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インターネットとモバイル利用のイノベーション

烏鎮 第二のダボスなるか 第1回世界インターネット大会

 1987年、世界経済フォーラムの開催地として、スイスの名もない田舎町であるダ
ボスが世界の名声を博した。
 11月19日から21日にかけて、中国の烏鎮(浙江省嘉興市桐郷市)で第1回世界イ
ンターネット大会が開催され、第2回以降も同大会はこの地で行われる。
 江南水郷地域のこの小さな町は、インターネット経済の波に乗り、第二のダボス
となれるのだろうか?
〈なぜ烏鎮なのか?〉
 中国国家インターネット情報弁公室と浙江省人民政府が主催した第1回世界イン
ターネット大会は、中国最大規模、最高ランクの大会である。それが、なぜ烏鎮で
開催されたのか。
 中国国家インターネット情報弁公室の魯〓曽室長によれば、開催地を選定するに
当たり、専門家グループは以下の条件を提示した。
1) インターネット経済が比較的発展している
2) ダボスのような小さな町であり、インターネットの魅力を示すことができる
3) 中国数千年の伝統文化を代表する町である
 これらの条件を比較検討した結果、烏鎮が最適であるとの結論に至ったという。
 「烏鎮は中国江南水郷地帯の町の手本である」浙江省桐郷市委員会の盧躍東書記
によれば、烏鎮は歴史と文化に名高い町であり、7000年の歴史を持ち、水路が網の
目のように町をめぐり、完全な形で保存された明清代の建築や、茅盾、豊子ら著
名人の旧居が今も残されている。
 近年、烏鎮では昔ながらの生活が維持される一方で、インターネットを活用した
生活方式も浸透し始めている。
 多くの店舗でモバイル決済サービス「アリペイウォレット」を使用した「バーコ
ード支払い」がはやっており、観光地での宿泊、チケット手配、サービスプラン、
特産品等一連の情報をネット上で簡単に検索でき、観光客はPC、携帯端末でインタ
ーネットショッピングができる。
 「世界インターネット大会が烏鎮で開催されたことは、現代のインターネット技
術と中国社会の融合発展の象徴である」(盧躍東書記)
〈コンベンション産業の実力〉
 2007年、烏鎮西柵風景区開放当初、コンベンション産業は将来的な発展の指針と
された。この小規模な町の風景区に大小合わせて100余りの会議室が設けられ、2013
年のみで700回以上、1日平均2回の会議が行われた。中仏年次総会、マイクロソフ
ト大中華区年次総会等もこの烏鎮で開催された。
 第1回世界インターネット大会を開催するに当たり、大会におけるネットワーク
通信の安定性を確保するため、メーン会場内のインターネットセキュリティーはア
ップグレードされ、携帯電話400台による4G無線通信システムの高負荷ストレステ
ストも実施された。
 外郭会場の情報技術、通信ネットワーク等の改良及びアップグレードはほぼ完了
し、4Gネットワークは既に当該地区全体をカバー、5万人が同時に4Gネットワーク
を介してインターネットを利用することが可能となっている。
 第1回世界インターネット大会には、中国インターネット三大大手「BAT」(百度、
アリババ、テンセント)の創始者である、馬雲氏、馬化騰氏、李彦宏氏を初め、網
易の丁磊氏、新浪の曹国偉氏、奇虎360の創始者斉向東氏、京東の創始者劉強東氏
ら、ネット業界の大物が集った。
 烏鎮は現在、彼ら名立たる有名人の制作オフィス建設を検討しており、彼らの研
究開発した新製品を今後烏鎮から発信したい考えである。
〔新民晩報2014年11月17日〕
注)〓は、ひへんに「韋」

