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大型プロジェクトの進捗と行方

西気東輸の完成計画1カ月前に全パイプライン操業を実現

 7月2日、寧夏検査プロジェクトを受け持っている中国石油天然ガス股ブン有限
公司の天然ガスパイプライン支社、西気東輸支社両者の社長である黄維和氏は、
西気東輸プロジェクトが計画予定1カ月前に全パイプラインの操業を実現したと
発表した。

 黄維和社長によると、現在のパイプラインでの主要敷設プロジェクトは既に完
了し、圧力テストも終わっており、現在パイプラインの乾燥作業を行っている。
パイプラインのポイント部分は既に完成し、総合プロジェクトの60%が既に完了
している。
 特に重要なプロジェクトであった中衛市の黄河をまたぐ工事も既に完成してお
り、現在の進捗であれば、計画の1カ月間前に当たる9月初めに輪南から靖辺まで
の西側プロジェクトは生産開始できる予定。

 中国の天然ガスパイプラインにおいて、西気東輸のプロジェクトは多種の地形
と複雑な地形を通る史上最難関の複雑なプロジェクトであり、これまで遭遇した
ことのない状況が多く、パイプラインのガス管の直径が1016ミリメートルである
ことから、プロジェクトに求められる技術は相当に高度で、困難であった。

 黄維和社長は、中国の経済発展により天然ガスに対するニーズは日増しに緊迫
しており、西気東輸プロジェクト建設者も建設に懸命で、1日も早い生産開始に
向けて努力していると発表している。〔上海証券報7月5日〕

三峡ダム地域へ30億元を「輸血」 産業空洞化解決へ

 先日、国務院三峡建設委員会は、国務院は三峡基金から新たに30億元を三峡ダ
ム地域の産業発展基金とし、三峡ダム地域での産業空洞化問題を早期に解決する
と発表した。
 国務院三峡建設委員会のスポークスマンによると、現在開催されている曾培炎
副首相の主宰する国務院の特別会議で、2004年から2009年まで三峡建設基金から
毎年5億元、総額30億元を拠出し、三峡ダム地域の産業発展基金をつくることが
決定された。

 国務院の三峡建設委員会の蒲海清副主任によると、三峡の2期工事は既に収益
を得る時期に入っているが、移住者資金の投入が減少しているため、移住者が安
定して生活するための新しい状況、新しい問題が生まれている。
 現在のダム地域都市の就職情勢は厳しく、一部の移住者は補助金で生活してお
り、長期的な生計問題は全く解決していない。一部の農村移住者の土地はダムの
底に沈められ、収入は下降傾向となっている。

 総合管理部門によって行われた733戸の農村からの移住者への定点調査による
と、2003年の1人当たり純収入は2002年に比べて3%下がっており、そのうち農業
収入は230元減少しており、移住者プロジェクトによる直接収入は169元減少して
いる。

 三峡ダム地域の19の県、市、区のうち、国家級貧困扶助開発重点県に指定され
ているのは12県で、経済発展状況は全国の先進的地域と比較すると停滞し続けて
いる。
 同時に、三峡ダム2期工事後に、移転、破産、閉鎖した工業鉱業企業は1271社
に上っており、三峡ダム地域の産業をさらに空洞化させることになっている。

 このほか、国務院は先日、三峡ダムでの発電電気量の1キロワット時当たり5厘
を三峡ダム地域後期産業補助基金とし、その中の4.5厘をダム地域移住者の生産
生活補助に使用し、残りの0.5厘をダム地域の地方政府の調節に使用することを
決定した。
 今年の三峡発電所発電量は309億キロワット時で、計算では今年1億元強の資金
が基金に組み入れられることになる。

 三峡ダム地域の突出した産業空洞化を解決するため、国家発展改革委員会はさ
らに「三峡ダム地域経済社会発展特別プロジェクト計画」をまとめた。国務院へ
の計画申請後に、できるだけ早く実施することになる。
 6日に重慶で行われた三峡ダム地域の全国支援工作会議上で、国家発展改革委
員会の馬凱主任によって詳細な説明を行うことが予定されている。

〈関連記事 移住者の就業機会〉
 2001年から始まった国務院三峡建設委員会事務室は、相前後して、農業部と合
同で三峡ダム地域かんきつ類産業、草食牧畜業、水産養殖計画、また、国家観光
局等6委員会連合と三峡ダム地域の観光業の発展計画を制定した。

 三峡建設委員会の計画では、5-8年でダム地域のかんきつ類栽培面積を現在の
246.8万ムーを基礎として、50万ムーの優良品質のかんきつ類栽培園の建設完成
を計画しており、移住者のために16.67万の就職機会、1人当たりの年純収入3600
元を直接提供することができるようにする。
 牧畜産業計画では、乳牛、食用羊、食用ウサギ、豚などの増産により、ダム地
域牧畜業の生産額を20億元とし、4.14万の就業機会を新たに発生させる計画をし
ている。

