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家電産業の次なる一歩

ポストデジタルカメラ時代の到来

 いろいろ見ていると、上海でのデジタルカメラ市場はこれまでの画素数による
ランクづけから、消費者ニーズを反映した、パーソナルモバイルデジタル映像製
品というコンセプトのポストデジタルカメラ時代が到来しそうである。

 「2003年末から今日まで、デジタルカメラ市場は大きな変わり目に来ている」。
上海華聯王震信息科技有限公司技術総監督の王震氏は、長年カメラ市場の研究と
分析を行っている。
 王震氏によると、1997年にデジタルカメラが初めて上海市場に持ち込まれてか
ら、家庭用パソコンの普及、デジタルプリンター技術の成熟、インターネットの
急速な発展に従って、近年、上海のデジタルカメラ市場が加速度的に拡大してい
るという。
 上海華聯商厦股ブン有限公司カメラ撮影機材分公司だけで、デジタルカメラの
売り上げがカメラ総販売台数の8割を占めている。
 2003年下半期に入り、デジタルカメラ市場にいろいろなコンセプトが出現し、
メタルカバー、超小型、レンズでピント調整できるものといったファッショナブ
ルなデジタルカメラがはやり、若い消費者に携帯電話の購入の後に続くものとし
て受け入れられている。

 2003年上海市場で販売されている主なデジタルカメラは、画素数はこれまでと
変わらず、300万画素、400万画素、500万画素が中心になっている。ここ3年、3
カ月から半年ごとに市場の主なデジタルカメラの画素は100万画素づつふえ、デ
ジタルカメラのレベルがさらに上がっている。

 王震氏の分析では、ポストデジタルカメラ時代の大きな特徴として、画素数は
既にデジタルカメラのレベルではなくなり、製造メーカーは消費者のそれぞれの
需要に基づき、機能デザイン、開発、組み立てを行っている。
 ファッショナブルなデジタルカメラ、ホワイトカラーが使うデジタルカメラ、
撮影好きのデジタルカメラ、さらには、デジタルカメラつきの腕時計、PDA、デ
ジタルビデオ、あるいはMP3や録音機能があるデジタルカメラ、これらの総合的
な機能を持つデジタル映像製品がこれからの市場の主流になると思われる。

 2003年以降、多くの日本メーカーがデジタルカメラの中核部品である光センサ
ーの研究開発投資をし、生産を開始しており、生産量の拡大によって徐々にコス
トが下がることになる。
 そして、マイクロソフト社が開発したウインドウズXPの中の「マイピクチャー」
で撮影したものが見られるようになったことで、もともとデジタルカメラ生産メ
ーカーが単独で開発する必要があったソフトの問題が解決し、コストを大幅に下
げられるようになった。
 その結果、デジタルカメラの価格が大幅に下がり、2002年の6~7000元から現
在の3000元まで下がり、市場がこれに大きく反応した。

 この前の春節の市場の販売状況もこれを証明している。
 上海国美電器有限公司セールス責任者の黄波氏は、春節の1週間で、上海にあ
る国美電器11店舗で、デジタルカメラが2000台以上が販売され、前月の2倍とな
ったという。ソニー、ニコン、オリンパス、キヤノン、カシオ、ミノルタなど外
国ブランド、特に日本ブランドのデジタルカメラの市場シェアは絶対的に高い。
 300万画素を例に言えば、外国ブランドの小売価格は1600元~3000元とまちま
ちで、ほとんどハイエンド、ミドルエンド、ローエンドのそれぞれの段階の製品
をカバーしている。

 業界関係者によると、機能が単一であったこれまでのものは2004年になって価
格が下がり続けている。そして、デジタルカメラのコンセプトもあいまいになり、
だんだんとパーソナルモバイルデジタル映像製品というコンセプトへと移りつつ
ある。
 しかし、中核技術を掌握していないこと、開発能力が劣っていることから、中
国国内メーカーが利潤の大きいデジタルカメラ市場でシェアを高めることは難し
いと思われる。〔経済産業報2月5日〕