マッキンゼー 中国の次の経済奇跡はインターネットから

 6.32億のインターネットユーザーを擁する中国は既に世界最大の電子小売市場と
なっており、2013年に発表された売上高は3000億米ドル近い。デジタル市場は既に
中国の小売業の枠組みを変えているが、その他の重要な部門(製造業や医療業界)
のインターネットへの共感が薄く、変化はゆっくりとしている。
 中国のデジタル化は始まったばかりなのだが、つまり、その意味は、今後数年に
おいて、世界第2の経済体が根本からそのビジネスモデルを変化させるということ
である。
 米誌フォーリン・アフェアーズ隔月刊のウエブサイト11月17日更新「ドラゴンネ
ット―中国の次なる経済奇跡」と題する報道によれば、マッキンゼーグローバル研
究所の最新レポートでは、2025年までに、デジタル化、つまり、オンラインマーケ
ティングやサプライチェーン管理の適応から、ビッグデータ分析や物のインターネ
ットのような最先端のイノベーションが、中国のGDP全体成長のうちの22%のシェア
を占めるとしている。
 中国がどれほどの程度においてこの潜在力を実現できるかは、政府が有利な政策
環境を創造する能力、企業がデジタル化を実現する意欲、労働者の適応能力にかか
っている。
 2012年現在、インターネットを使って調達や販売、市場マーケティング等の業務
を行う中国の中小企業はわずか4分の1にすぎない。しかし、これら中小企業がネッ
トにつながり、さらに大きな規模の企業と同じように業務運営を最適化できれば、
新しい提携先を見つけられるし、電子商取引を通じて企業の影響範囲も拡大する。
これらのタイプの変革はハイテク部門以外の従来型産業に広く伝わり始めており、
このことによって、さらに早く生産性がアップする。
 報道では不動産業を例にとっているが、中国の不動産購入や不動産賃貸希望者は
捜房網等のウエブサイト上で理想の物件を探すことがますます多くなっている。本
当に買いたいと思う買い手を素早く見つける能力が不動産検索と取引で最適化され
つつあり、このことによって、開発業者や不動産仲介のマーケティングやコストが
減少している。
 現在、地方政府はネット上で土地オークションを実施し、淘宝網にはネット上に
裁判所が没収した不動産のオークションプラットホームがある。開発業者、請負業
者、チェーンホテルは現在、通常、電子商取引プラットホームを通じて建材、設備、
内装用品を調達し、このことによって、調達コストを5%―30%下げている。
 GDPと生産性に対する影響のほか、インターネットは経済内部の不透明な箇所に
透明性を注入できる。
 例えば、新しいインターネットツールは、以前よりも、貸出機関がいつでも詳細
で綿密な方法を使って信用履歴の収集分析することを支援する。これは不良債権が
ふえ続ける勢いを弱められるし、さらに多くの資本を効率がより高い企業に向けさ
せ、このことによって、大小の企業のそれぞれの競争力が上がる。
 報道では、意思決定者が直面する核心的な問題の一つは、中国が宣言した「市場
メカニズムの役割を発揮させる」という目標と見ている。インターネットは勝者が
シェアを握る競争を加速させるかもしれず、政府は、恐らく市場の発展を監督し、
経済全体の生産性が最大程度向上するよう確保しなければならない。
 過去20年余り、中国は大規模な資本投資や労働力の拡張に頼って飛躍してきたが、
現在、この2つの成長エンジンは勢いを失っている。デジタルが発展していく段階
ではリスクと破壊をもたらされることは疑いないが、企業の潜在的な生産力を顕在
化させれば、インターネットは中国が持続可能な経済モデルという目標に向かって
進む助けになる。〔参考消息2014年11月20日〕

