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中国内需拡大への意気込み

各省が鳥インフルエンザ感染の防止措置

 農業部弁公庁新聞弁公室は10月14日、メディアの取材を受け、高病原性鳥イン
フルエンザの予防作業は厳しい状況にあると話していた。
 その理由は、周辺諸国での感染は明らかに拡大しており、菌を持つ渡り鳥から
感染する危険も大きいことに加えて、中国の家禽の飼育方法は放し飼いが主で感
染の抑制に不利なことにある。
 内モンゴル自治区で鳥インフルエンザの感染が確認された後、国務院は鳥イン
フルエンザの予防会議を開催。感染を予防するための5つの措置を発表した。
 衛生部、農業部、国家質検総局などの組織は相次いで協力体制を確定。感染予
防体制を厳重に整え臨んでいる。
 突発的な公衆衛生事件を効果的に抑制するため、衛生部、農業部は共同で文書
を作成。「衛生部 農業部人畜共通伝染病の予防に関する協力体制」を制定した。
 この文書では、両部の担当部門による定例会議制度を設置し、四半期に1度開
催すること、人畜共通伝染病の人・動物への感染状況を定期的に全国に通知、報
告することを定めている。
 さらに、人畜共通伝染病が発生し感染が拡大した場合、感染が疑われるか確定
しているかにかかわらず、24時間以内に互いに報告する。感染状況に基づき、双
方が共同して専門家チームを組織し、疫学調査、実験室検査を実施する。調査結
果に基づき予防、治療の対策を練ることが盛り込まれている。
 このほか、衛生部は、国家質検総局とも「質検総局と衛生部の港湾公衆衛生事
件に対する協力体制」を締結。さらに、香港特別行政区政府衛生福利食物局、マ
カオ特別行政区政府社会文化司とも、「突発的公衆衛生事件の応急体制に関する
協力協議」を締結するなど、鳥インフルエンザの感染に備えている。
 孫東東・北京大学法学部教授は、「政府は突発的公衆衛生事件の処理に備え、
法律的な保障を既に準備している」との認識を示している。
 非典型性肺炎(SARS)の教訓から、政府は既に応急体制を確立し、衛生部、農
業部などの関係部門は、今回の鳥インフルエンザの感染状況を注視、感染は抑制
可能だとしている。現在、生物学者による鳥インフルエンザのウイルスに対する
研究の強化が急務とされている。
 また、中国では現在のところ鳥インフルエンザの大規模感染は発生しておらず、
神経質になる必要はないとの認識を示している。各地で管理・予防に取り組む必
要はあるが、鳥インフルエンザの感染は予防できるという。
〈鳥インフルエンザ 各省の対策〉
 既に鳥インフルエンザの感染予防のための措置を開始している省市は少なくな
い。
 北京市は、鳥インフルエンザを予防するための8つの措置を制定。免疫調査を
実施するべき鳥の免疫調査率を100%に近づけようとしている。さらに、必要な場
合には生きた鳥との接触を禁止すると発表している。
 また、道路、鉄道、空港に検疫所を設置。24時間体制で管理し、流通を介した
感染の防止に努めている。さらに、北京全市に57カ所の渡り鳥の検査所を設け、
渡り鳥の越冬状況を監視している。
 重慶市では、大規模な養鶏場に対しては強制的に免疫調査を実施。さらに、101
カ所の検査所で24時間感染の疑いのある動物製品が流入しないよう監視している。
 上海市は、陸海空すべての観光客の入国管理の通路で、入国管理の職員による
靴底裏の消毒を全面的に実施。また、感染地域からの鶏肉、卵を一律焼却処分に
している。
 陝西省は、省内の各種の鳥の免疫調査を100%実施。鳥小屋の消毒作業と感染状
況の予測、警戒を徹底するとともに、作業員に現地で監視に当たらせ、責任者に
監督させている。
 このほか、香港内で鳥インフルエンザが人から人へ感染し感染が拡大した場合、
香港は港湾を閉鎖し、ウィルスの拡散防止に努めると、周一岳・香港衛生福利食
物局長がメディアの取材を受け、コメントしている。
〔中国青年報10月24日〕

