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中国郵政改革の行方

中国郵政はグループ会社設立 郵政管理局も創設

 2005年の中国郵政「構造改革」に最近新しい動向が見られている。
 28日に郵政の内部関係者に取材したところ、6月23日に国家郵政局が開催した
北京全国局長会議で、国家郵政局の劉安東局長が、中国郵政がグループ会社を設
立し、同時に、郵政機関を監視・管理する郵政管理局を創設すると発言したとい
う。
 また、この郵政改革案は最終許可を待つだけであるという。
 この改革案は「機関の監視・管理機能の再編」であり、具体的には、国家郵政
局は、企業経営機能を分離し、経営管理権は新しく創立される中国郵政のグルー
プ会社に置き、郵政管理局がこのグループ会社の運営に対し監督を行う。
 郵政管理局の従業員は国家郵政局から派遣され、公務員の範疇に組み入れられ
る。人数は約千人強になると考えられている。
 さらに、郵政業務を競争型業務と一般業務に分離する。
 郵政業界に対する保護として、350グラム以下のすべての書簡は郵便局だけが
発送できるようにすることを現在検討中であるが、350グラムという数字はまだ
決定していない。
 郵政は、独立的な安全検査ができ、図書の発行、国際郵便、郵政の付加価値サ
ービスなどの特権を持つ。
 それから、郵便貯金については、郵政貯蓄銀行設立には言及されていない。た
だ、郵便貯金を中央銀行の8000数億元の資金で保管する可能性があり、徐々に撤
退することだけに言及している。
 別の関係者によると、現在行われているのは、郵政と貯金の分離だという。
 5月18日から20日、全国郵政局長による半年に一度の座談会が開かれた。会議
は臨時開催だが、改革案については言及されなかった。劉安東局長の発言後に、
特に討論はなかったという。
 記者は28日、この座談会の状況を国家郵政便局新聞処の楊処長に取材しようと
電話をかけたが、電話はつながらなかった。新聞処の従業員の答えは「わからな
い」である。現在の郵政改革案は「極秘」のようである。
 以前、国家郵政局研究院の周煥徳副院長が、上海で開催された「郵政体制改革
討論会」の席上で、正式な新郵政改革案は3つあることを強調している。つまり、
政治と企業の分離、政治と資本の分離、政治と事務の分離である。
 この案は国家発改委の主導によるもので、財政部、情報産業部、国家郵政局な
どの部・委員会が共同で制定している。また、国務院発展研究センター案を参考
にしているという。
 このことと同時に、試験的にではあるが、北京郵政局の「主要業務と補佐業務
の分離」改革案も既に大枠が固まり、主要業務と補助業務の範囲も明確に区分さ
れている。
 北京郵政局は実業グループと下部組織となる8社の2級子会社と32社の3級子会
社から成る。また、主要業務と補佐業務の分離のうち、補佐業務の制度改革はま
ず実業グループとその所属子会社で行うことになる。〔新京報6月29日〕

