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狂犬病警戒と動物愛護

今年9月までの狂犬病例は2254例 前年比26%上昇

 衛生部の提供するデータによると、今年9月期の中国全国で報告された狂犬病例
は393例で、前年同期より287例多く、36.93%増となり、死亡者は318人となった。
今年1―9月の累計では2254例で、前年同期の1738例より29.69%増となった。狂犬病
は依然として伝染病の中で死亡者が最も多い病気である。
 1996年、すなわち10年前の狂犬病発病の数字では、中国全国での発病例は159例
であり、10年もたたない2006年9月の発病者数の半分である。
 狂犬病は恐水症ともよばれる。狂犬病ウイルスに感染した人を狂犬病といい、急
性、進行性、脳脊髄炎が特徴で、臨床の症状では、特有の恐水症状、風邪に似た症
状、興奮、のどのけいれん、よだれ、進行すると麻痺して動けなくなり、最後に呼
吸器、循環器不全で死に至る。
 狂犬病が中国で流行して久しい。1951年に全国的な犬を減らすキャンペーンが展
開され、狂犬病コントロールに大きな成果を上げたが、1970年代以降再び上昇に転
じた。近年、病死者または病死率は中国の37の法定伝染病のトップを維持している。
2006年9月、狂犬病の発病は5カ月連続で中国全国の死病報告者数の最も高い伝染病
になっている。
 中国疾病預防控制センター・ウイルス病預防控制所の粱国棟副所長によると、狂
犬病は一種の人畜共通伝染病であり、一たん発病すると、死亡率は100%である。こ
のため、狂犬病には予防が最も大事であるという。
 犬にかまれてしまった後は、的確に処置しなければならない。まず、きれいな水
あるいは石けん水で少なくとも15分間洗い、その後、かまれた傷口付近に免疫血清
の注射を行い、狂犬病ワクチンを注射する。この3つの処理が行われていれば、理
論上は狂犬病に感染しない。
 犬の管理に関しては、国外の経験を参考にすることもできる。まず、飼い犬には
飼い犬登録を行い、登録した犬にはワクチン注射をし、犬を外で散歩させるときに
は飼い主が首輪にひもをつけ、つないで歩くことにして、飼い主がいない犬や野良
犬は処理をする。飼い犬と野良犬の接触を断つことで動物間での感染を避けること
が必要である。
 さらに、ペットは寄生虫の宿主の一つである。飼い犬や猫には寄生虫がいるかも
しれない。もし、妊婦がうっかりトキソプラズマに感染してしまうと、胎児の障害
発生率が90%以上になる。専門家は、妊婦が感染してしまうと、赤ちゃんの神経組
織に障害があらわれやすく、脳水腫、甚だしくは無脳児、視網膜異常があらわれる
と指摘している。
〔新華網10月21日〕

上海 犬による傷害事件急増 今年初めて10万件を上回る見込み

 上海市衛生行政部門が最近発表した最新通報によると、上海28カ所ある犬による
傷害を取り扱う外来診療で診療を受ける人が急増している。今年1―7月までで5万2
503人までに達し、前年同期と比べて18.16%上昇し、今年犬による傷害人数は初め
て10万人を上回る見込み。
 上海市疾病控制センター免疫規画科の胡家瑜科長の説明によると、上海では、2003
年に犬にかまれて狂犬病になった病例が再び発見されて以後、発病者数は急激に上
昇してきた。2001年に上海市の犬による傷害を取り扱う診療科で診療を受けた人数
は5万1283人だが、2005年には9万9029人に達した。
 伝染病学の専門家は「狂犬病とは狂犬病ウイルスによる一種の急性伝染病であり、
主に動物にかまれたときの唾液の中に含まれる狂犬病ウイルスが人体に侵入し感染
するものであり、発病してしまうとその進行は速く、致死率は100%である」と指摘
する。
 専門家は「犬にかまれてしまったら、すぐに診療を受けて、速やかに狂犬病ワク
チンを接種をするべき」と注意を促している。〔新民晩報10月23日〕