洗濯機商戦の焦点は輸出

 2003年12月28日、中国杭州製造のパナソニックの全自動洗濯機が、上海港から
日本の大阪と東京などへ発送された。この全自動洗濯機は続々と国際的大都市の
家電市場に進出し、北京、東京、上海、大阪、香港などでの同時発売も実現して
いる。
 統計によると、2003年9月に洗濯機が初めて日本出荷して以降、2003年の11月、
12月の2カ月だけで、杭州松下は4万台の洗濯機を輸出している。その輸出は総販
売台数の16%を占めており、国際市場では需要に供給が追いつかない勢いである。
 松下の杭州生産基地は、中国で製造、全世界へ出荷、販売するという第一歩を
踏み出した。

 市場専門家は、競争がグローバル化している中で、多国籍の家電ブランドは中
国で2つの新しい発展の動きを見せていると分析している。
1) 中国市場への投資を拡大し、生産、販売基地から、次第に研究開発センター
 設立へと移行し、ブランドのイメージアップ戦略を図る。
2) 将来的戦略として、中国市場と世界的動きとの融合が進み、中国における調
 達額、輸出販売比率を増加させている。

 このように、多国籍家電企業の中国市場での新しい方針は、基本的にはでき上
がっている。

 2003年、松下、日立、シーメンス、LG、サムスンなどの多国籍の企業は、前後
して中国洗濯機市場攻略を始め、競争の主動権を奪回した。
 概算統計では、北京大中電器城における2002年の国産ブランド洗濯機と外国ブ
ランド洗濯機の市場比率は1:1であったが、2003年には2:3になった。南京、天
津、瀋陽、成都などの大中都市では、日本、韓国ブランドの洗濯機が既に市場の
トップを占めている。

 松下の洗濯機は、全自動洗濯機部門で何年も連続第2位を守っている。LGの洗
濯機は1999年は市場占有率が2%以下であったが、2003年には8%まで跳ね上がった。
 これと同時に、2002年の洗濯機合弁企業の生産販売台数は全国総数の約20%を
占め、同時期比の増加割合は24.14%に達した。しかし、中国家電業界の分散性が
中国企業の比較優位を損ねている。

 多くの多国籍企業は、中国市場での地位を固めた後、全世界へ向けての競争計
画を立て始めており、洗濯機商戦は中国から世界市場に移っている。
 税関統計では、2003年の1月から10月までの中国洗濯機の輸出は279万台で、同
時期比で57.7%増加し、10月分の輸出だけでも33.25万台に達した。中国家電協会
の「洗濯機業界の構造変化と競争の特徴」によれば、海外市場に対する中国洗濯
機の依存性は増加しており、そしてこの傾向は非常に明らかだという。
 中国はアジア最大の洗濯機製造供給基地へと発展しており、輸出もアジア地区
が主で、総輸出台数の約76%を占めている。そのうち、日本と東南アジア向け輸
出は総数量の約3分の1を占めている。

 中国国内市場から世界市場へと供給転換に直面していることは間違いなく、「
伝統対外来」の争いは新しい局面を迎えている。このため、松下は、日本や米国
の数本の生産ラインを中国へ運んだだけではなく、部品を現地生産し、大幅に材
料、生産コストを削減している。
 2003年5月に、松下は、中国、東南アジア、中東等の地区で、広く知られてい
る「ナショナル」ブランドをやめ、すべて「パナソニック」に変えている。さら
に、全世界的なブランドコピーとして「Panasonic ideas for Life」を導入し、
世界発展戦略を加速している。

 世界市場に対する中国家電製造会社の戦略を見ると、松下、ソニー、シーメン
スなどに代表される外国ブランドは、発展展望を十分に把握し、製品の世界市場
への供給の順序を変え、中国と欧米の市場の発売時間差をさらに短縮させている。
 多国籍企業は全く新しい見方で中国市場を見始めており、中国市場を将来最も
発展する潜在能力を持つ市場だととらえている。国内外企業は中国家電市場に向
けて、さらに多くの競争力のある商品を投入している。〔経済参考報2月19日〕