「政治と企業の分離、監視・管理の独立」は郵政改革の共通認識

〈郵政改革の年〉
 郵政業界では2005年を「改革の年」と呼んでいる。「2005年計画」で、国家郵
政局の劉安東局長は、郵政の体制改革のために準備が必要であると繰り返し強調
している。
 しかし、郵政改革を推し進めるに当たっての困難と論争は依然として存在して
いる。郵政の業界改革は既に何年にわたって行われており、「政治と企業の分
離」改革の核心は、最終段階に入っている。郵政改革は、ついに達成のときを迎
えようとしている。
 中国郵政の体制改革を研究しているプロジェクトチームの責任者によると、
「政治と企業の分離、監視・管理の独立」は既に郵政改革の共通認識となってい
るという。
〈郵政改革の方向性〉
 中国郵政の内部関係者によると、「政治と企業の分離」がこの改革案の核心だ
という。
 国務院発展研究センターの産業経済研究部部長で、中国郵政体制改革研究プロ
ジェクトチームの責任者である馮飛氏は28日、郵政改革の方向である政治と企業
の分離、監視・管理の独立は、現在の政府、郵政、専門家などの各方面では既に
共同認識となっていると語った。監視・管理部門の人員が何人なのか、効率はど
うなのか、監視・管理の公平性を維持しなければならないという。
 これまでも郵政の体制改革に注目している、「郵政法」改正の中国国際商品宅
配便協会速達委員会の劉建新秘書長は、少し前に「3つの分離」(政治と企業の
分離、政治と資本の分離、政治と実務の分離)は郵政改革の全体目標であり、分
業による経営、監視・管理の独立が郵政改革全体の進むべき道であると言ってい
る。
 郵政改革は1998年の郵政と通信の分離から始まっている。
 郵便と通信が分離した後、国家は郵政に「8531」の補助政策を始め、1999年か
らは毎年80億元、50億元、30億元、10億元の補助が与えられている。2003年には
国家による郵政補助は打ち切られ、「徹底的な廃止」になった。
 しかし、郵政改革案は1988年から下準備が始まっていたにもかかわらず、郵政
における政治と企業の結合はそのままになっていた。
 昨年上半期の情報では、郵政改革案は発展改革委員会が主となり、財政部、情
報産業部、国家郵政局の3部門が共同で制定しているという。関連法案の各種の
風説は途切れなくあるが、郵政部門は口を固くつぐんで語ろうとしない。
〈郵政貯蓄銀行は延期?〉
 「郵政部門の沈黙は理解できる」と馮飛氏は言う。郵政改革プロセスは長期に
わたるものなので、「郵政改革案は長期間の討論による」と指摘している。郵便
貯金の移行は、中でも最大の難題だと言える。
 2003年8月1日から、中央銀行は郵便貯金を預金のうち新規部分を人民銀行に移
行することを発表し、金融機関の準備預金利率で計算して利息を払っている。
 このようにして、8000数億元の預金を持つ郵便貯金は、高利率に別れを告げ、
苦しい立場に追い込まれようとしている。
 今年の初め、銀監会の劉明康主席は「郵便貯金の体制改革の緊急実施」が必要
であると発表している。
 銀監会は国務院の郵政体制改革の統一部署として、郵政貯蓄銀行の創立と銀行
監視・管理システムへ組み入れようとしている。そのことで一時期「5番目の大
銀行」の声が上がった。
 社会科学院金融研究センターの易憲容研究員の分析では、国家郵政局はある方
面では郵便貯金に依存しており、もし、郵便貯金が独立するならば、国家郵政局
は巨額の損失に直面することになり、中央財政にとって大きな負担となる。しか
し、郵便貯金を銀行にするだけならば、郵便貯金の資金が生きてくる。新銀行の
直面する問題は、民間資本などを取り入れれば解決することができるからだ。
 しかし、先週の会議で提案された郵政改革案には郵政貯蓄銀行の設立について
は言及されていない。資金を中央銀行から徐々に撤退することだけが言及されて
いるという。
 「今、郵政貯蓄銀行を設立するのは時期尚早だ」。郵政システムの内部関係者
によると、現在、郵便貯金改革は郵政と貯金の分割会計が試行されているだけで
あるという。
 記者が入手した「2005年郵政貯蓄業務発展の指導意見」によると、「監視・管
理政策の変化と情報化建設の推進に伴い、郵政業務は一層広大な発展余地を持つ
ようになった。監視・管理部門は、次々と郵便貯金の機関業務、ネットワーク、
高級管理人員に対する管理弁法を打ち出し、郵便貯金に対する監視・管理の法整
備が、一層積極的に郵政貯蓄業務の発展を支援している。郵便貯金の資産、負債
業務については、徐々に業務の範囲を拡大し、サービス分野にまで広がってい
る」とある。
〈郵政の専業経営をめぐる論争〉
 中国郵政グループ会社設立後、独占的地位が存在できるかどうかについて、重
要なことは、郵政の専業経営が認められる境界にあると馮飛氏は考えている。
 今まで、郵政専業経営権の論争は途切れることがなく、郵政が徐々に専業経営
権を縮小しているが、その境界をどうするのかについては、各方面から各種の意
見が出ている。
 郵政改革では、競争型業務と一般業務に分離することになる。郵政部門は一般
業務範囲の拡大を希望しているが、外資と民間資本の反発に遭っている。
 郵便料金も今度の郵政改革では幾らか緩和されるようである。以前、外資系の
宅配便業者には500グラム以下の小包と郵便物の取り扱いを禁止していたが、小
包の重量は350グラム以下になった。
 今年2月4日に発表された中国郵政総局の「64号文書」(情報産業部などの部門
の海外郵便物の委託管理に関する通知)では、はっきりと外資宅配業者の500グ
ラム以下の小包と郵便物の取り扱いを禁止しているが、このことに関して外資系
の宅配業者は反発している。
 馮飛氏は、単にグラム数によって制限するのは合理的ではないと考えているの
であれば、「グラム数+郵便料金」を提唱している。
 例えば、100グラムの郵便物でも、郵便局より高い料金を払ってもいいと考え
ているのであれば、宅配業者は各自の許容可能範囲内で取り扱うという方法であ
る。もし、高い料金を払いたくないならば、郵便局から出せばいい。
 このようにすれば、企業にとっても選択権のある市場になるのである。
〔新京報6月29日〕