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迫り来る金融不安

中国建設銀行 リーマン破綻最大の被害者 債券保有残高2億米ドル弱

 中国建設銀行は9月19日夜、公告を発表し、同日までの中国建設銀行及びその傘
下会社(以下、本グループ)が保有する米リーマン・ブラザーズ関連の債券がシニ
ア債1億4140億米ドルとジュニア債5000万米ドルの総額1億9140億米ドルに上ると明
らかにした。
 公告によると、本グループが保有するリーマン・ブラザーズ関連の債券は本グル
ープの総資産の0.019%、純資産の0.29%を占めるという。(いずれも2008年6月30日
現在)
 中国建設銀行は、「引き続き事態の進展を注視し、発生し得る損失額の評価を慎
重に進めて引当金の準備をする。また、自行の法的利益の最大限の保全に努める。
リーマン・ブラザーズ関連の事件で、中国建設銀行の財務状況に深刻な影響が生じ
ることはないと見込んでいる」としている。
 このほか、新快報の9月20日付報道によると、中国系銀行の中でリーマン・ブラ
ザーズの破綻による被害が最も大きかった銀行が19日、明らかになった。
 公開されたマーケット情報によると、中国建設銀行が保有するリーマン・ブラザ
ーズの債券の残高は同行の純資産の0.29%相当の1億9140億米ドル(シニア債1億4140
億米ドル、ジュニア債5000万米ドル)で、中信銀行のリーマン・ブラザーズに対す
るリスクエクスポージャーが7600万米ドルだった。両行とも現在のところ、貸倒引
当金を計上していないという。
 リーマン・ブラザーズの債券に関するデータを公表している中国系銀行は7行。
公告による各行の債券保有残高と資産に占める割合は以下のとおり。
1) 中国工商銀行(国外拠点を含む) 債券及びクレジット・リンク債 総額1億
 5180億(当該グループの総資産の0.01%相当)
2) 中国交通銀行 債券 7002万米ドル(総資産の0.02%相当)
3) 中国銀行 債券 7562万米ドル(総資産の0.01%相当)
4) 中国招商銀行 債券7000万米ドル (-)
5) 中国建設銀行 債券 1億9140億米ドル(純資産の0.29%相当)
6) 中信銀行 リスク債権残高 7600万米ドル
7) 中国興業銀行 債券 3360万米ドル(-)
 中国工商銀行、中国交通銀行、中国銀行、中国招商銀行の4行は具体的な金額を
開示しており、4行で総額3億3000万米ドルに上っている。債券の残高の総資産に占
める割合では交通銀行が最大となっている。
 中国興業銀行や中国華夏銀行はリーマン・ブラザーズの債券の保有額は比較的少
ない。興業銀行は3360万米ドル、華夏銀行は小額だとしている。
 中国系銀行へのリーマン破綻による影響については、中国人民銀行の馬徳倫・副
行長がこのほど中国系雑誌「金融時報」のコラムで、「米国の金融危機が中国に与
える直接的な影響はさほど深刻ではない」との見解を明らかにしている。中国の銀
行による国際取引の規模は大きくなく、劣後債で100億米ドル未満と見込まれている。
〔中国経済網2008年9月20日〕

物価変動への対応力が高まり、銀行貯金が大人気

 中国人民銀行が22日発表した第3四半期全国都市部預金者向けアンケート調査に
よると、現在の物価水準と利率水準のもとで、株とファンド投資が一番割がいいと
思っている住民は8.2%で、前四半期より8.6ポイント減と4期連続の減少となった。
その下げ幅が8ポイントを上回ったことで、昨年第3四半期の最高値44.3%に比べ、
今四半期に株とファンド投資をする意思を持つ人の数はわずか5分の1にとどまり、
銀行貯金は再び人気を博した。
 今四半期の調査によると、43.8%の住民は、現在の物価と利率水準では貯蓄が一
番割がいいと思っていて、その割合は前四半期及び前年同期に比べて、それぞれ5.7
ポイント増、18.5ポイント増で、史上最高を記録した。6割(63.2%)以上の家庭の
主要金融資産は「貯蓄貯金」となり、この割合は昨年の第3四半期から4期連続上昇
し、累計で12.8ポイント増加した。
 調査によると、第3四半期都市住民の今期収入に対する満足度は15.3%で、前四半
期及び前年同期に比べて、それぞれ2ポイント減、5.7ポイント減だった。これから
の収入に対する自信の度合いは19.3%で、前四半期及び前年同期に比べて、それぞ
れ1ポイント減、4.7ポイント減だった。この二つの指標はいずれも2006年最低の水
準に陥った。
 今期の収入が「増加」したと思う住民は24.8%で、前四半期及び前年同期に比べ
て、それぞれ1ポイント減、3.8ポイント減だった。次の四半期の収入が「予測しづ
らい」と思っている住民は10.6%を占め、前四半期及び前年同期に比べて、それぞ
れ1.1ポイント増、0.4ポイント増だった。次の四半期の収入が「増加」すると思っ
ている住民は24.5%になり、3期連続減、下げ幅は累計で4.9ポイントとなり、住民
の収入増に対する自信が少なくなっている。
 中央銀行の調査によると、「物価が高過ぎて、受け入れられない」と思っている
住民は前四半期の4.2ポイント減の上に、さらに4.5ポイント減少し、累計で8.7ポ
イント減となった。これに対し、「物価がやや高いが、受け入れられる範囲にあ
る」と思っている住民は前四半期の4.1ポイント増に続き、さらに4.2ポイント増加
し、累計8.3ポイント増となった。住民の物価変動への対応力が徐々に高まりつつ
ある。
 住民の次の四半期の物価変動に対する予測では、物価が上昇すると予測した住民
の割合は依然として高く42.8%だったが、前四半期より7.8ポイント減少した。さら
に、前年同期と比べ18.6ポイントも減少して、ここ2年の最も低い数値となり、住
民のインフレ予測も緩和されている模様である。
 住宅購買意欲の調査によると、今後3カ月に住宅を購買する予定である住民数は
13.3%で、前四半期及び前年同期に比べて、それぞれ1.8ポイント減、2.8ポイント
減と、さらに1999年度調査開始以来の最低レベルを更新した。
 調査を行った7つの都市において、北京、上海、天津、広州などの大都市では今
後3カ月の住宅を購入する予定のある人は10%に満たず、全国平均を下回った。
〔証券時報2008年9月23日〕

広東住民の貯蓄回帰現象顕著

 今年以降、株式ファンドが暴落し、広東人の投資への情熱が抑制されている。広
東省統計局が発表した資料によると、遊休資金を銀行に移しており、昨今の広東人
には次善の策はないようだ。
 統計資料によると、今年以降、広東銀行の預金残高は右肩上がりにふえている。
8月末、広東省全体の都市・農村住民の貯蓄残高は2万5772.76億元と14.1%増となり、
増加幅は前年比11.0ポイント上昇し、預金への回帰現象が顕著となった。
 また、8月末の広東省の内資、外資の金融機関の人民元、外貨預金残高は5万
3649.90億元に達し、13.4%増となった。貸出残高は3万3105.47億元で10.7%増とな
った。〔新華網2008年9月21日〕
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―――――――――――――――――――――――――――― 李 年古 著 ―
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