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若年者失業対策と労働者処遇向上

中国青年の11名に1人が失業 職業教育がかぎ

 「中国初の青年就業状況調査レポート」が先日公表された。
 今回の調査は、全国青年連合会と労働社会保障部労働科学研究所が共同で行っ
た。この調査は、青年7000人と企業220社をサンプルリングし、15歳―29歳の青
年とその雇用主を対象とした。
 5月23日、今回の調査の主要責任者である労働科学研究所の張麗賓副研究員に
取材した。
 その結果、青年の失業率は9%で、社会全体の平均的水準より高いことがわかっ
た。政府部門と国有企業は青年を優先的に就業させているが、失業青年の大部分
は長期にわたって失業している。
〈失業率 青年の失業率は社会平均的水準より高い〉
 今回の調査では、15歳―29歳の中国青年全体の失業率は9%であった。現在の中
国の社会全体の平均失業率は約6.1%で、それより高くなっている。
 張麗賓副研究員は、「世界的に見て、青年の失業率が社会全体の平均失業率よ
り高いのは普通である。そのために、青年就業問題も社会の重要問題になってい
る」という。
 どうして青年の失業率がこんなに高いのだろうか?。中国の労働力人口数が巨
大で、青年の就業に巨大な圧力をもたらしたためだと指摘されている。
 中国は毎年約2000万人の労働人口が新たに増加している。教育に限りがあるた
め、毎年の新規雇用は1000万―1600万人の間である。青年は職務経験が乏しく、
労働市場での競争力は強いとは言えない。
 労働市場の供給が需要を上回る状況の中、青年の就業問題はますます際立って
おり、それが平均より高い失業率としてあらわれている。
〈22歳以前に就業した者のうち15%が就業前の失業を経験〉
 調査によると、80%の青年は17歳―23歳の間に初めて労働市場に参入している。
16歳以前に労働市場に参入する青年も13%に上っている。26歳以後に労働市場に
参入する青年は2%にすぎない。
 注目すべき点は、22歳以前に労働市場に参入した青年のうち、一部は就業前に
まず失業から経験しており、この割合は約15%に上っていることである。この年
齢以降に労働市場に参入した青年は、就業前に失業を経験する者はほとんどいな
くなっている。
 張麗賓副研究員によると、これは22歳以前の青年の就業経験や、就職のルート
が少ないことが原因であるという。
〈72%の失業青年は長期失業 教育レベルで差〉
 失業1年以上の長期失業者が72%を占めている。
 60%以上の失業青年の求職時の最大の困難は、教育レベルが低いことだと思っ
ている。しかし、失業期間に職業訓練を受けているのは約13%にすぎない。ほと
んどが家でただぼうっとしているか、仕事を探すか、家で家事などをしているだ
けである。
 失業中の青年のうち、中等教育レベル(37%)と中学レベル(30%)の占める割
合が最も高く、高校、短大卒の割合は13%で、大学卒の割合は5%にすぎない。
 今回の調査対象になっている青年の教育レベルの構成で見ると、中等教育レベ
ル、中学と高校の教育レベルの青年失業率は、ほかの教育レベルの青年の平均失
業率より実際に高くなっている。
〈就職先の希望 公務員と国有企業がトップ〉
 政府部門か国有企業への就職、あるいは自分で起業するのが、大多数の中国青
年の理想的な就職である。最も理想的な職場を政府部門と考えている青年は21%、
国有企業は22%で、20%の青年は起業を望んでいる。
 また、一部の青年は私営企業、多国籍企業で働くことを望んでいる。起業希望
者についていえば、男性青年は女性青年より強く、年齢が高くなるにつれて強く
なっている。
 農村青年の理想的な就職先は、起業、国有企業、私営企業、政府部門、多国籍
企業の順である。
 都市の青年の理想的な就職先は、政府部門、国有企業、起業、多国籍企業、私
営企業の順である。
 10%前後の青年は、自分の理想的な職場に対して確かなものがなく、教育レベ
ルが低くなるにつれて、この割合は多くなっている。
 就職したくないという青年も一部にはいる。主に中学以下の教育レベルの青年
に見られる。
〈コンピューターと金融業が就職希望先の上位〉
 中国青年の就職希望先の業界は、主に情報コンピューターサービス及びソフト
ウエア業、金融業に集中している。製造業、卸売小売業、パブリックマネジメン
トなどの伝統的製造業とサービス業は、青年の理想的な業界の第2グループであ
る。ホテル、飲食、衛生、社会保障、福利などの業界は、比較的希望が少ない業
界である。
 70%の青年の就職は、製造業、第三次産業の比較的低い段階のサービス業、個
別の新興業界に集中している。卸売小売業(15%)、住民サービス業(10%)、情
報コンピューターサービス及びソフトウエア業(8%)、交通運輸業、ホテル飲食
業などである。
 張麗賓副研究員は、これらの就業構成の要因について、これらの業界の労働力
のパイが大きいこと、大多数の青年自身が他の業界に入るには能力が不足してい
ることによると分析している。
 なお、その他の業界の労働力のパイは小さいため、ハイクオリティーな労働力
競争が激化しているが、大部分の労働力は妥協して別の業界へ移動することを望
まず、青年就職の「業界を限定」しているという。
 農村青年の就職は主に製造業に集中しており、都市の青年は主に第三次産業に
集中している。
〈40%の青年は転職を望まない〉
 大部分の青年は今の仕事に満足している。40%の青年は転職したくないと思っ
ている。そして、約30%が仕事を変えるかもしれない、または仕事を変わりたい
と答えている。
 また、農村青年の満足度は都市の青年より高い。
 仕事を変えたいと回答した青年のうち、63%は報酬を上げるためで、16%の青年
はもっとよい職業があると考えている。そのほか、9%の人はもっとよい仕事の環
境を獲得するため、あるいは安定した仕事を獲得するためだと答えている。
 仕事を変えたいと回答した農村青年の85%は収入を上げるため、仕事の環境改
善のためと答えているが、この問いに同様の回答をした都市青年は69%にすぎな
い。都市青年は農村青年に比べて就職先の将来性に関心を持っている。
〈勤務状況 1日当たりの平均労働時間は9.6時間〉
 青年の勤務状況はどうだろうか?。調査では、青年の労働条件は比較的悪くな
っている。大部分の青年の就業には保障はなく、仕事は不安定で、勤務時間は長
く、給料は安い。低年齢の青年と農村青年では特に顕著になっている。
 38%の青年は全く労働契約をしていない。1年以内の臨時契約が20%、1―3年の
固定的期限の契約が36%である。
 就業青年の週平均労働時間は48時間で、週5日間勤務で計算すると1日当たりの
労働時間は9.6時間である。週勤務時間が50時間以上と答えた人が3分の1つ以上
いる。15―19歳の青年と農村青年の週平均勤務時間は53時間である。
 90%の青年は兼職していない。
 平均月収が600―1500元の青年は60%、600元以下は30%未満で、半数以上の青年
はいかなる形式の職業訓練も受けたことがない。
〈勤務評価 雇用主は青年の文章力が低いと思っている〉
 今回の調査には、雇用主への調査も含まれている。
 雇用主は、青年従業員のうち、文章能力がある者が少なく、知識の幅や応用的
な知識力がある者が少ないと答えている。総括的には、やはり青年の知識レベル
に不満があると言えよう。
 調査によると、ある程度のしかるべき就職先に採用されるために必要な学歴を
少なくとも4年制大学以上と答えたのは46.7%、短大が28%、中等職業教育学歴が
14.2%であった。
 張麗賓副研究員によると、労働市場は青年の技能教育レベルにさらに高い要求
を出しており、青年は教育レベルが全体的に低いと感じているものの、経済的要
因と教育資源の供給不足が青年の教育レベルに影響を与え、大部分の青年は学習
を継続する予定はないという。
〔北京晨報5月24日〕

