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債務増加に潜むシャドーバンキング問題

審計署 地方政府の債務状況「サンプリング調査」 2年で12.94%増

 中華人民共和国審計署は2011年に中国の地方政府性債務の「全数調査」状況を発
表したのに引き続き、2012年11月から2013年2月にかけて、36地方政府の2011年以
降の政府性債務状況に関する「抽出調査」を実施、6月10日監査結果を発表した。
 監査の結果、上述の地方政府の債務総額がこの2年間で12.94%増加していること
が明らかとなった。
 審計署財務審計司の責任者によれば、今回の監査は地方政府性債務増加の変化状
況について調査し、債務管理において新たに発生した状況や問題点、潜在的リスク
を明るみに出すことを目的としている。
 監査は、15省、3直轄市政府と、これに属する15省都政府、3市轄区を含む903政
府部門・機構、223融資プラットフォーム会社、1249経費補助事業団体、83公共事
業団体、その他団体273団体、プロジェクト2万2240件、合計7万5559件の債務を対
象に行われた。
 監査によれば、2012年末、36地方政府の政府性債務残高は、2010年比12.94%増の
3兆8475.81億元に達した。
 債務が形成された年度でいえば、2010年以前の借入額が2兆748.79億元で全体の
53.93%を占め、2011年が6307.40億元で16.39%、2012年が1兆1419.62億元で29.68%
を占めている。
 融資プラットフォーム会社と地方政府部門・機関が依然として主な貸付先であり、
銀行による融資と債券発行が主な資金源となっている。
 債務資金の用途として、交通運輸、保障性住宅(政府が低中所得世帯に提供する
賃料を限定した住宅)、土地使用権の取得や都市行政による債務支出が増加してき
ている。〔新華網2013年6月10日〕

シティバンク 中国の地方政府債務は約12兆元 GDPの23%

 国家審計署が6月10日発表した36地方政府の2011年以降の債務監査結果の発表で、
地方政府債務総額に関する臆測が再び注目されている。
 シティバンクが発表した最新報告では、国家審計署が発表した一部地域の地方政
府債務データをもとに推計すると、2012年の地方政府債務総額は約12.1兆元で、2010
年に審計署が発表した10.7兆元より約1.4兆元増加した。
 「このような全体の債務比率は深刻なものには見えない」シティバンクは報告で
このように評価している。
〈GDPの約23%〉
 ロイターの報道によると、シティバンクが上記の12.1兆元という判断をした理由
は、以下のとおりである。
 政府が抽出調査した36地方政府債務残高は過去2年間で13%増となり、仮に、他の
地方政府債務の増加速度が同等であれば、昨年の年間の地方政府債務総額は約12.1
兆元となる。これは、シティバンクが推計する12.2―16.0兆元の間の低位に当たる。
 審計署が発表した審計報告では、2012年末現在、抽出検査した36の地方政府の当
該政府レベルの債務残高は3.8兆元を上回り、2010年よりも4409.81億元ふえ、12.94%
増となっている。
 国家統計局が先般発表したデータによると、2012年の中国国内総生産(GDP)は
51.93兆元である。つまり、シティバンクの推計に照らせば、目下の地方政府債務
はGDPの約23%を占める。
 シティバンクによれば、2012年政府債務残高全体はGDPの210%―220%であるが、
この水準は世界の10の主要経済国に比べてはるかに低い。
〈予測結果は低めに見積もった?〉
 シティバンクのこのような推計結果は、これ以前にあった情報に比べて、明らか
に信頼度があることに注目したい。
 今年3月、華秦証券が発表した報告によると、地方政府債務金額は2011年に13.2
兆元、2012年に15.3兆元に達し、2013年に16.3兆元に達すると予想していた。
 2012年末までの具体的な債務構成状況では、華秦証券を例に出すと、地方政府傘
下にある融資プラットホームによる貸し出しが9.3兆元、都市投資債券残高が1.77
兆元、信託企業と地方政府の協力が5016億元、保険資金のインフラ投資が3240億元、
中央発行による地方債が6500億元、上級レベル政府からの借り入れが6800億元、そ
の他の借り入れが1.59兆元であった。
 今年4月、国際三大格付機関の一つであるフィッチ・レーティングスは、中国の
長期自国通貨建て格付を「AAマイナス」から「Aプラス」に引き下げた。
 フィッチはその理由として二点を挙げている。一つは、中国のシャドーバンキン
グの規模が拡大していること、もう一つは、地方政府債務問題である。
 フィッチは、2012年末で、地方政府債務は12.85兆元に達し、GDPの25.1%に相当、
2011年末の23.4%を超えたと予想している。
 「2012年末の中国政府の債務全体はGDPの49.2%に相当し、Aランクの中位値の51.2%
よりそんなに乖離していない。したがって、中国の公共債務状況は言われるほど弱
くはないが、フィッチが格付を行うその他の国家ほど平穏とは言えない」
 先月、国際通貨基金(IMF)が中国経済を検査をした後の記者会見で、地方政府
の融資プラットホームを含め、中国政府債務は既にGDPの50%を占めるに至っている
が、2012年にはこのような割合は10%前後であったため、リスクは過小評価できな
いと呼びかけた。
 今年3月24日、財政部の楼継偉部長は中国ハイレベル発展フォーラムの席上で、
財政部は、地方債に関する調査研究を行う部署で、審計署の統計による11兆元の債
務をもとに、明示的、非明示的、確定、偶発債務を分類し、リスクを分析し、部門
別に政策を講じ、地方政府債務拡張の趨勢を食いとめると表明している。
〔東方早報2013年6月12日〕

S&P 中国企業債市場 2015年米を超え世界最大に

 スタンダード&プアーズ(以下S&P)がこのほど発表した報告によると、今後2年
内に中国非金融機関の社債市場規模は米国を抜いて世界最大となり、その後、米国、
ユーロ圏を合わせた規模を超える見込み。
 2014年末の社債発行による資金調達額は、中国非金融企業13.8兆米ドル、米国企
業13.7兆米ドル。経済成長率をもとにすると、中国は2015年、上述の債務規模をも
って米国を超えることが予測されている。
 2017年末の中国企業の社債発行額は、今後5年間に世界の企業が新たに発行する
社債及び追加融資需要の3分の1を占める18兆ドルに達する。
 2012年末、世界全体の24%を占めていたEUの社債規模は今後5年内に20%にまで縮
小する。現在、中国の社債規模はEUと同等レベルだが、2017年末、少なくともEUを
50%上回ることが予想される。
 S&PのJayan Dhru取締役社長は「単純にその規模から見て、中国社債市場には伸
びしろがあるが、負債もまた今後30年間中国の経済成長において憂慮される点であ
る」としている。
 S&Pの報告によれば、サンプリングされた32主要経済国に対する調査の結果、投
資生産性の低さから、中国の経済調整リスクは最も高いとされている。ランキング
の上位100位を占める中国大企業の約8割は国有企業である。S&Pは、これら非金融
企業の金融リスクの結果から、平均的リスクマネジメント能力は低いと予測している。
 ゴールドマン・サックスは4月上旬、2013年中国の融資総額はGDPの240%にまで増
加し、さらに増加が加速するとの予測を示した。〔和訊網2013年5月15日〕
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