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国際収支の黒字構造と内外投資動向

上半期 国際収支、資本収支いずれも黒字幅減少

 国家外国為替管理局は15日、2009年上半期の国際収支並びに「2009年上半期国際
収支報告」を発表した。
 統計では、2009年上半期の国際収支における経常収支、資本収支は黒字であった。
しかし、黒字幅は一定程度減少し、それぞれ経常収支は30%減、資本収支は15%減で
あった。
 外国為替管理局は、下半期は外貨の流入が続き、国際収支の大幅な黒字構造は変
わらないとし、年間の国際収支の状況は過去数年比では改善すると見ている。
 国家外国為替管理局は8月20日の段階に公式ホームページで2009年上半期の国際
収支の概算データを公表していた。このたびのデータは何度かの修正を行った後の
データである。
 このデータによれば、2009年上半期、国際収支における貿易収支の規模は減少し、
対外経済活動は減速している。国際収支における貿易収支は1.8兆米ドル(前年比
27%減、前年同期(2008年上半期)比25%増)であった。対GDP比は86.8%(前年同期
比44.7%減)である。
 2009年上半期、国際収支の黒字幅は1955億米ドル(前年比26%減、前年同期比4%
増)であった。そのうち、経常収支の黒字は1345億米ドル(30%減、前年同期比18%
増)であった。資本収支は610億米ドルの黒字で15%減だが、減少幅は前年同期比5%
改善した。
 このたびの経常収支の黒字幅減少は、最近数年来において初めて出現したもので
ある。
 商品貿易において外需が引き続き低迷、国際商品市場価格も前年比で下降し、中
国国内経済の成長も鈍化した。商品貿易輸出及び輸入はともに長年にわたり成長を
続けてきたが、減少となった。
 2009年上半期、国際収支統計によれば、貨物輸出は5213億米ドル、輸入は4023億
米ドルで、それぞれ対前年同期比22%減、25%減であった。貨物貿易の黒字は1190億
米ドル(10%減、前年同期比8ポイント拡大)であった。これと同時に、サービス貿
易の赤字は167億米ドル(4.1倍増)となった。
 資本収支については、2009年上半期、直接投資の黒字は156億米ドル(前年同期
比62%減)であった。国際資本移動の規模が収縮したことで、外国からの直接投資
の流入は289億米ドル(61%減)であった。中国からの海外直接投資は133億米ドル
(60%減)であった。証券投資は、2007年下半期以降、正味で流入状態が続いてい
るが、上半期で202億ドルの入超(前年同期比2%増)であった。
 「2009年上半期中国国際収支報告」では、国際経済の安定化に伴い、中国国内経
済にもよい影響が出ており、第2四半期の国際収支は幾分回復し、資本の集中流出
圧力が軽減しているが、大規模な回復現象はなお明確でないとしている。下半期に
ついても、外貨の流入は増加するであろうと展望している。
 銀行が14日に発表したデータによれば、外貨準備は依然として急増している。外
貨準備額は2兆2726億米ドル(前年比19.26%増)となった。
 中国社会科学院世界経済・政治研究所の張明研究員は以前、中国国内の流動性の
状況、資産価格の今後の傾向、人民元切り上げ予想の再度の強まり、米国経済のリ
バウンドの継続等の要素を総合的に考慮すれば、ホットマネーは2009年下半期ある
いは2010年上半期に至っても流入し続けるであろうと指摘している。
〔経済参考報2009年10月16日〕

上半期 中国の海外直接投資は前期比6割減

 2009年上半期、中国の海外直接投資は133億米ドル、対前年同期比60%減少となった。
 内訳は、海外直接投資の撤退・清算による還流が12億米ドル(28%増)、対外投
資分が145億米ドル(58%減)であった。
 国家外貨管理局が発表した「2009年上半期中国国際収支報告」で理解したところ
では、金融及び非金融部門の対外直接投資はひとしく減少傾向を示している。
 2009年上半期の中国の非金融部門の海外直接投資は125億米ドル(51%減)、金融
部門の海外直接投資は20億米ドル(76%減)であった。
 投資地域を見ると、非金融直接投資は順にアジア、欧州、アメリカ州、アフリカ、
オセアニアとなっている。金融部門の対外投資は香港、イギリス、アメリカ等金融
市場が比較的発達している地域に集中している。〔上海証券報2009年10月16日〕

上半期 海外から証券投資流入 前年比147%増

 国家外国為替管理局が15日発表した報告によると、上半期中国の国際収支は引き
続き「双子の黒字」を維持したが、黒字の規模は明らかに減少した。上半期、国際
収支の黒字幅は1955億米ドルで、前年比37%減であった。
 具体的に見てみると、上半期の経常収支の黒字は1345億米ドルで、前年比30%減
であった。
 資本収支の黒字は610億米ドルで、前年比15%減だった。そのうち、直接投資の流
入は156億米ドル、証券投資の流入は202億米ドル、その他の投資の流入は239億米
ドルであった。
 データによると、上半期の中国証券投資の流入額は前年同期比2%上昇した。その
うち、中国の対外証券投資の還流が77億米ドルであった。前年同期は148億米ドル
であった。海外からの対中国証券投資の流入は125億米ドルで、前年同期比147%増
であった。
 対外証券投資のうち、対外株式証券投資の流出は9億米ドルで、前年同期比2%増
であった。対外債務証券投資の流入は86億米ドルで、46%減だった。
 中国の対外証券投資が還流してきている主要因は、第一に、国際金融市場の激動
の状態がやや緩和されたとはいえ、対外証券投資のリスクは依然として大きく、中
国国内機関が対外証券投資を継続的に減らしていること。
 第二に、中国国内企業の外貨ニーズを満たすため、商業銀行が海外証券に一部投
資していた資金を中国国内に入れて運用していることである。上半期の新規に増加
した外貨残高が154億米ドルという状況のもと、中国国内の外貨貸し付けは517億米
ドルに増加した。
 上半期の海外からの証券投資の流入が前年同期比147%増加した主要因は、海外機
関がバンク・オブ・アメリカが販売した中国建設銀行H株の一部を購入したことで、
海外の中国証券投資をふやしたためである。
 第2四半期の中国国内証券市場に温かさが戻ってくるに伴い、海外投資者は徐々
に中国の証券投資をふやしており、上半期の適格国内機関投資家(QFII)の資金流
入は16億米ドルであった。前年同期は0.7億米ドルの流出だった。
 外国為替管理局は報告の中で、次の段階では引き続き資本流出のルート拡大を重
点とし、資本収支の外貨管理改革を着実に推進すると言及している。企業グループ
の外国為替資金の国内の集中運営範囲を拡大し、適格国内機関投資家(QDII)制度
実施を推進し、かつQDII投資の規模を拡大し、関連部門の連携のもと、積極的に政
策性銀行による海外人民元貸し付けの対外発行を推進する。
 これと同時に、さらに越境資金のバランス管理を強化する。サービス貿易の外国
為替収支の真の許認可管理を規範化し、対外保証管理弁法を修正整備し、金融機関
の短期外債指標査定方式を改善する。国際収支リスク早期警戒システムの建設を強
化し、情報システム試験を統合し、越境資金統計モニタリングシステムを整備する。
〔証券時報2009年10月16日〕
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