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労働者の移動に伴う戸籍の矛盾

上海 青少年の居住人口892.1万人

 市統計局が28日発表した第6回全国人口センサスでは、2010年、上海の青少年
(満14―満35歳)居住人口は892.1万人に達し、市全体の居住人口総数の38.7%を
占めた。そのうち、上海戸籍を持つ青少年居住者が388.49万人、上海外部から来
た青少年居住者が503.61万人で、それぞれ上海の青少年総数の43.5%と56.5%を占
めた。
〈20歳から29歳の人数が最多〉
 2010年、上海青少年常住人口を2000年第5回人口センサスと比較すると、306.6
万人の増加となった。市全体の居住人口総数に対する青少年の割合は、2000年と
比較して3ポイントの上昇となった。
 青少年のうち、低年齢層(満14―満19歳)の人数は相対的にやや少なく、全体
の13.8%を占めた。中年齢層(満20―満29歳)は最多で58.2%を占め、高年齢層
(満30―満35歳)は28%を占めた。
 第6回全国人口センサスによれば、上海市の青少年で在学中の学生が14%、卒業
後が84.7%を占めた。
 上海青少年人口のうち、小学校以上の学歴を持つ者が96.9%を占め、中でも、
短期大学、四年制大学、大学院生等、高等教育を受けている割合は36.9%に達し
た。青少年人口は、その他の年齢層と比べ、教育レベルが明らかに高かった。
 上海戸籍を持つ青少年の高学歴者の割合は、外部から来た青少年のそれより高
かった。上海戸籍の青少年の学歴は短大卒以上に集中し53.7%であるのに対し、
外部出身者の学歴は中卒に集中し54.8%であった。
〈労働者のストレスが比較的大きい〉
 労働に従事する青少年のうち、労働時間が毎週44時間以下の青少年は68.1%で、
毎週44時間を超えていたのは31.9%だった。中でも、毎週の労働時間が50時間を
超えていたのは16.4%だった。
 上海外部から来た青少年の仕事にはより大きな負担がかかっている。上海外部
から来た青少年のうち80%以上は、調査時現在の直近1週間は労働していた。中で
も、4割近くは毎週の労働時間は44時間以上であった。約2割は毎週の労働時間が
50時間を超えていた。
 青少年労働人口の産業種別ごとの従事者は、すべて外来常住人口が上海戸籍常
住人口を上回った。第一次産業250:100、第二産業286:100、第三産業119:100
だった。外部から来た青少年には、従来型産業の従事者が比較的多く、同時に管
理・専門技術・金融等の業種でも一角を占めた。
〈上海戸籍の青少年、初婚は比較的遅目〉
 上海市の青少年初婚年齢は主に20―24歳に分布し、配偶者を持つ人数の56%を
占めた。外来人口では、男女の初婚年齢のピークが20―24歳にあるのに対し、上
海戸籍の人口の初婚年齢は主に25―29歳に分布している。未婚人口と結婚人口は
基本的に均衡している。また、この年齢層の人口の婚姻関係は比較的安定し、離
婚の割合はわずか0.7%であった。
〔文匯報2011年11月29日〕

利便性の向上 人戸分離登録を推進

 上海市は現在、居住地と戸籍所在地の分離登録(以下「人戸分離」登録)を推
進しており、戸籍所在地と実際の居住地が異なる市民は実際の居住地を登録する
ことで関連の公共サービスを受けることができる。これは利便性向上の措置であ
るとともに、公共資源の分配に有効で、かつ社会管理効率を向上させる措置と言
える。
 社会管理には公衆の参加が必要不可欠であり、このように広範囲に影響を及ぼ
す新政策を推進する過程においては、実情を十分に考慮し、最大限市民の便宜を
図り、その制度利用の積極性を奨励して、初めて理想的な効果が得られる。
 この「人戸分離」現象は、経済社会の発展に伴い、都市化が加速し、戸籍登録
制度が追いつかず、関連施策が不十分であったことに由来している。
 その原因は複雑であるが、この現象は中国の大都市においてもはや普遍的なも
のとなっており、統計データによると、2010年現在で、北京市全人口のおよそ4
割が「人戸分離」の状態である。
 また、第六回人口センサスのデータによれば、上海市の「人戸分離」人口は、
2000年の224.97万人から、2010年には上海市全人口の27.4%を占める384.14万人
にまで増加しており、深セン、広州などもおおむね同水準である。
 厳密に言えば、「人戸分離」には異なる地域での居住と戸籍の分離と、同都市
内での分離の2つの状況に分けられるが、いずれにしても、一般的に、公共管理
と社会福祉は戸籍とは切り離せないものであるため、「人戸分離」人口は、往々
にして公共サービスを受けづらい状態にある。
 例を挙げれば、目下多くの学校では学区制による就学指定制度をとっているが、
生徒募集範囲は主に戸籍所在地によって決められるため、学校の隣に住んでいな
がら、戸籍が当該地にないために入学資格を失う市民もいる。
 目下、居住証を持っている上海外部から来た市民は既にその居住地によって学
校を選ぶことができるが、上海戸籍を有する市民に対しては、いまだそれが可能
となっていない。
 「人戸分離」登録後はこれらの問題が解決する見込みであり、学校は、地域の
サービスセンターを通じて生徒募集範囲内に居住する適齢児童を調査するだけで
募集生徒数を決めることが可能となり、教育部門もこのデータによって生徒を配
分することができ、また、子供たちも、はるばる遠方の学校に通う苦労をせずに
近隣の学校に入学することができる。
 同様のメリットは、低所得者向けの分譲住宅の申請や地域の老人看護サービス
等にも見込まれるが、これらは社会管理者と住民双方にとって大いに利益がある
と言える。
 しかしながら、「人戸分離」登録を確実なものとする方法に関してはまだ考慮
する必要がある。
 メディアの報道によると、「上海市戸籍人戸分離人員居住登記試行弁法」が11
月29日に正式に施行されたが、上海市民の「自主的な人戸分離登録」に対する積
極性は低く、2010年に試験的に実施された楊浦区、宝山区、嘉定区の5つの地域
を除き、地域の専用窓口の多くがいまだ登録の申請を受理していない。
 市民が「人戸分離」登録に対して積極性を欠いている原因を分析するのは難し
いことではない。
 原因としては、まず「人戸分離」登録が利便性向上を目的としていることに対
する宣伝が十分でなく、市民が登録のメリットを理解していないという点が挙げ
られる。
 次に、初期の宣伝において、公共サービスを詐取した者に対する処罰が強調さ
れたことによって、一部の市民に不要な懸念が加わったことが挙げられる。
 また、多くの専用窓口では準備が不足しており、その業務すら開始されていな
いことも要因の一つである。
 登録者のプライバシーを保護し、不動産代理店を通じて登録を行う等の方法に
よってサラリーマンの便宜を図るなど、一部の施策は継続して推進する価値がある。
 よい政策は有効的に実施されなければならず、公衆の理解と協力が必要不可欠
である。「人戸分離」登録が公共管理の効率向上の成功例として手本を示すこと
が望まれる。〔解放網―新聞晩報2011年12月1日〕
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