CEPA第3ラウンド協定締結 ゼロ関税政策がサービス市場の拡大促進

 来年1月1日より、香港から中国大陸部へ輸入している1,369品目がゼロ関税と
なるほか、中国大陸部と香港双方が注目しているサービス分野においても、法律、
会計、流通、金融などを含めた10分野23項目において開放措置が実施され、一層
市場進出への緩和が進む。
 18日午後、商務部の寥暁淇副部長と香港特別行政区財政司の唐英年司長は、CEPA
(経済貿易緊密化協定)連合指導委員会のトップ会談開催後、CEPA第3ラウンド
合意文書に署名した。
 唐英年司長は、双方が「中国大陸部と香港のさらなる緊密な貿易関係を築く計
画」(以下「計画」と略)の第1ラウンド、第2ラウンドの段階的な措置のほか、
新たな開放措置が実施されることに歓迎の意を語った。
〈法律、会計などのサービス分野のさらなる開放〉
 CEPA第3ラウンド協議では、ゼロ関税貨物の種類がほぼ全面開放というまでに
増加する。
 上海復旦大学法学院教授でもあるWTO上海研究センターの董世忠副主任は、双
方の法律、会計、旅行といったサービス分野のさらなる開放は既に実施すべき状
況に来ていると語った。
 「第一財経日報」が18日、香港工業貿易署から得た第3ラウンド条約文書によ
ると、サービス貿易面で合わせて23項目の開放措置があり、法律、会計、視聴、
建築、流通、銀行、証券、旅行、運輸、個人工商業者といった10分野がカバーさ
れている。中国大陸部はこの10分野の市場緩和に合意した。
 これに関連する協議規定によると、中国大陸部で既に設立された香港弁護士事
務所の代表機構と、同一省内の別の都市にある中国大陸部弁護士事務所との共同
経営が許可された。
 また、中国大陸部で法律サービスを行っている香港人が、同時に中国大陸部以
外の法律事務所に雇用されることが許可された。
 董世忠副主任は、香港と中国大陸部双方は以前より視察という名目でお互いに
弁護士を派遣し交流を図ってきたことも、双方が弁護士事務所を共同設立する一
つの布石になったのだろうと述べた。
 董世忠副主任は、関連規定が合意された後、香港の発達したサービス業はよい
見本となり、中国大陸部の法律、会計、金融サービスなどを国際基準に合わせる
ための重要な推進作用になると考えている。
 最新合意の条約文面によると、香港のサービス提供者が中国大陸部で独資会社
を設立し、複数の映画館を建てて経営することを許可された。また、中国大陸部
での旅行会社設立の最低営業額基準が下がった。特定の中国大陸部の証券会社及
び先物会社が香港で支店を設立することを許可された。
 香港工業貿易署の関係者によると、香港と中国大陸部双方は、各種の市場開放
措置が2006年1月1日より施行されることに合意し、中国大陸部の関連部門も状況
に応じて必要な実施規則と規則例を立案、公表する。
〈貿易利便の向上が双方の投資を促す〉
 18日合意された協議中、香港と中国大陸部双方がともに注目しているもう一つ
の点は、貿易投資の利便向上には、「計画」の確実な実行が非常に重要であると
いう点である。第3ラウンドの開放措置は、香港と中国大陸部双方の貿易と投資
の往来を強めるものとなった。
 現在、CEPAの貿易投資の利便向上は、貿易投資促進、通関の利便向上、商品検
査検疫、食品安全及び品質基準、Eコマース、法律法規の透明度、中小企業合作
と医薬産業合作など、7つの重点分野でカバーされている。
 香港貿易発展局上海事務所CEPA商機センター許懿氏は「第一財経日報」に対し
て、現在CEPA商機センターは、香港からの中国大陸部への投資のコンサルティン
グ、関係業界と企業の名簿の提供以外に、中国大陸部企業の香港へ上場計画に対
しても相応のサービスを提供していると述べた。
 唐英年司長は、CEPA第3ラウンド締結に伴うさらなる開放措置は、香港企業及
び業界ごとにさらに多くのビジネスチャンスをもたらし、中国大陸部の市場を開
拓し、香港からの海外投資の魅力をアップさせる。これらの措置は香港の持続的
で広範囲の経済復活をもたらし、私営企業がさらに多くの雇用機会を生み出すイ
ンセンティブになると語っている。
 商務部の統計が示すように、今年1月から7月までの中国大陸部と香港輸出入総
額は702億4000万ドルに達し、前年同期比20.7%増加である。7月末までに、中国
大陸部が香港から直接投資は24万7328項目に上り、実質ベースでの香港からの資
本は2,507億ドルに達した。
 香港工業貿易署の情報によると、香港特別行政区政府がかつてCEPA実施効果に
ついて調査したでは、個人旅行者を含めると香港での雇用創出は約2万9,000にな
る見込みである。
 以前、商務部台港澳司の王遼平司長は、「中国大陸部と香港、マカオ貿易投資
の利便向上の強化」と題したシンポジウムの際に、貿易投資の利便向上の強化、
貿易のコストダウン、生産要素のさらなる流動化は、今後、中国大陸部と香港、
マカオが協力を強化していくべきポイントであると指摘していた。
〔第一財経日報10月19日〕

オリンピック経済 GDPを毎年0.3%押し上げる?