北京市が飼犬問題でアンケート調査「犬の問題は都市の新たな公害」

 飼い犬による傷害、犬による市民への迷惑行為などの問題は、既に中国における
大きな都市公害となっている。
 北京市は先ごろ「調和のとれた社会の建設と、犬の飼い主教育」をテーマに、犬
の飼育管理に的を絞った対策作業を始動。鑑札のない飼い犬、公共の場に違法に放
置された犬などの問題について重点的に対応した。
〈狂犬病は北京市民の隠れた大問題〉
 北京の中心部では、見せびらかすように犬を連れている人をよく目にする。自由
に公園、店、病院、学校など公共の場に出入りし、ひもでつながず放置する、犬が
ところかまわず糞尿をするといった状況が広く見受けられる。
 ひどい場合は、飼い主が犬をつれて突然エレベーターに乗ってきたり、犬を抱え
てバスに乗り降りするなどして、市民の反感を買っている。
 都市の犬問題で被害を受けている市民は少なくない。
 北京市の小西天一小区に住む李華さんは、毎夜会社からの帰宅途中、うっかりす
るとすぐ犬の糞を踏んでしまうという。また、間もなく古希となる彼の母親がある
とき外出しようとすると、大きな犬が通路で突然飛び走り出てきて、驚きの余り動
けず危うく転倒しかけたという。
 アジア・オリンピック村付近の一小区の管理人の話では、オーナーからは、夜に
近所の犬が吠え声で目が覚めるなどの苦情がたびたび寄せられるという。
 本紙の調べでは、北京市では近年、犬の飼育数の過剰や違法な飼育によって、市
の景観、近隣トラブルなどの問題、社会的な公安にかかわる事件が頻発している。
中でも狂犬病は市民にとって大きな不安の種になっている。
 北京市衛生局のデータによると、今年1月から6月までに北京市で45カ所の狂犬病
の免疫・予防科の診療に訪れる人の数が急増している。1月の8000人余りから、6月
には1万5000人余りまでふえた。
〈犬の問題は人の問題〉
 犬が引き起こす数々の問題は、中国の都市で犬を飼う人間の教養・道徳の低さを
物語っており、政府の管理上の欠陥をも映し出している。
 本紙の調査では、北京、上海、広州などの都市では犬の飼育管理条例を制定。飼
い犬を登録、管理している。
 だが、すべての犬の飼い主が自発的に主管部門へ犬の飼育を申告しに来るわけも
なく、登録されていない犬、1世帯での多頭飼いなどの問題が目立つ。
 北京市が犬の飼育について実施した統計によると、2006年に北京市が登録・調査
した犬は55万匹余り。前年に比べ9万匹余り増加した。ただ、結局のところ、どの
くらいの犬が未登録なのかを、明確に把握できる部門がない。
 9月初めから現在までだけでも、北京市警察が検挙した犬の違法飼育件数は2000
件余りに上る。うち収容・一時預かりとなった大型犬は773頭、罰金は5万6000元。
このほかにも、飼い犬が他人に重症を追わせたため飼い主1人が拘留された。
 管理・監督責任の不在は、都市で犬問題が急速に蔓延した重大な原因となってい
る。
 業務の分担を見ると、人のワクチン接種などは衛生部門が管理し、動物の免疫ワ
クチン接種は農業部門の所属下にある畜牧獣医站が担当する。また、動物の登録は
都市管理または公安部門の担当で、狂犬病ワクチンの生産・運営は薬品監督部門が
管理する。工商部門はペットの販売、ペット市場など環境面の規制を担当している。
 それぞれが各自の管理体制を敷いており、「すべてが管理しているが、どれも不
十分」というのが現状だ。犬問題の処理に向けた協力体制はできていない。
 野良猫、野良犬は都市管理で手を焼く問題の一つである。
 北京市小動物保護協会によると、町、公園、学校などを徘回する野良猫・野良犬
の数は、現時点で少なくとも40万匹。このほとんどは人が捨てた犬猫だという。
 管理・監督が行き届かなくなり、大量かつ無秩序な繁殖するため防疫も難しく、
都市の公共衛生上の安全性の隠された深刻な問題となっている。それにもかかわら
ず、野良猫・野良犬の管理に明確に責任を負う部門はいまだ存在していない。
〈犬問題の解決に猶予なし〉
 都市部の犬問題は日増しに深刻化し、市民の犬の飼育に対する抗議の声は強まる
一方だ。今年9月末には、著名な学者である周汝昌氏、油絵画家の馮法祀氏など9人
の学者が連名で北京市に書簡を送り、違法な犬の飼い主を厳罰に処すよう提案して
いる。犬の違法飼育は一種の災害で、都市の犬問題の対処にはもはや一刻の猶予も
ないとの認識を示した。
 北京市飼犬管理専門対策作業指導チーム弁公室によると、北京市は飼犬管理専門
の法の執行チームを設立し、犬の遺棄が集中する朝と夜を中心に、繁華街、住宅街、
街路などに重点を置き、重点管理地区の大型犬、無鑑札犬、多頭飼い犬、違法な放
置犬などの問題に対する法的取り締まり、検査を強化する。
 北京市の家畜獣医総站の韋海涛・所長によると、飼い犬管理の強化、狂犬病予防
に対する根本的な対策は、犬の免疫を強化することであるという。犬の免疫は政府
の取り組みだけでなく、犬の飼い主が積極的にかかわらなければならない。そうで
ないと、人が免疫のない犬にかまれたらどうなるのか、想像もできないとしている。
 現在のところ、北京市内の8区に91カ所のワクチン集中接種拠点を設け、郊外区・県
の10カ所でも186の出張所を設け集中的にワクチン注射を実施している。
 防疫担当者による責任分担制を敷き、地域社会や村で免疫対策を実施したことに
より、鑑札のある犬の免疫率は基本的に100%になったとしている。
 韋所長は、「犬問題の対処には多くの部門が関与するため、政府が統一的に指導、
指揮をすべき」と指摘する。
 「狂犬病の予防広報・教育を強化し、飼い主に対し、飼育数を少数にとどめるこ
と、囲い飼いをし、犬をつなぐなどのほか、ペットを「計画的に飼育」するよう教
育する必要がある」という。
 さらに、「一種の徘回するペットの処理規制を設け、収容後、一定時間を過ぎて
も引き取りがなかった動物は、国際上の慣例に倣い安楽死させるべきだ」と述べた。
〔新華網10月25日〕