 観光旅行産業では、ダム地域の十大伝統観光商品の改造によって、ダム地域の
移住者に直接的に6.2万の就業機会を提供し、間接的に12.31万の就業機会を提供
する計画をしている。
〔新京報7月6日〕

5年間の西部大開発でも東西間の格差は引き続き拡大を持続

 西部大開発の5年間、12の省・市・区の経済発展速度はすべて史上最高レベル
を上回っており、毎年全国平均レベルを上回った。
 このような大規模西部大開発や、発展速度ならば、最悪でも東西間の格差拡大
は広がっていないと思っていたが、実際の格差はさらに広がっている。
 以下は、記者が劉世慶教授とともに「西部大開発をじっくり見る」というテー
マで発表したデータである。

 1人当たりのGDPから見ると、西部は、1998年が498ドル、1999年が522ドル、2000
年が566ドル、2001年が605ドル、2002年が663ドルと増加しており、2002年は1998
年に比較して33%増加している。
 同時期の東部は、1998年が1212ドル、2002年が1704ドルに増加しており、増加
率は41%である。

 1998-2002年の4年間の東部と西部のそれぞれのGDP成長率は、1998年を100と
して、東部の11の省・市・区のGDP成長率は7.36%、20.51%、32.85%、44.59%。西
部の12の省・市・区では4.82%、13.70%、24.59%、36.20%であった。
 4年間の西部と東部の成長率はともにとても大きく伸びているが、西部と東部
の成長率格差は、2.54%から6.81%、8.26%、8.39%と年々拡大している。

 西部と東部の1人当たりのGDP格差から見ると、1998年は1:2.43、1999年は
1:2.49、2000年は1:2.42、2001年は1:2.56、2002年は1:2.57であった。
 5年間で1:2.43から1:2.57まで拡大している。

 このように、この数年の西部発展は加速しているが、東部発展はさらに速く、
これが東西部の格差が一層拡大させる根本的な原因となっている。

 具体的には以下のとおりである。
1) 東部は自己蓄積、自己発展、自己拡張できる強力な能力を持っており、同時
に中国東部への国際資本の再投入とハイテク産業への転換のための重大なチャン
スがある。
 現在、東部は製造業とサービス業の牽引により、経済はさらなる高速発展時期
に入っている。産業構造は急激に発展しており、成長速度が速いだけでなく、成
長付加価値が高い。

 西部の経済成長はまだ国家によるインフラ投資に頼っている段階で、製造業や
サービス業はまだまだ発展しているとは言えない。自己蓄積、自己発展の能力は
かなり弱く、国家投資が減少すれば成長速度も減少すると考えられている。

2) 東部の1人当たりの国による固定資産投資は依然として西部より高いが、全国
平均レベルまで到達しておらず、西部に偏っているとは言えない。
 1人当たりの固定資産投資のレベルから見ると、1999年では西部は全国より30%
低く、東部より60%低かった。2000年は全国より32%低く、東部より55%低かった。
2001年は全国より33%低く、東部より55%低かった。2002年は全国より54%低く、
東部より60%低かった。

 東部の1人当たり投資レベルは西部より高く、外国からの投資、香港・台湾か
らの投資、民間投資割合が高いなどの比較できない要素があるが、国家の経済投
資には大きな格差がないはずで、西部は東部より高くなっているべきである。し
かし、データでは、国家の経済投資の格差もかなり大きくなっている。
 1999年の国家投資全体に対する割合は西部が22%、東部が54%、2000年は西部が
22%、東部が53%、2001年は西部が24%、東部が51%を占めている。
 このデータから、西部の国家経済投資は多少増加しているが、増加幅は非常に
少なく、29%の西部人口に対する割合にすら達成していないことがわかる。

3) 西部大開発は東部経済成長の加速にとって重要な活力となっている。
 2000-2002年の3年間で、国家が西部に投入した国債資金は1600億元で、およ
そ全国で3年間に発行された国債総額4500億元の35%を占めており、1人当たりの
投資割合では、全国レベルを若干超えている。
 しかし、前述のように、これらの投資はすべて西部に用いられているのではな
く、約50%が東部、中部で設備、材料のなどを購入しており、これによって、東
部、中部の経済成長を推進している重要な1つの要素になっている。
 同時に、西気東輸(西部の天然ガスを東部に輸送するプロジェクト)、西電東
送(西部の電気を東部に輸送するプロジェクト)などの開始も、東部、中部の経
済成長のために安い電力と資源を提供することとなっている。
〔中国経済時報7月6日〕