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市民の富の偏在と意識

上海、北京、天津は全国農村の小康実現度トップスリー

 最新統計試算によると、上海、北京、天津3省の農村の全面的な小康実現度が60%
を超えていた。だが、全国の3分の2の省(市、区)の農村の全面的な小康実現度
は30%より小さい。
 記者が7日に国家統計局から得た情報によると、各地方は、国家統計局が制定
した新しい農村における全面的な小康の基準及び評価に基づき、2000年を起点と
して2020年を全面的な小康目標達成年として、農村の2004年の小康実現度を総合
的な試算を行った。
 試算結果によると、農村の全面的な小康実現度のトップ10の省(市、区)は、
上海(87.8%)、北京(81.7%)、天津(67.8%)、浙江(57.9%)、広東(46.4%)、
江蘇(46.3%)、山東(42.8%)、福建(39.5%)、河北(30.1%)、遼寧(29.5%)
だった。
 経済の発達している地域に比べ、伝統的な農業省の小康実現度がより低い。湖
南19.4%、河南15.7%、安徽13.9%だった。
 新しい農村における全面的な小康の基準及び評価には、経済発展、社会発展、
民度、生活水準、民主法治、資源環境の6分野、18項目が含まれている。
〔新華網6月7日〕

中央財政 南部地域へ緊急洪水予防資金8000万元

 近日、南部地域に雨が降り続き、湖南、福建、江西、貴州、四川、重慶などの
一部地域で洪水が発生、農作物に大きな被害が発生し、家屋倒壊、施設被害など
の重大な損失が出た。
 一方、雲南省でが干ばつが発生している。
 中共中央、国務院は各地の罹災状況を高度に重視している。被災地を支援する
ため、中央財政は速やかに緊急救済システムを発動し、8000万元の特大防災基金
を支出し、各被災地の応急処理及び水利工事施設の応急修理を支援する。
 同時に、以前給付が予定されていた雲南省への特大干ばつ予防基金600万元に、
さらに特大干ばつ予防基金2100万人民元、農林産業救済基金600万元を上乗せ追
加支出し、雲南省の干ばつ救済、農業生産の回復を支援する。〔新華網6月8日〕

中国国内99%の企業が慈善寄付記録なし 慈善金額はわずかGNP0.5%

 最近のフォーブス慈善ランキングの発表により慈善事業に注目が集まっている。
 社会ではもっと多くの企業や個人が慈善事業に参画する必要がある。しかし、
中国青少年発展基金会の統計項目によると、目下中国工商行政部門に登録された
1000万社では、慈善事業に寄付をしたことがあるのはわずか10万社にとどまり、
他の99%の企業は慈善寄付記録が全然なかった。
 中華慈善総会会長の範宝俊氏は、慈善事業は給与、社会福祉と保障の後の「第
三次社会大分配」であり、財貨を多く保有する企業や個人が、援助の必要な人に
寄付することを通して、貧富の差を縮小され、発展のバランスが保たれると表明
した。
 貧富の差が深刻なアメリカでは、富裕層が毎年各種の財産を通して公共のため
に慈善寄付される金額は6700億米ドル以上までに達し、第三次分配の財貨はGNP
の9%を占めている。
 しかし、目下中国100以上の公共慈善組織すべてが保有する資金はわずか50億
人民元くらいであり、GNPの0.5%を占めるにすぎない。慈善金額が足りないため、
援助の必要な人はわずかな援助しか受けられない。
 多くの企業は慈善事業に気前よく金を出して人助けをしたことがなく、できな
いのだ。その理由は2つある。
 その一つの主な理由は、中国慈善事業はわずか11年間の歴史しかなく、全国の
慈善機構はわずか100社であり、アメリカの1万分の1、スイスの100分の1にすぎ
ないからである。
 もう一つの理由は、中国では慈善事業に援助をするというインセンティブが足
りないからである。
 慈善寄付の金額は年間納税額の3%以内であれば免税優遇を受けることができ
るのだが、それの意味するところは、1人の1億元富家が300万元の寄付をすれ
ば、その超過部分について33%の個人所得税を支払わなければならないというこ
とである。
 清華大学の非政府組織研究所の〓国勝教授は、2つの側面から慈善事業のイン
センティブを高めることができると考えている。
 一つは、欧米各国を参考に相続税を課し、慈善寄付については税金減免を実施
すること。
 もう一つは、民間慈善組織を発展させ、政府が主管する慈善組織と同じ権限を
付与して運営コストを減らすということである。〔北京日報6月6日〕
(〓は、「登」におおざと)