黒龍江のイノシシ捕殺100匹の許可に市民1万人が反対署名

 黒龍江省林業庁が鶏西市に、23日から年末までイノシシ100匹の捕獲を許可した。
22日、1万人近いハルビン市民が「イノシシ捕殺禁止」の署名を始めた。
 統計によると、黒龍江省のイノシシの数は2000年3.6万匹から今年7万匹くらいま
でふえた。2000年から現在まで、黒龍江省ではイノシシによる傷害事件が50件以上
発生している。鶏西市内では約600匹から700匹のイノシシがおり、イノシシによる
傷害事件も多くなっている。
 10月19日、鶏西市は黒龍江省林業庁からの鶏西市のイノシシ捕殺に関する返答を
受け、イノシシ100匹の捕獲を許可された。鶏西市林業局はすぐ管轄する3県6区の
林業部門責任者を通知して会議を招へいし、イノシシ捕殺計画を作成した。
 特別対策として、林業行政部門は現地の公安部門とともにイノシシ捕殺チームを
つくり、林業部門はその資格審査を受け、イノシシ捕殺を行う。同時に、各部門で
は、大衆への広報を行い、村民が積極的な情報提供を呼びかけ、林業部門と公安部
門が連携してイノシシ捕殺活動を行う。
 人身安全を確保し、これをきっかけにした他の野生動物捕殺を避けるために、鶏
西市林業部門はすべてのイノシシ捕殺者に研修、資格審査を求め、捕殺後のイノシ
シは統一的に登録して処置することにする。私的にイノシシ捕殺したり、イノシシ
を密売したりしたときには、野生動物保護法により厳重に処理される。
 この動きに対し、22日午前、青年環境保護組織「緑色龍江」の30人余りのボラン
ティアがハルビン市中央大街で「野生動物を保護し、人と自然の調和を取ろう」と
いう環境保護キャンペーンを行った。広報、宣伝、署名によって市民に「イノシシ
保護、動物愛護」を唱え、この日、1万人近い市民が「イノシシ捕殺禁止」に署名
した。〔法制日報10月24日〕
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