財政条件、投資条件、経済条件、就業条件などの設
問があり、全体の20%を占める。投資環境に関しては、自然環境、基礎建設、公共
施設、社会環境、法制環境、経済環境と経営環境の設問があり、全体の30%を占め
る。投資リスクに関して、社会リスク、法的リスク、経済的リスク、経営リスクの
設問があり、全体の30%を占める。台湾投資家の推薦レベルは全体の20%を占める。
 今回の調査で回収したアンケートは2422社。

 今回ランキングされたのは54都市。
 推薦ランクが上位10位の都市の中で、江蘇省の都市が4つを占め、推薦が最も多
かった省(市、自治区)は、無錫、蘇州市内、常州、揚州であった。そして、上海
市内と上海閔行の2カ所がランキングし、全体でも第2位となっている。浙江省、遼
寧省、広東省もそれぞれ1つずつランキングし、その中で大連が第6位、汕頭が第9
位となった。中西部地区は成都が唯一第7位にランクインした。
 今回の調査と昨年の調査を比べると、台湾投資家が勧める平均点数が多かったと
ころは福建省〓田で、2002年の2.526ポイントから今年は3.19ポイントとなってお
り、0.67ポイントの増加となった。その次は武漢の武昌と杭州の蕭山で、それぞれ
0.41ポイント増加している。台湾投資家が勧める都市の中で、常州が昨年の33位か
ら今年は飛躍的に上昇して5位にランクインした。武昌は昨年49位から21位に上昇
している。

 特に注目できることは、過去台湾投資家が早くに投資を行った沿海都市が大きく
下り坂となっていることだ。
 投資ランキングにおいて、台湾投資家が勧める投資得点の下がりぐあいが一番ひ
どかった上位10位は、どれも沿海都市であった。
 得点数が大きく下がったのは泉州で、0.54ポイントの下落となった。その次は寧
波余姚の0.46ポイント下落、温州の0.42ポイントの下落であった。
 総合ランキングが一番下がったのは広東恵州で、昨年の13位から今年は35位に転
落、昨年25位だった寧波余姚は今年46位となっている。有名な蘇州昆山も昨年の第
2位から今年は第16位と、14もランクが下がっている。
 それとは反対に、ランクインした中西部地区7都市のうち、ほとんどの都市の推
薦平均点とランキングが上昇している。そのうち、南寧市のポイントとランクの上
昇度は上位10位に入っている。

 7大地域の中で台湾投資の度合いが高い第1位は華東地域で、第2位は東北地域、
第3位は華北地域、第4位華中地域、第5位は華南地域であった。
 また、長江デルタ地帯、珠江デルタ地帯、渤海湾沿岸の中では、長江デルタ地帯、
渤海湾沿岸、珠江デルタ地帯の順で高くなっている。

 浙江大学の専門家によると、台機電は台湾内外で大きな影響力を持ち、現在台湾
でも屈指の業界団体であり、年に一度の中国投資環境とリスクの調査は台湾投資家
にとって大きな目安となっているという。
 また、これまでの調査では、台機電が発表する調査は全体的に完全で客観的であ
ることから、今年のレポートでの上記の動向が中国関係者の注意を引くことになる
であろうと見ている。〔経済参考報11月29日〕
注)〓は、くさかんむりに「甫」