 セキュリティー費用が予算オーバーとなったため、「オリンピック予算」は当
初の2800億元から2900億元へと増加した。
 「しかし、オリンピック経済はパイが限られているわけではない」北京オリン
ピック経済研究会の陳剣副会長は言う。オリンピック需要はもう決まっているこ
とだというのが肝心だ。
 2900億元の大きなパイのうち、主要なものは北京オリンピックインフラ建設及
び関連投資分野のニーズであり、そして、オリンピック運営における経済活動に
も巨大なビジネスチャンスが存在する。
 1984年の米ロサンゼルスオリンピック以来考えると、通常、直接的な需要は少
なくとも3000億人民元ある。「オリンピック需要」の総規模は約6000億元である。
 ここに「前7後3」という法則がある。都市がオリンピック誘致を成功し開催す
るまでが「前7」、オリンピック終了後、次のオリンピックが開かれるまでが
「後3」で、両期間を合わせると、オリンピック経済はオリンピック開催を挟ん
で前後8―10年間持続する。
 有名な投資銀行であるゴールドマン・サックス証券の研究報告によると、北京
が2008年のオリンピック開催権を取得した2002年から2008年まで、中国の毎年の
GDPは0.3%以上増加し、その額は約1.376億元になるとしている。
 しかし、北京市が2004年に概算したところによると、北京のオリンピック経済
発展はまさに一つの巨大な市場をつくるものであり、今後7年間で北京の投資及
び消費市場の総需要は3兆元に上ると見込んでいる。
 「オリンピックスポンサー計画」は巨大なビジネスチャンスの代名詞となって
いる。
 これは国際オリンピック委員会が直接管理するTOP計画と、北京オリンピック
委員会が責任を持って管理する国内スポンサーの2種類がある。国内スポンサー
は協力パートナー、サプライヤー、サポーターの3種類がある。
 有名なTOP計画(The Olympic Program)は、国際オリンピック委員会が1985年
から行っているものである。TOP、つまり英語で言うところのトップとは、国際
オリンピック委員会のトップレベルのスポンサー企業のことである。TOP計画は4
年に1回で、現在は第5回目となった。
 北京オリンピック委員会は中国企業評価協会に委託して自動車、銀行、白物家
電といった19業界のうち70企業余りを調査し、シドニーオリンピックのサポータ
ー53社、サプライヤー100社以上を目安に選出する。
 美術、旅行、文房具、日用品等の分野のサポーターの権利は多くの企業が注目
している。「特に、オリンピックの記念品だということをしっかり示してほしい。
シドニーオリンピックではこれだけで5億米ドルの収入になったのだから」陳剣
副会長は述べる。
 利益を得ると同時に、オリンピック市場の研究開発計画に参入することは企業
がブランドを確立するチャンスになることは間違いない。また、北京オリンピッ
クのスポンサー企業とともに、その半製品を供給したり、配送業務を行うことで、
中小企業も「オリンピックエキスプレス」へ乗る近道となる。
 「オリンピックは、巨大で直接的な経済効果だけでなく、極めて大きな投資及
び消費ニーズの成長を刺激し、「オリンピック景気」をつくり出す。中国経済全
体を押し上げ中国ブランドを国際社会へ広げられる」北京市発展改革委員会の劉
志副主任は言う。
 オリンピック森林公園のうち、60ヘクタールの「パンダの竹林園」が計画に組
み込まれた。1.2億元のプロジェクトは既に四川企業によって建設されている。
園内には四川から優良品種の竹が移植され、四川の特産品販売も計画されている。
 オリンピック情報市場の規模も今なお政府側のデータは発表されていない。し
かし、賢い四川企業は2004年のギリシアオリンピックからこの分野に10億米ドル
の投資し、魅力的なビジネスチャンスをかぎつけた。
 また、四川聯訊科技有限公司の孫滬江副経理は、2008年オリンピック入場券の
偽造防止プロジェクトに奮闘しており、自己開発したデジタルウオーターマーク
偽造防止システムが北京オリンピックの「ゲートチェック」となることを願って
いる。
 孫滬江副経理は、北京オリンピックでは入場券が1.1億枚印刷され、1枚につき
2元かかるとして、2.2億元の大市場になると分析している。
 「事実上、オリンピックは中国が世界に出す広告だ。我々がメディアを通じて
アテネを知ったのと同じように、ほかの人も北京オリンピックを通じて中国を知
ることになる」専門家は言う。〔南方週末10月20日〕