都市はホームレスにもっと寛容に

 旧「都市流浪ホームレスの収容移送弁法」が廃止され、新たに「都市住所不定
流浪ホームレス救済管理弁法」が施行された。
 この新旧交代に際し、ホームレスがメディアの注目の的になっている。報道に
は、都市のホームレスに対し「憂い」を示すものや、「憂い」以外に、行間にホ
ームレスへの嫌悪感や「収容移送弁法」への懐古が満ちているものがある。
 確かに、ホームレスといっても複雑な集合体だ。他では生計が立てられないホ
ームレスがいれば、物乞いをすることを一種の職業にしているホームレスや、驚
くほど収入があるホームレスもいる。しかし、そんなホームレスがどのくらいい
て、どれほどの割合を占めるのか。ごく小さいものだろう。
 少数のホームレスが、ホームレスという集合体を代弁するとは言いがたい。唯
物弁証法が、問題を見るにはその主要部分を見ろと教えているように、一部の高
収入のホームレスを、ホームレス全体に対する評価の根拠にすることはできない。
物乞いをすれば、結局は人格の尊厳の一部を犠牲にし、代償にする。
 ホームレスは都市の「継ぎ当て」だ。着ているものはぼろぼろで、頭も顔も薄
汚れており、いつも繁華街の地べたや交通機関の通路などにいる。間違いなく都
市の外観に影響するだろうし、「高尚な人々」の景観も損ないかねない。
 しかし、忘れてはならないのは、富豪であろうとホームレスであろうと人であ
って、生存する権利があり、それぞれの生活スタイルがあってよい、ということ
だ。
 都市で物乞いをすることは、ホームレスの権利だ。となると、「都市の外観」
と「ホームレス」との間で矛盾が生じると、「品位を重んじる人」はこう考える。
都市の「イメージ」が重要か、それともホームレスの「生存権」が重要か、と。
 同じ空の下で、豊かな人と貧しい人が共存しなければならない。これが現実だ。
以前、「収容移送弁法」が施行されたことで、ホームレスを含め多くの人が都市
から強制的に追放された。もし、これで都市の外観が改善されたというのなら、
このような「改善」は嘘だというほかない。
 「人は高みを目指すもの」で、ホームレスも自然と比較的裕福な都市部に集中
しやすい。経済的に発達している都市では、その中にある「ホームレス経済」も
比較的発達しており、経済の法則に従っている。
 インドの首都ニューデリーは、総人口1600万人のうちホームレスが100万人を
占める。世界で最も進んだ都市ニューヨークにも2万人余りのホームレスがいる
ことは御存じだろうか。東京、パリなど世界のあらゆる都市に大量のホームレス
が存在する。
 もし、ホームレスが100万の富豪になれば、人材に事欠かないだろう。「ニュ
ーヨークであれ、オタワであれ、絶えることのない人の群れと、綿々と立ち並ぶ
高層ビルのすき間を縫うように、いつも彼ら、ホームレスが、汚れた手を差し出
している」。
 「中国ホームレス調査」の于秀・編集主幹は、本書の後書きにこう記す。「私
が最も伝えたいのは、西側諸国のホームレスは中国のホームレスに比べ、よりリ
ラックスして生活し ているということだ。なぜなら、自分を除いて、その社会
で彼らを非難するものは誰もいないからだ」。
 都市はよい外観をつくり、イメージの改善に努力すべきだ。しかし、それを一
部の人の権利を無視し犠牲にすることと引きかえにはできない。
 通りに放浪するホームレスが多いか少ないかは、都市の表面的なイメージにす
ぎない。ホームレスなど社会の底辺に位置する人に対して寛容であるか否かが、
その都市に内在する品格を体現する。
 都市部の人全員が貴族であっても、それが貧困者を強制退去させることで成り
立っているのなら、そんな「高尚」は都市の恥であって、栄光などではない。
〔南方日報6月8日〕