今年のインターネット保険収入は急成長

 中国保険監督管理委員会の陳文輝副主席は19日、「2014鳳凰財経サミット」にお
いて、インターネット保険は、各種金融イノベーションの高まり、大型金融、大型
資産管理のはやりも背景にあって、保険業の成長余地は巨大で、潜在力は無限で将
来性があるとし、イノベーションが中国保険業の急成長の新エンジンとなっている
と指摘した。
 昨年の淘宝の双11では、返品配送保険の1日の成約件数が1.5億件を超え、保険収
入は9000万元近くとなり、1日当たりの保険成約数の世界記録をつくった。今年の
双11も終わり、返品配送保険は1.86件に達し、再び世界記録を更新した。
 ここ数年、金融イノベーションの波が沸き立ち、保険の領域においてもインター
ネット保険は急成長のトレンドをあらわしている。
 2013年保険業のインターネット保険業務収入は318億元だが、2014年は1―3四半
期で既に622億元に達し、昨年1年間を195%上回り、成長のトレンドは非常に急速で
ある。〔中国新聞網2014年11月19日〕

中国アニメ産業 今年1000億規模に近づく

 「中国のアニメ産業規模は今年1000億元に達すると見られ、成長率は大体15%前
後である」上海早鳥投資管理センターの共同創業者で、董事総経理の謝坤澤氏は11
月18日、第1回中国モバイルインターネットコンテンツ開発者大会及び中国スマー
トコンテンツ・開発者大会の席上でこのように述べた。
 謝坤澤氏は、アニメ分野にはチャンスがとても多く、派生商品や品質が今後の産
業発展のトレンドになると見ている。
 ここ数年来、中国のアニメ産業は急成長し、既にアニメ大国になっている。しか
し、アメリカ、日本、韓国等アニメ強国に比べれば、中国は大きく水をあけられて
いる。
 文化部文化産業司の呉江波司長によれば、日本、アメリカに比べ、韓国は1990年
代にアニメ産業に足を踏み入れた。韓国には日本ほど先進的なアニメ産業はないし、
アメリカほど先進的な映画産業もないが、韓国の家庭におけるブロードバンド普及
率は世界一である。韓国はこの優位性を活用して、デジタル動画インフラを突破口
とし、コンピューターネットワークを基礎に、新しい媒体によるアニメの発展を推
進している。
 「韓国の状況と類似し、ネットワークアニメやモバイルアニメを代表とする新し
い媒体によるアニメは、ここ2年において中国では相当強い発展潜在力や成長余地
があらわれ始めており、既に中国のアニメ産業の新たな成長点となっている」(呉
江波司長)
 2012年、中国の新しい媒体によるアニメの生産額は58.36億元に達し、2011年に
比べて46.7%増で、増加の伸びは同時期のアニメ産業の2倍以上となった。
 呉江波司長はまた、新しい媒体では、中国のアニメ産業は、海外のアニメ強国と
同じスタートラインに立てるだけでなく、中国には巨大な消費市場潜在力があると
している。
 「我々は北京郵電大学のリーダー組織に委託し、モバイル端末アニメの国家標準
を作成し、既に作成した草案について業界の意見を求めている。同時に、国際的に
中国の標準が推進できるよう、積極的に国際的な標準立案に努め、モバイル端末ア
ニメ標準及び産業研究・発展の持続的メカニズムづくりを強化している」(呉江波
司長)
 中国モバイルアニメ基地の向黎生副総経理は、以前はコンテンツと販売が多かっ
たかもしれないが、今後のデジタルアニメは中国の伝統アニメを変えるかもしれな
い。したがって、どのようにして新しい媒体によるアニメ方式を通じ全体の投資リ
スクを下げるかを考える必要があると見ている。
 「アニメ基地の視点からいうと、今後のデジタル化したコンテンツの販売、デジ
タルコンテンツの開拓、情報化サービス、垂直的なアニメ通信販売、著作権運営等
の5つの方面で今後主流のビジネスモデルをつくることになるだろう」
 向黎生副総経理は、今後、著作権をどのようにモバイルアニメ標準と結びつける
か、どのようにデジタル製品から実際の商品へ著作権を連動させるか、権利保護、
登記、管理から、ルートの販売、ユーザーの運営等までを含め、どのように著作権、
物流、販売、ルート管理について権利保護等を行うか、中国的著作権戦略と新しい
システム構築が必要だと見ている。〔中国経済時報2014年11月20日〕
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