深セン 7月1日から最低賃金を調整 全国最高額に

 深セン市の最低賃金基準が7月1日から大幅に調整される。
 調整後の深セン特区内外最低賃金はそれぞれ月額690元、月額580元になり、現
行基準よりそれぞれ80元、100元を高くなる。調整後の深セン特区内最低賃金レ
ベルは中国各省市トップになる。
 深セン市労働社会保障局の許少英副局長の紹介によると、1992年に深セン市政
府は最低賃金基準を公布し、全国でも最も早く最低賃金制度を実行してきた。1996
年から2005年までの10年間、最低賃金は特区内では73%増加し、特区外では87%増
加した。
 7月1日から実行する新しい最低賃金基準は深センのすべての企業の従業員に適
用される。企業は月給制や出来高払い制及び能力給制のいずれにかかわらず、す
べてこの最低賃金基準を下回ることはできず、違反すれば3万―5万元の罰金を科
される。
 国家統計局が定める小康基準の一つである「都市地域の1人当たり年間可処分
所得」は2400元であり、月額換算すると690元であるが、深セン特区内の従業員
の年間最低賃金は8280元に達しており、この基準のおよそ3.5倍である。
 新しい最低賃金基準を制定するため、深セン市は今年初めから大規模な意見収
集と科学論証、公開デモンストレーション及び2005年度最低賃金のアンケート調
査とネット調査を行った。アンケート調査では企業から6614件、従業員から1万
5713件の有効回答を回収し、ネット調査では4843人が参加した。
 深セン市の最低賃金基準の設定は、主に深セン市の最低生活費、1人当たり扶
養係数、平均給料、労働生産性及び経済発展水準などを総合して確定したもので
ある。同時に、国際慣習の「社会平均賃金法」(最低賃金が社会平均賃金のおよ
そ40%―60%)も参照している。
 許副局長によると、今回の最低賃金調整の目的は、一般労働者が経済発展の成
果を共有することであり、同時に企業の経営モデルの転換をよい方向に導くため
であるという。この調整により、今までの低賃金による競争優位を奪うモデルか
ら、技術進歩、管理方式の改善、市場開拓などによる発展優位を保つ方向へ導く。
 調査によると、2004年に深セン市の給与総額が最低賃金より低い従業員の割合
は1.59%にすぎなかった。しかし、残業手当を差し引いた後の基準賃金が最低賃
金より低い従業員数の割合は17.3%だった。〔人民日報6月1日〕